旅の日記 - ドラクエ二次創作小説 - 勇者タニルの冒険日記 -

４月がつ1日にち
今日きょうはじめてモンスターを殺ころした。
ドラキーとか言いうコウモリのようなモンスターだ。
殺ころした後のち、気分きぶんが悪わるくなり、僕ぼくは吐はいてしまった。
モンスターと言いえど、いきものである事ことに変かわりはない。
守まもるべき家族かぞくも、友とももいるはずだ。
断末魔だんまつまの叫さけびが耳みみに残のこる・・・

４月がつ３日にち
今日きょうはガライの町まちまで来きた。
しだいにモンスター狩かりにも慣なれてきた。
旅たびは、すべてモンスターを殺ころして奪うばい取とった金品きんぴんでまかなっている。
勇者ゆうしゃと盗賊とうぞくの違ちがいはなんだろう・・・
そんなことを考かんがえながら、血ちの染しみた金かねで宿屋やどやに泊とまった。
寝床ねどこはやわらかく、あたたかかったが、相変あいかわらずあのフラッシュバックと頭痛ずつうと吐はき気けに悩なやまされる。
これからは、しばらく野宿のじゅくになるだろう。
食費しょくひや宿やど代だいも馬鹿ばかにならない。

４月がつ６日にち
森もりの中なかにたたずむ小ちいさな村むら、マイラに来きた。
モンスターとの戦たたかいで、体からだはくたくただ。
この村むらには温泉おんせんがある。傷きずを癒いやすにはちょうど良よいだろう。
村むらのはずれで、ぱふぱふを売うる少女しょうじょに出会であった。
見みれば、まだ幼おさなさの残のこるいたいけな少女しょうじょだった。
家いえはあるのだろうか、家族かぞくはいるのだろうか・・・
今いま、この少女しょうじょに情なさけをかけ、幾いくばくかの施ほどこしを与あたえたところで何なにかが変かわるわけでもない。
それはわかっている。だがそうせずにはいられなかった。
富とめる王族おうぞくの影かげで貧まずしさにあえぐ民みん、やはりこの国くには何なにかがおかしい。
少すこし前まえにギラとホイミを覚おぼえた。

４月がつ７日にち
大だいさそりと初はじめて戦たたかった。
ギラでけん制せいしつつ、急所きゅうしょを竹たけやりで貫つらぬく。
強つよい武器ぶきを買かうまでの間あいだは、この戦法せんぽうで十分じゅうぶん戦たたかえそうだ。
少すこしずつ戦闘せんとうにも慣なれてきた。

４月がつ８日にち
マイラの村むらで野宿のじゅくをしながら、周辺しゅうへんのモンスターと戦たたかう。
いつものように、竹たけやりで魔法使まほうつかいを倒たおすと、奴やつらにやられたのであろうか、
てつの斧おのを握にぎったまま、無残むざんな姿すがたとなった木きこりに気きづく。
いつの日ひか、この斧おのを、彼かれの家族かぞくの手てに返かえすときが、やって来くるかもしれない・・・
そう思おもった僕ぼくは、その日ひが来くるまで、彼かれのてつの斧おのを預あずかることにした。
これで、すこしは戦闘せんとうが楽らくになるだろう。

４月がつ９日にち
経験けいけんがまだ浅あさいせいか、重おもい武器ぶきは合あわないことが分わかった。
竹たけやりで長ながく戦たたかっていたことがあだとなり、斧おのの戦闘せんとうになかなか慣なれない。
まあ、威力いりょくがあるぶん硬かたい相手あいてには有効ゆうこうなのだが・・・

４月がつ１０日にち
がいこつと戦たたかった。
なかなか手強てごわい相手あいてだったが、ギラで目潰めつぶしをして、竹たけやりで胸むねを貫つらぬいてやった。
その戦闘せんとうで竹たけやりが折おれてしまった。
斧おの一本いっぽんで戦たたかうのは少々しょうしょう心こころもとない。

