就活生に甘える社会人

サイトマップ（目次もくじ）

私事しじですが、もうすぐブログを開設かいせつしてから１年ねんになります。ブログ村むらによると、このブログには現在げんざい２５０もの記事きじがあるとのこと。我わがながらよくここまで記事きじを書かけたものだと驚おどろいています。これも、記事きじを読よんでくださっている皆みなさんのおかげです。有難ありがとうございます。

たくさんの記事きじが載のっているということはブログとしては望のぞましい状態じょうたいでしょうが、一方いっぽうで更新こうしん頻度ひんどが高たかいゆえに、特とくにかなり前まえに書かいた記事きじが読よまれにくくなっていると感かんじていました。そこで、このブログの主おもなカテゴリをこの記事きじにて紹介しょうかいし、それが常つねにトップページに掲載けいさいされるような形かたちにすることで、読者どくしゃの方々かたがたが過去かこ記事きじに目めを通とおしやすいようにしました。最近さいきん記事きじの更新こうしんを控ひかえ、その分ぶん過去かこ記事きじの文体ぶんたいを整ととのえる時間じかんを作つくったことで、一ひとつ一ひとつの記事きじの読よみやすさを向上こうじょうさせることが出来できたと思おもっています。では以下いか、カテゴリの紹介しょうかいです。

●ライターページ
就活しゅうかつへの不満ふまん・怨念おんねんに関かんするエピソードを読者どくしゃの方々かたがたから募集ぼしゅうし、それをブログ内ないに掲載けいさいするページです。デモなどのイベントが行おこなわれて初はじめて就活しゅうかつ生せいの不満ふまんを吐露とろする場ばが生うまれるのではなく、特別とくべつなイベントが無なくても就活しゅうかつ生せいの声こえを表現ひょうげんする場ばがあるべきではないかと考かんがえ、開設かいせつしました。エピソード投稿とうこうの際さいの注意ちゅうい点てんは「就活しゅうかつへの不満ふまん、怨念おんねんをこのブログに寄よせてみませんか？～ライターページ開設かいせつのお知しらせ～」という記事きじに書かかれていますので、もし記事きじを書かこうと考かんがえてくださる方ほうがいらっしゃいましたら、まずはこの記事きじをご覧らん下ください。　

●バカ採用さいよう担当たんとう者しゃ／採用さいよう担当たんとう者しゃへの提言ていげん
このカテゴリには主おもに、「就活しゅうかつ生せいに無駄むだな負担ふたんを課かしている」、「合否ごうひ連絡れんらくを就活しゅうかつ生せいに伝つたえない」など、採用さいよう担当たんとう者しゃに対たいする批判ひはんを記しるした記事きじが属ぞくしています。加くわえて採用さいよう担当たんとう者しゃに対たいして、「～な選考せんこうをすれば良よいのでは？」といった提言ていげんをした記事きじもあります。

●バカ面接めんせつ官かん／面接めんせつ官かんへの提言ていげん
このカテゴリには主おもに、「エントリーシートの内容ないようを踏ふまえない質問しつもん」など無駄むだな質問しつもんをしたり、圧迫あっぱく面接めんせつなど非常識ひじょうしきな言葉ことばを就活しゅうかつ生せいに投なげかけたりする面接めんせつ官かんを批判ひはんした記事きじが属ぞくしています。加くわえて、「～な面接めんせつをすれば良よいのでは？」という提言ていげん系けいの記事きじもあります。

●就活しゅうかつ生せいを食くい物ものにする就活しゅうかつコンサルやライター
このカテゴリには主おもに、就活しゅうかつ生せいが抱かかえる不安ふあんや、あるいは彼かれら・彼女かのじょらの知識ちしき不足ふそくにつけこんで、彼かれら・彼女かのじょらからお金かねを奪うばおうとしたり、あるいは「こんなバカな学生がくせいがいますよ～！」というように就活しゅうかつ問題もんだいを肴さかなに大騒おおさわぎしてお金かねを稼かせごうとするコンサルやライターの仕事しごとを批判ひはんする記事きじが属ぞくしています。

●「就活しゅうかつデモ」など就活しゅうかつ批判ひはんの動うごき／就活しゅうかつ生せいによる訴うったえへの疑問ぎもん
去年きょねん行おこなわれた「就活しゅうかつぶっこわせデモ」、「カルト就活しゅうかつやめなはれデモ」の動向どうこうを追おい、その動向どうこうに対たいする感想かんそうを述のべた記事きじが多おおく属ぞくしています。「デモをやるだけでも十分じゅうぶん頑張がんばっている」と思考しこう停止ていしするのではなく、どうしたら「就活しゅうかつデモ」という活動かつどうをより効果こうか的てきなものにできるのかを考かんがえました。

●新卒しんそつ一括いっかつ採用さいよう／「新卒しんそつ一括いっかつ採用さいよう」に対たいする異議いぎ申もうし立たての動うごき
名前なまえどおり、日本にっぽんの就活しゅうかつの特徴とくちょうとされる「新卒しんそつ一括いっかつ採用さいよう」について考察こうさつした記事きじが並ならんでいます。新卒しんそつ一括いっかつ採用さいようのデメリット、及および新卒しんそつ一括いっかつ採用さいよう廃止はいしにより懸念けねんされることを考察こうさつしました。また、「既すんで卒そつ者しゃカフェ」の存在そんざいなど、新卒しんそつ一括いっかつ採用さいように違和感いわかんを覚おぼえる人ひとたちの活動かつどうについても取とり上あげています。

