福島原発事故後、3年8ヶ月が経ちました。
「人のうわさも75日?!」と聞いたことがありますが、3年です。
今年はスーパーの店頭で「福島産の梨」をかなり目にしました。
「おいしいよ!!」との店のスタッフの呼びかけ。
「測定結果はどれくらいなんだろう?!」「安全性は?」
と思っても、表示がないので、わかりません。
とりあえず産地がはっきりしているものを入手しました。
福島県からは知人を通じて、福島市産の「新興」梨を送ってもらいました。
西東京市も「保谷梨」の産地として知られています。
生産者の了解を得て「新興」を確保しました。
11月7日の共同測定には、資金参加を含めて12人の参加者がありました。
2人の市民も参加されました。
当日は2人の測定員が自宅でそれぞれの梨をすりおろして、10分間加熱した検体をもちよりました。測定員の1人が過去のデータを調べて紹介しました。
☆ 福島市産の梨(新興)は1058gを1800秒と64800秒測りました。
1800秒では
核種 放射能濃度 絶対誤差 統計誤差 検出下限値 ピーク検出
Cs-137 2.93Bq/Kg
Cs-134 2.74Bq/Kg
64800秒では
核種 放射能濃度 絶対誤差 統計誤差 検出下限値 ピーク検出
Cs-137 1.03Bq/Kg +-0.47Bq/Kg 41.5% 0.67Bq/Kg
Cs-134 0.88Bq/Kg +-0.43Bq/Kg 44.6% 0.62Bq/Kg
☆ 西東京市産の梨(新興)は1031gを1800秒と64800秒測りました。
1800秒では
核種 放射能濃度 絶対誤差 統計誤差 検出下限値 ピーク検出
Cs-137 3.00Bq/Kg
Cs-134 2.81Bq/Kg
64800秒では
核種 放射能濃度 絶対誤差 統計誤差 検出下限値 ピーク検出
Cs-137 0.69Bq/Kg
Cs-134 0.64Bq/Kg
という結果でした。
福島市産の 梨では1800秒ではCs-137とCs-134ともに検出下限値を越えませんでしたが、64800秒測定でCs-137、Cs-134ともに検出下限値を越える値が出ました。西東京市産の梨ではいずれも検出下限値を越えませんでした。
福島産については地元の方から事故当時、秋の収穫にむけ、放射能を果実がとりこまないよう
梨の木の皮を剥ぐよう指導があったと聞きました。
それでも当時は500ベクレル出るものがあったそうです。
国の基準は100ベクレルを基準としているけど、地元JAは20ベクレルを基準に検査しているようです。
西東京市の生産者からは「事故時、落ち葉を堆肥に使用禁止との指導があった」
「地元JAが測定器を所持しているが、測定したことはない」という話もききました。
結果を報告し、「新鮮」「おいしさ」も大切にしたいけど、安全・安心をどうしたらよいか、今後、生産者とコンタクトをとりながら、考えて行きたいです。
(測定員 佐藤安徳・梅村浄)