「こんにゃく入いりゼリー」よりものどに詰つまって死亡しぼうした件数けんすうが多おおい危険きけんな食たべ物ものベスト10

「こんにゃくゼリー、また幼児ようじ死亡しぼう 対策たいさく取とられず17人にん目め」ということで「マンナンライフ」の「蒟蒻こんにゃく畑はたけ マンゴー味あじ」を凍こおらせたものを当時とうじ1歳さい9ヶ月かげつだった幼児ようじに与あたえたところ、死亡しぼうしたとのこと。上記じょうき写真しゃしんは搬送はんそう先さきの医師いしより提供ていきょうされた事故じこ品ひんの写真しゃしんです。

主婦しゅふ連合れんごう会かい事務じむ局長きょくちょうである佐野さの真理子まりこさんいわく「そもそも高齢こうれい者しゃや子こどもが食たべてはいけないお菓子かしが流通りゅうつうしていること自体じたいおかしい」とのことですが、それならもっと窒息ちっそく死しの事例じれいが多おおい危険きけんな食たべ物ものについても同様どうように検討けんとうすべきではないでしょうか。

というわけで、「こんにゃく入いりゼリー」よりものどに詰つまって死亡しぼうした件数けんすうが多おおい危険きけんな食たべ物ものを調しらべてみました。ベスト10は以下いかから。
厚生こうせい労働省ろうどうしょう：食品しょくひんによる窒息ちっそく事故じこに関かんする研究けんきゅう結果けっか等とうについて

この調査ちょうさは2008年ねん1月がつから3月がつにかけて行おこなわれたもので、2006年ねん1月がつ1日にちからの1年間ねんかん、消防しょうぼう本部ほんぶおよび救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターを対象たいしょうとして事故じこ事例じれいを調しらべたもの。なお、国民こくみん生活せいかつセンターのデータによると、この期間きかんにおいて「こんにゃく入いりゼリー」で死亡しぼうした件数けんすうは「2件けん」です。なので、2件けんよりも多おおいものを列挙れっきょすることにします。

まず、消防しょうぼう調査ちょうさでは全部ぜんぶで432例れいあり、中身なかみを大別たいべつすると以下いかのようになります。

もち：77例れい
ご飯はん（おにぎり含ふくむ）：61例れい
パン：47例れい
あめ：22例れい
すし（食品しょくひん成分せいぶん表ひょうで分類ぶんるいできないのでその他た扱あつかい）：22例れい
おかゆ：11例れい
だんご：8例れい
流動りゅうどう食しょく（食品しょくひん成分せいぶん表ひょうで分類ぶんるいできないのでその他た扱あつかい）：8例れい
カップ入いりゼリー：8例れい
ゼリー：4例れい
しらたき：4例れい

次つぎに、救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターでは全部ぜんぶで371例れいあり、中身なかみを大別たいべつすると以下いかのようになります。

もち：91例れい
パン：43例れい
ご飯はん（おにぎり含ふくむ）：28例れい
すし（食品しょくひん成分せいぶん表ひょうで分類ぶんるいできないのでその他た扱あつかい）：19例れい
だんご：15例れい
流動りゅうどう食しょく（食品しょくひん成分せいぶん表ひょうで分類ぶんるいできないのでその他た扱あつかい）：13例れい
おかゆ：11例れい
あめ：6例れい
カップ入いりゼリー：3例れい

この両方りょうほうを足たした結果けっか、明あきらかになった「こんにゃく入いりゼリー」よりものどに詰つまって死亡しぼうした件数けんすうが多おおい危険きけんな食たべ物ものベスト10は以下いかの通とおり。意味いみがないような気きもしますが、こんにゃく入いりゼリーの2例れいと比較ひかくして何なん例れいかを計算けいさんし、何なん倍ばい危険きけんかも示しめしてあります。