●マスコミの就活しゅうかつ報道ほうどう
マスコミの就活しゅうかつ報道ほうどうを取とり上あげ、「こういう報道ほうどうの仕方しかたは問題もんだいの所在しょざいを見失みうしなわせるのでは？」「就活しゅうかつの早期そうき化かが問題もんだいだと言いうけれど、自分じぶんたちの採用さいよう活動かつどうも早はやくないか？」などのツッコミを入いれた記事きじが並ならんでいます。

●「就活しゅうかつ問題もんだい」を考かんがえる必要ひつよう性せい／問題もんだいを考かんがえる際さいに持もつべき心構こころがまえ
そもそも、なぜ就活しゅうかつの問題もんだい点てんを考察こうさつしなければならないのか。また、考察こうさつする際さいにどのような点てんに注意ちゅういをするべきなのか。自分じぶんなりの考かんがえを記しるしています。

●大手おおて病びょう／大手おおて企業きぎょう内定ないていで調子ちょうしに乗のる「カリスマ内定ないてい者しゃ」
よく問題もんだい視しされる「大手おおて病びょう」。就活しゅうかつ生せいが大手おおて病びょうになる背景はいけいは単純たんじゅんに彼かれら・彼女かのじょらのミーハー志向しこうだけなのか。また、大手おおて企業きぎょう内定ないてい者しゃが「カリスマ内定ないてい者しゃ」と名乗なのり本ほんを出だす事象じしょうについても自分じぶんなりの見解けんかいを記しるしています。

●倫理りんり憲章けんしょうについて
就活しゅうかつ生せいの動向どうこうを大おおきく左右さゆうする「倫理りんり憲章けんしょう」。しかし、このルールは抜ぬけ穴あなだらけ。その存在そんざいを指摘してきした上うえで、最低限さいていげん企業きぎょうが守まもるべきルールの存在そんざいについて自分じぶんなりの見解けんかいを述のべています。

●親おや・就職しゅうしょく課かの課題かだい／就活しゅうかつ生せいをケアするアクター
就活しゅうかつ生せいのメンタル面めんをケアする役割やくわりを果はたし得える親おやや大学だいがくの就職しゅうしょく課か。しかし、逆ぎゃくに彼かれら・彼女かのじょらの振ふる舞まいにより就活しゅうかつ生せいが追おい込こまれることも。また、親おや・就職しゅうしょく課かを頼たよりに出来できない状況じょうきょう下かがあることを想定そうていし、就活しゅうかつ生せいのケアに資しする活動かつどうを行おこなっているアクター（既すんで卒そつ者しゃカフェなど）をこのカテゴリで紹介しょうかいしています。

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（2013.8.20追記ついき）
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「就活しゅうかつと日本にっぽん社会しゃかい」のレビューを書かきました

日野ひの瑛あきら太郎たろうさん批判ひはんや読解どっかい力りょくが欠かけたコメントを取とり上あげている内うちにすっかりご無沙汰ぶさたとなった感かんがある、就活しゅうかつの問題もんだい点てんを検討けんとうする試こころみ。ただつい最近さいきん、常見つねみ陽平ようへいさんが「就活しゅうかつと日本にっぽん社会しゃかい」という就活しゅうかつを社会しゃかい問題もんだいとして捉とらえる本ほんを出だしたことを受うけて、久ひさしぶりに問題もんだいに触ふれてみた。

結論けつろんから言いえばこれはかなり酷ひどい本ほんで、具体ぐたい的てきにどこが問題もんだいなのかはこの記事きじとamazonのレビューにて記しるした。かなりの長文ちょうぶんとなったけれど、これでもまだ本ほんの問題もんだい点てんを一部いちぶしか指摘してきしていないということはこの場ばを借かりて書かいておきたい。なお、レビューと併あわせて過去かこ記事きじ「１００社しゃ受うけてすべて落おちる就活しゅうかつ生せいもいる一方いっぽうで、全まったく行動こうどうしない就活しゅうかつ生せいもいる」を読よむと常見つねみさんの本ほんの問題もんだい点てんが一層いっそう浮うき彫ぼりになると思おもうので、良よかったらそちらにも目めを通とおしてみてください。

●「就活しゅうかつと日本にっぽん社会しゃかい」（評価ひょうか：星ほし１ひとつ）

「肝心かんじんなところが論証ろんしょうされていない。また、先行せんこう研究けんきゅうの紹介しょうかいにも不適切ふてきせつな点てんが見みられる。」

一見いっけん企業きぎょうは学生がくせい間あいだの平等びょうどうを担保たんぽした採用さいよう活動かつどうを行おこなっているように見みえて、実じつは主おもな採用さいよう対象たいしょうを偏差へんさ値ちが上位じょういクラスの学生がくせいに限定げんていしている場合ばあいがある。それにも関かかわらず中堅ちゅうけん以下いかクラスの大学だいがくの学生がくせいたちは「もしかすると自分じぶんたちも大手おおて企業きぎょうに入いれるかもしれない」という「平等びょうどう幻想げんそう」に囚とらわれることでそうした企業きぎょうの選考せんこうにのめり込こみ、それが苦くるしみを生うんでいないか。それよりは自分じぶんの大学だいがくのレベルに合あった分相応ぶんそうおうな就職しゅうしょく先さきを見みつけることに注力ちゅうりょくした方ほうが無駄むだに苦くるしまずに済すむのではないか・・・ざっくり言いえばこれが本書ほんしょの肝きもとなるメッセージ。著者ちょしゃは「平等びょうどうという幻想げんそう、誰だれでも自由じゆう競争きょうそうでより高たかい階層かいそうに移動いどうできるのではないか、という幻想げんそうが人ひとの負荷ふかを増ふやしてしまっているのではないだろうか」・「平等びょうどうであるという幻想げんそう、より高たかい地位ちいを獲得かくとくできるのではないかという希望きぼうが人々ひとびとを苦くるしめるのである」と問題もんだいを規定きていしている。

