私は夢を提供しているだけさ。
正義が欲しければ正義を。悪が欲しければ悪を。
するとどうなる?
みんな他人の夢が許せなくなる。
他人の贅沢、他人の美貌、他人の幸福が許せなくなる。
やがて人と人、国と国とが争い合い、君たちの言う絆は簡単に壊れる。
ウルトラマントレギアとは、ウルトラシリーズに登場する悪のウルトラマンである。
CVはトレギア大好きおじさん内田雄馬。
概要
『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』で初登場。青と黒を基調とした容姿をしており、目元にはオペラ風の仮面、胸にはX字型の拘束具でカラータイマーを覆う等、既存のウルトラマン像からかけ離れた容姿をしている。トレラアルティガイザーという光線技の他、怪獣を暴走させるイスキュロス・ダイナミス、魔法陣を介して単独で多元宇宙(マルチバース)を行き来するトレラ・スラーといった呪術まで扱える模様。
後に地上波で放送される『ウルトラマンタイガ』では主人公のライバルとして暗躍し、前日談でもある『ウルトラギャラクシーファイト』ではウルトラ戦士への復讐を志すウルトラダークキラーに影ながら協力していた。
人物像
口調は至って紳士的で、表面上は物腰柔らかな態度を取っているが、その本性は狡猾にして残忍。数多の宇宙を行き来しつつ、突如として異空間から姿を現し、夢破れて行き詰ったり悩み事を抱えたりしている人間を言葉巧みに誘惑し悪や絶望に誘い込み破滅に追いやっている。最終的には相手に見合った二択の選択肢を突き付け、どちらを選ぶか相手に決めさせるまでが手口。
一例として戦いを終えて皆が各々の進路を見出す中自分だけ何の進路を見い出せず、夢破れた友人の力になれない無力感に打ちひがれる湊カツミの前に現れ、「ウルトラマンとして宇宙に旅立ち救いを求める者達の力になるか、このまま何も出来ない青年として生きていくか」の二択を突き付けている。
一方物事が自分の思い通りに行かないと気に召さない性格でもあり、湊アサヒがウルトラウーマングリージョに覚醒した際、タイガがヒロユキ達との絆で新たな力を手に入れた際には普段の態度からは一変して癇癪を起こしている。相手から敵対心を向けられようとやる事を済ませたらそそくさと帰る気分屋でもある。
劇場版のシナリオを作成する担当した中野貴雄曰く、「ベリアルが帝国を率いる魔王ならトレギアは人々の心に隙入る悪魔」「現代社会において誰もが抱える不満や鬱憤を募らせた者の前に現れ、そいつの欲望を解放させる事に悦を見出す悪人」と新しい悪トラマンを生み出す上でウルトラマンベリアルとの区別化も踏まえたキャラ付けを意識しているらしい。
劇場版ウルトラマンR/B
ウルトラマンロッソ・湊カツミの親友でもある戸井ゆきおに干渉し、自身の能力でスネークダークネスという怪獣に変えさせた。
かつての戸井は皆に夢を与えられるゲームを創る事を志し、ゲームクリエイターとして専門企業に就職したが雑用ばかり押し付けられ、思うように働けない環境からやがて退職。親に養われながら挫折と後悔に苛まれる戸井の心の弱みに漬け込み、いずれ世に出そうとしていたクリーチャーデザインを現実に具現化させ、自分を認めてくれない世界そのものへ報復をするように唆した。“暗闇の蛇”という意味から名付けた戸井のセンスには「中々の厨二病」と評している。
それ以外にもベリアルの息子である朝倉リクことウルトラマンジードに目を付け、彼の親友であるペガ(ペガッサ星人)を怪獣の中に取り込ませ「大罪人の息子として産まれた彼が親友を失った時、父のように闇に魅入られるか否か」を確かめるために怪獣ごとペガをリクに殺させようと目論んだ(※ライハやAIBの助けが得られないシチュエーションにするために、サイドスペースからウルトラマンが存在していないと思われていた宇宙にある綾香市までリクとペガを連れ出した)。
湊兄妹の絆によって誕生したウルトラマングルーブとウルトラマンジード・ウルティメイトファイナルによって倒されたが、EDによって生存していた事が判明。その際カメラ目線で観客に話しかける、第4の壁を意識しているかのような演出がなされている。
