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10月3日にちの世界せかいの昔話むかしばなし

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制作せいさく: 世界せかい名作めいさく福袋ふくぶくろ 　　朗読ろうどく : 劇団げきだんSHOWA　ひろみ＆ポポコ　　絵え : Taku

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制作せいさく : 『Next Blue』 　【あばしりYouTuber@Solareみっちゃんねる】
〜オホーツクで活動かつどうするYouTuber6人にんで♪〜

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投稿とうこう者しゃ　ナレーター熊崎くまざき友香ゆかのぐっすりおやすみ朗読ろうどく

【大人おとなも子供こどももぐっすり眠ねむれる】世界せかいの昔話むかしばなし 心温こころあたたまる名作めいさく特集とくしゅう 元もとNHKフリーアナ お話はなし読よみ聞きかせ

ブレーメンの音楽おんがく隊たい
グリム童話どうわ　→　グリム童話どうわの詳細しょうさい

　むかしむかし、ある人ひとが、一いち匹ひきのロバを飼(か)っていました。
　ロバは働はたらき者ものでしたが年としを取とって力ちからがなくなったために、仕事しごとが出来できなくなってしまいました。
　そこで主人しゅじんはロバにエサをあげなくなったので、ロバはさっさと主人しゅじんの家いえを逃にげ出だしたのです。

　そして、ブレーメンという町まちに向むかって歩あるいて行いきました。
　その町まちに行いけば、町まちの音楽おんがく隊たいにやとってもらえるかもしれないと思おもったからです。

　しばらく行いきますと、疲つかれ果はてた一いち匹ひきのイヌが道みちに寝転ねころがっていました。
「おい。とても疲つかれているみたいだけど、どうしたんだい？」
　ロバの言葉ことばに、イヌが答こたえました。

「いや、実じつはね。おれもすっかり年としを取とっちまって、体からだが日ひましに弱よわってきたのさ。
　狩かりに出でかけても、むかしのようにえものをつかまえられない。
　それで主人しゅじんが、おれを殺ころそうとするんだ。
　おれは、あわてて逃にげ出だしてきたってわけなんだが。
　・・・さて、これから先さき、どうしたらいいもんだろうなあ」
「ふーん。それなら、どうだい」
と、ロバは言いいました。
「おれはこれからブレーメンヘ行いって、あの町まちの音楽おんがく師しになろうと思おもっているところだが、きみも一緒いっしょに行いって音楽おんがく隊たいにやとってもらったらどうだ。おれはギターをひくから、きみはタイコをたたきなよ」
　それを聞きいて、イヌはすっかり喜よろこびました。
　そこで二に匹ひきは、一緒いっしょに出でかけました。
　すこし歩あるいて行いきますと、一いち匹ひきのネコが道みちばたにすわりこんで、三日みっかも雨あめにふりこめられたような顔かおをしていました。
「おや、ネコのばあさん、なにをそんなに困こまっているんだね？」
と、ロバはたずねました。
「わたしゃ、このとおり年としを取とっちまったし、歯はもきかなくなった。
　それにネズミなんかを追おいまわすよりも、ストーブの後うしろにでもすわりこんで、のどをゴロゴロやってるほうが好すきなのさ。
　ところがそうすると、うちのおかみさんはわたしを川かわの中なかへぶちこもうっていう気きをおこしたんだよ。
　それでわたしゃ、急いそいで飛とび出だしてきたんだけど。
　といって、うまい知恵ちえもないし、これからどこへ行いったらいいんだろうねえ」
「ふーん。
　じゃあ、おれたちと一緒いっしょにブレーメンヘ行いこうじゃないか。
　お前まえさんは夜よるの音楽おんがくがおとくいだから、町まちの音楽おんがく隊たいにやとってもらえるよ」
　ネコはそれはいい考かんがえだと思おもったので、みんなと一緒いっしょに出でかけました。
　家いえを逃にげ出だしてきた三さん匹ひきは、やがて、とある屋敷やしきのそばを通とおりかかりました。
　すると門もんの上うえに一いち羽わのオンドリがとまっていて、ありったけの声こえでさけびたてていました。

「きみは腹はらの底そこまでジーンとひびくような声こえでないているが、いったいどうしたんだい？」
と、ロバが聞ききました。
「なあに、いいお天気てんきだと知しらせているところさ」
と、オンドリは答こたえました。
「なにしろ今日きょうは、聖母せいぼさまの日ひだろう。
　聖母せいぼさまが幼子おさなごキリストさまの肌着はだぎを洗濯せんたくして、かわかそうという日ひだからね。
　ところがあしたの日曜にちようには、お客きゃくさんが大勢おおぜいくる。
　それでなさけ知しらずのおかみさんが、このぼくをスープにして食たべちまえって料理りょうり番ばんの女おんなに言いいつけたのさ。
　だからぼくは、今夜こんや首くびを切きられちまうんだ。
　それでせめて、声こえの出だせるいまのうちにと思おもって、のどの破われるほどないているところさ」
「おい、おい、なにを言いっているんだい」
と、ロバが言いいました。
「殺ころされるのがわかっていて、なぜ逃にげ出ださない。
　いや、それよりおれたちと一緒いっしょに来きたらどうだい。
　おれたちは、ブレーメンヘ行いくところだ。
　死しぬくらいなら、それよりもましな事ことはどこへ行いったってあるさ。
　第だい一いち、きみはいい声こえだ。
　おれたちが一緒いっしょに音楽おんがくをやりゃ、たいしたもんだぜ」