本書ほんしょには様々さまざまな問題もんだい点てんがあると感かんじられたけれど、その中なかで最大さいだいのものは「学生がくせいは大手おおて企業きぎょうを志向しこうしている」と学生がくせいの行動こうどうパターンを一いち括くくりにし、中堅ちゅうけん以下いかクラスの大学だいがくの学生がくせいがどのように就活しゅうかつに取とり組くんでいるのかに関かんする論証ろんしょうが抜ぬけ落おちている点てんだと思おもう。その論証ろんしょうがなされないまま中堅ちゅうけん以下いかクラスの大学だいがくの学生がくせいたちに「平等びょうどう幻想げんそうを捨すてよう」と説といても説得せっとく力りょくが無ない。

この点てん、例たとえば小杉こすぎ礼子あやこ氏しが編集へんしゅうした「『大学生だいがくせいの就職しゅうしょくとキャリア――「普通ふつう」の就活しゅうかつ・個こ別べつの支援しえん』」という本ほんには、偏差へんさ値ちが低ひくい大学だいがくの学生がくせいは上位じょういレベルの大学だいがくの学生がくせいと比くらべると就活しゅうかつのスタート時期じきが遅おそかったり、活動かつどう量りょうが少すくなかったりする（つまり、企業きぎょうの選考せんこうを積極せっきょく的てきに受うけないということ）旨むねの調査ちょうさ結果けっかがある。即すなわち、著者ちょしゃが危惧きぐする「平等びょうどう幻想げんそうに囚とらわれて大手おおて企業きぎょうの選考せんこうに数多かずおおくアタックして撃沈げきちんして疲弊ひへいする中堅ちゅうけん以下いかクラスの大学だいがくの学生がくせいたち」は実みのところそれほど存在そんざいしないのでは？ということは、彼かれらに「平等びょうどう幻想げんそう」を捨すてることを説といても、それはただの空回からまわりなのでは？著者ちょしゃは「平等びょうどうという幻想げんそうを手放てばなせば就活しゅうかつも採用さいようも変かわる」と言いっているけれども、本当ほんとうにそれほどまでの効能こうのうがあるのか？

なお本書ほんしょでは触ふれられていないが、当とうの著者ちょしゃ自身じしん、著書ちょしょ「就社志向しこうの研究けんきゅう」において「学校がっこう群ぐんにより、就活しゅうかつの動うごき、結果けっかは違ちがう」と述のべ、学生がくせいの就活しゅうかつを一いち括くくりにすることが妥当だとうではない旨むねを指摘してきしている。それにも関かかわらず、上述じょうじゅつの通とおり本書ほんしょでは学生がくせいの行動こうどうパターンを一いち括くくりにした上うえで「平等びょうどう幻想げんそうを捨すてよう」という問題もんだい提起ていきに飛とびついているのはおかしなことだ。著者ちょしゃは本書ほんしょの中なかで「現実げんじつを捉とらえない、大雑把おおざっぱな議論ぎろんこそ罪つみである」と述のべているけれども、当とうの著者ちょしゃがそうした議論ぎろんを一番いちばん肝心かんじんなところで展開てんかいしているように思おもえる。

勿論もちろん、大手おおて企業きぎょうの選考せんこうを数多かずおおく受うける中堅ちゅうけん以下いかクラスの大学だいがくの学生がくせいたちは一定いってい数すういるのだろうから著者ちょしゃの問題もんだい提起ていきの意義いぎはゼロではないだろう。しかし、かなり小ちいさいとも言いえると思おもう。それどころか、本書ほんしょの論調ろんちょうに従したがうと就活しゅうかつうつの原因げんいんが「就活しゅうかつ生せいが（学歴がくれき差別さべつの実態じったいを理解りかいしていないという事情じじょうがあるとはいえ）身みの程知ほどしらずだから」と単純たんじゅん化かされかねない危険きけん性せいがあるという点てんで益えきよりも害がいの方ほうが大おおきそうである。

上記じょうきの要素ようそだけでも相当そうとうのマイナスポイントだけれども、本書ほんしょにはその他たにも他者たしゃの議論ぎろん・先行せんこう研究けんきゅうの紹介しょうかいに不適切ふてきせつな箇所かしょがあるという問題もんだいも存在そんざいし、それで評価ひょうかを星ほし一ひとつとしている。特とくに酷ひどいのが小山こやま治おさむ氏しが提唱ていしょうした「採用さいよう基準きじゅんの拡張かくちょう」という概念がいねんの紹介しょうかいで、著者ちょしゃは「採用さいよう基準きじゅんの拡張かくちょうについては、小山こやまが指摘してきしている通とおり、選考せんこうに参加さんかする者ものとの対話たいわを通つうじて、求もとめる能力のうりょく・資質ししつなどが追加ついかされることが確認かくにんされた。つまり、選考せんこう活動かつどう、具体ぐたい的てきには面接めんせつを繰くり返かえすうちに、求職きゅうしょく者しゃに対たいする質問しつもん内容ないようは追加ついかされていった」と書かいている（p.104-5）。しかし、実際じっさいには小山こやま氏しが言いっているのはそういうことではなくて、彼かれが言いう「採用さいよう基準きじゅんの拡張かくちょう」とは「面接めんせつを繰くり返かえすうちに」採用さいよう基準きじゅんが増ふえていくという話はなしではなくて、「とある１回かいの面接めんせつ」を評価ひょうかする際さいに、元々もともとは評価ひょうか用紙ようし記載きさいの評価ひょうか項目こうもくにはなかった要素ようそが急遽きゅうきょ評価ひょうか対象たいしょうとして加くわわるという話はなしである。著者ちょしゃの紹介しょうかいは読者どくしゃの誤解ごかいを誘さそうものであり、仮かりに小山こやま氏しがこの箇所かしょを読よんだらどう思おもうのかは中なか々興味深きょうみぶかいところ。

