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6月7日にちのｲｿｯﾌﾟ童話どうわ


イラスト　myi　　　ブログ　sorairoiro

カとライオン

※本ほん作品さくひんは、読者どくしゃからの投稿とうこう作品さくひんです。　投稿とうこう希望きぼうは、メールをお送おくりください。→連絡れんらく先さき

投稿とうこう者しゃ : 神栖かみす星ほし花はな研究所けんきゅうじょ　「神栖かみす星ほし花はな研究所けんきゅうじょ」

　カがライオンの所ところへ行いって、言いいました。

「ぼくはきみが怖こわくなんかないよ。
　動物どうぶつの王おうさまといばっているけど、きみはぼくより強つよくなんかない。
　もし、きみの方ほうが強つよいというのなら、その証拠しょうこを見みせてごらん。
　爪つめで引ひっ掻かいたり、噛かみついたり出来できるって。
　・・・まあ、無駄むだな事ことだけどね。
　何なにしろぼくは、きみよりずっと強つよいんだから。
　・・・あれ、うたがっているの。
　何なになら今いますぐ、きみと一いち騎き討うちしよう」

　そしてすぐさま、カはライオンに襲おそいかかりました。
　ライオンの鼻はなの穴あなのまわりの、毛けのない所ところを狙ねらって、ちくり、ちくりと刺さしたのです。
　ライオンはかゆくてたまらず、自分じぶんの爪つめでそこをひっかいて血ちだらけになりました。
「こうさん、こうさん」

　ライオンは、勝負しょうぶをあきらめました。
　カはライオンを負まかしたので、
「ブウウーン」
と、勝かちどきをあげ、
「♪ブブブン　♪ブブブン」
と、勝利しょうりの歌うたを歌うたいながら、飛とび立たちました。

　ところがクモくもの巣すに引ひっかかって、クモのえじきになってしまいました。
　クモに食くわれるとわかった時とき、カは泣なきべそをかいていいました。

「ライオンよりも強つよいこのぼくが、クモなんていう、けちな奴やつの為ために死しぬとは。やれやれ、何なにて事ことだ」

　このお話はなしは、強つよい者ものに勝かちながらも、ちょっとした不注意ふちゅういから弱よわい者ものに負まけてしまう人ひとに教おしえてあげるお話はなしです。

おしまい