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桐原尚之「シンポジウムT 障害学生支援を語る 精神障害と障害学生支援」
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桐原きりはら 尚之なおゆき「シンポジウムT 障害しょうがい学生がくせい支援しえんかたる 精神せいしん障害しょうがい障害しょうがい学生がくせい支援しえん

障害しょうがい学会がっかいだいかい大会たいかい発言はつげん内容ないよう 於:立命館大学りつめいかんだいがく
20090926


発言はつげん内容ないよう パワーポイント
シンポジウムT 障害しょうがい学生がくせい支援しえんかた
精神せいしん障害しょうがい障害しょうがい学生がくせい支援しえん

きり はら  なお これ

1.自己じこ紹介しょうかい
 わたしは12さいはじめて精神せいしんもんをくぐった。中学校ちゅうがっこう1年生ねんせいの6がつだった。当時とうじ、バタフライナイフ事件じけんなどがあり、もの検査けんさ異常いじょうなまでに厳格げんかくし、教員きょういんが「学校がっこう関係かんけいないもの」を定義ていぎし、それを理由りゆう生徒せいと私物しぶつ没収ぼっしゅう破棄はきするなどしていた。同級生どうきゅうせいおおくは、文句もんくいながらもかえすにはいたらず、わたしだけがしつこく返還へんかん要求ようきゅうし、実力じつりょく行使こうしおよんだ。それらの学生がくせい運動うんどうならぬ生徒せいと運動うんどうもあって、養護ようご教諭きょうゆから精神せいしん通院つういんすすめられる。そのころ過大かだいなストレスからか、くびめるようになり、やがて回数かいすう頻繁ひんぱんになり、つねくびめている状態じょうたいになった。7月になると、関係かんけい妄想もうそうから神話しんわ妄想もうそうへと発展はってんし、幻聴げんちょう幻覚げんかくあらわれるようになった。2年生ねんせいの7がつには、中学校ちゅうがっこうから「責任せきにんもてないからるな」とわれ、おや学校がっこうさがして若葉わかば養護ようご学校がっこう病弱びょうじゃくこう)に入学にゅうがくすることになった。養護ようご学校がっこう中学ちゅうがくからわたしがいける高校こうこうは、浪岡なみおか養護ようご学校がっこう高等こうとうだけだった。そこは自宅じたくから40キロほどはなれている。投薬とうやく治療ちりょう副作用ふくさようあるくことができず、通学つうがく困難こんなんだった。そのため、若葉わかば養護ようご学校がっこう高等こうとうをつくる運動うんどう展開てんかいしたが、高等こうとう設置せっちされたのは、浪岡なみおか養護ようご学校がっこう高等こうとう入学にゅうがく、1ねんのちであった。学校がっこうにはははくるまで1あいだかけて、おくむかえすることになった。浪岡なみおか養護ようご学校がっこうは、進学しんがくコースと就職しゅうしょくコースがあり、わたしはなぜか就職しゅうしょくコースにれられた。就職しゅうしょくとは、授産じゅさん施設しせつへの就職しゅうしょくである。もちろん、充分じゅうぶん勉強べんきょうをする場所ばしょではなかった。小学校しょうがっこうをやりなおすか、それ以下いか水準すいじゅん教育きょういくであり、学校がっこうかようのも一苦労ひとくろう学校がっこうでもある意味いみいち苦労くろうで、いえかえってから人並ひとなみ学力がくりょくをと劣等れっとうかんたよりに必死ひっし勉強べんきょうした。浪岡なみおか養護ようご学校がっこう高等こうとう卒業そつぎょう医師いしとのやりりや、施設しせつとのやりりのなか、どうしても進学しんがくができず、2008ねん4がつにようやく大学だいがく入学にゅうがくたした。浪岡なみおか養護ようご学校がっこう就職しゅうしょくコースで大学だいがく入学にゅうがくたしたものは、わたしはじめてであったらしい。そういう世界せかいはなしなのだ。

