◆ウエスタン・リーグ ソフトバンク4―0広島(9日、タマスタ筑後)
ソフトバンクの谷川原健太捕手(27)が2軍合流の初戦で、落ち着いたリードを見せた。「7番捕手」でフル出場。先発の東浜、育成の大竹、川口と組み、広島打線に仕事をさせなかった。
試合前のミーティング。
「1軍のつもりで投げるから、そのつもりで来てほしい」
東浜から言葉をかけられ、よりモチベーションが上がった。4回までパーフェクト。5回と7回に1本ずつ安打を許しただけで、東浜をもり立てた。「巨さんから『まんべんなく球種を使おう』と話していて、シンカーに頼りがちにならず、良さを引き出せたかなと思う」とうなずいた。
東浜は「左右と内と外を、谷(川原)とうまくコミュニケーション取りながら、ほとんど首を振ることなく投げた。谷のリードがさえていた」と話した。
10年目の今季は開幕スタメンのマスクをかぶったが、7日に出場選手登録を抹消。小久保監督は「ブロッキングとスローは2月に比べて上達したけど、捕手として投手の良いものを引き出せるかというところ。配球だけでなく、投手の良い部分を引き出せるか。そのへんは細川亨(2軍バッテリーコーチ)に引き出してもらえるように」と説明した。
細川2軍バッテリーコーチから「試合中は野手も追いつこうとして戦っているし、投手も点を取られないように投げている。おまえが試合中に反省して何になるんだ」と諭されたという。「すごく心に刺さったし、はっとさせられた」と谷川原は明かす。3月28日のロッテとの開幕戦(みずほペイペイドーム)は5回まで無失点。6回に一挙6点を取られた。「反省というかすごく考えてしまった。でもいい結果にはつながらなかった。試合中はどんなことがあっても、反省せずに、次どうするかを考える。時間は止まってくれない」と苦い経験を語った上で、前を向く。
「細川さんが細かく教えてくれる。細川さんから学べることを全てを僕のものにして、もう一回上で変わったなという姿を見せたい」。谷川原はそう意気込んだ。
(浜口妙華)