「心筋シート」を承認申請

赤い培養液が入ったシャーレの中で動く心筋シート
大阪大の
澤芳樹特任教授らが
開発した
人工多能性幹細胞(iPS
細胞)から
作る「
心筋シート」について、
澤氏が
参画するベンチャー
企業「クオリプス」(
東京)は8
日、
厚生労働省に
製造販売承認を
申請したと
発表した。iPS
細胞由来の
再生医療製品の
承認申請は
初めて。
澤氏は
同日夜に
取材に
応じ「シートの
開発から10
年、
長くかかったなという
印象だが、
治療の
手応えは
感じている。
世界中の
人の
病気を
治せるよう、
新しいステップを
踏み
出せた」として
今後に
期待を
寄せた。
承認申請は
世界でも
初とみられるという。
同社によると、
大阪大のチームは2020
年1
月、
心筋シートを
重症心不全の
患者に
移植する
治験を
開始。これまでに
大阪大や
東京女子医大、
九州大などで
計8
人に
移植を
実施し、いずれも
疲労感や
動悸などの
症状が
軽くなった。
半数以上で
心機能や
運動能力の
改善もみられ、
重篤な
副作用は
確認されていない。これらの
結果を
受け、
申請を
決めたという。
心筋シートは
他人のiPS
細胞から
作製した
心筋細胞をシート
状にしたもの。