2.現状げんじょう前提ぜんてい
2−1.強制きょうせい入院にゅういん法制ほうせい障害しょうがい学生がくせい支援しえん
 あらかじべておきたいことは、精神せいしん障害しょうがいしゃにとっては教育きょういくこそ障害しょうがい(disability)であるということだ。精神病せいしんびょうは、教育きょういく発症はっしょうすることがおおい。その理由りゆうとして、人間にんげん精神せいしん医学いがく対象たいしょうするシステムと社会しゃかいてき攻撃こうげき(Psychosocial disability : 以下いか、「サイコソーシャルディスアビリティー」と表記ひょうき)が、教育きょういくもっと顕著けんちょあらわれているのだとおもう。久富ひさとみ善之よしゆきは、「教育きょういく競争きょうそう問題もんだい中心ちゅうしんにある」、「学校がっこう競争きょうそう社会しゃかい競争きょうそう連動れんどうする」として、しん自由じゆう主義しゅぎ前提ぜんていとした教育きょういく私事しじは、経済けいざい活動かつどう影響えいきょうおよぼし、市場いちば原理げんり主義しゅぎとフォーディズムの基盤きばんにすらなっていることを指摘してきしている(久富ひさとみ,1993)。サイコソーシャルディスアビリティーによって、人間にんげんとしての気力きりょくうしない、それを病気びょうきとされることで精神せいしん医学いがく介入かいにゅう排除はいじょによる障害しょうがい(disability)をうける。
 統合とうごう教育きょういく、ろう学校がっこうめくらろう教育きょういく特別とくべつ支援しえん教育きょういく障害しょうがい学生がくせい支援しえんなど、障害しょうがいしゃ教育きょういくについては様々さまざま議論ぎろんがされている。しかし、「精神病せいしんびょうしゃからすれば、統合とうごう教育きょういくとは教育きょういく機構きこう障害しょうがいもとづき分離ぶんりしないだけで、強制きょうせい入院にゅういんというかたち教育きょういくからけられることにはわりないのだ。「精神病せいしんびょうしゃ最大さいだい障害しょうがい(disability)は、強制きょうせい入院にゅういんおよ保安ほあん処分しょぶんである。強制きょうせいてき収容しゅうよう強制きょうせいてき治療ちりょうは、もっとはげしい苦痛くつう打撃だげきあたえるものである。ときには、これで生命せいめいうしなったり、うしな危機きき直面ちょくめんしたりもする。教育きょういく障害しょうがい(disability)は、教育きょういく知識ちしき内在ないざいする暴力ぼうりょくだけではなく、教育きょういく制度せいど精神せいしん医療いりょうおよ保安ほあん処分しょぶんとが、複雑ふくざつからみながら障害しょうがい(disability)を形成けいせいしているいちめんもある。それは、障害しょうがい学生がくせい支援しえんにおいてもおなじで、「精神病せいしんびょうしゃ医学いがくして支援しえんよりも治療ちりょう傾向けいこうたかめている。精神せいしん保健ほけん強制きょうせい制限せいげん行為こうい能力のうりょくがあるかぎり、支援しえんもそれにわせた障害しょうがい一端いったんになうことになるだろう。我々われわれにとっては、精神せいしん保健ほけん強制きょうせい制限せいげん行為こうい能力のうりょく廃絶はいぜつされて、はじめて支援しえんはなしにうつるような感覚かんかくおぼえる。

2−2.障害しょうがい学生がくせい支援しえん現状げんじょう
 日本にっぽん学生がくせい支援しえん機構きこうでは、障害しょうがい学生がくせい修学しゅうがく支援しえんのためのFAQえふえーきゅー作成さくせいしているが、ここには視覚しかく障害しょうがい聴覚ちょうかく障害しょうがい肢体したい不自由ふじゆう病弱びょうじゃく身体しんたい虚弱きょじゃく内部ないぶ障害しょうがい)、発達はったつ障害しょうがいについてしか、かれていない。病弱びょうじゃく内部ないぶ障害しょうがいまた一部いちぶ難病なんびょう意識いしきしたものであり、発達はったつ障害しょうがい学習がくしゅう障害しょうがい(Learning Disabilities)、注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)、高機能こうきのう自閉症じへいしょうしくはアスペルガー症候群しょうこうぐん意識いしきしている。日本にっぽん学生がくせい支援しえん機構きこうでは、精神せいしん障害しょうがい学生がくせい対象たいしょうとして意識いしきさえしていない。
 いくつかの大学だいがく電話でんわで「精神せいしん障害しょうがい学生がくせいだけど、支援しえんのある大学だいがく転学てんがくしたいので、精神せいしん障害しょうがい学生がくせい支援しえんについて問合といあわせました。」と、支援しえん可能かのうせいについて問合といあわせたものを以下いかひょうにまとめた。