４月がつ１２日にち
やっと斧おのの戦闘せんとうに慣なれてきた。
今日きょうはメイジドラキー２匹ひきとがいこつ５体たい、それから大だいさそりを４体たいほど殺ころした。
そろそろ、暖あたたかい食事しょくじとベッドが恋こいしい。
今夜こんやは宿屋やどやで休やすむことにしよう。

４月がつ１３日にち
毒どくの沼地ぬまちの中なかへ入はいった。
歩あるくたびごとにダメージを受うけ、全身ぜんしんに激痛げきつうが走はしる。
メーダとか言いう一ひとつ目めのモンスターを３体たいほど殺ころした。
ようやく毒どくの沼地ぬまちを抜ぬけ、沼地ぬまちの洞窟どうくつに突入とつにゅう。
洞窟どうくつ内ないをさまよっているうちに、たいまつが切きれてしまった。
手探てさぐりで奥おくに進すすんでいくと・・・彼かれに出会であった。

４月がつ１４日にち
これまで、たった一人ひとりで苦くるしい旅たびを続つづけてきたが、初はじめて友ともと呼よべる相手あいてにめぐり会あえた。
彼かれは西にしの城しろの王おうの密命みつめいを受うけて、ここで何なにかの番ばんをしているらしい。
今いまある武器ぶきがぼろぼろになってしまったことを告つげると、彼かれは僕ぼくに鋼はがねの剣けんをくれた。
鉄てつの鎧よろいもいるかと聞きかれたが、重おもくなって動うごきが鈍なまると嫌いやなので断ことわった。
なんと気持きもちの良よいやつなんだろう。
旅立たびだちのとき、剣けんの一いち振ふりも与あたえてくれなかったラルス王おうとは大だい違ちがいだ。
鋼はがねの剣けんは鉄てつの武器ぶきよりも軽かるく良よく斬きれる。
いつか彼かれと共ともに旅たびがしたい。

４月がつ１５日にち
ここ最近さいきん、沼地ぬまちの洞窟どうくつをねぐらにしている。
洞窟どうくつの出口でぐちは新あたらしい大陸たいりくとつながっていて、新あたらしいモンスターとの戦たたかいが続つづいた。
リカントとか言いうかなり凶暴きょうぼうな奴やつだが、彼かれから貰もらった鋼はがねの剣けんがあれば、どんな敵てきも怖こわくはない。
夜よるは洞窟どうくつに帰かえると外そとの話はなしを土産みやげに彼かれと話はなした。
なぜか彼かれは焚たき火びに近ちかづこうとはしない。
訳わけを聞きくと、暗闇くらやみに目めをならしておきたいらしい。
彼かれこそ、本物ほんものの戦士せんしなのだと感かんじた。

４月がつ２０日にち
今日きょうは少すこし遠出とおでをして新あたらしい町まちを見みつけた。
町まちの人ひとの話はなしではあの洞窟どうくつにはドラゴンが出でるらしい。
彼かれはきっと、そのドラゴンから武器ぶきか何なにかを護まもっているに違ちがいない。
洞窟どうくつに戻もどり、彼かれに「今度こんどドラゴンが来きたときは一緒いっしょに戦たたかおう」と話はなした。
彼かれは「ありがとう」と言いったが、その言葉ことばにはどこか悲かなしげな響ひびきがあった。

４月がつ２１日にち
なんてことだ！
あの洞窟どうくつのドラゴンは、竜王りゅうおうがさらったローラ姫ひめを護まもっているらしい。
リムルダールの宿屋やどやで偶然ぐうぜん聞きいてしまった。
まさか、彼かれが・・・
洞窟どうくつ内ないのあの時ときの悲かなしげな彼かれの姿すがたが脳裏のうりをよぎる。