このレビューでは本書ほんしょの問題もんだい点てんの内うち「肝心かんじんなところが論証ろんしょうされていない」・「先行せんこう研究けんきゅうを歪ゆがめて紹介しょうかいしている」というものを指摘してきしたけれど、これらから言いえるのは著者ちょしゃに知的ちてき誠実せいじつさが欠落けつらくしているということに尽つきるのかもしれない。もっと真まっ当とうな論者ろんしゃの仕事しごとに光ひかりが当あたるのを願ねがうばかりである。

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著者ちょしゃの意図いとを「推測すいそく」してみる前まえに、まずは書かいてあることをきちんと理解りかいするのが大事だいじではないか

タイトルにも書かきましたが、何故なぜたらればさんのツイートを掲載けいさいされたのですか？プロフィールを見みた限かぎりでは編集へんしゅう者しゃさんのようですが（中略ちゅうりゃく）あ、「自身じしんの主張しゅちょうの妥当だとう性せいを強つよめるために掲載けいさいした」と私わたしが解釈かいしゃくしたのは私わたしの『推測すいそく』によるものですので『誤解ごかい』だったらごめんなさいね。

前回ぜんかいの記事きじについた「はまち」さんのコメント。超ちょう簡単かんたんに表現ひょうげんすれば前回ぜんかいの記事きじでは一応いちおう「"書かいてあること"をきちんと読よみ取とろう」という趣旨しゅしのことを言いったのだけれど、そのような記事きじにこうしたコメントがつくというのは中なか々萎なえるし、同時どうじに前回ぜんかいの記事きじで書かいたことは繰くり返かえし述のべる必要ひつようがあるトピックなのだなと感かんじるに至いたっている。

というのも、「何故なぜたらればさんのツイートを掲載けいさいされたのですか？」という質問しつもんに対たいする答こたえは前回ぜんかいの記事きじ本文ほんぶんに書かいてあるも同然どうぜんだからだ。引用いんようすると「このツイートに示しめされている考かんがえ方かたは主張しゅちょうの妥当だとう性せいを判断はんだんするにあたって重要じゅうようなものだと思おもう」という文章ぶんしょう。つまり質問しつもんに対たいする答こたえも「"たられば"さんのツイートにある考かんがえ方かたが主張しゅちょうの妥当だとう性せいを判断はんだんするにあたって重要じゅうようなものだと思おもったから」というものになることは明あきらかだと思おもう。

そして、「はまち」さんがコメント欄らんで述のべた「自身じしんの主張しゅちょうの妥当だとう性せいを強つよめるために掲載けいさいした」という推測すいそく、「そんなツイートを掲載けいさいしたところであなたの今回こんかいのような主張しゅちょうの妥当だとう性せいは強つよめられないのではないでしょうか？（もしそのような実績じっせきがあるならば合あわせて掲載けいさいするべきです。）せいぜい"他たの人ひとも言いってるからそうに違ちがいない"レベルにしか成なり得えませんよ」というツッコミも前回ぜんかいの記事きじ本文ほんぶんの記述きじゅつに照てらすとかなり不当ふとうなものだと感かんじる。というのも、再度さいど「このツイートに示しめされている考かんがえ方かたは主張しゅちょうの妥当だとう性せいを判断はんだんするにあたって重要じゅうようなものだと思おもう」という記述きじゅつを見みると、別べつに僕ぼくが「"たられば"さんが言いってるからそうに違ちがいない」といった趣旨しゅしの文章ぶんしょうを書かいた訳わけではなく、単たんに「たられば」さんのツイートの考かんがえ方かたそのものに大おおいに同意どういできる部分ぶぶんがあった（つまり僕ぼく自身じしんの考かんがえをい表いあらわしている部分ぶぶんがあった）からツイートを掲載けいさいしたことが明あきらかなはずだからだ。

では、前回ぜんかいの記事きじのどこで「たられば」さんのツイートに記しるされている考かんがえ方かたの妥当だとう性せいが裏付うらづけられていたのか。それは記事きじの約やく半分はんぶんをも占しめている「"kato"さんが書かいていないことまで勝手かってに読よみ取とったことで内田うちださんの主張しゅちょうを誤あやまって認識にんしきし、それゆえに主張しゅちょうに対たいして不当ふとうな評価ひょうかをした」という例れいである。抽象ちゅうしょう的てきに言いえば、この例れいから「書かいていないことまで勝手かってに読よみ取とってしまうことで、その文章ぶんしょうを不適切ふてきせつな形かたちで評価ひょうかしてしまう」ことが示しめされている。この例れいがあるからこそ、「たられば」さんのツイートにある「書かいてないことまで読よみ取とらない」という姿勢しせいが誤あやまった読解どっかいを避さけるために有益ゆうえきであるという旨むねの記述きじゅつに同感どうかんできるようになるわけだ。