だい学名がくめい 対象たいしょう障害しょうがい種別しゅべつ
札幌学院大学さっぽろがくいんだいがく 対象たいしょう・・・視覚しかく障害しょうがい聴覚ちょうかく障害しょうがい肢体したい障害しょうがい内部ないぶ障害しょうがい受験じゅけん可否かひ未定みてい)、知的ちてき障害しょうがい受験じゅけん可否かひ未定みてい)、(教務きょうむ入試にゅうし,2002)
日本にっぽん学生がくせい支援しえん機構きこう拠点きょてんこう障害しょうがい学生がくせい支援しえんかく大学だいがく教員きょういん指導しどうするためのネットワークであり、本学ほんがく障害しょうがい学生がくせい支援しえんしつとう設置せっちはしていないし、障害しょうがい学生がくせいたいする助言じょげんもしていない(教務きょうむ入試にゅうし私信ししん,2009.8.4)。
宮城教育大学みやぎきょういくだいがく 対象たいしょう・・・おもに、聴覚ちょうかく障害しょうがい視覚しかく障害しょうがい肢体したい不自由ふじゆう
要望ようぼうおうじて支援しえんをしている。精神せいしん障害しょうがい学生がくせいから要望ようぼうがないため、現在げんざい精神せいしん障害しょうがい学生がくせい支援しえんはしていない。支援しえん可能かのうせいについては教員きょういん回答かいとうによる。
富山大学とやまだいがく 対象たいしょう・・・視覚しかく障害しょうがい聴覚ちょうかく障害しょうがい肢体したい障害しょうがい内部ないぶ障害しょうがい発達はったつ障害しょうがい
精神せいしん障害しょうがい保健ほけん管理かんりセンターと提携ていけい。コミュニケーション障害しょうがい場合ばあい発達はったつ障害しょうがい支援しえんなかでもっている。(西村にしむらさま私信ししん,2009.8.4)
筑波大学つくばだいがく 対象たいしょう・・・視覚しかく障害しょうがい聴覚ちょうかく障害しょうがい運動うんどう障害しょうがい発達はったつ障害しょうがい内部ないぶ障害しょうがい
日本福祉大学にほんふくしだいがく 対象たいしょう・・・視覚しかく障害しょうがい聴覚ちょうかく障害しょうがい肢体したい障害しょうがい、その
「その」では「通院つういん出欠しゅっけつあつかいへの配慮はいりょ」で、精神せいしん障害しょうがい学生がくせい支援しえん積極せっきょくてきにしている。
同志社大学どうししゃだいがく 対象たいしょう・・・聴覚ちょうかく障害しょうがい視覚しかく障害しょうがい肢体したい不自由ふじゆう
精神せいしん障害しょうがい対象たいしょうとしていない。
関西学院大学かんせいがくいんだいがく 対象たいしょう・・・おも視覚しかく障害しょうがい聴覚ちょうかく障害しょうがい肢体したい不自由ふじゆう
広島大学ひろしまだいがく 対象たいしょう・・・身体しんたいとう障害しょうがいがあり、障害しょうがいしゃ手帳てちょう医師いし診断しんだんしょでそれらが確認かくにんでき、本人ほんにん支援しえん必要ひつようとしているもの
群馬大学ぐんまだいがく 対象たいしょう・・・視覚しかく障害しょうがいしゃ聴覚ちょうかく障害しょうがいしゃおよ肢体したい不自由ふじゆうしゃとう障害しょうがいのある学生がくせい
京都大学きょうとだいがく 視覚しかく聴覚ちょうかく障害しょうがい肢体したい不自由ふじゆう、その病弱びょうじゃく怪我けがなど
身体しんたい障害しょうがい学生がくせい支援しえん名称めいしょうのため病弱びょうじゃく精神せいしん障害しょうがいふくまない。
大阪大学おおさかだいがく 対象たいしょう・・・身体しんたい障害しょうがい発達はったつ障害しょうがいおよ精神せいしん障害しょうがいとう
東北福祉大学とうほくふくしだいがく 対象たいしょう・・・聴覚ちょうかく障害しょうがい
障害しょうがい学生がくせい支援しえんしつでは聴覚ちょうかく障害しょうがいしゃのノートテイクボランティアを募集ぼしゅう発達はったつ障害しょうがいについてはべつ部署ぶしょおこなっている。精神せいしん障害しょうがい保健ほけん管理かんりしつおよ医務いむしつ対応たいおう

