著作ちょさくけん

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著作ちょさくけん[1](ちょさくけん、英語えいご: copyrightコピーライト)は、作品さくひん創作そうさくしたものゆうする権利けんりである。また、作品さくひんがどう使つかわれるかめることができる権利けんりである[2]作者さくしゃ思想しそう感情かんじょう表現ひょうげんされた文芸ぶんげい学術がくじゅつ美術びじゅつ音楽おんがくなどを著作ちょさくぶつといい[3]創作そうさくしたもの著作ちょさくしゃという。知的ちてき財産ざいさんけん一種いっしゅ[4]

一般いっぱんてきに、著作ちょさくぶつ他人たにん無断むだん無制限むせいげん利用りようできないように法的ほうてき保護ほごする必要ひつようがある。著作ちょさくぶつ創造そうぞうした人物じんぶつは、その著作ちょさくぶつ他人たにん無断むだん利用りようしても、自己じこ利用りようさまたげられることはない。しかし、他人たにん無制限むせいげん著作ちょさくぶつ利用りようできると、著作ちょさくしゃはその知的ちてき財産ざいさんから利益りえきることが困難こんなんとなる。著作ちょさくぶつ創造そうぞうには費用ひよう時間じかんがかかるため、無断むだん利用りようゆるすと、知的ちてき財産ざいさん創造そうぞう意欲いよく後退こうたいさせ、その創造そうぞう活動かつどう活発かっぱつおこなわれないようになるといった結果けっかまねくためである[5]

著作ちょさくしゃ権利けんりは、著作ちょさくぶつ活用かつようして収益しゅうえき名声めいせいなどをることができる財産ざいさんてき権利けんり著作ちょさく財産ざいさんけん)と、著作ちょさくぶつ内容ないよう著作ちょさくしゃひもづけることで、著作ちょさくしゃ人間にんげんせい正確せいかく表現ひょうげんする人格じんかくてき権利けんり著作ちょさくしゃ人格じんかくけん)に分類ぶんるいされる[6][7]狭義きょうぎする場合ばあい著作ちょさくけんはとりわけ著作ちょさく財産ざいさんけん同義どうぎとされる[8]反対はんたいに、もっと広義こうぎする場合ばあい実演じつえん、レコード製作せいさくしゃ放送ほうそう事業じぎょうしゃなど著作ちょさくぶつ伝達でんたつするもの付与ふよされる権利けんり著作ちょさく隣接りんせつけん[9]も、著作ちょさくけん概念がいねんふくめることがある[8]

知的ちてき財産ざいさんけんには著作ちょさくけんのほか、特許とっきょけん商標しょうひょうけんなどの産業さんぎょう財産ざいさんけんがあるが[10][11]保護ほご対象たいしょう権利けんりつよさがちがう。産業さんぎょう財産ざいさんけん産業さんぎょう発達はったつ目的もくてきとする技術ぎじゅつてき思想しそう(アイデア)を保護ほご対象たいしょうとし、権利けんりしゃつよ独占どくせんせいあたえる性質せいしつのため、所管しょかん官庁かんちょうによるきびしい審査しんさ登録とうろくされなければ権利けんり発生はっせいしない[註釈ちゅうしゃく 1]一方いっぽう著作ちょさくけんは、創造そうぞうてき文化ぶんか発展はってん目的もくてきとする表現ひょうげん保護ほご対象たいしょうとしていることから、産業さんぎょう財産ざいさんけんくらべて独占どくせんせいひくく、日本にっぽんふくおおくのくに地域ちいきでは登録とうろくしなくても創作そうさくした時点じてん権利けんり発生はっせいする[10][11][註釈ちゅうしゃく 2]

著作ちょさくぶつ定義ていぎ範囲はんい著作ちょさくぶつ保護ほご期間きかん著作ちょさくぶつ管理かんり手続てつづき著作ちょさく侵害しんがい罰則ばっそく規定きていなどは、時代じだいくに地域ちいきによってことなるものの、国際こくさい条約じょうやくつうじて著作ちょさくけん基本きほんてきかんがかた共通きょうつうする方向ほうこうにある。しかし、著作ちょさくぶつのデジタルやインターネットの社会しゃかい普及ふきゅうともない、著作ちょさくけん侵害しんがいフェアユース無断むだん利用りよう著作ちょさくけん侵害しんがいにあたらないケース)をめぐる事案じあん複雑ふくざつしている時代じだい趨勢すうせいもある。

学術がくじゅつてき目的もくてきで、研究けんきゅうしゃ教授きょうじゅ著作ちょさくけん保護ほごされた作品さくひん使用しようすることにはいくつかの例外れいがいがある[13]

構成こうせい[編集へんしゅう]

著作ちょさくけん人権じんけん財産ざいさんけん)の一種いっしゅであり[14]同時どうじに「著作ちょさくけん」というかたりは、人権じんけんとしての著作ちょさくけんのほかに、ほうてき権利けんりとしての著作ちょさくけん(さらにこまかくは国際こくさいほううえ著作ちょさくけんや、憲法けんぽううえ著作ちょさくけんなど)という側面そくめんもある[15]

著作ちょさくけん狭義きょうぎには著作ちょさく財産ざいさんけんのみをし、広義こうぎには著作ちょさく財産ざいさんけん著作ちょさくしゃ人格じんかくけんさい広義こうぎには著作ちょさくしゃゆうする実定法じっていほうじょう権利けんり著作ちょさく財産ざいさんけん著作ちょさくしゃ人格じんかくけん著作ちょさく隣接りんせつけん)の総体そうたいをいう[8]広義こうぎ著作ちょさくけん概念がいねんがいして大陸たいりくほう諸国しょこくもちいられる著作ちょさくけん概念がいねんである[8]一方いっぽう狭義きょうぎ著作ちょさくけん概念がいねんえいべいほう諸国しょこくもちいられる著作ちょさくけん概念がいねんである[8]日本にっぽん著作ちょさくけんほうは「著作ちょさくしゃ権利けんり」のもとに「著作ちょさくけん」と「著作ちょさくしゃ人格じんかくけん」をおく二元にげんてき構成こうせいをとっている[8]

著作ちょさく財産ざいさんけん[編集へんしゅう]

意義いぎ[編集へんしゅう]

著作ちょさくけん狭義きょうぎには著作ちょさく財産ざいさんけんのことをいう[8]著作ちょさくしゃたいして付与ふよされる財産ざいさんけんであり[7]著作ちょさくぶつ独占どくせんてき排他はいたてき利用りようする権利けんりである[8]著者ちょしゃは、著作ちょさくけん財産ざいさんけん)を、他人たにん干渉かんしょうされることなく、利用りようする権利けんり[16]。たとえば、小説しょうせつ著作ちょさくしゃ作者さくしゃ)は、他人たにん干渉かんしょうされることなく出版しゅっぱん映画えいが翻訳ほんやくすることができる。

したがって、著作ちょさくけん財産ざいさんけん)のシステムがただしく機能きのうしている場合ばあいは、出版しゅっぱんしゃなどが収益しゅうえきを、後進こうしん育成いくせい採用さいようへの投資とうし育成いくせい)に充当じゅうとうできる。これにより、アマチュアからプロへとすすさいのハードルもひくくなる。また、かく分野ぶんやでの世代せだい交代こうたい活発かっぱつする。

しかし、著作ちょさくしゃ合意ごうい許諾きょだく)をていない他人たにんが、その著作ちょさくぶつひろ世間せけん発表はっぴょう公表こうひょう)すると、著作ちょさくしゃ生活せいかつするために必要ひつよう収入しゅうにゅううしない、「執筆しっぴつ」「作曲さっきょく」「映画えいが製作せいさく」などの仕事しごと創作そうさく事業じぎょう)も継続けいぞくできなくなる。この他人たにんによる著作ちょさくしゃ財産ざいさんぬす行為こういが、著作ちょさくけん侵害しんがいである。

ささえ分権ぶんけん[編集へんしゅう]

ささえ分権ぶんけん(しぶんけん)は著作ちょさくぶつの1つの利用りよう様式ようしきたいする権利けんりである[17]

著作ちょさくしゃ著作ちょさくけん財産ざいさんとしてあつかえる範囲はんい明確めいかく限定げんていするため、ささえ分権ぶんけんとして細目さいもく列挙れっきょされている。著作ちょさく財産ざいさんけんささえ分権ぶんけん総体そうたいとして理解りかいされる。

法的ほうてき特徴とくちょう[編集へんしゅう]