冒頭ぼうとうで記しるしたように「はまち」さんのコメントには「"自身じしんの主張しゅちょうの妥当だとう性せいを強つよめるために掲載けいさいした" と私わたしが解釈かいしゃくしたのは私わたしの"推測すいそく"によるものです」とある。確たしかに前回ぜんかいの記事きじで僕ぼくは「"書かいてないこと"に思おもいを巡めぐらせること自体じたいは問題もんだいないと思おもう」と書かいた。しかし、前回ぜんかいの記事きじと同おなじような結論けつろんだけれど「推測すいそくしたこと」に囚とらわれて本来ほんらいの主張しゅちょうの意味いみを理解りかいし損そこねては意味いみがない。

僕ぼくは過去かこに「ブログ記事きじに対たいするコメントを見みて"これは明あきらかに読解どっかい力不足ちからぶそくだ"と感かんじたことは無ないか」という記事きじを書かいたことがあり、即すなわち元々もともと「読よみ手ての読解どっかい力不足ちからぶそく」という点てんに問題もんだい意識いしきを持もっていた。その記事きじを書かいた時点じてんでは、単純たんじゅんに「文章ぶんしょうの読よみ取とり方かたがおかしい場合ばあいがあるなぁ」という愚痴ぐちレベルのことを感かんじていたに過すぎなかったのだが、現在げんざいは、主張しゅちょうの意味いみを理解りかいし損そこねたゆえに文章ぶんしょうの妥当だとう性せいの判断はんだんに狂くるいが生しょうじてしまう恐おそれが発生はっせいするという点てんで「読よみ手ての読解どっかい力不足ちからぶそく」を問題もんだいと感かんじるに至いたっている。場合ばあいによっては「書かいていないこと」こそ読よみ取とらなければならないこともあるかもしれないけれど、ひとまずは書かいてあることをきちんと理解りかいすることが大事だいじなのではないかと僕ぼくとしては感かんじる。

ちなみに今日きょうアップされた「メイロマおばさん、ロンドンは本当ほんとうにベビーカー天国てんごくなんですか？」というエントリー（※このブログの記事きじではない）の追記ついきでも、明あきらかな誤読ごどくに基もとづくコメントに対たいする「俺おれそんなこと書かいたか？どこに？（中略ちゅうりゃく）俺おれはこういう書かいてもないことで喧嘩けんか売うられるのが嫌きらいなんだよ。」という文章ぶんしょうが書かかれている（しかも、その誤読ごどくコメントにスターをつけている人ひとも多数たすういる）。この他ほかにも「読よみ手てが、書かいていないことを勝手かってに読よみ取とる」という問題もんだいは結構けっこうあるんじゃないかと思おもうのだが、最後さいごに吉岡よしおか友治ゆうじさんの「"眼力がんりき"をつける文章ぶんしょう力りょく」という本ほんから次つぎの文章ぶんしょうを引用いんようしたい。

もちろん「行間ぎょうかんを読よむ」ことが新あたらしいものを創造そうぞうするきっかけになることも無ないとは言いえないが、自分じぶんの頭あたまの中なかをのぞき込こんでいるだけのことも多おおい。本ほんを読よみながら自分勝手じぶんがってな想像そうぞうをしているだけなら、わざわざ他人たにんの書かいたものに触ふれる意味いみは無なかろう。むしろ、「行間ぎょうかんを読よむ」技術ぎじゅつを身みに着つけるより、書かいてあることをそのまま理解りかいする技術ぎじゅつを身みに着つける方ほうが先さきだろう。

著者ちょしゃの意図いとを「推測すいそく」してみる前まえに、まずは書かいてあることをきちんと理解りかいするのが大事だいじではないかという意見いけんに共感きょうかんしてくださった方ほうは、もし宜よろしければクリックをお願ねがいします

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関連かんれん記事きじ

著者ちょしゃの意図いとを「推測すいそく」してみる前まえに、まずは書かいてあることをきちんと理解りかいするのが大事だいじではないか
あなたがその論客ろんかくを支持しじするのは、論客ろんかくの主張しゅちょうを誤解ごかいしているからかもしれない
「この人ひとが言いっていることは概おおむねクソだけど、この主張しゅちょうは妥当だとうだ」と言いえると良よい
「日本にっぽんの労働ろうどう環境かんきょうはおかしい。でも、日本にっぽんの労働ろうどう環境かんきょうを批判ひはんしているこの主張しゅちょうはおかしい」と言いえる姿勢しせいを各人かくじんが持もつべきだ
就活しゅうかつ・労働ろうどうの問題もんだい点てんを指摘してきする言説げんせつが就活しゅうかつ生せいを委縮いしゅくさせてしまう危険きけん性せい

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あなたがその論客ろんかくを支持しじするのは、論客ろんかくの主張しゅちょうを誤解ごかいしているからかもしれない

このブログにある「ダメな就活しゅうかつ生せい・労働ろうどう者しゃ擁護ようご論ろん」というカテゴリで何なん度ども書かいてきたのは「企業きぎょうを叩たたいている言説げんせつだからと言いってそれを雰囲気ふんいきや印象いんしょう論ろんで支持しじするのではなくて、各かく主張しゅちょうの妥当だとう性せいをきちんと検証けんしょうする姿勢しせいを持もつ人ひとが増ふえてほしい」という趣旨しゅしのことだった。そして、こうした主張しゅちょうを書かく際さいにはよく「なんでこんな妥当だとう性せいに欠かけた文章ぶんしょうに違和感いわかんを覚おぼえることなく、支持しじしちゃう人ひとたちがいるんだろう？」という疑問ぎもんを抱だいていた。