４月がつ２２日にち
「あぁ、神かみよ・・・」
なんという運命うんめいの悪戯いたずらだろうか。
あの洞窟どうくつの扉とびらを開あけたとき、寝ねている彼かれの真実しんじつの姿すがたを見みてしまった。
彼かれはドラゴンだったのだ。
いったい、どうしたら・・・
神かみよ・・・あなたは、ローラ姫ひめを助たすけるために、彼かれを殺ころせというのか・・・
僕ぼくは苦悩くのうを深ふかめつつも、その場ばを立たち去さった。

４月がつ２３日にち
友情ゆうじょうと使命しめい・・・葛藤かっとうの狭間はざまで何なにかがはじけ、砕くだけ散ちった。
もう迷まようことはない。
僕ぼくは、見みえない力ちからに突つき動うごかされ、竜王りゅうおうの城しろに向むかった。

４月がつ２６日にち
廃墟はいきょになった町まちに着ついた。
ドムドーラと言いわれていたらしい。
モンスターであふれかえっている。
武者むしゃ修行しゅぎょうにはちょうど良よいだろう。

４月がつ２７日にち
町まちを探索たんさくして、キラーリカント、だいまどう、スターキメラ、向むかい来くる敵てきは容赦ようしゃなく殺ころした。
激はげしい疲労ひろうの中なか、体からだ中ちゅうにきしむような痛いたみが走はしり、眉間みけんに皺しわが寄よるのを感かんじた。
ベホイミを覚おぼえた。
これで、回復かいふくには苦労くろうしなくなるだろう。
もっとも、ここ最近さいきん、敵てきの攻撃こうげきをまともに受うけることはなくなっていた。

４月がつ２８日にち
この近辺きんぺんのモンスターの親玉おやだまだろう。
特別とくべつ強つよいモンスターと戦たたかった。
半日はんにち以上いじょうの死闘しとうの末すえ、何なにとか倒たおすことができた。
なんと、奴やつはロトの鎧よろいを護まもっていたのだ。
皮かわの鎧よろいと同おなじくらい軽かるくて使つかいやすい。
その上うえ毒どくの沼地ぬまちやバリアーでもダメージを受うけない優まされものだ。

４月がつ３０日にち
途中とちゅうの城塞じょうさい都市としを無視むしして一気いっきに雨あめの祠ほこらまで行いった。
雨あめの祠ほこらでは、なにやら癖くせのありそうな老人ろうじんが、竜王りゅうおうの城しろに行いくための雨雲あまぐもの杖つえを隠かくし持もっていた。
その老人ろうじんが言いうには、銀ぎんの竪琴たてごとをここに持もってくれば、それを勇者ゆうしゃの力ちからの証あかしとして認みとめ、銀ぎんの竪琴たてごとと引ひき換かえに雨雲あまぐもの杖つえを渡わたすという。
僕ぼくは先さきを急いそぎたい気持きもちを抑おさえながら、老人ろうじんの言葉ことばに従したがった。

５月がつ１日にち
魔物まものの巣窟そうくつ、ガライの墓はかを盗掘とうくつした。
ここが魔物まものの巣窟そうくつになったのには理由りゆうがある。
ガライの町まちの創立そうりつ者しゃであり、吟遊詩人ぎんゆうしじんでもあったガライの持もつ竪琴たてごとには、魔物まものを呼よぶ力ちからがあったという。
彼かれの死後しご、共ともに葬ほうむられたその竪琴たてごとは今いまでも魔物まものを引ひき寄よせているというのだ。
墓はかの中なかには魔物まものがうじゃうじゃいたが、ドムドーラで死線しせんを超こえたお陰かげか、それほど苦くも無なく銀ぎんの竪琴たてごとを手てに入いれることができた。
ガライの町まちに行いく途中とちゅう、久々ひさびさにラダトームへと立たち寄よった。
なんと太陽たいようの石いしはラダトームにあったのだ。
ラルス王おうは本当ほんとうに知しらなかったのだろうか？それとも・・・
そう言いえば、沼地ぬまちの洞窟どうくつに入はいる前まえの毒どくの沼地ぬまちでメダルのようなものを拾ひろった。
鎧よろいの紋章もんしょうと同おなじ紋章もんしょうが描えがかれていた。一体いったいなんだろう？