ささえ分権ぶんけん列挙れっきょにより権利けんりしめすため、著作ちょさくしゃ以外いがいものにとっては細目さいもく把握はあく困難こんなんである。これにより「著作ちょさくしゃ権利けんりたば[註釈ちゅうしゃく 3]表示ひょうじし、細目さいもくのすべてをふくめた「すべての権利けんり財産ざいさんけん)」を保持ほじしていると、包括ほうかつしてしる場合ばあいもある[18]。あるいは、ささえ分権ぶんけんによる細目さいもく分類ぶんるいもちいて、著作ちょさくけん財産ざいさんけん)の一部いちぶを、ひと自然人しぜんじん法人ほうじん)にわたすことも可能かのうである[19]。このような販売はんばい形態けいたいを「譲渡じょうと」という[19]。たとえば、小説しょうせつの(著作ちょさくしゃ)が、契約けいやくにより著作ちょさくけんの「出版しゅっぱんけん」のみを他人たにん譲渡じょうとし、それ以外いがい著作ちょさくけん財産ざいさんけん)を著作ちょさくしゃみずか保持ほじするといったことが法的ほうてき可能かのうである。

一方いっぽうで、著作ちょさくぶつおさめた記録きろく媒体ばいたい(CDやDVD、ブルーレイ書籍しょせきなどの有体物ゆうたいぶつ)を第三者だいさんしゃ販売はんばいした場合ばあいでも、著作ちょさくけん消滅しょうめつすることはない。このような販売はんばい形態けいたいを(権利けんりの)「貸与たいよ」という[よう出典しゅってん]。ほかにも、「譲渡じょうと」や「貸与たいよ以外いがいに、著作ちょさくしゃではないひと自然人しぜんじん法人ほうじん)と「許諾きょだく契約けいやく」をむすび、著作ちょさくしゃではないひと自然人しぜんじん法人ほうじん)が自由じゆう利用りようできるようにする方法ほうほうもある[20]。このような契約けいやくを「利用りよう許諾きょだく締結ていけつ」といい、こと音楽おんがく制作せいさくでは「り」という。著作ちょさくけん相対そうたいてき独占どくせんけんあるいは排他はいたけんである[21]特許とっきょけん意匠いしょうけんのような絶対ぜったいてき独占どくせんけんではない[21]。すなわち、既存きそん著作ちょさくぶつAと同一どういつ著作ちょさくぶつBが作成さくせいされた場合ばあいであっても、著作ちょさくぶつBが既存きそん著作ちょさくぶつAに依拠いきょすることなく独立どくりつして創作そうさくされたものであれば、りょう著作ちょさくぶつ創作そうさく公表こうひょう先後せんごにかかわらず、著作ちょさくぶつAの著作ちょさくけん効力こうりょく著作ちょさくぶつBの利用りよう行為こういおよばない。同様どうよう性質せいしつ回路かいろ配置はいち利用りようけんにもみられる。

著作ちょさくしゃ人格じんかくけん[編集へんしゅう]

狭義きょうぎ著作ちょさくけん著作ちょさく財産ざいさんけん)は財産ざいさんけん一種いっしゅであるが、著作ちょさくしゃみとめられる権利けんり著作ちょさくしゃ権利けんり)としては、そのほかに著作ちょさくしゃ人格じんかくてき利益りえき保護ほごするものとして、人格じんかくけん一種いっしゅである著作ちょさくしゃ人格じんかくけんがある。両者りょうしゃ関係かんけいについてはかんがかたおよび立法りっぽうれいかれる。

まず、著作ちょさくけんほうにより著作ちょさくしゃたいして保障ほしょうする権利けんり純粋じゅんすい財産ざいさんけんとしての著作ちょさくけんとして把握はあくするかんがかたがある。このかんがかた徹底てっていしているのがアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく著作ちょさくけんほうであり、著作ちょさくしゃ人格じんかくてき権利けんりコモン・ローうえ人格じんかくけん範疇はんちゅうふくまれる。もっとも、ベルヌ条約じょうやく加盟かめいこくたいして著作ちょさくしゃ人格じんかくけん保護ほご要求ようきゅうしていることもあり、1990ねんほう改正かいせいにより、視覚しかく芸術げいじゅつ著作ちょさくぶつについて限定げんていされたかたち著作ちょさくしゃ人格じんかくけん保護ほごするむね規定きていもうけた(合衆国がっしゅうこく法典ほうてんだい17へんだい106Aじょう)。

だい2に、著作ちょさくしゃたいして、財産ざいさんてき権利けんり人格じんかくてき権利けんり双方そうほう著作ちょさくけんほうじょう保障ほしょうするかんがかたがある。大陸たいりくほう著作ちょさくけんほう基本きほんてきにこのようなかんがかた立脚りっきゃくしている。フランス著作ちょさくけんほうがこのかんがかた立脚りっきゃくしており、著作ちょさくしゃ権利けんりについて、人格じんかくてき性質せいしつ財産ざいさんてき性質せいしつ包含ほうがんするものとして規定きていし(111の1じょうだい2こう)、いわゆる著作ちょさくしゃ人格じんかくけん処分しょぶんできないものとする(121の1じょうだい3こう)のにたいし、著作ちょさくけん処分しょぶんできるものとして(122の7じょう区別くべつしているてんにこのようなかんがかたあらわれている。

だい3に、著作ちょさくしゃたいして、財産ざいさんてき権利けんり人格じんかくてき権利けんり双方そうほう著作ちょさくけんほうじょう保障ほしょうするが、両者りょうしゃ一体いったいとなっており分離ぶんりできないものとして把握はあくするかんがかたがある。ドイツの1965ねん9がつ9にち著作ちょさくけんおよび著作ちょさく隣接りんせつけんかんする法律ほうりつがこのかんがかた立脚りっきゃくしており、著作ちょさくしゃ権利けんり内容ないよう構成こうせいするものとして著作ちょさくしゃ人格じんかくけんかんする規定きていいているが(11じょう-14じょう)、財産ざいさんけん人格じんかくけん一体化いったいかしているがゆえに、財産ざいさんけんをもふく著作ちょさくしゃ権利けんりについて譲渡じょうとができないむね規定きていかれている(29じょうてんにこのようなかんがかたあらわれている。

日本にっぽんほう法制ほうせいは、著作ちょさくけんほうじょう著作ちょさくしゃ権利けんりとして財産ざいさんけんたる著作ちょさくけん人格じんかくけんたる著作ちょさくしゃ人格じんかくけん保障ほしょうしつつ、前者ぜんしゃ譲渡じょうと可能かのうなものとして理解りかいし、後者こうしゃ譲渡じょうと不可能ふかのうなものとして理解りかいしている[22]てんでフランスほうちかい。

著作ちょさく隣接りんせつけん[編集へんしゅう]

著作ちょさくしゃによって制作せいさくされた楽曲がっきょく著作ちょさくぶつ)は、著作ちょさくしゃである作詞さくし作曲さっきょく著作ちょさくけんゆうしている。しかし、楽曲がっきょく演奏えんそうする実演じつえんや、それを録音ろくおんするレコード製作せいさくしゃ楽曲がっきょく放送ほうそうする放送ほうそう事業じぎょうしゃ有線ゆうせん放送ほうそう事業じぎょうしゃも、著作ちょさくしゃではないものの著作ちょさくぶつ密接みっせつかかわる活動かつどうごうとしており、1970ねん現行げんこう著作ちょさくけんほう制定せいていともない、これらの利用りようしゃによる実演じつえん、レコード、放送ほうそうまたは有線ゆうせん放送ほうそうにも著作ちょさくけんじゅんじた一定いってい権利けんり著作ちょさく隣接りんせつけんえい: neighboring right[23])がみとめられることになった。著作ちょさく隣接りんせつけん実演じつえん権利けんり著作ちょさくけんほう90じょう - 95じょう)、レコード製作せいさくしゃ権利けんりどう96じょう - 97じょう)、放送ほうそう事業じぎょうしゃ権利けんりどう98じょう - 100じょう)、有線ゆうせん放送ほうそう事業じぎょうしゃ権利けんりどう100じょう)からなり、人格じんかくけん財産ざいさんけんふくまれる。保護ほご期間きかん実演じつえん実演じつえん)または最初さいしょ固定こてい(レコード)から70年間ねんかん放送ほうそう有線ゆうせん放送ほうそう放送ほうそうとうから50年間ねんかん)。著作ちょさくけんことなり楽曲がっきょく著作ちょさくぶつ)そのものの権利けんりではないため、演奏えんそうけん翻案ほんあんけん編曲へんきょくけん)はみとめられていない[24]。また映画えいが著作ちょさくぶつにおいては、利用りようさい著作ちょさく隣接りんせつけん適用てきよう制限せいげんされる(映画えいが著作ちょさくぶつ#著作ちょさく隣接りんせつけんとの関係かんけい参照さんしょう)。