当初とうしょは、「主張しゅちょうが自分じぶんにとって心地ここちよいものだったから、何なにも考かんがえずにその主張しゅちょうを鵜呑うのみにしちゃっているのかな」と漠然ばくぜんと思おもっていた。ただ、ここ最近さいきん頂いただいた「kato」さんのコメントなどを見みて、そもそも「書かかれている文章ぶんしょうをどう理解りかいするか」について人ひとによって大おおきな差異さいがあり、この違ちがいにより主張しゅちょうを問題もんだいだと感かんじるか、それとも妥当だとうだと感かんじるのかが異ことなってくるのだと感かんじるようになってきている。

僕ぼくと「kato」さんで文章ぶんしょうの理解りかいが異ことなっているのは、内田うちだ樹いつきさんが書かいた「内田うちだ樹いつきの"ぽかぽか相談そうだん室しつ"第だい17回かい」という記事きじ。これは「ブラック企業きぎょうの見分みわけ方かた」をテーマにした記事きじなのだが、「kato」さんは内田うちださんの主張しゅちょうを「入はいってみてやばい会社かいしゃだと思おもったらさっさとやめろって意味いみでしょ」と捉とらえていて、それゆえに「まっとうなことを言いってるように思おもえるけど」と主張しゅちょうを評ひょうしている（http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-497.html）。確たしかに内田うちださんが本当ほんとうに記事きじにおいてそういう主張しゅちょうを展開てんかいしているのなら、それを「まっとうなことを言いってる」と受うけ止とめるのも分わからなくはない。

しかし僕ぼくの理解りかいでは、内田うちださんの記事きじではそんな主張しゅちょうはなされていない。仮かりに内田うちださんに「ブラック企業きぎょうに入はいったら、さっさと辞やめちゃった方ほうが良よいですかね？」と聞きけば彼かれは「うん、辞やめた方ほうが良よいね」と答こたえるような気きはするけれど、あくまでも当該とうがい記事きじにおいては内田うちださんは「ブラック企業きぎょうに入はいったらどうすべきか」と言いう点てんについては何なにも言いっていないように思おもえる（この点てんについては、「内田うちださんの記事きじに飛とんで確たしかめてみてください」としか言いえない・・・）。

では内田うちださんが何なにを言いっているのかと言いうと、それは内田うちださん流りゅうの「ブラック企業きぎょうの見分みわけ方かた」に他たならないと思おもう。というのも上述じょうじゅつのように記事きじのテーマがそれだし、加くわえて記事きじには「まともな企業きぎょうとブラック企業きぎょうの区別くべつなんて、皮膚ひふ感覚かんかくでわかるはず」・「就活しゅうかつする人ひとはそういうまともな経営けいえい者しゃを生物せいぶつ的てき直感ちょっかんで探さぐり当あてるしかない」という記述きじゅつがある。即すなわち、内田うちださんの記事きじは「kato」さんが理解りかいしたような「ブラック企業きぎょうに入はいったらどうすべきか」というレベルの話はなしをしているのではなく、あくまでも「就活しゅうかつの時点じてんで、"皮膚ひふ感覚かんかく・生物せいぶつ的てき直感ちょっかんを働はたらかせる"という手段しゅだんをもってブラック企業きぎょうを避さけよう」という話はなしをしているのではないか。だからこそ僕ぼくが言いったような「ブラック企業きぎょうの見分みわけ方かたが分わからないでいる人ひとが、内田うちださんの答こたえのようなもので納得なっとくするわけがない」だとか、あるいはposseの坂倉さかくらさんが言いったような「一見いっけんした印象いんしょうがまともな企業きぎょうでも、ひどいブラック企業きぎょうはある」といった批判ひはんが内田うちださんの記事きじに対たいしてなされた訳わけで、僕ぼくとしてはこちらの理解りかいの方ほうが正ただしいと思おもう。

以上いじょうより、僕ぼくの中なかでは「kato」さんが内田うちださんの記事きじをまっとうだと感かんじた原因げんいんは「kato」さんが内田うちださんの主張しゅちょうを読よみ違ちがえたことにあるという理解りかいになっている。正確せいかくにいえば「読よみ違ちがえた」というよりは「書かいてないことを勝手かってに読よみ取とった」という表現ひょうげんの方ほうが適切てきせつだろうか。この点てん、こんなツイートがある。

何なん度ども書かいてることですが、現代げんだい文ぶんで点数てんすうを取とるコツは「書かいてないことまで読よみ取とらないこと」です。これ出来できてる人ひとは「なんで出来できないの？」と不思議ふしぎに思おもうようですが、出来できない人ひとはとことん出来できません。ツイッターでよく突撃とつげきしてくる方ほうもこのパターン多おおいです。自分じぶんの頭あたまの中なかの「文意ぶんい」と戦たたかってる。
— たられば (@tarareba722) 2013, 10月 30

言いうまでもなくこのブログは「現代げんだい文ぶんのテスト」とは何なんの関係かんけいも無ないけれど、このツイートに示しめされている考かんがえ方かたは主張しゅちょうの妥当だとう性せいを判断はんだんするにあたって重要じゅうようなものだと思おもう。僕ぼくとしては「書かいてないこと」に思おもいを巡めぐらせること自体じたいは問題もんだいないと思おもうけれど（「この文章ぶんしょうにこう書かいてあるから、多分たぶんこの人ひとはこんなことも思おもっているだろうな」といった具合ぐあいに推測すいそくしてみるのは良よいと思おもう）、「書かいてないこと」に囚とらわれて本来ほんらいの主張しゅちょうの意味いみを理解りかいし損そこねるのは宜よろしくない。

