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河村 真千子「障害と非障害の狭間で生きる障害者の兄弟姉妹――文化・社会的な適応」
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河村かわむら 真千子まちこ障害しょうがい障害しょうがい狭間はざまきる障害しょうがいしゃ兄弟きょうだい姉妹しまい――文化ぶんか社会しゃかいてき適応てきおう

障害しょうがい学会がっかいだいかい大会たいかい報告ほうこく要旨ようし 於:立命館大学りつめいかんだいがく
20090927


 河村かわむら 真千子まちこ東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいん経済けいざいがく研究けんきゅうとくにん研究けんきゅういん
 「障害しょうがい障害しょうがい狭間はざまきる障害しょうがいしゃ兄弟きょうだい姉妹しまい――文化ぶんか社会しゃかいてき適応てきおう

  障害しょうがいしゃ兄弟きょうだい姉妹しまい以下いか、きょうだいと表記ひょうき)の社会しゃかい適応てきおう心理しんりてき問題もんだいかんする研究けんきゅうは、これまでおも家族かぞくシステム理論りろん観点かんてんからおこなわれてきている。そうした背景はいけいから家族かぞく支援しえん提唱ていしょうされ、きょうだいへの支援しえん着目ちゃくもくされつつある。ほん研究けんきゅうにおいては、そうした先行せんこう研究けんきゅう知見ちけん概観がいかんしたうえで、文化ぶんかてき視点してん立脚りっきゃくし、検討けんとうする。
  文化ぶんか心理しんりがく理論りろんてき枠組わくぐみにおいては、文化ぶんかてき社会しゃかいてき適応てきおうをするときにもたらされる心理しんりがくてき過程かていは、関連かんれんした文化ぶんかてきふく合体がったい個人こじん内部ないぶ位相いそうとして概念がいねんされるとかんがえる。しん要素ようそ社会しゃかい要素ようそ両方りょうほうからなるふく合体がったい分析ぶんせきのユニットとする視点してん立脚りっきゃくし、認知にんちとは根本こんぽんてき社会しゃかいてきであり、その性質せいしつ社会しゃかい性質せいしつ由来ゆらいし、同時どうじ社会しゃかい性質せいしつ構成こうせい要素ようそになっているということに焦点しょうてんいている。つまり、社会しゃかい性質せいしつ個人こじんしん性質せいしつを、片方かたがたから他方たほう演繹えんえきできるような別々べつべつ属性ぞくせいとしてかんがえるのではなく、ひとつのふく合体がったい別々べつべつ側面そくめんとしてとらえる。すなわち、文化ぶんかてき視点してんからきょうだいの社会しゃかい心理しんりてき適応てきおうについて分析ぶんせきするということは、きょうだいのもつ個々ここ心理しんりプロセスを、社会しゃかい文化ぶんかシステムの一部いちぶひとつの位相いそうとして概念がいねんするということである。そうしたとき、きょうだいの適応てきおう形態けいたい相違そういは、純粋じゅんすい個々ここ心理しんりがくてき産出さんしゅつぶつではなく、様々さまざま社会しゃかいてき文化ぶんかてき過程かていによって、結果けっかとして産出さんしゅつされ、こされる。
  実際じっさいに、きょうだいの社会しゃかい心理しんりてき適応てきおう形態けいたいは、さまざまである。よって、あるしゅ関係かんけいせいが、形態けいたい関係かんけいせいよりもなんらかの意味いみで「のぞましい」とか「い」と判断はんだんする根拠こんきょきわめてとぼしいようにおもわれる。関係かんけいせい性質せいしつ相違そうい、バリエーションを、「進化しんか」の枠組わくぐみで解釈かいしゃくしようとすることが、問題もんだいせいはらみ、問題もんだい本質ほんしつてき理解りかいゆがめてしまう。よって、きょうだいの社会しゃかい適応てきおう心理しんりてき問題もんだいは、文化ぶんか慣習かんしゅうとそれに連動れんどうした心理しんり傾向けいこう系統的けいとうてき探索たんさくする視点してんから理解りかいする必要ひつようがある。

作成さくせい
UP:20090904 REV:
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