著作ちょさくけん歴史れきし[編集へんしゅう]

著作ちょさくけん本格ほんかくてき考慮こうりょされるようになったのは、15世紀せいきグーテンベルクによる印刷いんさつじゅつ確立かくりつするとともに、出版しゅっぱんぶつ大量たいりょう模倣もほうひん問題もんだいするようになってからである[25][26]記録きろくのこ最初さいしょほん著作ちょさくけんは、1486ねんに、人文じんぶん主義しゅぎしゃのマルカントニオ・サベリーコのヴェネツィアあたえられ、芸術げいじゅつ最初さいしょ著作ちょさくけんは1567ねんにヴェネツィアの元老げんろういんからティツィアーノにあたえられた[27]

18世紀せいき初頭しょとう、イギリスではアンほう(クイーン・アンほう。1709ねん制定せいてい、1710ねん施行しこう)で著作ちょさくしゃ権利けんり、すなわち著作ちょさくけんみとめた[25][26]。このほうでは、著作ちょさくけん有効ゆうこう期間きかん(14ねん、1更新こうしん可能かのう最大さいだい28ねん)や、そのパブリック・ドメイン概念がいねん制定せいていされている[註釈ちゅうしゃく 4]

フランスではフランス革命かくめいどきの1791ねんに、大陸たいりくほうけいくになかでははじめて著作ちょさくけんほう制定せいていされた[28]。その、18世紀せいきから19世紀せいきにかけて各国かっこく著作ちょさくけん保護ほごする法律ほうりつ成立せいりつした[25]。19世紀せいきはいると著作ちょさくけん対象たいしょう印刷物いんさつぶつ以外いがい音楽おんがく写真しゃしんなど)に拡大かくだいされていく。

ところが19世紀せいきなかばになっても著作ちょさくけん保護ほご法律ほうりつたないくにがあり、イギリスやフランスなどの作家さっかいた作品さくひん複製ふくせいによる被害ひがいけていた[25]。そのため、1886ねん採択さいたく・1887ねん発効はっこうベルヌ条約じょうやく国際こくさいてき著作ちょさくけんめができ[29]、1952ねん採択さいたく発効はっこう万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやくによってベルヌ条約じょうやく締結ていけつこくとの橋渡はしわたしがなされた[30]。さらには世界せかい貿易ぼうえき機関きかん (WTO) 主管しゅかんTRIPS協定きょうていが1994ねん採択さいたく・1995ねん発効はっこうし、国際こくさいてき著作ちょさくけん侵害しんがいさいにはWTOに提訴ていそできる仕組しくみが導入どうにゅうされた。

また、国際こくさい条約じょうやく国内こくないほうなかあいだてき位置いちづけとして、欧州おうしゅう連合れんごう(EU)の各種かくしゅ指令しれいがある。EU加盟かめいこく指令しれい遵守じゅんしゅして国内こくないほう整備せいびする義務ぎむうことから、EU加盟かめいこくあいだ著作ちょさくけんほうのばらつきを平準へいじゅんする役割やくわりになっている。

しかし著作ちょさくけんほうおよび著作ちょさくけんについてのかんがかたは、著作ちょさくしゃ著作ちょさくけんしゃ利用りようしゃなど利害りがい関係かんけいしゃのさまざまな要請ようせいけ、専門せんもんだけでなくひろ世論せろんあいだでも議論ぎろんきたり、立法りっぽうはなわれたり、行政ぎょうせい検討けんとうされたり、司法しほうあらそわれたりするなどえず変更へんこうつづけている[31]

21世紀せいきはいり、テクノロジーのいちじるしい進歩しんぽおよび権利けんりビジネス伸張しんちょうなど経済けいざい社会しゃかい変化へんかけた産業さんぎょう保護ほご観点かんてんからの要請ようせいと、著作ちょさくぶつ自由じゆう利用りよう要請ようせいときには自由じゆう言論げんろん存続そんぞく希望きぼうふくむ)との衝突しょうとつ顕著けんちょ争点そうてんのひとつになっている[32]。これをけ、デジタル著作ちょさくぶつ保護ほご規定きてい強化きょうかしたWIPO著作ちょさくけん条約じょうやくが1996ねん採択さいたくされ、2002ねん発効はっこうしている。

あたらしいテクノロジーに関連かんれんする個別こべつ判例はんれい法制ほうせいには、1984ねん判決はんけつ米国べいこくベータマックス事件じけん(ソニー勝訴しょうそ[33]、1992ねんまれた日本にっぽん私的してき録音ろくおん録画ろくが補償ほしょうきん制度せいど[34]、1997ねん創設そうせつされたインタラクティブ送信そうしんかか公衆こうしゅう送信そうしんけん送信そうしん可能かのうけん日本にっぽん[35]、1999ねんこされたソニー・ボノほうへの違憲いけん訴訟そしょう米国べいこく、2003ねん合憲ごうけん判決はんけつ[36]、2001ねんナップスター敗訴はいそ米国べいこく[37]などがある。

著作ちょさくけん対象たいしょう要件ようけん[編集へんしゅう]

本節ほんぶしでは著作ちょさくけんのうち、おもに狭義きょうぎ著作ちょさくけん著作ちょさく財産ざいさんけん)の保護ほご対象たいしょう要件ようけんについてべる。

著作ちょさくけん対象たいしょう[編集へんしゅう]

著作ちょさくけんは、著作ちょさくしゃ精神せいしんてき労力ろうりょくによってまれた製作せいさくぶつ[38]保護ほご[39]、また、自由じゆう市場いちばにおける市場いちば価格かかく著作ちょさくしゃ支払しはらうことを保証ほしょうして、著作ちょさくしゃ創作そうさく業務ぎょうむ維持いじし、収入しゅうにゅう安定あんていさせることで、間接かんせつてき著作ちょさくしゃ本人ほんにん保護ほごする効果こうかもある。

日本にっぽん現行げんこう著作ちょさくけんほうでは具体ぐたいてきに「思想しそうまた感情かんじょう創作そうさくてき表現ひょうげんしたものであつて、文芸ぶんげい学術がくじゅつ美術びじゅつまた音楽おんがく範囲はんいぞくするもの」(著作ちょさくけんほうだい2じょうだい1こうだい1ごう)とさだめており[40]、ここでいう「創作そうさくてき」については、既存きそん著作ちょさくぶつとの差異さい表現ひょうげんしゃ個性こせい)があらわれていればよく、新規しんきせい独創どくそうせいもとめられず、区別くべつできる程度ていどであればよいとされる。

中山なかやま (2014)によれば、思想しそうまた感情かんじょうあらわれている箇所かしょがどのような箇所かしょなのか明確めいかく定義ていぎすることはむずかしい。そのため思想しそうまた感情かんじょうでないものがどういったものなのかを定義ていぎするほう明確めいかくにそれらを区別くべつできる。思想しそう感情かんじょうてきからているものとしては、だい1に著作ちょさくぶついたもの事実じじつとしているもの。たとえば、ガリレオが地動説ちどうせつかんするほん出版しゅっぱんしたさいかれ地動説ちどうせつ事実じじつとしてあつかっていた。その場合ばあい地動説ちどうせつ事実じじつとしてあつかわれる。だい2に契約けいやくしょあんとうだい3にたんなる事実じじつ報道ほうどう雑報ざっぽう。しかし事実じじつ報道ほうどうする新聞しんぶん記事きじなどは記事きじ配列はいれつ評価ひょうか分析ぶんせきなどで創作そうさくせいたもたれているためそれらは著作ちょさくぶつとして成立せいりつする。著作ちょさくぶつとして成立せいりつしないものとしては表現ひょうげんはばせま新聞しんぶん見出みだしや死亡しぼう報道ほうどうなどである。だい4に、スポーツやゲームのルールである。だい5に技術ぎじゅつ自然しぜん科学かがくのアイディアそれ自体じたいである。どんなに苦労くろうして完成かんせいさせた理論りろんであっても、アイディアそれ自体じたいには著作ちょさくけんはない。しかしそのアイディアを表現ひょうげんした論文ろんぶんでの創作そうさくせい確保かくほされているものにかんしては著作ちょさくけんがある (pp.46-55)。

また、表現ひょうげんされている必要ひつようがあり[40]文字もじ言語げんご形象けいしょう音響おんきょうなどによって表現ひょうげんされることで著作ちょさくぶつとなる[41]