ブログや本ほんなどで表現ひょうげんされている考察こうさつを見みてそれに賛同さんどうする、あるいはその考察こうさつを述のべた論客ろんかくを支持しじするということは多おおくの人ひとにあることだと思おもう。「賛同さんどうできる考察こうさつを見みつけた」・「信用しんようできる論客ろんかくを見みつけた」というのは素晴すばらしいことだが、穿ほじくった見方みかたをすれば、人ひとがある考察こうさつや論客ろんかくを支持しじする理由りゆうが「その論客ろんかくの主張しゅちょうを誤解ごかいしているから」という場合ばあいも大おおいにあるかもしれない。

あなたがその論客ろんかくを支持しじするのは、論客ろんかくの主張しゅちょうを誤解ごかいしているからかもしれないという意見いけんに共感きょうかんしてくださった方ほうは、もし宜よろしければクリックをお願ねがいします

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著者ちょしゃの意図いとを「推測すいそく」してみる前まえに、まずは書かいてあることをきちんと理解りかいするのが大事だいじではないか
あなたがその論客ろんかくを支持しじするのは、論客ろんかくの主張しゅちょうを誤解ごかいしているからかもしれない
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就活しゅうかつ・労働ろうどうの問題もんだい点てんを指摘してきする言説げんせつが就活しゅうかつ生せいを委縮いしゅくさせてしまう危険きけん性せい

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日野ひの瑛あきら太郎たろうさんによる「経営けいえい者しゃ目線めせんを持もて」という言葉ことばを巡めぐる考察こうさつの支離滅裂しりめつれつ度合どあいが凄すごすぎる

日野ひの瑛あきら太郎たろうさんによる「経営けいえい者しゃ目線めせんを持もて」という言葉ことばを巡めぐる考察こうさつは、はっきり言いってこれまで僕ぼくが読よんできた就活しゅうかつ・労働ろうどう関連かんれんの文章ぶんしょうの中なかでも最低さいていのクオリティであると思おもっている。その理由りゆうはこれまでのブログ記事きじで述のべてきたような「解釈かいしゃくの裏付うらづけがない」・「企業きぎょうが従業じゅうぎょう員いんに経営けいえい者しゃ目線めせんを持もたせることの必要ひつよう性せいを理解りかいしていながら、その理解りかいを隠かくして企業きぎょうを叩たたいているふしがある」といった要素ようそがあるからだが、もう一ひとつ、「"経営けいえい者しゃ目線めせんを持もて"の解釈かいしゃくがぶれている」という要素ようそも挙あげられる。そして「解釈かいしゃくがぶれている」という要素ようそがあることに伴ともない、日野ひのさんの問題もんだい提起ていきがわら人形にんぎょう論法ろんぽうと化かしていると考かんがえる。

例たとえば、東洋とうよう経済けいざいオンラインの記事きじには次つぎのような問題もんだい提起ていきがある（http://toyokeizai.net/articles/-/26314?page=2）。

従業じゅうぎょう員いんが「経営けいえい者しゃ目線めせん」を持もって仕事しごとをしなければならないとしたら、本当ほんとうの経営けいえい者しゃはいったい何なんの仕事しごとをするのでしょうか。会社かいしゃの立場たちばで物事ものごとを考かんがえ、意思いし決定けっていをするのは、経営けいえい者しゃの仕事しごとのはずです。それを雇やとわれにすぎない従業じゅうぎょう員いんに求もとめるというのは、ある意味いみで経営けいえい者しゃの「甘あまえ」とも言いえるのではないでしょうか。

この文章ぶんしょうによると「経営けいえい者しゃ目線めせんを持もて」という言葉ことばが発はっせられた時とき、ただの雇やといわれの身みである従業じゅうぎょう員いんに経営けいえい者しゃがすべき次元じげんで物事ものごとを考かんがえたり、意思いし決定けっていをしたりする必要ひつよう性せいが発生はっせいする旨むねを主張しゅちょうしている。そして日野ひのさんはそれに憤いきどおっているわけだけれど、面白おもしろいことにこの文章ぶんしょうの直後ちょくごに日野ひのさんは次つぎのように書かいている（http://toyokeizai.net/articles/-/26314?page=3）。

日頃ひごろから社員しゃいんに「経営けいえい者しゃ目線めせんを持もて」と言いっている経営けいえい者しゃであっても、社員しゃいんが本当ほんとうに経営けいえい者しゃのように振ふる舞まい始はじめたら、それはそれで困こまるはずです。たとえば、経営けいえい者しゃ目線めせんを持もった社員しゃいんが経営けいえい戦略せんりゃくを自みずから考かんがえて、社長しゃちょうに直訴じきそしに行いっても、普通ふつうは相手あいてにしてもらえないでしょう。「お前まえは黙だまって自分じぶんの仕事しごとをやっておけ」と、言いわれてしまうかもしれません。経営けいえい者しゃがするような意思いし決定けっていを現場げんばの従業じゅうぎょう員いんが勝手かってにし始はじめたら、大騒おおさわぎになるでしょう（中略ちゅうりゃく）「今いまは会社かいしゃの業績ぎょうせきがよくないから、残業ざんぎょう代だいが出でないのも仕方しかたがない。それが会社かいしゃのためだ」というような「経営けいえい者しゃ目線めせん」を持もつことは大だい歓迎かんげいですが、具体ぐたい的てきな経営けいえい戦略せんりゃくの範囲はんいまで社員しゃいんが口出くちだしするようなことは、求もとめられていないのです。

