最新さいしんExcelフォーマットをJavaで操作そうさするための基礎きそ：XMLを取とり込こんだ最新さいしんOfficeフォーマットとは（後編こうへん）（1/2 ページ）

» 2008年ねん08月がつ18日にち 00時じ00分ふん公開こうかい

[Girier陽子ようし，株式会社かぶしきがいしゃ東芝とうしばソフトウェア技術ぎじゅつセンター]

XMLを取とり込こんだExcelならJava標準ひょうじゅんAPIで操作そうさできる！

　本ほん特集とくしゅうは、「Office 2007」よりファイル形式けいしきとして使つかわれている「Office Open XML」ファイルフォーマット（以下いか、Open XML）について解説かいせつをする特集とくしゅう記事きじです。前編ぜんぺんの「Officeファイルの成なり立たちと最新さいしん形がた、そして標準ひょうじゅん化か」では、XMLを取とり込こんだOpen XMLの成なり立たちやOpenOfficeとの比較ひかく、標準ひょうじゅん化かの流ながれ、仕様しようの概要がいようについて紹介しょうかいしました。

　後編こうへんは、Excelを例れいにJavaで最新さいしんOfficeフォーマットファイルのデータを操作そうさする方法ほうほうを紹介しょうかいします。まず、ワークシートが1つで、テキストと数値すうちの行くだりを入力にゅうりょくしたシンプルなExcelファイルを作成さくせいしてみます。次つぎに、DOM操作そうさ用ようのJava標準ひょうじゅんAPIである「org.w3c.dom」「javax.xml.parsers」「javax.xml.transform」パッケージなどを使つかって、作成さくせいしたExcelファイルの各行かくこうを参照さんしょうしたり、データをさらに追加ついかしたり、データの一部いちぶ更新こうしん、削除さくじょなど行いってみます。

　Java標準ひょうじゅんAPIによるXML操作そうさの基本きほんを知しりたい読者どくしゃは、少すこし情報じょうほうが古ふるいですが、以下いかの連載れんさいを参考さんこうにしてください。

//www.atmarkit.co.jp/fjava/channel/javaxml.html

JavaとXML／Webサービス／SOA連携れんけい - ＠IT via kwout

■ サンプルExcelファイルを見みてみよう

　今回こんかい最初さいしょに作成さくせいするExcelファイルのサンプルは、図ず1のようになります。

図ず1　今回こんかい作成さくせいするサンプルのExcelファイル

　A列れつ：テキストデータ、B列れつ：数値すうち、C列れつ：数値すうちからなる行くだりを入力にゅうりょくしてみます。ソースコードのフォルダ構成こうせいは、次つぎのようになります。

図ず2　ソースコードのフォルダ構成こうせい

　まずは、図ず2のソースコードをこちらよりダウンロードしておいてください。

■ サンプルプログラムの注意ちゅうい事項じこう

　本稿ほんこうのサンプルプログラムについては、以下いかの注意ちゅうい事項じこうがありますので、気きを付つけてください。

Java動作どうさ確認かくにん環境かんきょうは、JDK 6 Update 5ですJDK 6 Update 5です
Office 2007でdocx／xlsx／pptxサンプルファイルの編集へんしゅうや保存ほぞんを行おこなうと、元もとのサンプルにないコードが挿入そうにゅうされます
テキストエディタでサンプルのXMLファイルを編集へんしゅうする場合ばあい、文字もじコードをUTF-8に設定せっていしてください。エンコーディングが正ただしく設定せっていされないと、Office 2007でdocx／xlsx／pptxファイルが開あけない場合ばあいがあります文字もじコードをUTF-8に設定せっていしてください。エンコーディングが正ただしく設定せっていされないと、Office 2007でdocx／xlsx／pptxファイルが開あけない場合ばあいがあります
プログラムをコンパイルする際さい、コンパイル環境かんきょうがUTF-8ではない場合ばあい、『javac -encoding UTF-8 OXMLCreator.java』のように、コンパイル時じに文字もじコード（エンコーディング）を指定していしてくださいコンパイルする際さい、コンパイル環境かんきょうがUTF-8ではない場合ばあい、『javac -encoding UTF-8 OXMLCreator.java』のように、コンパイル時じに文字もじコード（エンコーディング）を指定していしてください
サンプルファイルは読よみ取とり専用せんようになっています。必要ひつように応おうじ、解除かいじょしてください読よみ取とり専用せんようになっています。必要ひつように応おうじ、解除かいじょしてください
サンプルプログラムは自己じこ責任せきにんによりご利用りようください

