日本人にっぽんじんのためのEclipseプロジェクトを知しってますか？：すぐに日本語にほんごで使つかえるEclipse 3.4大だい特集とくしゅう（後編こうへん）（1/3 ページ）

Eclipse 3.3以降いこうの言語げんごパックはどうなったの？

　2008年ねん6月がつ26日にちに統合とうごう開発かいはつ環境かんきょうEclipseの最新さいしん版ばん3.4（コードネーム「Ganymade」）がリリースされました！ さまざまな機能きのう強化きょうかや機能きのう追加ついかなど、魅力みりょくいっぱいの新しんバージョンですね。早速さっそくダウンロードして試ためされている方ほうもいらっしゃることと思おもいます。3.4の新しん機能きのうについては、特集とくしゅうの前編ぜんぺん「今年ことしも“かに座ざ”リリース！ Eclipse 3.4の新しん機能きのうは？」をご覧らんください。

　ところで、私わたしたち日本人にっぽんじんが日本語にほんごでEclipseを使つかうためには「言語げんごパック」と呼よばれる追加ついかソフトウェアが必要ひつようとなります。そういえば、Eclipseプロジェクトから3.3用ようの言語げんごパックがリリースされないまま、3.4のリリースとなってしまいましたね。はてさて、Eclipseの言語げんごパックはどうなっているのでしょう？

図ず1　「Ganymade」が前面ぜんめんに押おし出だされたEclipseのTOPページ

3.3以降いこうの言語げんごパックはコミュニティ主導しゅどうで作成さくせい

　実じつは、3.3以降いこうの言語げんごパックは、3.2までとは異ことなり、「コミュニティ主導しゅどうで作成さくせいする」ように変かわっていたのです。この件けんについては、2008年ねん2月がつ29日にちの「オープンソースカンファレンス 2008 Tokyo/Spring」で、Eclipse Japan Working Group（後述こうじゅつ）のメンバーであるNECソフトの森もり素もと樹じゅ氏しが調査ちょうさ結果けっかを発表はっぴょうしています。発表はっぴょうした内容ないようは「Eclipse日本語にほんご言語げんごパック 開発かいはつプロジェクト」でも公開こうかいされています。

　この発表はっぴょうの中なかに以下いかの記述きじゅつがあります（いずれも発表はっぴょう資料しりょうPDFから引用いんよう）。

そもそも「言語げんごパック」って何なにをしてくれるの？

　ここで、「言語げんごパック」が実現じつげんする「日本語にほんご化か」とはどのようなものなのか、簡単かんたんに見みておきましょう。大おおまかに分わけて、言語げんごパックが提供ていきょうする日本語にほんご化かには、以下いかの2種類しゅるいがあり、おのおの内部ないぶ的てきに対応たいおうするファイル形式けいしきが異ことなります。

　これらに加くわえて、そもそもEclipse本体ほんたいが適切てきせつに「国際こくさい化かプログラミング」されている必要ひつようがあります。筆者ひっしゃが見みたところ、3.3と3.4ともに「おおむね」国際こくさい化かプログラミングは実施じっし済ずみであるようです。

　基本きほん的てきには、それらの条件じょうけんおよび言語げんごパックがそろって、初はじめて「日本語にほんご化か」を実現じつげんできるようになります。プロパティファイルを用もちいた国際こくさい化かプログラミングについては、以下いかの記事きじが詳くわしいです。

プログラマーの常識じょうしきをJavaで身みにつける via kwout

　このように、言語げんごパックにはメニュー／画面がめん（ダイアログ）／メッセージ／オンラインヘルプの内容ないようが含ふくまれ、それら内容ないようを日本語にほんごに翻訳ほんやくして所定しょていのルールのファイル名めいで準備じゅんびすると、日本語にほんご化か言語げんごパックが出来上できあがるということになります。日本語にほんご以外いがいの各国かっこく語ご対応たいおうを行おこなおうとすると、対応たいおうする言語げんご・地域ちいきの数かずだけ、これら翻訳ほんやく作業さぎょうが必要ひつようになります。

独自どくじの進化しんかを遂とげた国内こくないEclipse日本語にほんご化か事情じじょう

　次つぎに、「言語げんごパック」からいったん離はなれて、日本にっぽんのEclipse日本語にほんご化か事情じじょうを見みてみましょう。なんとEclipseの日本語にほんご化かは、独自どくじの進化しんかを遂とげていたのです。

日本にっぽんには、Pleiadesがアルデス！

　「Pleiades（プレアデス）」というソフトウェアをご存ぞんじでしょうか。場合ばあいによっては「Eclipseプラグイン日本語にほんご化かプラグイン」という名称めいしょうで呼よばれていることもあります。

図ず2　Pleiadesの起動きどうスプラッシュ

　Pleiadesは、うぃるの柏原かしわばら真二しんじ氏しを中心ちゅうしんに開発かいはつ・運営うんえいされているオープンソース・ソフトウェアです。このソフトウェアを利用りようすると、EclipseおよびEclipseプラグインの「メニュー／画面がめん（ダイアログ）／メッセージ」を日本語にほんご化かできます。これは柏原かしわばら氏しを中心ちゅうしんとしたPleiades貢献こうけん者しゃの方々かたがたの地道じみちな翻訳ほんやく活動かつどうの成果せいかでもあります（翻訳ほんやく作業さぎょうが行おこなわれて初はじめて日本語にほんご化かが実現じつげんできます）。

　さらに、Pleiadesの優すぐれている点てんは、国際こくさい化かプログラミングが実施じっしされていないところまで日本語にほんご化かできる点てんです！（AOP技術ぎじゅつを活用かつようすることにより、プロパティファイルに外出がいしゅつしされていない文字もじ列れつの日本語にほんご化かまで実現じつげんしています）

図ず3　Pleiades日本語にほんご化かツールセット・アーキテクチャ（Pleiadesホームページより転載てんさい）

　EclipseプロジェクトからEclipse 3.3の言語げんごパックがリリースされなかったことから、Web記事きじや書籍しょせきでもPleiadesを利用りようした解説かいせつが多おおく出だされていています（参考さんこう「CoolなEclipseプラグイン（特別とくべつ編へん）− 徹底てってい解剖かいぼう!! Eclipse3.3 Europaの“新しん世界せかい”」）。日本にっぽん国内こくないで3.3以降いこうを利用りようする場合ばあいにはPleiadesがデファクト・スタンダードとなっているといってよいでしょう。

　そして、Pleiadesは先日せんじつリリースされた最新さいしん版ばん3.4への対応たいおうも済すませています。本ほん特集とくしゅうの前編ぜんぺんでもPleiadesによる日本語にほんご化かの方法ほうほうを紹介しょうかいしています。また、Ruby／Ruby on Rails向むけ統合とうごう開発かいはつ環境かんきょう3rdRailにPleiadesが採用さいようされると発表はっぴょうされたのも記憶きおくに新あたらしいところです（参考さんこう「3rdRail 日本語にほんご版ばんは「近々ちかぢか」登場とうじょう」）。

　次じページからは、さらにEclipse日本語にほんご化かの活動かつどうを紹介しょうかいしていきます。