2−3.障害しょうがい学生がくせい、そして支援しえん
 障害しょうがい学生がくせい支援しえんという言葉ことばくと、ジグソーパズルのピースを、かたちわないのに無理むりやりつなげて、最終さいしゅうてきにいびつな四角形しかっけい出来上できあがったような感覚かんかく連想れんそうする。障害しょうがいも、学生がくせいも、支援しえんも、まったくことなる概念がいねんであるようにおもう。
まず、障害しょうがい学生がくせい学生がくせいはどうちがうのか。これまでは、あまりかんがえられることはなく、障害しょうがいしゃ学生がくせい障害しょうがい学生がくせいとされてきた。では、学生がくせい支援しえん障害しょうがい学生がくせい支援しえんはどうちがうのか。また、障害しょうがい学生がくせい障害しょうがいしゃ学生がくせいとして、障害しょうがいしゃ学生がくせい支援しえんと、そうでない学生がくせい支援しえんでは、ちがいが必要ひつようなのか。精神せいしん障害しょうがいしゃという立場たちばからして、この疑問ぎもんおおきい。
 精神せいしん障害しょうがいしゃ限定げんていされる特別とくべつ支援しえんは、おそらく存在そんざいしないし、してはならない。精神せいしん保健ほけん領域りょういきでは、精神せいしん障害しょうがいしゃ特殊とくしゅせいりにしているが、そもそもそれらが我々われわれへの介入かいにゅう根拠こんきょとされていく。また、のちべる、実際じっさいもとめた支援しえんについても、だれもが、たりまえけてしかるべき支援しえんであることとおもう。
 最後さいごに、学生がくせい大学だいがく立場たちばについて基本きほんてき認識にんしきしめすが、大学だいがくは、学術がくじゅつ中心ちゅうしんとして、知的ちてき道徳どうとくてき適応てきおう能力のうりょく発展はってんと、研究けんきゅうおこな提供ていきょう社会しゃかい発展はってんさせるである(学校がっこう教育きょういくほう83じょう)。学生がくせいは、知的ちてき道徳どうとくてき適応てきおう能力のうりょく発展はってん目的もくてきとして大学だいがく入学にゅうがくするもので、かねはらっている消費しょうひしゃでもある。知的ちてき道徳どうとくてき適応てきおう能力のうりょく発展はってんには、場合ばあいによっては必要ひつよう支援しえんもあるし、かねはらっている以上いじょう目的もくてき達成たっせいのために大学だいがく学生がくせい義務ぎむとして提供ていきょうすべきものがある。

3.実際じっさいもとめた支援しえん大学だいがく対応たいおう
3−1.生命せいめい科学かがく講義こうぎ
 事前じぜんに、障害しょうがい学生がくせい支援しえんしつについて問合といあわせたら、「精神せいしん障害しょうがい対象たいしょうがい発達はったつ障害しょうがいのコミュニケーション支援しえんならべつ部署ぶしょけられる。精神せいしん障害しょうがいは、基本きほんてき医務いむしつ所轄しょかつしている」との回答かいとうがあった。コミュニケーション支援しえん必要ひつようないし、どうしても医務いむしつ上述じょうじゅつ理由りゆうからいやだったので、とく支援しえん要請ようせいさなかった。そもそも、講義こうぎちゅうにPCを使用しようしてメモをとる、つかれたとき椅子いすうえよこになるなど、あらかじ大学だいがく特別とくべつになにかを用意よういするわけではない。申請しんせいする必然ひつぜんせいはないと判断はんだんし、講義こうぎちゅうにPCを使用しようしてメモをとり、つかれたとき椅子いすうえよこになっていたら、担当たんとう教員きょういん怒鳴どなられた。

