プロ野球のオリックスと近鉄の統合問題で、神戸市や地元企業などでつくる「オリックス・ブルーウェーブ後援会」が27日、今後も本拠地を神戸に置くことを求める署名活動を始めた。
矢田立郎市長も街頭で市民一丸となって「移転反対」を求めていく姿勢をアピール。この日だけで約1万人分の署名が集まった。署名簿は、7月1日のパ・リーグ臨時理事会を前に球団に提出する。
阪神大震災が起きた1995年に「がんばろうKOBE」を合言葉にリーグ優勝したチームに元気づけられた市民らは「震災10年を控え、これからが踏ん張り時。ずっと神戸を元気づけて」と訴えていた。
統合問題が浮上した直後から大阪残留を強く主張してきた大阪市とは対照的に、神戸市は「市民球団として信頼している」として静観の構えだった。しかし、先週末、近鉄側の「本拠地は大阪を軸に」との案が明らかになり、市民の間に不安と動揺が広がった。
神戸市は1988年にヤフーBBスタジアム(須磨区)を約60億円で整備。90年にはサブ球場などを増設、2002年には、球団の裁量で球場を管理運営できる5年間の協定を結ぶなど、<市民球団>としてサポートを続けてきた。
この日、オリックスの帽子をかぶり、三宮センター街に立った矢田市長はボランティア約50人と署名集めをし、「震災後、夢や勇気を与えてくれた球団が、神戸を去ることは考えられない」と訴えた。
(2004/6/27/22:47 読売新聞 無断転載禁止)