　Javaの文字もじエンコーディングについて詳くわしく知しりたい読者どくしゃは、以下いかの記事きじを参考さんこうにしてください。

//www.atmarkit.co.jp/fjava/index/index_programer.html

プログラマーの常識じょうしきをJavaで身みにつける via kwout

Open XMLのExcelファイルを作成さくせいするには？

　ダウンロードして解凍かいとうしたフォルダの中なかから、テキストエディタでOpen XMLのExcelファイルを作成さくせいする「OXMLCreator.java」ファイルを開ひらいてください。OXMLCreator.javaの処理しょりの流ながれは、次つぎのようになります。

23 oxml.startFile();

            24 oxml.insertData("製せい品名ひんめい1", 4, 400);                /* 行くだり追加ついか */

            25 oxml.insertData("製せい品名ひんめい2", 10, 1200);         /* 行くだり追加ついか */

            26 oxml.insertData("製せい品名ひんめい3", 3, 900);           /* 行くだり追加ついか */

            27 oxml.endFile();

            28 oxml.createUTF8file((String)fileList.get(4));/* sheet1.xml生成せいせい */

          29 oxml.createZIPfile(fileList,"sample.xlsx"); /* sample.xlsx生成せいせい */

sheet1.xmlファイルに書かき込こむ内容ないようをStringBufferへ保存ほぞん（23?27行ぎょう目め）
1.で保存ほぞんしたデータからsheet1.xmlファイルを生成せいせい（28行ぎょう目め）
あらかじめ保存ほぞんしておいた[Content_Types].xmlやworkbook.xmlなどのファイルとともにsheet1.xmlファイルをZIP圧縮あっしゅくし、sample.xlsx生成せいせい（29行ぎょう目め）

　Java標準ひょうじゅんAPIによるZIP圧縮あっしゅくについて詳くわしく知しりたい読者どくしゃは、以下いかの記事きじを参考さんこうにしてください。

プログラマーの常識じょうしきをJavaで身みにつける via kwout

■ sample.xlsxに含ふくむファイルの構成こうせいを決きめる

15  ArrayList<String> fileList = new ArrayList<String>();

            16  fileList.add("[Content_Types].xml");

            17  fileList.add("_rels/.rels");

            18  fileList.add("xl/workbook.xml");

            19  fileList.add("xl/_rels/workbook.xml.rels");

          20  fileList.add("xl/worksheets/sheet1.xml");

　16～20行ぎょう目めでZIPファイル（sample.xlsx）に含ふくむファイルのファイル名めいとパスを追加ついかします。

■ 行くだりデータの追加ついか

38 void insertData(String a, int b, int c) {

            39 rowNum++;

            40 sheetContent.append("    

                      <row r=\""+rowNum+"\">\r\n"

            41               +"    <c r=\"A"+rowNum+"\" t=\"inlineStr\">\r\n"     /* A列れつ*/

            42                +"        <is>\r\n"

            43                +"            <t>"+a+"</t>\r\n"              /* テキストデータ */

            44            +"        </is>\r\n"

            45            +"    </c>\r\n"

            46            +"    <c r=\"B"+rowNum+"\">\r\n"                    /* B列れつ */

            47                +"        <v>"+b+"</v>\r\n"                    /* 数値すうちデータ */

            48            +"    </c>\r\n"

            49            +"    <c r=\"C"+rowNum+"\">\r\n"                    /* C列れつ */

            50            +"        <v>"+c+"</v>\r\n"                    /* 数値すうちデータ */

            51            +"    </c>\r\n"

            52            +" </row>\r\n");

          53 }

　insertDataの引数ひきすうに順じゅんに設定せっていしたA列れつのテキスト、B列れつの数値すうち、C列れつの数値すうちをそれぞれStringBuffer型かたのsheetContent変数へんすうへ行くだりデータ1行ぎょう分ぶんのデータとして保存ほぞんします。41～45行ぎょう目めでA列れつ、46?48行ぎょう目めでB列れつ、49?51行ぎょう目めでC列れつを設定せっていします。

■ sheet1.xmlの生成せいせい

60 void createUTF8file(String fileName){

            61     try  { 

            62          BufferedOutputStream outstream

                           = new BufferedOutputStream(

               new FileOutputStream(fileName));

            63          outstream.write(sheetContent.toString()

                          .getBytes("UTF-8"));/* 文字もじコード指定してい */

            64             outstream.flush();

            65          outstream.close();

            66     }catch (Exception e) {

            67          e.printStackTrace();

            68      }

          69  }

　StringBuffer型がたのsheetContent変数へんすうへ保存ほぞんしたデータからsheet1.xmlファイルを生成せいせいします。63行ぎょう目めでsheet1.xmlの文字もじコードを「UTF-8」に設定せっていします。なお、Open XMLでサポートされている文字もじコードは、「Unicode」（「UTF-8」または「UTF-16」）および「ISO/IEC 10646」です。