探検！昔の商店街

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探検！昔の商店街

		様々さまざまな店みせが立たち並ならぶ昔むかしの町並まちなみ。その中なかでもひときわ目めを引ひくのが、重厚じゅうこうな感かんじのする、厚あつい土ど壁かべと瓦かわらでおおわれた土蔵どぞう造づくりです。火事かじから店みせや商品しょうひんを守まもるために、徐々じょじょに普及ふきゅうしたこの土蔵どぞう造づくりは、開口かいこう部ぶが少すくなく、店内てんないも暗くらくなります。こうした建物たてものの中なかで、商人しょうにんは、どのように商品しょうひんを販売はんばいしていたのでしょうか。この展示てんじでは、昔むかしの商人しょうにんたちの商品しょうひんの販売はんばいの工夫くふうについて、取とり上あげます。
目次もくじ　　1.宣伝せんでんの工夫くふう　　 2.陳列ちんれつの工夫くふう　　 3.品質ひんしつ保存ほぞんの工夫くふう　　 4.会計かいけいや在庫ざいこ管理かんりの工夫くふう　　 5.建物たてものの工夫くふう　　 6.その他たの工夫くふう		[　房総ぼうそうのむらトップページへ　] 　[千葉ちばの県立けんりつ博物館はくぶつかんデジタルミュージアム目次もくじへ]
1.宣伝せんでんの工夫くふう
宣伝せんでんのために、看板かんばんや引びき札さつ(今いまで言いうチラシのこと）に、様々さまざまな工夫くふうをしました。　看板かんばんには、通とおりに置おく箱はこ看板かんばん、屋根やね看板かんばん、軒下のきしたに下さげる下さげ看板かんばん、店内てんないの目隠めかくしにもなっている衝立ついたて(ついたて)看板かんばんなどがあります。また、空そら箱ばこを利用りようした飾かざり荷に(かざりに)や商品しょうひんを陳列ちんれつした商しょう棚だな(しょうだな)を看板かんばんにしている店みせもあります。　看板かんばんの形かたちも様々さまざまで、茶ちゃ壺つぼの形かたちにしてあるお茶屋ちゃやの看板かんばんや薬袋みない形がたの薬局やっきょくの看板かんばん、新酒しんしゅができたことを知しらせる杉すぎ玉たま、下駄げたの形かたちの看板かんばんなど、道行みちゆく人ひとの目めを引ひく工夫くふうがしてあります。　店名てんめいが書かかれている軒のき暖簾のれん(のきのれん)や扉とびら(とびら)に書かかれた商品しょうひん名めいなども看板かんばんの役割やくわりを果はたしていました。
箱はこ看板かんばん　　屋根やね看板かんばん
下さげ看板かんばん　　衝立ついたて看板かんばん　　扉とびらに書かかれた商品しょうひん名めい
様々さまざまな看板かんばんの形かたち
2.陳列ちんれつ(ちんれつ)の工夫くふう
店内てんないにつり下さげる形かたちで人目ひとめを引ひくように陳列ちんれつしてある浮世絵うきよえ、軒下のきしたに下さげられたざる・かご、産地さんちから送おくられてきた梱包こんぽうをそのまま利用りようして陳列ちんれつしてある瀬戸物せともの類るいなどがあります。　また、下駄げた屋やの鼻緒はなおのように、まとめてしばってあるようでも、一足ひとあし分ぶんずつ取とれるようになっているなどの工夫くふうもあります。お客きゃくは通とおりに面めんした入口いりくちから、土間どまに入はいって、上あがり口ぐちに腰こしかけて、店みせの者ものが出だしてくれる商品しょうひんを、手てに取とって選えらびました。
つり下さげ　　梱包こんぽう　　取とりやすい
3.品質ひんしつ保存ほぞんの工夫くふう
生菓子なまがしを入いれておくための菓子かし箱ばこや乾燥かんそうして刻きざんだ薬草やくそう類るいや調合ちょうごうした薬くすりを保管ほかんするために用もちいられた百味箪笥ひゃくみだんす(ひゃくみだんす)は、桐きりの木きを使つかうことによって、一定いっていの湿度しつどを保たもつように考かんがえられています。布ぬのの類るいも桐きりの箪笥たんすを使つかうことが多おおいです。　また、湿気しっけを嫌きらうお茶ちゃなどは、茶ちゃ壺つぼ(ちゃつぼ)や茶ちゃ甕う(ちゃがめ)などの瀬戸物せとものを使つかいます。　通気つうき性せいがよく、色いろあせなどが無ないようにするために、紙かみを使つかうこともあります。　ベンケイやワラヅトなどと呼よぶ、藁わら(わら)をまとめたものは、魚さかなや、絵えの具ぐを塗ぬった張はり子こ、土人どじん形がたなどを刺さして、乾燥かんそうさせるために用もちいられました。