著作ちょさくけん対象たいしょうとして想定そうていされるのは、典型てんけいてきには美術びじゅつ音楽おんがく文芸ぶんげい学術がくじゅつぞくする作品さくひんである。絵画かいが彫刻ちょうこく建築けんちく楽曲がっきょく小説しょうせつ戯曲ぎきょく、エッセイ、研究けんきゅうしょなどがその代表だいひょうてきれいである。ほかにインターネット掲示板けいじばん[42]写真しゃしん映画えいが、テレビゲームなど、あたらしい技術ぎじゅつによって出現しゅつげんした著作ちょさくぶつについても保護ほご対象たいしょうとして追加ついかされてきた。

美術びじゅつてき分野ぶんやでは、著作ちょさくけんのほか、意匠いしょうけん工業こうぎょうデザイン権利けんり保護ほごするが、著作ちょさくけん原則げんそくとして美術びじゅつ鑑賞かんしょうのための作品さくひんなどに適用てきようされ、実用じつようひんには適用てきようされないとする。ただし、この境界きょうかいせんかならずしも明解めいかいではなく、美術びじゅつ工芸こうげいひん双方そうほう権利けんりおよぶとするせつもある。また、くにによっては意匠いしょうほう著作ちょさくけんほうをまとめてあつかっている場合ばあいもある。

入学にゅうがく試験しけん問題もんだいは、数学すうがく問題もんだいにおける数式すうしきそのもの、社会しゃかい問題もんだいにおける歴史れきしてき事実じじつそのものといった場合ばあいのぞき、問題もんだい作成さくせいした学校がっこうとう著作ちょさくけんしょうじるとされる[43]

くにによって保護ほご対象たいしょうことなる場合ばあいがあり、たとえば、フランスの著作ちょさくけんほうでは著作ちょさくぶつ本体ほんたいのほかにそのタイトルも創作そうさくせいがあれば保護ほごするむね規定きていしている。おなじく、一部いちぶ衣服いふくのデザインが保護ほごされることがとくさだめられている。米国べいこく著作ちょさくけんほうでは船舶せんぱく船体せんたいデザインを保護ほごするためにとくもうけられた規定きていがある。ほかに、明文あきふみ規定きていによるものではないが、活字かつじ書体しょたい日本にっぽんほうでは原則げんそくとして保護ほごされないが、保護ほごするくにもある。アプリケーションプログラミングインタフェース(API)についても日本にっぽんほうでは明示めいじてき保護ほご対象たいしょうがいとしているが、米国べいこくでは「保護ほごおよぶ」という最高裁さいこうさい判決はんけつている。

著作ちょさくけんしょうじないもの[編集へんしゅう]

きわめて正確せいかくえがかれた正方形せいほうけい著作ちょさくぶつではない
ラスト・メッセージin最終さいしゅうごう事件じけん
裁判所さいばんしょ東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ
判決はんけつ1995ねん平成へいせい7ねん)12月18にち
意見いけん
前略ぜんりゃく休刊きゅうかんまた廃刊はいかんとなった雑誌ざっし最終さいしゅうごうにおいて、きゅう廃刊はいかんさい出版しゅっぱんもととう会社かいしゃやその編集へんしゅう編集へんしゅうちょうとうから読者どくしゃあてかれたいわば挨拶あいさつぶんであるから、このような性格せいかくからすれば、すくなくとも当該とうがい雑誌ざっしいまごうかぎりで休刊きゅうかんまた廃刊はいかんとなるむね告知こくち読者どくしゃとうたいする感謝かんしゃねんあるいはおびの表明ひょうめい休刊きゅうかんまた廃刊はいかんとなるのは残念ざんねんであるむね感情かんじょう表明ひょうめい本件ほんけん記事きじ内容ないようとなることは常識じょうしきじょう当然とうぜんであり、また、当該とうがい雑誌ざっしのこれまでの編集へんしゅう方針ほうしん骨子こっしきゅう廃刊はいかんさい発行はっこうしん雑誌ざっし発行はっこうとう予定よてい説明せつめいをすること、同社どうしゃ関連かんれん雑誌ざっしつづ愛読あいどくしてほしいむね要望ようぼうすることも営業えいぎょうじょう当然とうぜんのことであるから、これらいつつの内容ないようをありふれた表現ひょうげん記述きじゅつしているにすぎないものは、創作そうさくせいくものとして著作ちょさくぶつであるとみとめることはできない

権利けんりしょうじず、保護ほご対象たいしょうにならない製作せいさくぶつがある。おもなものは以下いかとおり。

典型てんけいてきにはまったく創作そうさくせいのない表現ひょうげん情報じょうほうやアイディア・ノウハウ
だれ表現ひょうげんしてもおなじようになるものは創作そうさくせいがあるとはえない。ただし、最低限さいていげんどのような創作そうさくせい必要ひつようになるかについて画一かくいつてき定型ていけいてき基準きじゅん存在そんざいしない。具体ぐたいてき判断はんだんについては事案じあんごとに周辺しゅうへん事情じじょうをも勘案かんあんしたものになるため、判例はんれいごとにことなる。
自然しぜん科学かがくかんする論文ろんぶん
大阪おおさか地裁ちさい判決はんけつ[44][45]では、「論文ろんぶん同一どういつ自然しぜん科学かがくじょう知見ちけん記載きさいされているとしても、自然しぜん科学かがくじょう知見ちけんそれ自体じたい表現ひょうげんではないから、おな知見ちけん記載きさいされていることをもって著作ちょさくけん侵害しんがいとすることはできない。また、おな自然しぜん科学かがくじょう知見ちけん説明せつめいしようとすれば、普通ふつうは、説明せつめいしようとする内容ないようおなじである以上いじょう、その表現ひょうげん同一どういつであるか、また似通にかよったものとなってしまうのであって、内容ないようおなじであるがゆえ表現ひょうげんまってしまうものは、創作そうさくせいがあるということはできない」としている。なお、判例はんれいでは「もっとも、自然しぜん科学かがくじょう知見ちけん記載きさいした論文ろんぶん一切いっさい創作そうさくせいがないというものではなく、たとえば、論文ろんぶん全体ぜんたいとして、あるいは論文ろんぶんちゅうのある程度ていどまとまった文章ぶんしょう構成こうせいされる段落だんらくについて、論文ろんぶん全体ぜんたいとして、あるいは論文ろんぶんちゅうのある程度ていどまとまった文章ぶんしょうとしてとらえたうえで、個々ここぶんにおける表現ひょうげんくわえ、論述ろんじゅつ構成こうせい文章ぶんしょう配列はいれつをもわせてたときに作成さくせいしゃ個性こせいあらわれている場合ばあいには、その単位たんい全体ぜんたい表現ひょうげんとして創作そうさくてきなものということができるから、そのかぎりで著作ちょさくぶつせいみとめることはありるところである」としている。
また大阪おおさか高裁こうさい判決はんけつ控訴こうそしん)では、原告げんこく請求せいきゅう棄却ききゃくした。この判決はんけつでは、「自然しぜん科学かがく論文ろんぶん,ことに本件ほんけんのように,ある物質ぶっしつ性質せいしつ実験じっけんにより分析ぶんせきあきらかにすることを目的もくてきとした研究けんきゅう報告ほうこくとして,その実験じっけん方法ほうほう実験じっけん結果けっかおよあきらかにされた物質ぶっしつ性質せいしつとう自然しぜん科学かがくじょう知見ちけん記述きじゅつする論文ろんぶんは,おな言語げんご著作ちょさくぶつであっても,ある思想しそうまた感情かんじょう多様たよう表現ひょうげん方法ほうほう表現ひょうげんすることができる詩歌しか小説しょうせつとうことなり,その内容ないようである自然しぜん科学かがくじょう知見ちけんとう読者どくしゃ一義的いちぎてきかつ明確めいかく伝達でんたつするために,論理ろんりてきかつ簡潔かんけつ表現ひょうげんもちいる必要ひつようがあり,抽象ちゅうしょうてきであいまいな表現ひょうげん可能かのうかぎけられなければならない。その結果けっか自然しぜん科学かがく論文ろんぶんにおける表現ひょうげんは,おのずと定型ていけい画一かくいつされ,ある自然しぜん科学かがくじょう知見ちけんかんする表現ひょうげん選択せんたくは,きわめて限定げんていされたものになる。したがって,自然しぜん科学かがく論文ろんぶんにおける自然しぜん科学かがくじょう知見ちけんかんする表現ひょうげんは,一定いってい実験じっけん結果けっかからある自然しぜん科学かがくじょう知見ちけんみちび推論すいろん過程かてい構成こうせいとうにおいて,とく著作ちょさくしゃ個性こせいあらわれていると評価ひょうかできる場合ばあいなどは格別かくべつたん実験じっけん方法ほうほう実験じっけん結果けっかあきらかにされた物質ぶっしつ性質せいしつとう自然しぜん科学かがくじょう知見ちけん定型ていけいてきまた一般いっぱんてき表現ひょうげん方法ほうほう記述きじゅつしただけでは,ただちに表現ひょうげんじょう創作そうさくせいがあるということはできず,著作ちょさくけんほうによる保護ほごけることができないとするのが相当そうとうである」としている。
また、大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょ判決はんけつでは「表現ひょうげん技法ぎほうについて著作ちょさくけんほうによる保護ほごみとめると,結果けっかてきに,自然しぜん科学かがくじょう知見ちけん独占どくせんゆるすことになり,著作ちょさくけんほう趣旨しゅしはんすることはあきらかである」としている。
独創どくそうてき思想しそうまたは貴重きちょう情報じょうほうそのもの
ある数学すうがく問題もんだい解法かいほうやニュース報道ほうどうげられる事実じじつなどは、その発見はっけん取材しゅざい非常ひじょう努力どりょくようすることがあっても、著作ちょさくけん保護ほごされることはない。ただし、その解法かいほう表現ひょうげんや、ニュース報道ほうどうにおける事実じじつ表現ひょうげんなどは著作ちょさくけん保護ほごされることがある[46]