1位い：もち（168例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の84倍ばい危険きけん）

2位い：パン（90例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の45倍ばい危険きけん）

3位い：ご飯はん（89例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の44.5倍ばい危険きけん）

4位い：すし（41例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の20.5倍ばい危険きけん）

5位い：あめ（28例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の14倍ばい危険きけん）

6位い：だんご（23例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の11.5倍ばい危険きけん）

7位い：おかゆ（22例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の11倍ばい危険きけん）

8位い：流動りゅうどう食しょく（21例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の10.5倍ばい危険きけん）

9位い：カップ入いりゼリー（11例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の5.5倍ばい危険きけん）

10位い：ゼリー＆しらたき（それぞれ4例れい、「こんにゃく入いりゼリー」の2倍ばい危険きけん）
※こんにゃく入いりゼリーの方ほうが、ご飯はんなどと比較ひかくして口くちにする割合わりあいが少すくないので、「ご飯はんはこんにゃく入いりゼリーよりもはるかに高たかい危険きけんが食事しょくじのたびに付つきまとっている」わけではないです。

で、堂々どうどうの1位いとなった「もち」ですが、窒息ちっそくの原因げんいんを見みてみると、もちは口くちにはいるときの温度おんどは50度ど～60度どでやわらかいのですが、体温たいおんに近ちかい40度どになると硬かたくなって付着ふちゃく性せいも増加ぞうかするため、窒息ちっそくの要因よういんになると推察すいさつされていることがわかります。

「こんにゃく入いりゼリー」の場合ばあい、冷ひやして食たべる食たべ方かたが窒息ちっそくの一ひとつの要因よういんになると推察すいさつされています。

また、窒息ちっそく死し全体ぜんたいの年齢ねんれいを見みると、65歳さい以上いじょうの老人ろうじんと1歳さい～4歳さいの乳幼児にゅうようじが多おおかったとのことなので、それらの年齢ねんれいの人ひとについてはそもそも窒息ちっそくしやすいという認識にんしきを高たかめていく必要ひつよう性せいがあるわけです。

主婦しゅふ連合れんごう会かい事務じむ局長きょくちょうである佐野さの真理子まりこさんの「そもそも高齢こうれい者しゃや子こどもが食たべてはいけないお菓子かしが流通りゅうつうしていること自体じたいおかしい」という発言はつげんはおそらくこういったデータをよく知しらなかったがゆえに引ひき起おこされたものです。

つまり、「65歳さい以上いじょうの老人ろうじんと1歳さい～4歳さいの乳幼児にゅうようじにもち・パン・ご飯はん・すし・あめ・だんご・おかゆ・流動りゅうどう食しょく・カップ入いりゼリー・ゼリー・しらたきを食たべさせると窒息ちっそく死しする可能かのう性せいが高たかい」ということをより周知しゅうち徹底てっていすることが先決せんけつであり、「マンナンライフ」に圧力あつりょくをかけて「蒟蒻こんにゃく畑はたけ」を発売はつばい禁止きんしにするのはお門違かどちがいです。「こんにゃく入いりゼリー」を発売はつばい禁止きんしにしても何なにも問題もんだいは解決かいけつしません。

なお、「こんにゃく入いりゼリー」がことあるごとに叩たたかれて、「もち」などがあまり問題もんだい視しされないのは、その食品しょくひんが登場とうじょうしてからの歴史れきしの違ちがいにも原因げんいんがあると考かんがえられます。「正月しょうがつに雑煮ぞうにのもちをのどにつまらせて死亡しぼう」という黄金おうごんパターンのように、危険きけん性せいがまだまだ周知しゅうちされていないためであると推測すいそくされます。そのため、「こんにゃく入いりゼリー」についてメーカーができることは、まさに地道じみちな周知しゅうち徹底てってい作戦さくせんだけだと思おもわれます。

2008/10/01 15:40追記ついき
非常ひじょうにわかりにくいのですが、参考さんこうにしたレポート中ちゅうにおいて明示めいじされてはいないものの、文脈ぶんみゃくから考かんがえて「カップ入いりゼリー」というのが「こんにゃく入いりゼリー」を示しめしているようです。また、件数けんすうについても死亡しぼう事故じこと傷病しょうびょう程度ていどの事故じこなどを合計ごうけいして「窒息ちっそく事故じこ」として記載きさいされているようです。