3−2.医学いがく講義こうぎ
(1)支援しえん申請しんせいしょ
   きり はら  なお これ
希望きぼう事項じこう 8がつ11にち〜8がつ13にち仙台せんだい医学いがく一般いっぱんSRの参加さんかにあたり、以下いか支援しえんもとめます。
1.PCを使用しようします。
2.椅子いすふたかさねてます。
  ゆかり 1.筆記ひっきではなくPCで講義こうぎ記録きろくをします。
2.体調たいちょう管理かんりのため必要ひつよう休息きゅうそくります。
1.2.とも、精神せいしん障害しょうがい必要ひつよう支援しえんであり、医師いしにも上記じょうき支援しえんもとめるように助言じょげんいただいております。
                        以  うえ

(2)大学だいがく対応たいおう
 PC使用しようみとめられたが、最前さいぜん列席れっせき着席ちゃくせきすることが義務付ぎむづけられた。
(3)対応たいおうへの疑問ぎもん
コセントはいた個所かしょにあり、さい前列ぜんれつである必然ひつぜんせいはない。弱視じゃくし学生がくせいとなりすわっていたが、ろう学生がくせいさい前列ぜんれつではなかった。さい前列ぜんれつ義務ぎむせられた決定的けっていてき理由りゆうはやはり不明ふめいである。また、学生がくせい自由じゆうせきえら着席ちゃくせきしているのにたいして、わたしだけせき指定していされたことについても、差別さべつかんがえる。

3−3.スポーツ
(1)支援しえん申請しんせいしょ
   きり はら  なお これ
希望きぼう事項じこう 9月4にち〜9がつ6にち仙台せんだい、バーンゴルフSR参加さんかにあたり、以下いか支援しえんもとめます。
1. どのようなことがおこるかわかねるので、支援しえん必要ひつようかんじたときは、担当たんとう教員きょういん申出もうしでます。
2.講義こうぎには、PCを使用しようします。
  ゆかり 1.体調たいちょう管理かんりのため必要ひつよう休息きゅうそくりますが、それ以外いがいのことはあらかじ想定そうていねるので、随時ずいじ相談そうだんとさせてください。
2.体調たいちょう管理かんりのため、筆記ひっきではなくPCで講義こうぎ記録きろくをします。
双方そうほうとも、精神せいしん障害しょうがい必要ひつよう支援しえんであり、医師いしにも上記じょうき支援しえんもとめるように助言じょげんいただいております。
                             以  うえ

(2)大学だいがく対応たいおう
 障害しょうがい学生がくせい支援しえん申請しんせいしょ医師いし診断しんだんしょ添付てんぷすること。
(3)対応たいおうへの疑問ぎもん
 診断しんだんしょ必要ひつよう理由りゆうえないし、診断しんだんしょ支援しえん直接ちょくせつ関係かんけいせいみとめられない。また、わたし診断しんだんしょりょう負担ふたんすることも不服ふふくがあった。

3−4.歴史れきし抗議こうぎ
(1)支援しえん要請ようせいしょ
   きり はら  なお これ
希望きぼう事項じこう 1.PCを使用しようします。
2.椅子いすふたかさねてます。
3.うしろのせき着席ちゃくせきします
  ゆかり 1.体調たいちょう管理かんりのため。
2.体調たいちょう管理かんりのため。
3.体調たいちょう管理かんりのため。
1.2.3.とも、精神せいしん障害しょうがい必要ひつよう支援しえんであり、医師いしにも上記じょうき支援しえんもとめるように助言じょげんいただいております。
                        以  うえ

