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12月31日にちの世界せかいの昔話むかしばなし



マッチ売うりの少女しょうじょ
アンデルセン童話どうわ　→　アンデルセン童話どうわの詳細しょうさい
マッチ売うりの少女しょうじょのぬりえ

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投稿とうこう者しゃ　「エマ」　　睡眠すいみん導入どうにゅうエマちゃんねる

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投稿とうこう者しゃ　ナレーター熊崎くまざき友香ゆかのぐっすりおやすみ朗読ろうどく
【大人おとなもよく眠ねむれる朗読ろうどく】世界せかいの名作めいさく5選せん　元もとNHKフリーアナ 読よみ聞きかせ

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投稿とうこう者しゃ　「あーる」　　【眠ねむれる朗読ろうどく】

　むかしむかし、雪ゆきの降ふりしきる大おおみそかの晩ばん。
　みすぼらしい服ふくを着きたマッチ売うりの少女しょうじょが、寒さむさにふるえながら一生懸命いっしょうけんめい通とおる人ひとによびかけていました。
「マッチは、いかが。マッチは、いかがですか。誰だれか、マッチを買かってください」
　でも、誰だれも立たち止どまってくれません。
「お願ねがい、一本いっぽんでもいいんです。誰だれか、マッチを買かってください」
　今日きょうはまだ、一本いっぽんも売うれていません。
　場所ばしょを変かえようと、少女しょうじょが歩あるきはじめた時ときです。
　目めの前まえを一いち台だいの馬車ばしゃ(ばしゃ)が、走はしりぬけました。
　危あぶない！
　少女しょうじょはあわててよけようとして雪ゆきの上うえに転ころんでしまい、そのはずみにくつを飛とばしてしまいました。
　お母かあさんのお古ふるのくつで少女しょうじょの足あしには大おおきすぎましたが、少女しょうじょの持もっているたった１ひとつのくつなのです。
　少女しょうじょはあちらこちら探さがしましたが、どうしても見みつかりません。
　しかたなく、はだしのままで歩あるき出だしました。

　冷つめたい雪ゆきの上うえを行いくうちに、少女しょうじょの足あしはぶどう色いろに変かわっていきました。
　しばらく行いくと、どこからか肉にくを焼やくにおいがしてきました。
「ああ、いいにおい。・・・お腹なかがすいたなあー」
　でも少女しょうじょは、帰かえろうとしません。
　マッチが一本いっぽんも売うれないまま家いえに帰かえっても、お父とうさんはけっして家いえに入いれてくれません。
　それどころか、
「この、役立やくだたずめ！」
と、ひどくぶたれるのです。
　少女しょうじょは寒さむさをさけるために、家いえと家いえとの間あいだに入はいってしゃがみこみました。
　それでも、じんじんとこごえそうです。
「そうだわ、マッチをすって暖あたたまろう」
　そう言いって、一本いっぽんのマッチを壁かべにすりつけました。
　シュッ。
　マッチの火ひは、とても暖あたたかでした。
　少女しょうじょはいつの間まにか、勢いきおいよく燃もえるストーブの前まえにすわっているような気きがしました。
「なんて、暖あたたかいんだろう。・・・ああ、いい気持きもち」
　少女しょうじょがストーブに手てをのばそうとしたとたん、マッチの火ひは消きえて、ストーブもかき消けすようになくなってしまいました。
　少女しょうじょはまた、マッチをすってみました。
　あたりは、ぱあーっと明あかるくなり、光ひかりが壁かべをてらすと、まるで部屋へやの中なかにいるような気持きもちになりました。
　部屋へやの中なかのテーブルには、ごちそうが並ならんでいます。
　不思議ふしぎな事ことに湯気ゆげをたてたガチョウの丸焼まるやきが、少女しょうじょの方ほうへ近ちかづいて来くるのです。
「うわっ、おいしそう」
　その時とき、すうっとマッチの火ひが消きえ、ごちそうも部屋へやも、あっという間まになくなってしまいました。
　少女しょうじょはがっかりして、もう一度いちどマッチをすりました。
　すると、どうでしょう。
　光ひかりの中なかに、大おおきなクリスマスツリーが浮うかびあがっていました。
　枝えだには数かぞえ切きれないくらい、たくさんのロウソクが輝かがやいています。
　思おもわず少女しょうじょが近ちかづくと、ツリーはふわっとなくなってしまいました。
　また、マッチの火ひが消きえたのです。
　けれどもロウソクの光ひかりは消きえずに、ゆっくりと空そら高たかくのぼっていきました。
　そしてそれが次々つぎつぎに、星ほしになったのです。
　やがてその星ほしの一ひとつが、長ながい光ひかりの尾おを引ひいて落おちてきました。
「あっ、今いま、誰だれかが死しんだんだわ」
　少女しょうじょは、死しんだおばあさんの言葉ことばを覚おぼえていました。
『星ほしが一ひとつ落おちる時とき、一ひとつのたましいが神かみさまのところへのぼっていくんだよ』
　少女しょうじょは、やさしかったおばあさんの事ことを思おもい出だしました。
「ああ、おばあさんに会あいたいなー」
　少女しょうじょはまた、マッチをすりました。
　ぱあーっとあたりが明あかるくなり、その光ひかりの中なかで大好だいすきなおばあさんがほほえんでいました。
「おばあさん、わたしも連つれてって。火ひが消きえるといなくなるなんて、いやよ。・・・わたし、どこにも行いくところがないの」
　少女しょうじょはそう言いいながら、残のこっているマッチを一本いっぽん、また一本いっぽんと、どんどん燃もやし続つづけました。
　おばあさんは、そっとやさしく少女しょうじょを抱いだきあげてくれました。
「わあーっ、おばあさんの体からだは、とっても暖あたたかい」
　やがて二に人にんは光ひかりに包つつまれて、空そら高たかくのぼっていきました。

　新年しんねんの朝あさ、少女しょうじょはほほえみながら死しんでいました。
　集あつまった町まちの人々ひとびとは、
「かわいそうに、マッチを燃もやして暖あたたまろうとしていたんだね」
と、言いいました。
　少女しょうじょがマッチの火ひでおばあさんに会あい、天国てんごくへのぼった事ことなど、誰だれも知しりませんでした。

おしまい

関連かんれんする記念きねん日び紹介しょうかい
「9月16日にち　マッチの日ひ」について　(366日にちへの旅たび)より

記念きねん日びイメージキャラ　福ぶくちゃん　イラスト「ぺんた」 ※無断むだん転載てんさい禁止きんし