ザ・ギバー 記憶きおくを伝つたえる者もの

ザ・ギバー 記憶きおくを伝つたえる者もの

著者ちょしゃ	ロイス・ローリー
国くに	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご	英語えいご
シリーズ	ギヴァー四よん部ぶ作さく
ジャンル	児童じどう文学ぶんがく
出版しゅっぱん日び	1993
次つぎ作さく	『ギャザリング・ブルー 青あおを蒐める者もの』

『ザ・ギバー 記憶きおくを伝つたえる者もの』（ザ・ギバー きおくをつたえるもの、The Giver）はアメリカの作家さっかロイス・ローリーによる1993年ねんに発表はっぴょうされた児童じどう文学ぶんがく。ギヴァー四よん部ぶ作さくの第だい一いち作さく目めにあたる。対象たいしょう年齢ねんれいは8-12歳さい程度ていど。

1994年度ねんどニューベリー賞しょう受賞じゅしょう作さく。2014年ねんに『ギヴァー 記憶きおくを注そそぐ者もの』として実写じっしゃ映画えいが化かされている。

日本にっぽんでは1995年ねんに講談社こうだんしゃユースセレクションから『ザ・ギバー 記憶きおくを伝つたえる者もの』という邦題ほうだいで掛川かけがわ恭子きょうこの訳わけが出版しゅっぱんされた。しかしその後ごこの講談社こうだんしゃ版ばんが絶版ぜっぱんとなり、愛読あいどく者しゃ有志ゆうしのグループ「『ギヴァー』を全国ぜんこくの読者どくしゃに届とどける会かい」の活動かつどうにより、2010年ねん1月がつ、新しん評論ひょうろんより島津しまつやよい訳わけの新訳しんやく版ばん『ギヴァー 記憶きおくを注そそぐ者もの』が刊行かんこうされた。『ギャザリング・ブルー 青あおを蒐める者もの』（GATHERING BLUE）、『メッセンジャー　緑みどりの森もりの使者ししゃ』（MESSENGER）、『ある子こども』（SON）とともにギヴァー四よん部ぶ作さくを構成こうせいする。SFともファンタジーとも寓話ぐうわとも取とれる内容ないようで、カバー折おり返かえしには「近きん未来みらいファンタジー」と書かかれている。

概要がいよう

物語ものがたりの舞台ぶたいとなる「コミュニティー」は犯罪はんざい、飢餓きが、悩なやみ等とうのないユートピアのようである反面はんめん、規則きそくが多おおく、人々ひとびとが強つよい感情かんじょうを表あらわすことのない奇妙きみょうな社会しゃかいである。一見いっけん平和へいわな管理かんり社会しゃかいの恐おそろしさ、異常いじょうさが読者どくしゃと主人公しゅじんこうのジョーナスの目めに段々だんだんと露ろになる構成こうせいとなっている。

あらすじ

コミュニティーの子こどもは〈十じゅう二に歳さいの儀式ぎしき〉で個性こせいを認みとめられ、〈長老ちょうろう会かい〉の観察かんさつ結果けっかに従したがってそれぞれ〈職業しょくぎょう任命にんめい〉を受うける。 少年しょうねんジョーナスはコミュニティーにただ一人ひとりの〈記憶きおくを受うけつぐ者しゃ〉の後継こうけい者しゃに任命にんめいされた。それは最もっとも名誉めいよある仕事しごとであると同時どうじに、苦痛くつうと孤独こどくを知しる仕事しごとでもあった。

〈記憶きおくを受うけつぐ者しゃ〉は全ぜん世界せかいの記憶きおくを受うけ継つぎ、その知識ちしきで長老ちょうろう会かいに助言じょげんをするが、記憶きおくの内容ないようは口外こうがいできない。 受うけ継ついできた記憶きおくをジョーナスに伝つたえる老人ろうじんは記憶きおくの重おもみで疲労ひろうしていた。彼かれ、〈記憶きおくを伝つたえる者もの（ザ・ギバー）〉はジョーナスにはるか昔むかしの記憶きおくを一ひとつずつ渡わたしていく。

ジョーナスは〈画一かくいつ化か〉以前いぜんの記憶きおくを得えて、人ひとの管理かんりによって失うしなわれたものを知しる。 混乱こんらんの元もととなる自由じゆうと個性こせいをなくし、苦痛くつうの記憶きおくを〈記憶きおくを受うけつぐ者しゃ〉だけが負おうことで現在げんざいのコミュニティーは成なり立たっていた。

記憶きおくをすべての人ひとが分わけて持もつことを考かんがえ始はじめたジョーナスは、〈記憶きおくを伝つたえる者もの〉とともに現状げんじょうを変かえる方法ほうほうを計画けいかくする。

外部がいぶリンク

• 『ギヴァー』を全国ぜんこくの読者どくしゃに届とどける会かい