そのほか、キャラクター設定せってい[47]感情かんじょうそのもの、創作そうさくくわわっていない模倣もほうひん[48]範囲はんいがい工業こうぎょう製品せいひん[48](たとえば自動車じどうしゃのデザイン[49])などは著作ちょさくぶつとはならないほか、みじか表現ひょうげん・ありふれた表現ひょうげん[48][50](たとえば作品さくひんのタイトル[51][52]流行りゅうこう[53]商品しょうひんめい[54])・選択せんたくはばせま表現ひょうげんなどは創作そうさくせいみとめられない傾向けいこうにある。

保護ほご要件ようけん[編集へんしゅう]

方式ほうしき主義しゅぎ方式ほうしき主義しゅぎ[編集へんしゅう]

特許とっきょけん意匠いしょうけん商標しょうひょうけんなどは登録とうろく権利けんり発生はっせい要件ようけんであるが、著作ちょさくけん発生はっせい要件ようけんについて登録とうろくなどを権利けんり発生はっせい要件ようけんとするかかについては立法りっぽうれいかれる。

著作ちょさくけん発生はっせい要件ようけんについて、登録とうろく納入のうにゅう著作ちょさくけん表示ひょうじなど一定いってい方式ほうしきそなえることを要件ようけんとする立法りっぽうれい方式ほうしき主義しゅぎという[55]。これにたいして著作ちょさくぶつ創作そうさくされた時点じてんなん方式ほうしき必要ひつようとせず著作ちょさくけん発生はっせいみとめる立法りっぽうれい方式ほうしき主義しゅぎという[56]

ベルヌ条約じょうやくは、加盟かめいこく方式ほうしき主義しゅぎ採用さいよう義務ぎむづけている(ベルヌ条約じょうやく5じょう2こう[56]。なお、日本にっぽんには著作ちょさくけん登録とうろく制度せいどがあるものの、ベルヌ条約じょうやく加盟かめいこくであることもあり発生はっせい要件ようけんではなく、あくまでも第三者だいさんしゃ対抗たいこう要件ようけんであるにぎない[57]。これにたいして万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようしている[55](ベルヌ条約じょうやく万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく双方そうほう加盟かめいしている場合ばあいには万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく17じょうによりベルヌ条約じょうやく優先ゆうせんする[58])。

なお、北朝鮮きたちょうせんもベルヌ条約じょうやく加盟かめいこくであるが、日本にっぽん北朝鮮きたちょうせん国家こっかとして承認しょうにんしていないことを理由りゆうに、2011ねん12月、北朝鮮きたちょうせん著作ちょさくぶつかんしては日本にっぽん国内こくない保護ほご義務ぎむがないとの司法しほう判断はんだん最高裁さいこうさいによってなされた[59][60]

著作ちょさくけんマーク[編集へんしゅう]

著作権マーク「©」

ベルヌ条約じょうやく加盟かめい方式ほうしき主義しゅぎをとるくににおいては著作ちょさくぶつ創作そうさくした時点じてん著作ちょさくけん発生はっせいするため、著作ちょさくぶつ特定とくてい表示ひょうじおこな義務ぎむされていない。一方いっぽう、ベルヌ条約じょうやく締結ていけつどう条約じょうやく加盟かめいせず方式ほうしき主義しゅぎをとる国々くにぐにがあった[55]。そのため自国じこく方式ほうしき主義しゅぎ義務ぎむづけるベルヌ条約じょうやく締結ていけつしていても、方式ほうしき主義しゅぎをとる国々くにぐにでは著作ちょさくけん発生はっせい要件ようけんたさず、そのままでは著作ちょさくけん保護ほごることができず不都合ふつごうしょうじていた。そこで万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく方式ほうしき主義しゅぎをとるくににおける著作ちょさくぶつが、方式ほうしき主義しゅぎをとるくにでも著作ちょさくけん保護ほごることができるよう、氏名しめい最初さいしょ発行はっこうねん、©のマークの3つを著作ちょさくけん表示ひょうじとして明示めいじすれば自動的じどうてき著作ちょさくけん保護ほごけることができるとした[61]著作ちょさくけんマーク「©」は、著作ちょさくけん発生はっせい要件ようけんとして著作ちょさくぶつへの一定いってい表示ひょうじもとめる方式ほうしき主義しゅぎこくにおいて、要件ようけんたす著作ちょさくけん表示ひょうじおこなうためにもちいられるマークである[39]

先述せんじゅつのように、ベルヌ条約じょうやく万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく双方そうほう加盟かめいしている場合ばあいには、方式ほうしき主義しゅぎさだめるベルヌ条約じょうやく優先ゆうせんする[58]。したがって、このような問題もんだいしょうじるのはベルヌ条約じょうやく締結ていけつしておらず万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやくのみを締結ていけつしている方式ほうしき主義しゅぎをとっているくににおいてである。かつては米国べいこく方式ほうしき主義しゅぎこく代表だいひょうてき存在そんざいで、ながあいだ万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやくのみを締結ていけつしベルヌ条約じょうやく締結ていけつしていなかった。しかし、米国べいこくは1989ねんにベルヌ条約じょうやく締結ていけつして方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようした[61]。ほかのくににおいても方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようすすんだ結果けっか、2017ねん現在げんざい万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやくのみを締結ていけつ方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようしているくにカンボジアだけとなっている[62][63][64]。そのカンボジアもベルヌ条約じょうやく自体じたい締結ていけつしていないものの、2004ねんのWTO加盟かめいによりTRIPS協定きょうてい9じょう1こう適用てきようけることとなり、ベルヌ条約じょうやくの1じょうから21じょう条項じょうこうおよび附属ふぞくしょ遵守じゅんしゅ義務ぎむったため、実質じっしつてき方式ほうしき主義しゅぎ転換てんかんした[61]

なお、著作ちょさくけん表示ひょうじ条約じょうやくじょう著作ちょさくけん発生はっせい要件ようけんとはべつ国内こくないほうじょう一定いってい効果こうかしょうじることがあり、たとえばアメリカの著作ちょさくけんほうでは著作ちょさくけん存在そんざいらずパブリックドメインとしんじたもの保護ほごする善意ぜんい侵害しんがいしゃ(innocent infrigers)の法理ほうりがあるが、©マークとう著作ちょさくけん表示ひょうじ著作ちょさくぶつ明確めいかく表示ひょうじされていれば原則げんそくとして善意ぜんい侵害しんがいにはあたらないとされている[61]

有形ゆうけいぶつへの固定こていよう[編集へんしゅう]

著作ちょさくぶつ有形ゆうけい媒体ばいたい固定こていされている必要ひつようがあるかかについても立法りっぽうれいかれる。ベルヌ条約じょうやくでは固定こてい要件ようけんとするかかにかんしては加盟かめいこく立法りっぽうゆだねている(ベルヌ条約じょうやく2じょう2こう)。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく著作ちょさくけんほうでは、著作ちょさくぶつ固定こていされていることが保護ほご要件ようけんとなっており(102じょう(a))、固定こてい著作ちょさくぶつはもっぱら州法しゅうほう規律きりつによる。日本にっぽん場合ばあい固定こてい要件ようけんとしていないが、映画えいが著作ちょさくぶつについてはものへの固定こてい要件ようけんであると一般いっぱんてきにはほぐされている(ただし、このてんには議論ぎろんがある)[65]

著作ちょさくけん侵害しんがい[編集へんしゅう]