５月がつ２日にち
再ふたたび雨うの祠ほこらに行いき、竪琴たてごとを老人ろうじんに手渡てわたした。
老人ろうじんは嬉うれしそうに竪琴たてごとを手てに取とり眺ながめながら弦つるの付つけ根ねをいじっている。
音おとが出でると魔物まものが大だい喜よろこびで寄よってくる竪琴たてごとだ。
僕ぼくは制止せいししようとあわてて手てを伸のばした。
けげんな顔かおをしている老人ろうじんの手てに、竪琴たてごとから外はずされた弦つるがあった。
こんなにも簡単かんたんに外はずれるものだったのか・・・
魔物まものを呼よばないように、弦つるに触ふれないように、ずっと気きをつけながら持もってきたというのに・・・
僕ぼくは苦労くろうを思おもい起おこし、肩かたを落おとした。
老人ろうじんはそんな僕ぼくに気きに留とめる様子ようすもなく、そそくさと雨雲あまぐもの杖つえを僕ぼくに手渡てわたした。

５月がつ３日にち
竜王りゅうおうの城しろに行いくための最後さいごのアイテムである虹にじのしずくを手てに入いれた。
聖せいなる祠ほこらの老人ろうじんに沼地ぬまちで拾ひろったメダルを見みせたら、あっさりくれた。
他たの奴やつが拾ひろって見みせていたら、どうする気きだったんだろう・・・

５月がつ４日にち
ここまで旅たびを続つづけて１ヶ月かげつあまり、ついに虹にじの橋はしを架かけることができた。
明日あしたはいよいよ竜王りゅうおうの城しろだ。

５月がつ５日にち
竜王りゅうおうの城しろへと入はいった。
中なかのモンスターは、外そととは比くらべ物ものにならないほど強つよい。
全身ぜんしんにかなりのダメージを負おったが、ここで朽くち果はてるわけにはいかない。

５月がつ６日にち
やっとの思おもいで最深さいしん部ぶまで到達とうたつした。
鋼はがねの剣けんは、何なん度ども研とぎなおしたせいか、少すこし短みじかくなってしまった。
まあ、この方ほうが使つかいやすい。
この剣けんを見みていると、彼かれのことが思おもい出だされる・・・

５月がつ７日にち
竜王りゅうおうの玉座ぎょくざを見みつけた。
中なかは空そらだった。玉座ぎょくざの後うしろを覗のぞいてみると、階段かいだんが下したに続つづいていた。
この階かいの敵てきは、さらに手強てごわかった。
きっと竜王りゅうおうの近衛このえなのだろう。
だが、もはや負まける気きはしない。

５月がつ８日にち
とうとう僕ぼくは竜王りゅうおうの元もとにたどり着ついた。
どれくらい時ときが経たったのだろう。
城壁じょうへきの隙間すきまから漏もれ入はいる月明つきあかりに照てらされた竜王りゅうおうのその姿すがたは、モンスターを従したがえる「竜王りゅうおう」と呼よぶに相応ふさわしい風格ふうかくと威厳いげんを備そなえていた。
僕ぼくは竜王りゅうおうから「世界せかいを二分にぶんしないか」と持もちかけられたが、断ことわって竜王りゅうおうに仕つかえさせてくれるよう頼たのんだ。
竜王りゅうおうは一瞬いっしゅん言葉ことばを失うしなっていたが、やがて傍かたわらの側近そっきんに目めを向むけた。
その視線しせんの先さきには、あの洞窟どうくつ内ないで出会であった彼かれの姿すがたがあった。
竜王りゅうおうは静しずかにうなずき、ロトの剣けんを僕ぼくに預あづけた。
やはり、二人ふたりの友情ゆうじょうは真実しんじつのものだった。

