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足長手長 福島県の民話 <福娘童話集 きょうの日本民話>
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足長手長

足長あしなが手長てなが
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日本語にほんご ・日本語にほんご中国ちゅうごく

音声おんせい配信はいしん(html5)
朗読ろうどくしゃ : スタヂオせんむ

 むかしむかし、会津あいづ(あいず→福島ふくしまけん)の盆地ぼんち(ぼんち)に、どこからともなくおそろしい魔物まもの(まもの)があらわれました。
 その怪物かいぶつは、足長あしなが手長てなが(あしながてなが)という夫婦ふうふ魔物まものです。
 おっと足長あしながはそのとおりとてもあしながく、どんなにとおくてもあしばせばとどきます。
 つま手長てながはとてもながく、どんなとおいところのものでも、すわったままでヒョイとつかむこと出来できました。
 この足長あしなが手長てなが夫婦ふうふは、なぜか会津あいづ土地とちったようです。

 つま手長てなが磐梯山ばんだいさん(ばんだいさん→福島ふくしまけん北部ほくぶ猪苗代湖いなわしろこきたにそびえる活火山かっかざん標高ひょうこう1819メートル)の頂上ちょうじょう(ちょうじょう)にすわり、おっと足長あしなが会津盆地あいづぼんちをひとまたぎしています。
手長てながよ、そろそろはじめるか」
「はいよ、足長あしなが
 二人ふたり魔物まものこえをかけあうと、足長あしながあしがグングンとびて、あちこちのくもをつかんでは会津盆地あいづぼんちうえあつめます。
 くもはたけ仕事しごとをしているひとたちのあたまうえをおおい、みるみるうちにあたりはくらくなっていきました。
今度こんどはおめえだ、手長てなが
「はいよ、足長あしなが
 今度こんど手長てながながで、猪苗代湖いなわしろこ(いなわしろこ→福島ふくしまけん中央ちゅうおう湖面こめん標高ひょうこう514メートル。最大さいだい深度しんど94メートル。周囲しゅうい63キロメートル。面積めんせき103平方へいほうキロメートル)のみずをすくってばらまきます。
 それは大粒おおつぶあめとなって、はたけ仕事しごとをする人々ひとびとうえりかかりました。
「あっはっはっは、てみろ、あのあわてぶり!」
「ゆかいだね、足長あしなが
 足長あしなが手長てながのせいで、会津あいづくらあめつづきました。
 村人むらびとたちは、ほとほとこまりました。
「このまま、おてんとさまがなければ、いえのダイコンがれてしまうぞ」
「このまま作物さくもつれてしまったら、おらたちはどうなるだ?」
「そりゃあ、じににしかねえ」
なにとか、ならねえか」
なにとかとっても、相手あいてがあんな魔物まものでは」
 こんな村人むらびとたちをて、足長あしなが手長てながだいよろこびです。

 そんなあること、ボロボロのころもをまとった弘法大師こうぼうだいし(こうぼうだいし)というおぼうさんが、この会津あいづむらにやってました。
「これはひどい」
 てたむら様子ようすおどろいた弘法大師こうぼうだいしは、村人むらびとたちにはなしきました。
「よし、その魔物まものをこらしめてやろう」
 弘法大師こうぼうだいしはそううと、すぐに磐梯山ばんだいさん頂上ちょうじょうのぼりました。
 そして頂上ちょうじょうから、大声おおごえいました。
足長あしなが手長てなが! わしはここをとおりかかったたびそうじゃ。姿すがたせんか!」
 弘法大師こうぼうだいしこえに、足長あしなが手長てながあらわれました。
「わっはっはっは、なにじゃ、人間にんげん坊主ぼうずか」
人間にんげんにしては、大声おおごえこえしよるわ」
足長あしなが手長てなが。わしのことをよくけ! おまえらは、どんなことでも出来できるとおもっとるだろうが、どんなに頑張がんばっても出来できことがあるぞ」
なにうか。このなかに、わしらに出来できことなど何一なにひとつないわ」
「そうか、ならばわしのとおりにやってみろ。もし出来できなければ、おまえたちはすぐにこの会津あいづ土地とちくのだ」
「よし、わかった。どんなことか、ってみろ。ただし、それが出来できたらおまえってやるからな」
 弘法大師こうぼうだいしは、ふところからちいさなつぼをしていました。
足長あしなが手長てながよ。
 おまえらは、ずいぶんとおおきい。
 だから二人ふたり一緒いっしょに、こんなちいさなつぼにはいこと出来できんじゃろう?
 どうじゃ、まいったか。
 わっはっはっは!」
なんだ、そんな簡単かんたんことか。ではいくぞ、手長てなが
「あいよ、足長あしなが
 二人ふたりこえをかけあうと、みるみるうちにちいさくなってつぼのなかはいってしまいました。
 すると弘法大師こうぼうだいしはニヤリとわらって、つぼのふたをきゅっとめました。
 突然とつぜんふたをめられて、足長あしなが手長てながはびっくりです。
「こら! ここからしゅっせ! はやくふたをけろー! けねばつぼをこわしてやるぞ!」
 つぼのなか足長あしなが手長てながあばれますが、つぼはびくともしません。
馬鹿者ばかもの! 人々ひとびとくるしめたばつとして、おまえにん永遠えいえんにつぼのなかはいっておれ!」
 弘法大師こうぼうだいしはそのつぼを磐梯山ばんだいさん頂上ちょうじょうめると、うえおおきないしせて二度にどられないようにしました。
「ちくしょう、このつぼは、なんこわれないんだー!」
 つぼには弘法大師こうぼうだいし法力ほうりきがかかっているので、足長あしなが手長てながちからではけっしてこわれません。
 やがてにんはあきらめたのか、しずかになりました。
 すると弘法大師こうぼうだいしが、つぼのなか足長あしなが手長てながいました。
「おまえたちをやままもがみとしてまつってやるから、村人むらびとたちのためにつくすがよいぞ」
 こうして足長あしなが手長てながは、弘法大師こうぼうだいしによって退治たいじされたのです。

おしまい

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