著作ちょさくけん侵害しんがいは、民事みんじでは差止さしどめ請求せいきゅうけん損害そんがい賠償ばいしょう名誉めいよ回復かいふくとう対象たいしょうとなる。また、刑事けいじ事件じけんとして罰金ばっきんけい懲役ちょうえきけいなどの刑事けいじばつされる場合ばあいもある。べいDMCAにもとづいて、自称じしょう著作ちょさくけんしゃおよびその代理人だいりにんによる著作ちょさくけん侵害しんがい告発こくはつで、正規せいき著作ちょさくけんしゃ合法ごうほう著作ちょさくけん利用りようさまたげられるケース、ては言論げんろん弾圧だんあつ利用りようするケースすら多発たはつしている。

著作ちょさくけん法的ほうてき保護ほご[編集へんしゅう]

条約じょうやくじょう保護ほご[編集へんしゅう]

著作ちょさくけん保護ほごについては、「文学ぶんがくてきおよ美術びじゅつてき著作ちょさくぶつ保護ほごかんするベルヌ条約じょうやく」(ベルヌ条約じょうやく)、「万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく」、「著作ちょさくけんかんする世界せかい知的ちてき所有しょゆうけん機関きかん条約じょうやく」(WIPO著作ちょさくけん条約じょうやく)、「知的ちてき所有しょゆうけん貿易ぼうえき関連かんれん側面そくめんかんする協定きょうてい」(TRIPS協定きょうてい)などの条約じょうやく保護ほご最低さいてい要件ようけんなどをさだめており、これらの条約じょうやく締約ていやくこくが、条約じょうやくじょう要件ようけんたすかたちで、国内こくない著作ちょさくけん保護ほご法令ほうれいさだめている。

ベルヌ条約じょうやく[編集へんしゅう]

18世紀せいきから19世紀せいきにかけて各国かっこく民間みんかん交流こうりゅう増大ぞうだいしたが、それとともに剽窃ひょうせつ国際こくさいてき問題もんだいとなった[66]おおくのくにでは著作ちょさくけんほう制定せいていされていたが、効力こうりょく範囲はんい国民こくみんなどにかぎられていた[66]。そこで各国かっこくは、相互そうご主義しゅぎのもとたがいに相手方あいてがた国民こくみん著作ちょさくけん保護ほごするこくあいだ条約じょうやく締結ていけつして解決かいけつはかろうとした[66]。しかし、こくあいだ条約じょうやくでは締約ていやくこく以外いがいには効力こうりょくおよばず、各国かっこく法律ほうりつ登録とうろくなどの著作ちょさくけん保護ほご要件ようけんさだめていたため現実げんじつ著作ちょさくけん取得しゅとくすることはむずかしく実効じっこうせいとぼしいものだった[67]

そこで国際こくさい文芸ぶんげい協会きょうかいなどが国際こくさいてき著作ちょさくけん保護ほご運動うんどう展開てんかいし、スイス政府せいふなどの主導しゅどうのもと1886ねんにベルヌ条約じょうやく文学ぶんがくてきおよ美術びじゅつてき著作ちょさくぶつ保護ほごかんするベルヌ条約じょうやく)が締結ていけつされた[68]。ベルヌ条約じょうやくかんしては1908ねんのベルリンでの改正かいせい条約じょうやくによって方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようされた[69]

ベルヌ条約じょうやくうち国民こくみん待遇たいぐう遡及そきゅうこう方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようなどをはしらとする[56]

万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく[編集へんしゅう]

ベルヌ条約じょうやくは1908ねんのベルリンでの改正かいせい条約じょうやくによって方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようされたが、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく中南米ちゅうなんべい諸国しょこくなど方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようしている諸国しょこくとのあいだ制度せいどてき差異さいしょう問題もんだいした[70]。そこで、方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようしているアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく中南米ちゅうなんべい諸国しょこくなどと、ベルヌ条約じょうやく加盟かめいして方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようしている国々くにぐにとのあいだ架橋かきょうとなる条約じょうやくとして、1952ねん万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく成立せいりつした[70]

万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやくうち国民こくみん待遇たいぐう遡及そきゅうこう方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようなどをはしらとする[56]。ただし、ベルヌ条約じょうやく万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく双方そうほう加盟かめいしている場合ばあいには万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやく17じょうによりベルヌ条約じょうやく優先ゆうせんする[58]

1979ねんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくがベルヌ条約じょうやく加盟かめいしたのち、グアテマラなどの中南米ちゅうなんべい諸国しょこく次々つぎつぎとベルヌ条約じょうやく加盟かめいするなど、各国かっこく方式ほうしき主義しゅぎへの転換てんかんすすんだ[61]先述せんじゅつのように、万国ばんこく著作ちょさくけん条約じょうやくのみを締結ていけつして方式ほうしき主義しゅぎ採用さいようしているくには2017ねん現在げんざいカンボジアだけとなっており[62]、そのカンボジアもWTO加盟かめいによりTRIPS協定きょうてい9じょう1こう適用てきようけ、ベルヌ条約じょうやくの1じょうから21じょう条項じょうこうおよび附属ふぞくしょ遵守じゅんしゅ義務ぎむったため、実質じっしつてき方式ほうしき主義しゅぎ転換てんかんしている[61]

日本にっぽん著作ちょさくけんほう[編集へんしゅう]

現在げんざい日本にっぽんにおける著作ちょさくけん著作ちょさくけんほうによって規定きていされている。著作ちょさくけんほうは、著作ちょさくぶつによってしょうじる著作ちょさくしゃ財産ざいさんけん範囲はんいさだめている(著作ちょさくけんほうだい17じょうだい1こう)。日本にっぽんでは創作そうさくした時点じてん自動的じどうてき帰属きぞくされる。日本にっぽん著作ちょさくけんほうは「著作ちょさくしゃ権利けんり」のもとに「著作ちょさくけん」と「著作ちょさくしゃ人格じんかくけん」をおく二元にげんてき構成こうせいをとっており[8]、このうち「著作ちょさくけん」を著作ちょさくしゃ財産ざいさんてき利益りえき保護ほごする権利けんりとする[14]

日本にっぽん近代きんだい以前いぜんにおいては版元はんもと権利けんりしゃかんがえられており、明治めいじ初期しょき版権はんけんとして著作ちょさくけん一部いちぶ保護ほごけることになった。19世紀せいきまつのベルヌ条約じょうやく加盟かめいにあたってはじめて著作ちょさくけんほう制定せいていされ、1970ねん旧法きゅうほう全部ぜんぶ改正かいせいして現行げんこう著作ちょさくけんほう制定せいていされた。

著作ちょさくけんほう以下いかじょうすうのみ記載きさいする。

権利けんり内容ないよう譲渡じょうと可能かのうせい[編集へんしゅう]

日本にっぽん著作ちょさくけんほうしたでは、原則げんそくとして、著作ちょさくけん創作そうさく時点じてん自動的じどうてき創作そうさくしゃ著作ちょさくしゃ)に帰属きぞくする(方式ほうしき主義しゅぎ cf.方式ほうしき主義しゅぎ)。たとえ創作そうさく活動かつどう職業しょくぎょうとしない一般人いっぱんじんであっても、創作そうさくされた時点じてん自動的じどうてき帰属きぞくされる。つまり、原始げんしてきには著作ちょさくしゃたる地位ちい著作ちょさくけんしゃたる地位ちいどういちにん帰属きぞくする。

もっとも、著作ちょさくけん財産ざいさんけん一種いっしゅであり、譲渡じょうとすることが可能かのうであり、さらには、以下いかのようなささえ分権ぶんけんごとにも譲渡じょうと可能かのう理解りかいされている。したがって、創作そうさくおこなったもの現時点げんじてん著作ちょさくけんしゃとは一致いっちしないことや、ささえ分権ぶんけんごとに権利けんりしゃことなることもありうる。ただし、譲渡じょうとけたもの第三者だいさんしゃ対抗たいこうするためには、文化庁ぶんかちょう著作ちょさくけん登録とうろくしておく必要ひつようがある。また、映画えいが著作ちょさくぶつについては、著作ちょさくけん原始げんしてき帰属きぞくについて特例とくれいもうけられている(16じょう)。この場合ばあいでも人格じんかくけんとしての著作ちょさくしゃ人格じんかくけん著作ちょさくしゃのこされるため(59じょう)、著作ちょさくけんしゃであるといえども無断むだん著作ちょさくぶつ公表こうひょう改変かいへんしたり、氏名しめい表示ひょうじえたりすることはできない[71]