後に発売されたR/B超全集ではラスボスにして元は宇宙の白血球と呼ばれていたルーゴサイトの遺伝子を弄り、暴走させた原因である事が明かされた。
ウルトラギャラクシーファイト
煮え湯を飲まされたグルーブへの対策も兼ねてウルトラダークキラーにウルトラウーマングリージョを人質に取り、ウルトラマン達を誘い込むように唆した模様。異空間で魔法陣を通してギンガ達新世代ウルトラマンの戦いを見物していたが、居場所を特定したウルトラマンリブットと交戦した後、退却した。その後ギンガ達の前に現れ、自身を闇のウルトラマンと評すジードに対して「そうやってお前達は片方の側面からしか物事を見ない」と反論。その後光の国を壊すしかないと宣戦布告する。
ウルトラマンタイガ
今作で出身地がM78星雲・光の国である事、主人公・タイガの父でもあるウルトラマンタロウの親友であった事が明かされた。ベリアルに次ぎ、光の国における二人目の悪トラマンである。公式のTwitterによると闇に堕ちる前はウルトラマンヒカリ同様ブルー族の科学技術局・局員として宇宙の平和のため尽力していた(ヒカリの辞職からしばらく経った頃、当時の技術局長官から次期副長官就任の相談をもちかけられるほどの業績を出していた)が、やがて正義と悪、光と闇について研究を続けていく内に国から出奔してしまった(後に明かされた媒体ではメビウスが地球防衛任務を任される前と思われる時期には既に姿を消していたらしい)とのこと。
タロウとは学生時代からの仲であり、かつてタロウが好きな女子(ウルトラウーマン)にラブレターを出す際に内容を添削してあげた程の仲らしいが、光の国を攻める直前(『第一話』)にタロウと対峙した際には普段の飄々した態度を一変させ、『ウルトラヒーローズEXPO 2020』ではタイガの危機に駆け付けたタロウに「会いたかったよ」と腹部を右腕で貫き、その後突き刺した腕を顔に擦り付けた後、愛おしそうに抱き締めるなど、相当歪んだ感情を抱いている模様(なおウルトラ心臓は無事だったおかげでタロウは復活した)。
地球で潜伏するに辺り、「霧崎(演:七瀬公)」という青年の姿に擬態しており、元の姿に戻る際には専用アイテム・トレギアアイで変身を行う。
宇宙人が影ながら生活している地球に目を付け、滞在している宇宙人を唆す、怪獣を無理矢理暴走させる、親密になれた宇宙人を目の前で殺す等、あらゆる手でタイガとヒロユキ達を追い詰める。特にヒロユキが幼い頃生き別れてしまったチビスケ(キングゲスラ)を無事大人しくさせたにも関わらず、タイガとヒロユキを絶望させるため目の前でチビスケを痛めつけ最後にはタイガを庇わせる形で殺害した際はあまりの後味の悪さに視聴者に濃い印象を残した。犯罪者とマフィアで構成された異星人組織・ヴィランギルドからも「厄介な存在」として危険視されている模様。
タロウという偉大な父親の息子としてのプレッシャー、誰もが「タロウの息子」としてしか評価してくれない不安と焦りを抱くタイガには闇に堕とせられる素質を感じたようで、自身の傘下にある怪獣を倒す事で手に入れられる指輪を敢えて渡し続けた。それは怪獣達の力を扱える反面、使えば使うほどタイガの意識を闇で侵食していき、最終的にはヒロユキの声が届かなくなるまで闇に蝕まれたタイガは意識すら奪われてしまい、自分の意のままに動く人形と化したタイガをタロウ達が待つ光の国へ向かわせようと目論んだ。
昨日までのタイガは死んだ。新しいタイガの誕生だ。
もう地球人がいなくても変身できる。新しい相棒は闇のエネルギーというわけだ。
君と僕とでバディゴー
しかしタイガとの絆を諦めなかったヒロユキ達とタイタス、フーマの手によりタイガは闇から開放された。タロウの息子としてではない、タイガ個人として向き合ってくれる相棒と仲間達の存在を再確認し、自らのコンプレックスからも脱却したタイガ達は新たな力・トライストリウムへと覚醒する。自らの計画が狂った事、それも地球人如きとの絆で形勢逆転されたトレギアは憤慨する。
まだ絆を語るのか、反吐がでる!
