平高望たいらのたかもち

凡例はんれい平ひら高こう望のぞむ / 高望王たかもちおう
時代じだい	平安へいあん時代じだい前期ぜんき - 中期ちゅうき
生誕せいたん	不ふ詳しょう
死没しぼつ	不ふ詳しょう
改名かいめい	高望王たかもちおう→平高望たいらのたかもち
官位かんい	従したがえ五ご位い下か、正親おうぎ正せい、上総かずさ介かい
主君しゅくん	宇多天皇うだてんのう→醍醐天皇だいごてんのう
氏族しぞく	桓武かんむ平たいら氏し
父母ちちはは	父ちち：葛原くずはら親王しんのう?、高見こうけん王おう?; 母はは：橘たちばな春はる成なりの娘むすめ?、仲野なかの親王しんのうの娘むすめ?、藤原ふじわら是ただし雄ゆうの娘むすめ?
妻つま	正室せいしつ：藤原ふじわら良りょう方かたの娘むすめ; 側室そくしつ：藤原ふじわら範はん世よの娘むすめ
子こ	国くに香が、良兼りょうけん、良よ将はた、良りょう繇、良文よしふみ、; 良広よしひろ、良りょう持じ、良りょう茂しげる、良正よしまさ、; 藤原ふじわら維幾室しつ
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平たいら高だか望もち（たいらのたかもち）は、平安へいあん時代じだい中期ちゅうきの賜たまもの姓せい皇族こうぞく。高望王たかもちおうとも。桓武かんむ天皇てんのうの孫まご（もしくは曾孫そうそん）にあたり、高望王たかもちおう流りゅう桓武かんむ平たいら氏しの祖そ。官位かんいは従したがえ五ご位い下か・正親おうぎ正せい・上総かずさ介かい。

経歴けいれき[編集へんしゅう]

寛平かんぺい元年がんねん（889年ねん）5月13日にち、葛原くずはら親王しんのうの第だい三さん王子おうじ高見こうけん王おう^{[注釈ちゅうしゃく 7]}の子こ高望王たかもちおうは、「民みん部ぶ卿きょう宗そう章あきら朝臣あそん」の反乱はんらんを討伐とうばつしたため、宇多天皇うだてんのうの勅命ちょくめいにより平ひら朝臣あそんを賜たまもの与あずかされ臣籍しんせき降下こうかし、平高望たいらのたかもちを名乗なのった^{[注釈ちゅうしゃく 8]}。『日本にっぽん紀き略りゃく』寛平かんぺい元年がんねん5月がつ13日にち条じょうによれば、高望王たかもちおう以外いがいにも4人にんが平ひら姓せいを下賜かしされたという。

昌あきら泰やすし元年がんねん（898年ねん）、高こう望もちは上総かずさ介かいに任官にんかんした。当時とうじの上級じょうきゅう国司こくしは任地にんちに赴おもむかない遙はるか任つとむも少すくなくなかったが、長男ちょうなん国くに香が、次男じなん良兼りょうけん、三男さんなん良よ将はたを伴ともなって任地にんちに赴おもむく。高こう望もち親子おやこは任期にんきが過すぎても帰京ききょうせず、国くに香がは前まえ常陸ひたち大だい掾じょうの源みなもと護まもるの娘むすめを、良りょう将しょうは下総しもうさ国こく相馬そうま郡ぐんの犬いぬ養やしなえ春枝はるえの娘むすめを妻つまとするなど、在地ざいち勢力せいりょくとの関係かんけいを深ふかめ常陸ひたち国こく・下総しもうさ国こく・上総かずさ国こくの未墾みこん地ちを開発かいはつ、自みずからが開発かいはつ者しゃとなり生産せいさん者しゃとなることによって勢力せいりょくを拡大かくだい、その権利けんりを守まもるべく武士ぶし団だんを形成けいせいしてその後ごの高望王たかもちおう流りゅう桓武かんむ平たいら氏しの基盤きばんを固かためた。

しかしその後ご、延喜えんぎ2年ねん（902年ねん）に西海にしうみ道みちの国司こくしとなり大宰府だざいふに居住きょじゅう、延喜えんぎ11年ねん（911年ねん）に同地どうちで没ぼっする^{[注釈ちゅうしゃく 2]}。なお、この間あいだの延喜えんぎ3年ねん（903年ねん）には、昌あきら泰たいの変へんにより失脚しっきゃくした菅原すがわら道真みちざねも同地どうちで薨去こうきょしている。

官かん歴れき[編集へんしゅう]

寛平かんぺい元年がんねん（889年ねん） 5月がつ12日にち：上総かずさ介かい^[7]^[8]^{[注釈ちゅうしゃく 9]}

系譜けいふ[編集へんしゅう]