著作ちょさくけんほう日本にっぽん)では著作ちょさくけん対象たいしょうとならないものを様々さまざま定義ていぎしている。事実じじつ伝達でんたつ・プログラム言語げんご・アルゴリズム・公的こうてき規則きそくなどがげられている。権利けんり対象たいしょうとなる著作ちょさくぶつかんしても、特定とくてい条件下じょうけんかでは著作ちょさく財産ざいさんけん制限せいげんされると規定きていされている。

なお、著作ちょさくしゃ著作ちょさくけんしゃ用語ようご使つかけがかりづらいためか、2005ねん1がつ文化ぶんか審議しんぎかい著作ちょさくけん分科ぶんかかいから発表はっぴょうされた「著作ちょさくけんほうかんする今後こんご検討けんとう課題かだい」のなかでは、用語ようご整理せいり検討けんとう必要ひつようであると言及げんきゅうされている。

権利けんり行使こうし[編集へんしゅう]

著作ちょさくけんしゃは、他人たにんたいし、その著作ちょさくぶつ利用りよう許諾きょだくすることができる(63じょう1こう)。この許諾きょだくものは、その許諾きょだくかか利用りよう方法ほうほうおよび条件じょうけん範囲はんいないにおいて、その許諾きょだくかか著作ちょさくぶつ利用りようすることができる(63じょう2こう)。また、この許諾きょだくかか著作ちょさくぶつ利用りようする権利けんりは、著作ちょさくけんしゃ承諾しょうだくないかぎり、譲渡じょうとすることができない(63じょう3こう)。

  • 著作ちょさくぶつ放送ほうそうまた有線ゆうせん放送ほうそうについての許諾きょだくは、契約けいやく別段べつだんさだめがないかぎり、当該とうがい著作ちょさくぶつ録音ろくおんまた録画ろくが許諾きょだくふくまないものとする(63じょう4こう)。
  • 著作ちょさくぶつ送信そうしん可能かのうについての許諾きょだくものが、その許諾きょだくかか利用りよう方法ほうほうおよ条件じょうけん送信そうしん可能かのう回数かいすうまた送信そうしん可能かのうもちいる自動じどう公衆こうしゅう送信そうしん装置そうちかかるものをのぞく)の範囲はんいないにおいて反復はんぷくしてまた自動じどう公衆こうしゅう送信そうしん装置そうちもちいておこな当該とうがい著作ちょさくぶつ送信そうしん可能かのうについては、23じょう1こう規定きていは、適用てきようしない(63じょう5こう)。23じょう1こう規定きていとは、「著作ちょさくしゃは、その著作ちょさくぶつについて、公衆こうしゅう送信そうしん自動じどう公衆こうしゅう送信そうしん場合ばあいにあつては、送信そうしん可能かのうふくむ)をおこな権利けんり専有せんゆうする」とするものである。

共有きょうゆう著作ちょさくけん共同きょうどう著作ちょさくぶつ著作ちょさくけんその共有きょうゆうかか著作ちょさくけん)は、その共有きょうゆうしゃ全員ぜんいん合意ごういによらなければ行使こうしすることができないが(65じょう2こう)、かく共有きょうゆうしゃは、正当せいとう理由りゆうがないかぎ合意ごうい成立せいりつさまたげることができない(65じょう3こう)し、信義しんぎはんして合意ごうい成立せいりつさまたげることができない(65じょう4こう64じょう2こう)。また、代表だいひょうけんくわえられた制限せいげんは、善意ぜんい第三者だいさんしゃ対抗たいこうすることができない(65じょう4こう、64じょう4こう)。

共同きょうどう著作ちょさくぶつとは、「2人ふたり以上いじょうもの共同きょうどうして創作そうさくした著作ちょさくぶつであって、その各人かくじん寄与きよ分離ぶんりして個別こべつてき利用りようできないものをいう」(2じょう1こう12ごう)と定義ていぎされる。あいだちがいやすいのは、てき著作ちょさくぶつで、「キャンディ・キャンディ事件じけん」(さいはん平成へいせい13ねん10がつ25にち判例はんれい)の事案じあんにおいては、ストーリー作者さくしゃにより事前じぜん原稿げんこう用紙ようし執筆しっぴつされたストーリーにもとづいて作画さくがしゃ作画さくがをするという方式ほうしきがとられており、てき著作ちょさくぶつ該当がいとうするものと判断はんだんされた。

つぎ間違まちがいやすいのは結合けつごう著作ちょさくぶつである。これは、各人かくじん創作そうさくてき表現ひょうげん分離ぶんりして利用りよう可能かのうなものであり、たとえば、「歌詞かし楽曲がっきょく」「小説しょうせつ挿絵さしえ」などがこれに該当がいとうする。この場合ばあいは、共同きょうどう著作ちょさくぶつではなく、それぞれが著作ちょさくぶつであり著作ちょさくけんゆうするとほぐされる。

著作ちょさくけん所有しょゆうけん[編集へんしゅう]

著作ちょさくけんあかるくない一般人いっぱんじんにおいては、しばしば、著作ちょさくぶつ表象ひょうしょうした有体物ゆうたいぶつ所有しょゆうけん取得しゅとくしたことにより、著作ちょさくけんるいする権限けんげん取得しゅとくできると誤解ごかいする場合ばあいがある。しかし、所有しょゆうけん取得しゅとくしたからといって著作ちょさくけんにかかるしょ権利けんりまで取得しゅとくできるわけではない。このことは美術びじゅつ著作ちょさくぶつについての判例はんれいかおきょう自書じしょけんちゅうつげじょう事件じけん[72]あきらかになっている。

ただし、美術びじゅつ著作ちょさくぶつについてのげん作品さくひん所有しょゆうしゃによる著作ちょさくぶつ展示てんじ展示てんじともな複製ふくせいなどの行為こういには著作ちょさくけん効力こうりょくおよばないとする規定きていがある(45じょう47じょう)。所有しょゆうけんしゃによる当該とうがい行為こういにまで著作ちょさくけん効力こうりょくおよぶものとすると、美術びじゅつひん所有しょゆうけんもの利益りえきいちじるしくそこなわれるため、著作ちょさくけん所有しょゆうけん調整ちょうせいはかったものである。

著作ちょさくけん保護ほご期間きかん[編集へんしゅう]

保護ほご期間きかん永久えいきゅうさだめるくに存在そんざいするが、一般いっぱん一定いってい保護ほご期間きかんしたにおいてのみ、保護ほごされる[20]保護ほご期間きかん満了まんりょうむかえると、著作ちょさくけん消滅しょうめつ、パブリックドメインとされる[20]

著作ちょさくぶつ利用りよう契約けいやく[編集へんしゅう]

著作ちょさくけんしゃ他人たにんたいして著作ちょさくぶつ利用りようみとめる契約けいやくには著作ちょさくぶつ利用りよう許諾きょだく契約けいやく出版しゅっぱんけん設定せってい契約けいやくがある[73]

著作ちょさくぶつ利用りよう許諾きょだく契約けいやく[編集へんしゅう]

著作ちょさくぶつ利用りよう許諾きょだく契約けいやく(ライセンス契約けいやく)は契約けいやくむすんだものにたいして著作ちょさくぶつ利用りようみとめる契約けいやくである[73]著作ちょさくぶつ利用りよう許諾きょだく契約けいやく相手方あいてがた複数ふくすうものでもよい[73]

出版しゅっぱんけん設定せってい契約けいやく出版しゅっぱんけん[編集へんしゅう]

出版しゅっぱんけん設定せってい契約けいやく特定とくていものたい出版しゅっぱんけん設定せっていするもので、出版しゅっぱんけん設定せっていけた出版しゅっぱんけんしゃ設定せってい行為こういしたがって著作ちょさくぶつ複製ふくせいして頒布はんぷすることができる[74]出版しゅっぱん行為こういにはかみ媒体ばいたいやDVD、CD-ROMなどへの複製ふくせいのほか、インターネットによる公衆こうしゅう送信そうしん行為こうい電子でんし出版しゅっぱんなどもふくまれる[75]出版しゅっぱんけん排他はいたてき独占どくせんてき権利けんりであり、出版しゅっぱんけん侵害しんがいするものたいしては差止さしどめ請求せいきゅう損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうみとめられる[75]

日本にっぽんでは出版しゅっぱんけん複製ふくせいけんいち形態けいたいとして著作ちょさくけんほうだいさんしょう出版しゅっぱんけん)に規定きていされる。著作ちょさくぶつ文書ぶんしょまたは図画ずがとして出版しゅっぱんする行為こうい目的もくてきとする。