上述じょうじゅつのように、先さきほどまで日野ひのさんは「なんで経営けいえい者しゃがすべき意思いし決定けっていを雇やとわれの身みである従業じゅうぎょう員いんがしなきゃいけないんだ！」と怒おこっていたはずだ。それなのに、この引用いんよう箇所かしょによると「経営けいえい者しゃがするような意思いし決定けっていを現場げんばの従業じゅうぎょう員いんが勝手かってにし始はじめたら、大騒おおさわぎになる」・「具体ぐたい的てきな経営けいえい戦略せんりゃくの範囲はんいまで社員しゃいんが口出くちだしするようなことは、求もとめられていない」のだそうな。

ということは、そもそも「経営けいえい者しゃ目線めせんを持もて」という言葉ことばは、経営けいえい者しゃがすべき次元じげんで物事ものごとを考かんがえたり意思いし決定けっていしたりすることを従業じゅうぎょう員いんに対たいして求もとめるものではないということになるのでは？そしてそうなると、「経営けいえい者しゃ目線めせんを持もつことを、雇やとわれにすぎない従業じゅうぎょう員いんに求もとめるというのは、ある意味いみで経営けいえい者しゃの"甘あまえ"だ」と言いっていた日野ひのさんの憤いきどおりは全まったく見当けんとう違ちがいなのではないか？ただのわら人形にんぎょう論法ろんぽうと言いっていいだろう。

他ほかにも、日野ひのさんは次つぎのように述のべている（http://toyokeizai.net/articles/-/26314?page=2）。

ある部分ぶぶんにおいて、経営けいえい者しゃの利益りえきと従業じゅうぎょう員いんの利益りえきは、明確めいかくに対立たいりつしています。それなのに、従業じゅうぎょう員いんに対たいして「経営けいえい者しゃ目線めせん」を持もてと言いうことは、利益りえきを放棄ほうきしろと言いっているのと同おなじことです。

見みての通とおり、従業じゅうぎょう員いんに対たいして「経営けいえい者しゃ目線めせん」を持もてという言葉ことばが発はっせられた時とき、その言葉ことばが「お前まえの利益りえきを放棄ほうきしろ」という意味いみを込こめている旨むねを主張しゅちょうしている文章ぶんしょうである。ところが、記事きじの最後さいごの方ほうではこの解釈かいしゃくが変化へんかしている（http://toyokeizai.net/articles/-/26314?page=4）。

そこで最後さいごは、経営けいえい者しゃ目線めせんを持もっているフリをするためのコツを伝授でんじゅしましょう（中略ちゅうりゃく）経営けいえい者しゃが言いっていることを、自分じぶんもそのまま同おなじように言いえばいいのです。たとえば、社長しゃちょうが「人材じんざいの育成いくせいが大おおきな課題かだいだ」と、日頃ひごろ、言いっているのであれば、自分じぶんも「我わが社しゃは、人材じんざいの育成いくせいにもっと力ちからを入いれなければならないと思おもいます」と、同おなじ内容ないようの発言はつげんをすればいいのです。それだけで、自分じぶんも「経営けいえい者しゃ目線めせん」を持もったことになります（中略ちゅうりゃく）会社かいしゃで現実げんじつに求もとめられる「経営けいえい者しゃ目線めせん」というのは、結局けっきょくは「経営けいえい者しゃの方針ほうしんに賛成さんせいする」ということです。経営けいえい者しゃと同おなじことを言いっておけば、怒おこられることはまずありません。

ここでは「経営けいえい者しゃ目線めせんを持もて」が「経営けいえい者しゃの方針ほうしんに賛成さんせいする」という意味合いみあいだということになっている。この点てん、経営けいえい者しゃの方針ほうしんが「従業じゅうぎょう員いんに利益りえきを享受きょうじゅさせない」という方向ほうこう性せいのものではなく、上うえに書かかれているような「人材じんざいの育成いくせいを充実じゅうじつさせる」というものであった場合ばあい、従業じゅうぎょう員いんが自分じぶんの利益りえきを放棄ほうきするということは特とくにない（というか、むしろ利益りえきになるのでは？）。即すなわち、「従業じゅうぎょう員いんに対たいして"経営けいえい者しゃ目線めせん"を持もてと言いうことは、利益りえきを放棄ほうきしろと言いっているのと同おなじこと」とは言いえないじゃないか？という話はなしになり、この問題もんだい提起ていきもわら人形にんぎょう論法ろんぽうと言いっていいと思おもわれる。

異ことなる記事きじの間あいだで矛盾むじゅんが生しょうじているどころか、それほど長ながいとは言いえない一ひとつの記事きじの中なかでここまで言葉ことばの解釈かいしゃくがブレブレなのも珍めずらしい。正直しょうじき、ここまで支離滅裂しりめつれつな文章ぶんしょうが書かかれていること、その文章ぶんしょうが東洋とうよう経済けいざいオンラインに載のっていること、そしてその文章ぶんしょうに「いいね！」が３５００程ほどついていることのすべてが信しんじられないし、まともじゃないと思おもう。ブラック企業きぎょうを問題もんだい視しする言説げんせつを今後こんごも絶たやさないようにするのは当然とうぜんのこととして、それと並行へいこうしておかしな企業きぎょう叩はたきをする人ひと、おかしな企業きぎょう叩はたきに加担かたんするメディア、及およびそれを支持しじする人ひとたちを批判ひはんする言説げんせつをも増ふやしていかなければいけないのではないだろうか。

日野ひの瑛あきら太郎たろうさんによる「経営けいえい者しゃ目線めせんを持もて」という言葉ことばを巡めぐる考察こうさつの支離滅裂しりめつれつ度合どあいは凄すごすぎるという意見いけんに共感きょうかんしてくださった方ほうは、もし宜よろしければクリックをお願ねがいします

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