(2)大学だいがく対応たいおう
 記載きさい不足ふそく箇所かしょ(SR科目かもくめい受講じゅこう開催かいさい記入きにゅう)があるため、補足ほそくするように。また、精神病せいしんびょう診断しんだんしょ提出ていしゅつするように。
(3)対応たいおうへの返答へんとう
障害しょうがい学生がくせい支援しえん申請しんせい事前じぜん報告ほうこく)の不足ふそく箇所かしょ補足ほそくします。

スクーリング受講じゅこう科目かもくめい歴史れきし
スクーリング受講じゅこう  :09ねん9がつ21にち〜23にち
スクーリング開催かいさい  :仙台せんだい本学ほんがく

診断しんだんしょ提出ていしゅつ
ほんSRにおいては、診断しんだんしょ提出ていしゅつはしません。
また、げん段階だんかいでは今後こんご診断しんだんしょ提出ていしゅつすることはかんがえておりませんので、あらかじめご了承りょうしょうください。なお理由りゆうにつきましては、以下いか箇条書かじょうがきします。

1.診断しんだんしょ提出ていしゅつする必要ひつようせい不明ふめいであるため。
2.本来ほんらいてきには、PC持参じさん空席くうせき使用しように、許可きょか検討けんとう不要ふようかんがえるため。
3.障害しょうがいしゃ基本きほんほうだいじょう証明しょうめいするだけで、充分じゅうぶんであるとかんがえるため。
4.当方とうほう必要ひつようとする支援しえんは、大学だいがく用意よういするわけではなく、当方とうほう用意よういするわけであり、障害しょうがい学生がくせい支援しえん申請しんせいしょ記載きさい事項じこうは、事前じぜん報告ほうこくであるため、診断しんだんしょ提出ていしゅつ裁量さいりょうけん当方とうほうにあるものとかんがえるため。
5.診断しんだんしょ法的ほうてき拘束こうそくりょくつことから医師いし慎重しんちょう作成さくせいすることがつねであり、作成さくせいにも時間じかんがかかる。普通ふつう前回ぜんかいのSR(9がつ4にち)から、1週間しゅうかん作成さくせいできるものではない。
6.当方とうほう大学だいがく要請ようせいで、診断しんだんしょりょう6300えん出費しゅっぴするのは不当ふとうであり、要請ようせいした大学だいがく支払しはらうことが妥当だとうかんがえるため。
以 うえ

(4)その大学だいがく態度たいどわたしかんが
 教室きょうしつはいると「桐原きりはらさん予約よやく」とかれたかみまえせきにあった。どうやら、ここしかすわってはいけないらしい。ただ、コンセントが前方ぜんぽうにしかないため合理ごうりてきではある。診断しんだんしょけんは「@障害しょうがい学生がくせい支援しえんけるもの全員ぜんいん提出ていしゅつする義務ぎむがある、A障害しょうがい学生がくせい支援しえん申請しんせいしょ下部かぶ診断しんだんしょ添付てんぷ義務ぎむについての記述きじゅつがある」とのことであった。「学習がくしゅう手引てびき」という大学だいがくかんする説明せつめいしょそんするのだが、そこからは診断しんだんしょ提出ていしゅつ義務ぎむ規定きていつからず、また、障害しょうがい学生がくせい支援しえん申請しんせいしょ様式ようしき17ごう)にも診断しんだんしょ提出ていしゅつかんする記述きじゅつ見当みあたらなかった。一方いっぽうわたしは「診断しんだんしょ必要ひつようせい使途しと明確めいかくにせよ」とうた。大学だいがくは「大学だいがく規定きていにあるから」との返答へんとうであり、必要ひつようせい使途しとについての説明せつめいはされなかった。事務じむ職員しょくいん対応たいおうし、「PC使用しようはイレギュラーな支援しえん申請しんせいだから、必要ひつようかの診断しんだんしいのだとおもう」とのはなしをしてきたが、自分じぶんのPCで学内がくない無線むせんLANを使用しようする申請しんせいしょ様式ようしきが「学習がくしゅう手引てびき」にあり、レアケースだとしても、イレギュラーとはえないだろうとおもった。また、となりにいた肢体したい不自由ふじゆう学生がくせいに、「診断しんだんしょ提出ていしゅつした?」とくと、「していない」と返答へんとうかれもPCを使用しようしていた。どうにも、だまされているようにおもえてならないのだ。