(80じょう出版しゅっぱんけんしゃは、設定せってい行為こういさだめるところにより、その出版しゅっぱんけん目的もくてきである著作ちょさくぶつについて、つぎかかげる権利けんり全部ぜんぶまた一部いちぶ専有せんゆうする。(1こう頒布はんぷ目的もくてきをもつて、原作げんさくのまま印刷いんさつその機械きかいてきまた化学かがくてき方法ほうほうにより文書ぶんしょまた図画ずがとして複製ふくせいする権利けんり原作げんさくのまま前条ぜんじょうだいいちこう規定きていする方式ほうしき[註釈ちゅうしゃく 5]により記録きろく媒体ばいたい記録きろくされた電磁でんじてき記録きろくとして複製ふくせいする権利けんりふくむ)

よって出版しゅっぱんけんしゃは、著作ちょさくけんしゃ複製ふくせいけんしゃ)との利用りよう許諾きょだく契約けいやく条件下じょうけんかで、著作ちょさくぶつ出版しゅっぱん行為こういかん排他はいたてき権利けんり取得しゅとくすることとなる。出版しゅっぱんけんしゃたんなる利用りよう許諾きょだくしゃであるにまらず、法律ほうりつじょう著作ちょさくぶつ公表こうひょう権利けんり侵害しんがい訴訟そしょう原告げんこく資格しかく付与ふよされ(112じょう)、利用りよう許諾きょだく範囲はんいないでは著作ちょさくけんしゃ複製ふくせいけんしゃ)の複製ふくせいけん出版しゅっぱんけん行使こうしにも影響えいきょうがある[註釈ちゅうしゃく 6]など、強力きょうりょく権利けんりつ。出版しゅっぱんけんつぎとお利用りよう許諾きょだく範囲はんいない存続そんぞくするが、期限きげんとした契約けいやく有効ゆうこうせいについては学説がくせつじょうあらそいがあり、有限ゆうげん期間きかん明示めいじして契約けいやくするのが通例つうれいである。[76]

(83じょう出版しゅっぱんけん存続そんぞく期間きかんは、設定せってい行為こういさだめるところによる。(2こう出版しゅっぱんけんは、その存続そんぞく期間きかんにつき設定せってい行為こういさだめがないときは、その設定せってい最初さいしょ出版しゅっぱん行為こういとうがあつたからさんねん経過けいかしたにおいて消滅しょうめつする。

複製ふくせいけんなどと同様どうように、出版しゅっぱんけん目的もくてきぶつほうだいさんせつだい款の著作ちょさくけん制限せいげん対象たいしょうとなる(86じょう)。また出版しゅっぱんけんさい譲渡じょうとなどはげん権利けんりしゃ承諾しょうだくにより可能かのうであり(87じょう)、著作ちょさくけん同様どうよう登録とうろく対抗たいこう要件ようけんまで規定きていがある(88じょう)。出版しゅっぱんけん侵害しんがい複製ふくせいけん侵害しんがい場合ばあいおなじく、損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅう訴訟そしょう侵害しんがいとうざい刑事けいじばつ親告罪しんこくざいふくむ)の対象たいしょうとなる(だい7しょうだい8しょう)。2011ねん自炊じすい代行だいこう業者ぎょうしゃ相手あいてどった提訴ていそがあり[77]、2012ねん1がつ20日はつか衆議院しゅうぎいんだい2議員ぎいん会館かいかん出版しゅっぱんしゃ公明党こうめいとう衆院しゅういん議員ぎいん池坊いけのぼう保子やすこ文部もんぶ科学かがく会長かいちょう自民党じみんとう議員ぎいんらに出版しゅっぱんしゃが「著作ちょさく隣接りんせつけん[註釈ちゅうしゃく 7]てる」よう要望ようぼう[78]、これは平成へいせい26ねん改正かいせいにおいて電子でんし書籍しょせき出版しゅっぱんけん(いわゆる電子でんし出版しゅっぱんけん)として実現じつげんされた(つぎ掲)。

80じょう2こう 原作げんさくのまま前条ぜんじょうだいいちこう規定きていする方式ほうしき[註釈ちゅうしゃく 8]により記録きろく媒体ばいたい記録きろくされた当該とうがい著作ちょさくぶつ複製ふくせいぶつもちいて公衆こうしゅう送信そうしんおこな権利けんり

人工じんこう知能ちのう動物どうぶつ著作ちょさくけん[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ これを審査しんさ登録とうろく主義しゅぎぶ。
  2. ^ 著作ちょさくけんす「創作そうさくせい」とは、高度こうど芸術げいじゅつせい独創どくそうせい要求ようきゅうするものではなく、たとえ幼児ようじいた稚拙ちせつであっても、それぞれの個性こせい発揮はっきされていれば著作ちょさくぶつとして保護ほごされる[12]
  3. ^ 著作ちょさくけん表示ひょうじ
  4. ^ もっとも、この時代じだい著作ちょさくけん対象たいしょう書籍しょせきだけで、音楽おんがくなどは対象たいしょうがいであり、モーツァルトさかんに盗作とうさく既存きそん音楽おんがくさい利用りよう改変かいへん】をおこなっていた。
  5. ^ 電子でんし計算けいさんもちいてその映像えいぞうめん文書ぶんしょまた図画ずがとして表示ひょうじされるようにする方式ほうしき
  6. ^ れいとして、出版しゅっぱんしゃ専属せんぞく出版しゅっぱん契約けいやく締結ていけつをした場合ばあい著作ちょさくけんしゃ複製ふくせいけんしゃ)はその契約けいやくはんしてみずか出版しゅっぱん、または出版しゅっぱんしゃから出版しゅっぱんさせることはできない。
  7. ^ なお、いわゆる平成へいせい26ねん改正かいせいほうによる電子でんし出版しゅっぱんけん新設しんせつかんして「出版しゅっぱんしゃ著作ちょさく隣接りんせつけん」として沙汰ざたされているが、著作ちょさくけんほう構造こうぞうじょう電子でんし出版しゅっぱんけんふく出版しゅっぱんけん著作ちょさくけんたる複製ふくせいけんいち形態けいたいであるため、すくなくとも改正かいせいほう新設しんせつ電子でんし出版しゅっぱんけんかんしては著作ちょさく隣接りんせつけんなん関係かんけいがない(たとえば放送ほうそう事業じぎょうしゃ隣接りんせつけんれいれば、訴訟そしょうとう原告げんこく資格しかくるのはみずからの放送ほうそう番組ばんぐみたいしてだけであるし、いっぽうで出版しゅっぱんけんにはだい2しょうだい8せつのような裁定さいてい利用りよう制度せいど規定きていされていない)。
  8. ^ 電子でんし計算けいさんもちいてその映像えいぞうめん文書ぶんしょまた図画ずがとして表示ひょうじされるようにする方式ほうしき

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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  • 福井ふくい健策けんさく改訂かいていばん 著作ちょさくけんとはなにか 文化ぶんか創造そうぞうのゆくえ』集英社しゅうえいしゃ集英社しゅうえいしゃ新書しんしょ〉、2020ねんISBN 978-4-08-721116-0 
  • 山本やまもと桂一けいいち法律ほうりつがく全集ぜんしゅう54-II 著作ちょさくけんほう』(再版さいはん有斐閣ゆうひかく、1973ねん8がつ30にち 
  • 土肥どい一史かずし知的ちてき財産ざいさんほう入門にゅうもん』(だい6はん中央経済社ちゅうおうけいざいしゃ、2003ねん4がつ10日とおかISBN 4-502-90810-X 
  • 川瀬かわせしん北村きたむら行夫ゆきお花井はないたかし大亀おおかめ哲郎てつろう志村しむらきよし大家だいけ重夫しげおいししんさとしぶんまわし山田やまだ健太けんた ちょ日本にっぽん写真しゃしん協会きょうかい著作ちょさくけん委員いいんかい へん写真しゃしん著作ちょさくけん太田おおた出版しゅっぱん〈ユニ知的ちてき所有しょゆうけんブックス〉、2012ねん4がつ29にちISBN 978-4-7783-1309-8全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:22114668 
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  • 安藤あんどう和宏かずひろ『よくわかる音楽おんがく著作ちょさくけんビジネス 基礎きそへん』(5th Edition)リットーミュージック、2018ねんISBN 978-4-845-63141-4 
  • 宮澤みやざわ溥明『著作ちょさくけん誕生たんじょう フランス著作ちょさくけん』(1998ねん出版しゅっぱんからの改訂かいていばん太田おおた出版しゅっぱん出版しゅっぱんじん知的ちてき所有しょゆうけん叢書そうしょ01〉、2017ねんISBN 978-4-7783-1570-2http://www.ohtabooks.com/publish/2017/04/21195243.html 
  • 中山なかやま信弘のぶひろ著作ちょさくけんほう』(だい2はん有斐閣ゆうひかく、2014ねん 

関連かんれん文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]