木きを使つかった保存ほぞん　　瀬戸物せとものを使つかった保存ほぞん
紙かみを使つかった保存ほぞん　　藁わら(わら)を使つかった保存ほぞん
4.会計かいけいや在庫ざいこ管理かんりの工夫くふう
計算けいさん機きのない時代じだい、お客きゃくさんが選えらんだ商品しょうひんの会計かいけいをするためには、算盤そろばん(そろばん)が使つかわれました。また、お金かねは銭ぜに箱ばこ(ぜにばこ)にしまい、会計かいけいや在庫ざいこ管理かんりは、大福帳だいふくちょう(だいふくちょう)と呼よばれる冊子さっしに書かき込こんでいました。これらの仕事しごとは、帳場ちょうば(ちょうば)と言いう場所ばしょで行おこなっていました。　また、在庫ざいこ品ひんは、店内てんないの箪笥たんすや箱はこ階段かいだんや店みせの奥おくにある別棟べつむねの蔵ぞうに入いれてありました。
帳場ちょうば　　算盤そろばん(そろばん)
銭ぜに箱ばこ(ぜにばこ)　　大福帳だいふくちょう(だいふくちょう)
5.建物たてものの工夫くふう
江戸えど時代じだい、商家しょうかは、通とおりに面めんした間口まぐち(まぐち)の広ひろさによって、幕府ばくふ(ばくふ)や藩はん(はん)に払はらう税金ぜいきんが決きまっていたため、１軒けんの店みせごとの間口まぐちの幅はばは、狭せまいものでした。そのため、戸とを上うえに上あげてしまう蔀しとみ戸ど(しとみど)(あげ戸ととも言いいます)や、雨戸あまどを取とり外はずして店みせの横よこに置おき、間口まぐちをいっぱいに使つかう造つくりが多おおくありました。　店先みせさきの柱はしらも取とり外はずせるようになっており、入いり口くちを大おおきく開あける工夫くふうがされていました。　また、狭せまい店内てんないを有効ゆうこうに使つかうために、箱はこ階段かいだんと呼よばれる階段かいだんを兼かねた収納しゅうのう場所ばしょを作つくりました。　２０ｃｍせんちめーとるにもなる厚あつい土ど壁かべと瓦かわらにおおわれた、土蔵どぞう造づくりと呼よばれる建物たてものは、火事かじの際さい、店みせや商品しょうひんを守まもるために造つくられました。しかし、土蔵どぞうを造つくるには資金しきんや年月としつきが多おおくかかることもあって、土蔵どぞう造づくり以外いがいの店みせも多おおくありました。
取とり外はずせる柱はしら　　　　箱はこ階段かいだん
6.その他たの工夫くふう
お茶屋ちゃやでは、お客きゃくさんにお茶ちゃを入いれ、味あじを試ためしてもらう、試飲しいん販売はんばいを行おこなっていました。　また、お客きゃくさんのニーズに合あわせた販売はんばいも工夫くふうしていました。例たとえば、注文ちゅうもんに応おうじて量はかり売うりをしたり、遠方えんぽうからのお客きゃくさんのために、商品しょうひんを配達はいたつしたりしました。　配達はいたつ用ようと、近隣きんりんに商品しょうひんを販売はんばいするために、大八車だいはちぐるま(だいはちぐるま)を持もっている店みせもありました。　昔むかしの商品しょうひん販売はんばいの形かたちで、忘わすれてはならないのがもの売うりです。店舗てんぽ(建物たてもののある店みせ)ができる前まえから存在そんざいしたもの売うりは、店舗てんぽより、細こまかく職種しょくしゅが分わかれていました。また、その職種しょくしゅごとのもの売うりの声こえも、様々さまざまな特徴とくちょうを持もっていました。魚さかなの販売はんばいで使つかわれた、天秤棒てんびんぼうに下さげられた池いけたごや、キセル(昔むかしのタバコ)のラオを直なおすラオ屋やが使つかうラオ車しゃなどがあります。
大八車だいはちぐるま　　池いけたごと天秤棒てんびんぼう

この展示てんじは、小学しょうがく３・４年生ねんせいの社会しゃかい科かで学習がくしゅうする「スーパーマーケットではたらく人ひと」の単元たんげんに対応たいおうして、作つくられたものです。平成へいせい１３年度ねんどに房総ぼうそうのむらで発行はっこうした『房総ぼうそうのむら体験たいけん学習がくしゅうの手引てびき－先生せんせいのための活用かつよう事例じれい集しゅう－』をもとにしています。