今年1月28日、経済アナリストの森永卓郎氏が死去した。
原発不明がんと闘いながらも、亡くなる直前までメディアに出演し続け、世界経済の行方に多くの警鐘を鳴らしてきた。
「AIバブルは崩壊する…」「日経平均はこれから大暴落する…」
彼がこう語った背景には一体何があるのか。そして残された私たちは、この先行き不透明な社会をどう乗り越えていくべきなのか。
森永卓郎氏が全日本人に送る最期の提言! 激動の時代を生き抜くための戦略と覚悟を『この国でそれでも生きていく人たちへ』より一部抜粋・再編集してお届けする。
『この国でそれでも生きていく人たちへ』連載第58回
『「レバレッジ投資」の中毒性と依存性に注意!…森永卓郎さんの息子・康平さんが警告する「FX」の「落とし穴」』より続く。
「負け組物件」をつかまされないために
手堅い投資として、「不動産投資」に興味がある方も多いだろう。
父もあちこちで主張しているが、いま東京など大都市圏の不動産価格は非常に高くなっている。都内では新築マンションの平均価格が1億円を超え、中古でも8000万円を超えるなど、一般的な世帯が易々と購入を検討できる価格ではなくなっている。
現状は「不動産バブル」かどうかさまざまな議論があるが、私は都心部の不動産についてはまだまだ値上がりするように思う。
森永卓郎氏ただ、日本全国どこでも不動産価格が上昇するかというと、そうはならない。都心部の人気物件など、投資家が殺到するような一部の「勝ち組物件」を狙わないと、値上がりを期待するのは難しいと思う。
たとえば同じ虎ノ門でも、道路のこちら側と向こう側で価格の上昇率が全然違ったりしている。都心部でも値下がりが始まった物件もあるので、「値上がりする物件」を目利きしなければならない。
安易に「不動産投資は儲かる」と考えて、うっかり「負け組物件」をつかんでしまうと、大きな資金が拘束されるだけでまったく利益が出ない、ということになりかねない。