障害学会第13回大会（2016年度）報告要旨

(Translated by https://www.hiragana.jp/)
障害学会第13回大会（2016年度）報告要旨 | 木口恵美子

障害しょうがい学会がっかいHOME

障害しょうがい学会がっかい第だい13回かい大会たいかい（2016年度ねんど）報告ほうこく要旨ようし

ここをクリックするとひらがなのルビがつきます。
ルビは自動的じどうてきにふられるため、人名じんめい等とうに一部いちぶ変換へんかんミスが生しょうじることがあります。あらかじめご了承りょうしょうください。

木口きぐち恵美子えみこ（きぐちえみこ）

■報告ほうこく題目だいもく

日本にっぽんの意思いし決定けってい支援しえんを巡めぐる議論ぎろんの動向どうこう

■報告ほうこくキーワード

支援しえんされた意思いし決定けってい／支援しえん／個人こじん予算よさん

■報告ほうこく要旨ようし

【目的もくてきおよび問題もんだい意識いしき】

　障害しょうがい者しゃ権利けんり条約じょうやくに「Supported Decision Making（以下いかSDM）」のパラダイムが提案ていあんされて以来いらい、その実践じっせんが国内外こくないがいで模索もさくされている。障害しょうがい者しゃ権利けんり条約じょうやくでは、代行だいこう決定けっていの縮小しゅくしょうや廃止はいしが望のぞまれて、SDMが新あたらしいパラダイムとして盛もり込こまれたが、日本にっぽんでは成年せいねん後見こうけん制度せいど利用りよう促進そくしん法ほうが制定せいていされるなど、疑問ぎもんも多おおい。また、障害しょうがい者しゃ基本きほん法ほうや障害しょうがい者しゃ総合そうごう支援しえん法ほうに「意思いし決定けっていの支援しえん」が盛もり込こまれ、「意思いし決定けってい支援しえん」という言葉ことばが用もちいられるようになったが、本来ほんらいのSDMとのかい離りがあるように思おもえる。意思いし決定けってい支援しえんをめぐる議論ぎろんは多様たようで整理せいりがされておらず、混乱こんらんしていると思おもわれる。そのため、議論ぎろんを整理せいりし、議論ぎろんを深ふかめるための枠組わくぐみの検討けんとうを試こころみる。

【方法ほうほう】

　国内こくないの意思いし決定けってい支援しえんに関かんして書かかれた論文ろんぶん、報告ほうこく書しょ、行政ぎょうせい資料しりょう等とうの文献ぶんけんを収集しゅうしゅうして精査せいさし、法律ほうりつ、福祉ふくし制度せいど、支援しえんの枠組わくぐみを用もちいて整理せいり、分類ぶんるいを試こころみた。

【倫理りんり的てき配慮はいりょ】

　社会しゃかい福祉ふくし学会がっかいの倫理りんり綱領こうりょうに基もとづく研究けんきゅう指針ししんを遵守じゅんしゅし慎重しんちょうに行おこなう。

【結果けっか】

日本にっぽんの意思いし決定けってい支援しえんの整理せいり

成年せいねん後見こうけん法ほう制度せいどとの関連かんれん	障害しょうがい者しゃ権利けんり条約じょうやくにおけるSDM	福祉ふくし法ほう制度せいどとの関連かんれん
・意思いし決定けってい支援しえん法ほう・意思いし決定けってい支援しえんセンター・成年せいねん後見こうけん法ほう改正かいせい・支援しえん付つき意思いし決定けっていは単一たんいつではない	・障害しょうがい者しゃの尊厳そんげんの尊重そんちょう・代行だいこう決定けっていを認みとめる制度せいどの見直みなおし・廃止はいしを求もとめる・インフォーマルな人間にんげん関係かんけいの構築こうちく・パーソナルアシスタント等とうによる個別こべつ支援しえん・法的ほうてき能力のうりょくを認みとめる	・意思いし決定けってい支援しえんガイドライン・相談そうだん支援しえん・個別こべつ支援しえん計画けいかく・日常にちじょう生活せいかつ自立じりつ支援しえん事業じぎょう・コミュニティワーク・障害しょうがい者しゃ総合そうごう支援しえん法ほう・障害しょうがい者しゃ基本きほん法ほう・パーソナルアシスタントの可能かのう性せい

支援しえんやコミュニケーション
・本人ほんにん中心ちゅうしん（パーソンセンタード）・自己じこ決定けっていと意思いし決定けっていの関係かんけい、施設しせつにおける意思いし決定けってい支援しえん・「本人ほんにん中心ちゅうしん主義しゅぎ」に立たった「新あらたな代行だいこう決定けってい」

**学会がっかい当日とうじつまでに変更へんこうや追加ついか等とうが加くわえられる可能かのう性せいがあります。

【考察こうさつ】

　成年せいねん後見こうけんの法ほう制度せいどと福祉ふくしの法ほう制度せいどを同時どうじに考かんがえることで、混乱こんらんが生しょうじていると思おもわれる。
　意思いし決定けってい支援しえんの議論ぎろんの整理せいりのための現げん段階だんかいでの枠組わくぐみの検討けんとうであり、今後こんご、法律ほうりつ、福祉ふくし制度せいど、支援しえんのみではない視点してんによる更さらなる枠組わくぐみを検討けんとうすることで、さらに議論ぎろんを深ふかめることが望のぞまれるが、意思いし決定けってい支援しえんの実践じっせんを考かんがえる際さいに、パーソナルアシスタントが日本にっぽんでどのように展開てんかいしていくかは今後こんごの課題かだいである。成年せいねん後見こうけんと福祉ふくしの両りょう側面そくめんから着目ちゃくもくされている「本人ほんにん中心ちゅうしん」がそれぞれの側面そくめんでどのように捉とらえているのかを明あきらかにしていきたい。

>TOP

障害しょうがい学会がっかい第だい13回かい大会たいかい（2016年度ねんど）