トレミーの48星座せいざ

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トレミーの48星座せいざ(トレミーの48せいざ)は、2世紀せいき天文学てんもんがくしゃクラウディオス・プトレマイオス作成さくせいしたほしひょうられる星座せいざのことである。

正式せいしきにはプトレマイオス星座せいざ[1](プトレマイオスせいざ、Ptolemaic constellations)とばれるが、1970年代ねんだいまでは、しばしばトレミー星座せいざ表現ひょうげんされていた。トレミーはプトレマイオスの英語えいごがた Ptolemy に由来ゆらいする。星座せいざかずより「プトレマイオスの48星座せいざ」ともいう。

概要がいよう[編集へんしゅう]

プトレマイオス星座せいざは、現在げんざい天文学てんもんがくおこなわれている星座せいざ大元おおもとになった。現行げんこう星座せいざのうち、「プトレマイオスのほしひょう」に起源きげんをもつ星座せいざを「プトレマイオス星座せいざ」としょうしたり、これらの星座せいざ設定せっていしゃをプトレマイオスとすることもあるが、これらはあくまで便宜べんぎじょうのものであり、プトレマイオス星座せいざのほとんどはアラトスの『ファイノメナ』にえており、これよりのちの「ヒッパルコスほしひょう」を踏襲とうしゅうしたものであるとかんがえられている。

以後いご、ヨーロッパだけでなくアラブでも、天文学てんもんがくでは統一とういつした星座せいざ使つかわれるようになった。これらの星座せいざ北半球きたはんきゅうなか緯度いど地域ちいきからえるものばかりであったが、のち近代きんだい天文学てんもんがくしゃによってプトレマイオスが観測かんそくできなかった南天なんてんや、星座せいざ星座せいざ隙間すきまあたらしい星座せいざがつけくわえられ、現在げんざい星座せいざかずは88になっている。

プトレマイオス星座せいざはヨーロッパ、アラブの天文学てんもんがくでは2000ねんちかくにわたって使つかわれてきた歴史れきし伝統でんとうのある星座せいざであり、天文学てんもんがく以外いがいでも、のちにつけわえられた星座せいざにはない神話しんわおおつたわるなど、いまでも別格べっかくあつかいをけている。

1928ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう制定せいていする以前いぜん以後いごとでは星座せいざ定義ていぎことなるが、大雑把おおざっぱにみても、プトレマイオス星座せいざすべ存続そんぞくしている。アルゴも、ともりゅうこつ総称そうしょうとして存続そんぞくしたが、実際じっさい天文学てんもんがくしゃによって使つかわれることがなく、通例つうれいはアルゴのぞく47星座せいざ現存げんそんしているとされる。

プトレマイオス星座せいざ一覧いちらん[編集へんしゅう]

以下いかは、プトレマイオスの『シュンタクシス』 (ギリシアほん) にえる星座せいざ掲載けいさいじゅんならべたものである。『シュンタクシス』のだい7かんにはきたてん星座せいざ黄道こうどう星座せいざきた半分はんぶんの6が、だい8かんには黄道こうどう星座せいざのこりの半分はんぶんの6南天なんてん星座せいざ収録しゅうろくされている。なお、( ) ないは『アルマゲスト』 (アラビアほん) にえる別名べつめいである。[2]

きたたかし星座せいざ (21星座せいざ)

黄道こうどう星座せいざ (12星座せいざ)

南天なんてん星座せいざ (15星座せいざ)

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 文部省もんぶしょう学術がくじゅつ用語ようごしゅう天文学てんもんがくへん』1974ねん
  2. ^ Kunitzsch,P., (1974). Der Almagest: Die Syntaxis Mathematica des Claudius Ptolemäius in arabisch-lateinischer Überlieferung. Otto Harrassowitz. ISBN 3-4470-1517-9