７月がつ６日にち
僕ぼくの率ひきいるラダトーム攻略こうりゃく部隊ぶたいは、城しろの近ちかくまで迫せまっていた。
彼かれは討伐とうばつ軍ぐん総そう司令しれい官かんとして前線ぜんせんの指揮しきをとっている。
あの日ひ、あの洞窟どうくつで、僕ぼくは友情ゆうじょうと使命しめいを天秤てんびんにかけ、友情ゆうじょうを選えらんだのだ。
堅牢けんろうなメルキドさえ落おとした我わが軍ぐんに、もはや人質ひとじちなど必要ひつようなかった。
僕ぼくは、この２ヶ月かげつのあいだ監視かんし下かに置おいていたローラ姫ひめを解放かいほうした。
しかし、彼女かのじょの帰かえるべき城しろは、すでに風前ふうぜんの灯火ともしびとなっていた。
ラダトーム陥落かんらくは時間じかんの問題もんだいなのだ。
ローラ姫ひめには気きの毒どくなことをした。
震ふるえる彼女かのじょにかけるべき言葉ことばを探さがしてみたが、何なにも見みつからなかった。

７月がつ７日にち
ついにラダトームは陥落かんらくした。
降伏ごうぶくしたラルス1世せいは退位たいいし、竜王りゅうおうが新あたらしいアレフガルドの王おうとして即位そくいした。
将軍しょうぐんとなった僕ぼくは、ローラ姫ひめを妻つまとして迎むかえた。
「アレフガルド万まん歳さい！竜王りゅうおう万まん歳さい！」
人々ひとびとは口々くちぐちに叫さけびながら、新あたらしい王おうの発はっする言葉ことばを待まった。

竜王りゅうおう：
「我われらは、絶望ぜつぼうと憎悪ぞうおに満みちた暗黒あんこくの時代じだいを終おわらせ、この地ちに王道おうどう楽土らくどを築きずくためにやってきた。」
「いまこのときより、人ひとと魔物まものは、たがいに心しんを寄よせ合あう、友ともとして生いきるのだ！」
「我われらを信しんじ、我われらと共ともに歩あゆむものには、永久えいきゅうに続つづく争あらそいのない暮くらしを約束やくそくしようぞ！」

その友愛ゆうあいと信義しんぎに満みちた言葉ことばに、人々ひとびとの歓喜かんきは絶頂ぜっちょうに達たっした。
竜王りゅうおうの両隣りょうどなりには僕ぼくと彼かれが、そして僕ぼくの隣となりにはローラがいる。
そのローラの瞳ひとみには、かつて眉間みけんに皺しわを寄よせ、必死ひっしに痛いたみに耐たえていたあの頃ころの自分じぶんの姿すがたは、どこにもなかった。
歓喜かんきの声こえは次第しだいに遠とおざかり、いつの間まにか僕ぼくは、あのときと同おなじ白しろい光ひかりに包つつまれていった・・・

《電子でんし音おん》
「ピッ・・ピッ・・・・ピーーーーー」

白しろい人ひと：
胸むねポケットからペンライトを取とり出だし、横よこたわる男おとこの瞳ひとみに向むけて左右さゆうに振ふる。
「９月くがつ７日にち　５時どき１３分ふん・・・」

今いま、ひとりの男おとこの旅たびが、窓辺まどべから差さし込こみ始はじめた朝あさの光ひかりとともに終おわりを告つげようとしている。
朝あさのやわらかな光ひかりは、まるで旅たびの終おわりを祝福しゅくふくするかのように降ふり注そそぎ、彼かれをその光ひかりの中なかへと導みちびいていった。
やがて彼かれは、空そら高たかく続つづくその光ひかりの坂道さかみちを、誰だれに見守みまもられることもなく、静しずかに昇のぼっていくのだった。