この弱者が!貴様らが宇宙の番人だと誰が決めたッ!!
余裕を無くしたトレギアの攻撃は全ていなされ、新たな技・トライストリウムバーストによってタイガ達の前に敗れた。
何が光だ…!
貴様らに私の何が分かるッ…!!
この時の戦いで地球人でありながらタイガを救ったヒロユキの方にも付け狙うようになり、隙を見ては彼の仲間や身近な者達を何度も目の前で死に至らしめる嫌がらせを続け、「自分が狙われている以上皆に被害が及ぶ」という認識を植え付けさせ絶望の淵に落とす事を目論んだ。
トレギア物語/青い影
デビュー作で闇墜ちした経緯が描かれたベリアルとは異なり、トレギアが闇に魅入られた原因・経緯はタイガ本編でも不明なまま幕を閉じたが、放送終了後に発刊されたウルトラマンタイガ超全集の書き下ろしストーリーにてその全貌が明かされた。
アストラル粒子転化システム
技術局員当時、トレギアが開発していたウルトラ戦士専用デバイス。宇宙の平和と秩序を統括するには量子構造の異なる多元宇宙でも長期で活動する必要があると設計・開発されたもの。ウルトラ族の肉体をアストラル体に変化させ、その星の生物のインナースペースに定着させる事ができる。当初は様々な宇宙に進出しているウルトラ戦士の情報が不十分だった事、情報保管庫の使用許可を貰おうにも技術局の要であったヒカリが辞職してしまった不都合が重なった事で完成には至らなかった。
その後1986年の地球から帰還したタロウ(メビウス&ウルトラ兄弟)から、「今後活躍するであろう若きウルトラ戦士と地球人との絆の象徴となりえる素晴らしい発明」とその生命体との信頼関係もとい絆をエネルギー源にするアイデアを貰い、技術局長官からの認可も下りた事で開発を再開。最終的にはキーホルダー型の端末にアストラル粒子化したウルトラ戦士の情報を組み込み、それをデバイスで読み込む事で量子構造の異なる生命体の肉体を借りて一定時間戦えるシステムとして完成に至った。
完成した際、名前が長ったらしくて呼び辛いという理由から新しい名称を考える際、二人が初めて友人になった日に見たプラズマスパークに照らされたタロウの輝かしい姿を思い出したトレギアの「タロウスパーク」というアイデアからアレンジして、光の国の原語で「太陽を抱く勇気ある者」という意味を持つ“タイガ”から、タイガスパークと名付けられた。
そして…
『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』にて闇に墜ちる前のトレギアの姿が公開。
ベリアル同様トレギアにもアーリースタイルと呼ばれる姿があるのでは?とファンからも予想されていたが、過去編にて「青い彼」と呼ばれていた通り青色のツリ目(※同じM78星雲出身で青目だとウルトラマンパワードが居る)と水色と銀色が基調の容姿だった。
アブソリュートタルタロスがベリアルの闇墜ち√を変えた影響により大筋こそ上述のトレギア物語やヒカリサーガと同じだが若干誤差が生じた時間軸で、タルタロスから自身の配下に下るよう勧誘される。
余談
プロデューサーの鶴田幸伸によるとトレギアは古代ギリシャ語で「狂った好奇心(τρέλα(トゥレラ)+περιέργεια(テリエルギア))」という意味らしい。(母国でもある光の国では「狂おしいほどの好奇心」という意味。)
関連静画
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関連項目
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ページ番号: 5609598
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リビジョン番号: 2969987
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概要を微修正。