【開催かいさい報告ほうこく】9月がつ30日にち（土ど）原子力げんしりょく発電はつでん所しょはどこまで安全あんぜんか -原発げんぱつを設計せっけいした技術ぎじゅつ者しゃに聞きく-

「人ひとを傷きずつける技術ぎじゅつはゆるされない」

後藤ごとう政志まさしさんの講演こうえんの報告ほうこく
放射能ほうしゃのう測定そくていを考かんがえる会かい・西東京にしとうきょうの主催しゅさいで「原子力げんしりょく発電はつでん所しょはどこまで安全あんぜんか」と題だいして、元もと原子力げんしりょくプラント設計せっけい技術ぎじゅつ者しゃの後藤ごとう政志まさしさんにお話はなしをしていただきました。

お話はなしは、原子力げんしりょく発電はつでん設備せつびの構造こうぞう的てきな弱点じゃくてんのお話はなしだけではなく、それを容認ようにんするエネルギー政策せいさくに及およびました。
講演こうえん中ちゅう後半こうはんで、ブレーキの模も式しき図ずが出でてまいりました。
電源でんげんがなくなると止とめられなくなるブレーキと、電源でんげんがなくなることによって止とまるブレーキの模も式しき図ずでした。

前者ぜんしゃを「確かく率りつ的てき安全あんぜん」、後者こうしゃを「確定かくてい的てき安全あんぜん」と呼よぶそうです。

私わたしたちが原発げんぱつの安全あんぜんについて聞きかされてきた内容ないようは「何なん重じゅうにも安全あんぜん装置そうちがついていて多重たじゅう防護ぼうごされている」とか「いくつもの壁かべがある」というものでした。
しかし、根本こんぽん的てきに「確かく率りつ的てき安全あんぜん」（電源でんげんがなくなるときかなくなるブレーキ）の立場たちばをとる限かぎり、いつかは重大じゅうだい事故じこが起おきます。

「多重たじゅう防護ぼうご」を声高こわだかに宣伝せんでんするのは、私わたしたちをごまかすためだということが、後藤ごとう先生せんせいのお話はなしでよく分わかりました。

講演こうえん後ごの質問しつもんコーナーで「自動車じどうしゃでも人ひとが死しぬのになぜ原発げんぱつだけを問題もんだいにするのか」という趣旨しゅしの意見いけんを述のべた方ほうがいました。
私わたしたちも陥おちいりやすい問題もんだいでした。

しかし、自動車じどうしゃはガソリンがなくなると止とまるように設計せっけいされています。家電かでんも電気でんきがなくなると止とまります。
原発げんぱつだけが、全ぜん電源でんげん消失しょうしつによって暴走ぼうそうするのです。そのことを後藤ごとう先生せんせいは説明せつめいされていました。
お話はなしの中なかにメルトダウンを起おこし、デブリがコンクリートに到達とうたつすると、最さい外壁がいへきのコンクリートも溶とかしてゆくとおっしゃっていました。
資料しりょうにも、制御せいぎょできなくなった原子力げんしりょくの出力しゅつりょくは、材料ざいりょうの強度きょうどをはるかに超こえて無限むげん大だいとなってしまうことが示しめされています。
原子力げんしりょく発電はつでん所しょは「電源でんげんがなくなると止とまらなくなるブレーキ」と同どうじ「確かく率りつ的てき安全あんぜん」の設計せっけいとなっています。

そうではなく「確定かくてい的てき安全あんぜん」の立場たちばで設計せっけいしようとすると、原発げんぱつには無限むげんの強度きょうどが要求ようきゅうされ、無限むげんの国民こくみんの税金ぜいきんが必要ひつようになります。
しかも、そこから国民こくみんが得えられる利益りえきの少すくなさは、今いまや言いうに及およばないものです。
後藤ごとう先生せんせいのお話はなしは前段ぜんだんで、この「確かく率りつ的てき安全あんぜん」の設計せっけいを容認ようにんする国くにの政策せいさくがあること、そしてウエスティングハウスを買収ばいしゅうし、原発げんぱつ事業じぎょうを取とり込こもうとして破はたんした東芝とうしばの元凶げんきょうもこの国くにの政策せいさくにあったことを説明せつめいしていただきました。