(Translated by https://www.hiragana.jp/)
「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会」報告書(案)

看護かんごとうによるALS患者かんじゃ在宅ざいたく療養りょうよう支援しえんかんする分科ぶんか会議かいぎごとろく  厚労省こうろうしょうへリンク

厚生こうせい労働省ろうどうしょうからされた通達つうたつ

政局せいきょくちょう通達つうたつ  健康けんこうきょく疾病しっぺい対策たいさく課長かちょう通達つうたつ  老健ろうけんきょく振興しんこう課長かちょう通達つうたつ  同意どういしょれい  原文げんぶんPDF


 

2003ねんがつ13にち厚生省こうせいしょうのALSとうたいする吸引きゅういん検討けんとうかい終了しゅうりょうしました。
 以下いか報告ほうこくしょあんました。
 今後こんごはALSのほう病院びょういんから退院たいいんするさい病院びょういんから(家族かぞく同様どうように)ヘルパーやボランティアに吸引きゅういん方法ほうほうなどの研修けんしゅうけられるようになっていくとおもわれます。

(なお、ALS以外いがいについてはいままでとわりません。つまり、従来じゅうらい見解けんかいである、「吸引きゅういんは「原則げんそくとして」医療いりょう行為こういであるという見解けんかいなので、原則げんそくいてあるので例外れいがいはあります。すべての吸引きゅういん医療いりょう行為こういかとかれたら、それはちがうとはっきりいえます」(2001ねん12がつ厚生省こうせいしょうだん)「介護かいご保険ほけん障害しょうがい指定してい事業じぎょうしゃ吸引きゅういんをやっているからといって指定していしになることはありません」(2001ねん12がつ厚生省こうせいしょうだん)の内容ないようなにわっていませんとのことです。)

H15.06.03()9:23〜9:40 厚生こうせい労働ろうどう記者きしゃ会見かいけん一部いちぶ


厚生こうせい労働省ろうどうしょうWEBに分科ぶんかかい報告ほうこくしょ最終さいしゅう)が掲載けいさいされました。(平成へいせい15ねんがつにち)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/06/s0609-4.html

看護かんごとうによるALS患者かんじゃ在宅ざいたく療養りょうよう支援しえんかんする分科ぶんかかい報告ほうこくしょあん

看護かんごとうによるALS患者かんじゃ在宅ざいたく療養りょうよう支援しえんかんする分科ぶんかかいだい8かい=最終さいしゅうかい)にて配布はいふ
日時にちじ平成へいせい15ねん5がつ13にち)18:00-20:00
場所ばしょ厚生こうせい労働省ろうどうしょう省議しょうぎしつ(9かい

(このあんは5/13当日とうじつ資料しりょうよう提出ていしゅつされたものであります。当日とうじつ議論ぎろん結果けっかこのあんからさら加筆かひつ修正しゅうせいされることになりましたので、5月13にち時点じてんでのあんとしておみください。
 なお、これまでの議論ぎろん経緯けいいりたいほうは、ALS協会きょうかい新潟にいがた支部しぶHPくわしいです。
または、、http://www.mhlw.go.jp/shingi/other.html#iseiなかの「看護かんごとうによるALS患者かんじゃ在宅ざいたく療養りょうよう支援しえんかんする分科ぶんか かい」をご参考さんこうください。)