4.障害しょうがい学生がくせい支援しえん障害しょうがい
4−1.復学ふくがく
 精神せいしん障害しょうがい学生がくせいへの支援しえんとして「復学ふくがく支援しえん」がある(福田ふくだ,2005)。復学ふくがくとは、いち大学だいがくから排除はいじょし、やがてふたた大学だいがくもどすということである。すわなち、排除はいじょ前提ぜんていとしながら支援しえん名乗なのるものである。これも、強制きょうせい入院にゅういん教育きょういく形成けいせいする障害しょうがい(disability)である。

4−2.支援しえんのカテゴリ
 サンフランシスコ州立しゅうりつ大学だいがく障害しょうがい学生がくせい支援しえんでは、精神せいしん障害しょうがい発達はったつ障害しょうがいを、「コミュニケーションに障害しょうがいかかえる」という障害しょうがい特質とくしつせいから、りょう障害しょうがい同列どうれつあつかっている(宮山みややま,2006)。大阪大学おおさかだいがくでは、2009ねん1がつ14にち障害しょうがいゆうする学生がくせい支援しえんかんする要項ようこうで、障害しょうがい学生がくせい定義ていぎに、精神せいしん障害しょうがいしゃとう追記ついきした。よって、精神せいしん障害しょうがい学生がくせい支援しえん対象たいしょうとはしているが、発達はったつ障害しょうがいどうカテゴリにした理由りゆうが、おなじコミュニケーション障害しょうがいであるかららしい。富山大学とやまだいがくについても、精神せいしん障害しょうがいをコミュニケーション障害しょうがいとしている。
 しかし、精神せいしん障害しょうがい=コミュニケーション障害しょうがいとの認識にんしきは、精神せいしん医学いがく精神せいしん保健ほけん領域りょういき浸透しんとうしているわけではなく、障害しょうがい学生がくせい支援しえん領域りょういきでのみあつかわれている印象いんしょうける。また、わたしもとめる障害しょうがい学生がくせい支援しえんは、学習がくしゅうをしながら休息きゅうそくすることであり、コミュニケーション支援しえんとはえない。精神せいしん障害しょうがい障害しょうがい学生がくせい支援しえんのイメージをつかむために、あえてカテゴリしている風潮ふうちょうがある。

4−3.医務いむしつ所管しょかん
 一般いっぱんてき障害しょうがい学生がくせい支援しえんとは、学内がくないでの情報じょうほう保障ほしょうである。ゆえに、原則げんそくとして身体しんたい障害しょうがい対象たいしょうとしている。発達はったつ障害しょうがい学生がくせい支援しえんおこなわれている大学だいがくおおいが、身体しんたい障害しょうがい支援しえんしつべつ設置せっちされている場合ばあいがある。精神せいしん障害しょうがい学生がくせい支援しえん医務いむしつ保健ほけんしつ対応たいおうする場合ばあいおおく、学生がくせい支援しえんではなく応急おうきゅう治療ちりょうとしておこなわれている。東北福祉大学とうほくふくしだいがく富山大学とやまだいがくは、医務いむしつ提携ていけいして精神せいしん障害しょうがい学生がくせい支援しえんをしている。また、入院にゅういん支援しえん治療ちりょう方法ほうほうのひとつとして提示ていじする大学だいがくもあり、障害しょうがいしゃ援助えんじょというよりは医学いがくてき治療ちりょう対象たいしょうとして、学習がくしゅうそと対応たいおうされているのが現状げんじょうである。
 障害しょうがい学生がくせい支援しえんは、厳密げんみつには医学いがくモデルを採用さいようしている。おおくの障害しょうがい学生がくせい支援しえんしつが「特別とくべつなニーズをもったひと支援しえん」と記載きさいされた広告こうこくしている。学校がっこう教育きょういくほう83じょう目的もくてき達成たっせいけて、消費しょうひしゃ知識ちしきてき満足まんぞくられるような知識ちしき習得しゅうとく個別こべつ必須ひっすとの認識にんしきはない。とりわけ精神せいしん障害しょうがい場合ばあいは、支援しえんしょうして医学いがくする傾向けいこうがある。これは、排除はいじょうながすだけにぎず、精神せいしん医学いがくてき介入かいにゅうへとつなげる入口いりくちとして機能きのうする。
 わたし大学だいがくかよなかもっとこまったのは講義こうぎちゅう体調たいちょう管理かんりである。大学だいがくには、障害しょうがいとう理由りゆうもとづく特別とくべつ配慮はいりょとして、精神せいしん障害しょうがい理由りゆうとした「持参じさんのPC使用しよう」「室内しつないでの休息きゅうそく」をしたが、室内しつない休息きゅうそくではなく、医務いむしつおよ保健ほけん管理かんりしつくようにわれた。精神せいしん障害しょうがいであることを説明せつめいせずに堂々どうどうると、「気分きぶんわるい!体調たいちょうわるいならそとろ!!」と、これもまたそとくようにわれた。どうやら、学習がくしゅう学習がくしゅう継続けいぞくしながら適度てきど休息きゅうそくると発想はっそうにはいたらないらしい。そこで障害しょうがい学生がくせい支援しえんしつ連絡れんらくすると、担当たんとうほうから「精神せいしん障害しょうがい学生がくせい支援しえんは、医務いむしつ担当たんとうなので・・」とことわられた。ところが、わたしにとっては医者いしゃ専門せんもんほどの障害しょうがいはない。冒頭ぼうとうでもれたが、精神せいしん保健ほけん強制きょうせい制限せいげん行為こうい能力のうりょく一番いちばん障害しょうがい(disability)である。かれらにはその権限けんげんがあるのだ。こわくてちかづくことさえできない。あきらめて、無理むりをして、体調たいちょうくずすしかないのだ。

