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4月がつ18日にちの日本にっぽん民話みんわ



弘法ぐほうさまの寄より木き
山形やまがた県けんの民話みんわ → 山形やまがた県けん情報じょうほう

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　むかしむかし、一人ひとりのみすぼらしい旅たびのお坊ぼうさんが港町みなとちょう(みなとまち)にやって来きました。
　昨日きのうからの雨あめでびしょぬれになったお坊ぼうさんは、海岸かいがんの宮沢みやざわ村むら(みやざわむら)にたどりつくと村むらはずれの一いち軒けんの家いえの戸とを開あけて頼たのみました。
「旅たびの僧そうですが、一夜いちやの宿やどをお願ねがいいたします」
　その家いえは夕食ゆうしょくどきでしたが、お坊ぼうさんをこころよく家いえにあげてくれたうえ、自分じぶんたちの分ぶんを少すこしづつ減へらして、お坊ぼうさんの食たべるごはんを用意よういしてくれたのです。
　また家いえの人ひとたちは、、
「たき木きも少すくなく、ろくに火ひも燃もやす事ことも出来できずに申もうしわけありません」
と、言いいながらも、みんなでありったけの木きクズを集あつめて燃もやしてくれたので、お坊ぼうさんのぬれた着物きものも翌朝よくあさにはすっかり乾かわきました。

　次つぎの朝あさ、お坊ぼうさんは旅立たびだつ前まえに言いいました。
「あたたかいおもてなし感謝かんしゃいたします。
　来年らいねんからは、この村むらのみなさんがたき木きに不自由ふじゆうしないようにいたしましょう」

　それから一いち年ねん近ちかくたち、北風きたかぜが吹ふいて海うみが荒あれ始はじめると、どこからかたくさんの流木りゅうぼくが海岸かいがんにおし寄よせて来きたのです。

　そして次つぎの年としもその次つぎの年としも、流木りゅうぼくたえる事ことなく海岸かいがんにおし寄よせて来きたのです。
　間まもなく村人むらびとたちは、あの時ときのお坊ぼうさんが有名ゆうめいな弘法大師こうぼうだいし(こうぼうたいし)であった事ことを知しり、冬ふゆになって流木りゅうぼくが海岸かいがんに打うち寄よせて来くると、
「今年ことしも弘法ぐほうさまの寄より木きがやって来きたぞ！」
と、ありがたくそれを拾ひろい集あつめる様ようになったという事ことです。

おしまい