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2010年ねん　10月11日にちの新作しんさく昔話むかしばなし

二人ふたりの兵士へいしと強盗ごうとう
イソップ童話どうわ　→　福ぶく娘むすめ童話どうわ集しゅうのイソップ童話どうわ

　二人ふたりの兵士へいしが一緒いっしょに旅たびをしていると、二人ふたりは突然とつぜん、強盗ごうとうに襲おそわれました。
　兵士へいしの一人ひとりはすぐに逃にげ去さり、もう一人ひとりはそこに留とどまって、なんとか強盗ごうとうをやっつけました。
　強盗ごうとうが倒たおされると、逃にげ出だした臆病者おくびょうものがやってきて剣けんを抜ぬき、マントを放ひり投なげるとこう言いったのです。
「さあ、強盗ごうとうめ！　私わたしが相手あいてだ！　誰だれを相手あいてにしているのか、思おもい知しらせてやるぞ！」
　すると強盗ごうとうと戦たたかった当とうの本人ほんにんが、あきれた顔かおで言いいました。
「たとえ言葉ことばだけでも、今いまのように助たすけてくれたら、どんなに心強こころづよかっただろう。だけどもう、その役立やくだたずの剣けんと舌したをしまってくれ。・・・これを知しらない者ものを、だますときまで」

　人間にんげんは、ピンチの時ときに本性ほんしょうを現あらわします。
　相手あいてがこの臆病おくびょうな兵士へいしの様ような人間にんげんだったら、もう付つき合あうのはやめましょう。

おしまい