　オンドリは、この申もうし出でがたいへん気きに入いりました。
　それで今度こんどは、四よん匹ひきそろって出でかけました。
　けれどもブレーメンは遠とおくて、一いち日にちではとても行いけません。
　やがて夕方ゆうがたになり、一いち行ぎょうはとある森もりで夜よるをあかすことにきめました。

　ロバとイヌは、大おおきな木この下したにゴロリと横よこになりました。
　ネコとオンドリは、木きの枝えだにのぼりました。
　木きのてっぺんを寝ね場所ばしょに決きめたオンドリは、ふと遠とおくのほうに火ひがちらちらしているのを見みつけました。
　そこで仲間なかまに声こえをかけて、そう遠とおくないところに家いえがあると言いいました。
「それじゃ、そこへ行いくとしよう。どうも、ここの寝心地ねごこちはよくないからね」
と、ロバが言いい、みんなはあかあかとあかりのついている家いえの前まえまで来きました。
　一番いちばん背せの高たかいロバが、まどのそばへ行いって中なかをのぞいてみました。
「なにが見みえるね、じいさん」
と、オンドリが聞ききました。
「なにが見みえるかって。・・・これはすごい。うまそうな食くい物ものや飲のみ物ものがいっぱいならべてあるテーブルがあって、そのまわりにドロボウどもがすわっているぞ」
「食くい物ものか。そいつをいただきたいもんだ」
と、オンドリが言いいました。
　そこで動物どうぶつたちはドロボウを追おいはらうには、どうしたらいいだろうかと相談そうだんをはじめました。
　そしていろいろ相談そうだんしたあげく、うまい方法ほうほうが見みつかりました。
　まずロバが前足まえあしをまどにかけて、イヌがその背中せなかに飛とび乗のる。
　そのまた上うえにネコがのぼり、最後さいごにオンドリが飛とびあがってネコの頭あたまの上うえにとまる。
　準備じゅんびが出来できると、みんなはいっせいに音楽おんがくをやりはじめました。

　ロバは、ヒヒーン。
　イヌは、ワンワン。
　ネコは、ニャーニャー。
　オンドリは、コケコッコー。
と、なきさけびました。
　それからまどをつきやぶって、四よん匹ひきがいっせいに部屋へやの中なかへ飛とび込こみました。
　ドロボウたちは、ビックリして飛とび上あがりました。
　お化ばけが飛とび込こんで来きたにちがいないと、思おもったのです。
　みんなはふるえあがって、森もりの中なかへいちもくさんに逃にげて行いきました。
「よしよし、うまくいったぞ。さあ、ごちそうを食たべよう」
　四よん匹ひきはテーブルについて、のこっていたごちそうをおいしそうに食たべました。
　それこそ、お腹なかがはじけるくらいいっぱい食たべました。
　四よん匹ひきはごちそうを食たべおわると家いえのあかりを消けして、それぞれ寝心地ねごこちのいい場所ばしょを探さがしました。

　ロバは、わらのつみあげてある上うえに、
　イヌは、戸とのうしろに、
　ネコは、かまどの上うえのあたたかい灰はいのそばに、
　オンドリは、天井てんじょうの横木よこぎの上うえに、
　みんな疲つかれきっていたので、すぐにグッスリと寝ねこんでしまいました。

　さて真夜中まよなかになって、ドロボウたちが帰かえってきました。
「いやに静しずかだな。もう、お化ばけはどこかに行いったのかもしれんぞ」
　そこでドロボウのかしらは、手下てしたの一人ひとりにようすを見みに行いかせました。
　手下てしたが行おこなってみますと、家いえの中なかはシーンと静しずまりかえっています。
　そこで台所だいどころに入はいって、あかりをつけようとしました。
　ところがそのとき、この男おとこは暗くらやみに光ひかっているネコの目めを炭火すみびだと勘違かんちがいして、その目めにいきなりマッチをおしつけてしまいました。
「フギャー！」
　ビックリしたネコは、ドロボウの顔かおを思おもいっきり引ひっかきました。
　ドロボウは、あわてて裏口うらぐちから逃にげ出だそうとしました。
　ところがそこに寝ねていたイヌのしっぽをふんでしまったので、イヌに足あしをガブリとかまれてしまいました。

　ますますあわてたドロボウは庭にわへ飛とび出だして、わらのつんであるそばをかけぬけようとしますと、今度こんどはロバに蹴飛けとばされてしまいました。
　おまけにオンドリも、このさわぎに目めを覚さまして、
「コケコッコー！」
と、さけびながら、ドロボウのあたまをくちばしでつつきます。
　ボロボロにされたドロボウは、なんとかかしらのところへ逃にげ帰かえりました。
「おかしら！
　あの家いえには、おっそろしい魔女まじょ(まじょ)がいます。

　いきなりあっしに息いきをふっかけたかと思おもうと、長ながい指ゆびであっしの顔かおをひっかきやがったんでさ。
　戸との前まえには男おとこが立たっていて、ナイフをあっしの足あしに突つき刺さしやがる。
　庭にわには黒くろい怪物かいぶつが寝ねころんでいて、こん棒ぼうであっしをぶんなぐります。
　おまけに屋根やねには裁判官さいばんかんがいて、『その悪者わるものを連つれて来こい』と、どなりながらあたまにペンを突つき立たてるんです。
　とにかくあっしゃは、ほうほうのていで逃にげてきました」
　その話はなしを聞きいたドロボウたちは、二度にどとこの家いえには近ちかづきませんでした。

　いっぽう四よん匹ひきの動物どうぶつたちはこの家いえが気きにいってしまい、ブレーメンには行いかずにこの家いえでずっとくらしたということです。

おしまい

イラスト　Smile　STATION