父ちち：高見こうけん王おうまたは葛原くずはら親王しんのう^{[注釈ちゅうしゃく 7]}
母はは：橘たちばな春はる成なり^[9]（または仲野なかの親王しんのう^[10]、藤原ふじわら是ただし雄ゆう^[11]）の娘むすめ
正室せいしつ^{[注釈ちゅうしゃく 10]}：藤原ふじわら良りょう方かたの娘むすめ
- 長男ちょうなん：平良たいら望のぞむ（国くに香が）（?-935） - 子孫しそんは伊勢いせ平たいら氏し・常陸ひたち平たいら氏し
- 次男じなん：平良たいら兼けん（?-939）
- 三男さんなん：平良たいら将すすむ
- 男子だんし：平良たいら繇（又または良りょう孫まご）
側室そくしつ：藤原ふじわら範はん世よ（または藤原ふじわら師し世よ）の娘むすめ
- 男子だんし：平たいら良文よしふみ（886-953） - 子孫しそんは坂東ばんどう八平はちへい氏し
生母せいぼ不明ふめいの子女しじょ
- 男子だんし：平良たいら広ひろ
- 男子だんし：平良たいら持じ（又または良りょう村むら。良りょう将しょうと同人どうじんともされる）
- 男子だんし：平良たいら茂しげる
- 男子だんし：平良たいら正ただし（良りょう茂しげるの子ことも）
- 女子じょし：藤原ふじわら維幾室しつ（藤原ふじわら為ため憲けん母はは）

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

^ 生年月日せいねんがっぴは、延のべ暦れき25年ねん/大同だいどう元年がんねん（806年ねん）^[1]と、承うけたまわ和わ6年ねん9月7日にち（839年ねん 10月21日にち）^[2]と、嘉よしみ承うけたまわ3年ねん（850年ねん）2月がつ18日にち^[3]とする資料しりょうがある。
^ ^a ^b 没ぼつ年月日ねんがっぴは、延喜えんぎ11年ねん5月24日にち（911年ねん 6月28日にち）^[2]と、延喜えんぎ11年ねん（911年ねん）5月4日にち^[4]、延喜えんぎ12年ねん（912年ねん）9月24日にち^[5]、延喜えんぎ17年ねん（917年ねん）1月がつ24日にち^[3]とする資料しりょうがある。
^ または藤原ふじわら師し世よ。
^ 又または良りょう孫まご。
^ 又または良りょう村むら。良りょう将しょうと同人どうじんともされる。
^ 良りょう茂しげるの子ことも。
^ ^a ^b 父ちちは高見こうけん王おう（葛原くずはら親王しんのうの子こ）との説せつと、葛原くずはら親王しんのう（桓武かんむ天皇てんのう第だい 5皇子おうじ）との説せつがある。『尊卑そんぴ分脈ぶんみゃく』、『本朝ほんちょう皇すめらぎ胤たね紹運録ろく』、『桓武かんむ平たいら氏し系図けいず』^[6]等ひとしの各種かくしゅ系図けいずでは高見こうけん王おうの子ことなっているが、高見こうけん王おうの実在じつざいには疑問ぎもんが提示ていじされている。
^ 貞さだ観かん3年ねん（861年ねん）に高望王たかもちおうは清和せいわ天皇てんのうの勅命ちょくめいで平ひら朝臣あそんを賜たまもの与あずかされ臣籍しんせき降下こうかしたとする^[1]。
^ 『平家ひらか勘かん文ぶん禄ろく』では寛平かんぺい2年ねんとする。
^ 高こう望もちの各かく息子むすこの生母せいぼにはいくつかの説せつがあり、正確せいかくなことははっきりしない。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

^ ^a ^b 『宇賀うが一族いちぞくの研究けんきゅうと系譜けいふ』『南みなみ路ろ志こころざし』
^ ^a ^b 『千葉大ちばだい系図けいず』
^ ^a ^b 『千馬ちば家系かけい図ず』
^ 『平ひら姓せい葛西かさい系図けいず』
^ 『盛岡もりおか葛西かさい系図けいず』
^ 続ぞく群ぐん書しょ類従るいじゅう所収しょしゅう
^ 『神かみ皇すめらぎ正統せいとう録ろく』
^ 『源平げんぺい盛衰せいすい記き』
^ 『秩父ちちぶ慈光寺じこうじ栄さかえ朝ちょう大だい禅師ぜんじ系図けいず』
^ 『系図けいず纂要』
^ 『三浦みうら伝記でんき』

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

宮崎みやざき康充やすみつ編へん『国司こくし補任ほにん第だい三さん』続ぞく群ぐん書しょ類従るいじゅう完成かんせい会かい、1990年ねん