5.まとめ
 障害しょうがい学生がくせい支援しえんとは、学習がくしゅうをするにあたって必要ひつよう支援しえんけることであり、学習がくしゅう現場げんばそとおこなわれてはならない。また、医学いがくてき治療ちりょう対象たいしょうとされるが、それは「患者かんじゃ」としてのニーズであり、「障害しょうがいしゃ」としてのニーズはべつである。
 ぎゃく医療いりょう対象たいしょうとされることは、こう精神せいしんやく治療ちりょう電気でんき痙攣けいれん療法りょうほう期限きげん入院にゅういんなどの障害しょうがい(Psychosocial disability)となるわけで、支援しえんとはえない。また、これらの治療ちりょう国際こくさいほう拷問ごうもんとされている(自由じゆうけん規約きやくだい7じょう)(拷問ごうもんとう禁止きんし条約じょうやく)(Nowak,2008 ; No.63 )(Acosta v. Uruguay ; 1983)。
 大学だいがくは、商法しょうほう502じょう2こう8ごう取引とりひき民法みんぽうだい555じょう売買ばいばいなど適用てきようされ、サービスぎょうとしての合理ごうりてき配慮はいりょ義務ぎむもとめられる。


参考さんこう文献ぶんけん
久富ひさとみ善之よしゆき,1993,「競争きょうそう教育きょういく労働ろうどう旬報じゅんぽうしゃ
宮山みややま千恵子ちえこ,2006,「サンフランシスコ州立しゅうりつ大学だいがくにおけるADD/ADHDや精神せいしん障害しょうがい学生がくせいへの支援しえん独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんメディア教育きょういく開発かいはつセンター
福田ふくだしん也,2004,「しん病気びょうきかかえた学生がくせいへの就学しゅうがく支援しえん大学だいがく学生がくせい479ごう : p42-48, 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん日本にっぽん学生がくせい支援しえん機構きこう
福田ふくだしん也,2005,「統合とうごう失調しっちょうしょう学生がくせいへの復学ふくがく支援しえん精神せいしん医学いがく479ごう : p42-48, 医学書院いがくしょいん
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作成さくせい
UP:20090920 REV:20090925, 0930
全文ぜんぶん掲載けいさい  ◇障害しょうがい学会がっかいだい6かい大会たいかい  ◇障害しょうがい学会がっかいだい6かい大会たいかい報告ほうこく要旨ようし
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