1.はじめに

  •  ALS患者かんじゃのたんの吸引きゅういんについては、当該とうがい行為こうい患者かんじゃ身体しんたいおよぼす危険きけんせいにかんがみ、原則げんそくとして、医師いしまた看護かんご職員しょくいんおこなうべきものとされてきた。
  •  在宅ざいたくALS患者かんじゃにとっては、頻繁ひんぱんにたんの吸引きゅういん必要ひつようであることから、家族かぞくが24あいだ体制たいせい介護かいごおこなっているなど、患者かんじゃ家族かぞく負担ふたん非常ひじょうおおきくなっており、その負担ふたん軽減けいげんはかることがもとめられている。
  •  このような現状げんじょうにかんがみ、在宅ざいたくALS患者かんじゃたいするたんの吸引きゅういん行為こういについての患者かんじゃ家族かぞく負担ふたん軽減けいげんはかるための方策ほうさくについて検討けんとうするため、平成へいせい15ねんがつにちとう分科ぶんかかい設置せっちされた。
  •  とう分科ぶんかかいにおいては、患者かんじゃ家族かぞく看護かんご職員しょくいん、ヘルパーとう関係かんけいしゃからヒアリングをおこなうなど、在宅ざいたくALS患者かんじゃ療養りょうよう生活せいかつしつ向上こうじょうはかるための看護かんごとう役割やくわりおよびALS患者かんじゃたいするたんの吸引きゅういん行為こうい医学いがくてき法律ほうりつがくてき整理せいりについて、 かいにわたって検討けんとうしてきたところである。
  •  今般こんぱんとう分科ぶんかかいとして、これまでの議論ぎろん整理せいりし、ほん報告ほうこくしょりまとめたので、これを公表こうひょうするものである。

2.在宅ざいたくALS患者かんじゃ療養りょうよう環境かんきょう向上こうじょうはかるための措置そちについて

(1) 在宅ざいたく療養りょうようサービスの充実じゅうじつ
 

@ 施策しさく総合そうごうてき推進すいしん

  •  ALS(すじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょう)は、すじ萎縮いしゅく筋力きんりょく低下ていか特徴とくちょうてき疾患しっかんであり、徐々じょじょ全身ぜんしんひろがり、歩行ほこう困難こんなんになるほか、言語げんご障害しょうがい嚥下えんか障害しょうがい呼吸こきゅう障害しょうがいおよぶものであり、病気びょうき進行しんこうにより、コミュニケーションも阻害そがいされ、ベッド じょう生活せいかついられる患者かんじゃ苦悩くのうはかれない。
  •  患者かんじゃ長期ちょうきにわたる療養りょうよう余儀よぎなくされている状況じょうきょうにあり、人工じんこう呼吸こきゅう装着そうちゃくしながら在宅ざいたく療養りょうようしている患者かんじゃにとっては、頻繁ひんぱんにたんの吸引きゅういん必要ひつようなこともあり、患者かんじゃおよ患者かんじゃ介護かいごする家族かぞくにとっての負担ふたんおおきい。
  •  こうした現状げんじょうまえ、患者かんじゃのQOLの向上こうじょう患者かんじゃおよ家族かぞく負担ふたん軽減けいげんはかるため、在宅ざいたくALS患者かんじゃ療養りょうよう環境かんきょうさらなる向上こうじょうもとめられており、患者かんじゃ家族かぞく介護かいごのみに依存いぞんしなくても、円滑えんかつ在宅ざいたく療養りょうよう生活せいかつおくることができるよう、以下いかのような施策しさく総合そうごうてき推進すいしんしていく必要ひつようがある。
 

A 訪問ほうもん看護かんごサービスの充実じゅうじつしつ向上こうじょう

  •  在宅ざいたくALS患者かんじゃ療養りょうよう生活せいかつ支援しえんするためには、訪問ほうもん看護かんごサービスが十分じゅうぶん提供ていきょうされることが重要じゅうようであり、つづ訪問ほうもん看護かんごサービスの充実じゅうじつはかっていくことがもとめられる。
  •  また、在宅ざいたくALS患者かんじゃ必要ひつようなときに適切てきせつ訪問ほうもん看護かんごサービスをけることができるようにするためには、診療しんりょう報酬ほうしゅうさだめられた回数かいすうえる訪問ほうもん看護かんご費用ひよう補助ほじょしている「在宅ざいたく人工じんこう呼吸こきゅう使用しよう特定とくてい疾患しっかん患者かんじゃ訪問ほうもん看護かんご治療ちりょう研究けんきゅう事業じぎょう」を積極せっきょくてき活用かつようするよう、実施じっし主体しゅたいである都道府県とどうふけんたいして事業じぎょう周知しゅうち徹底てっていはかり、その取組とりくみ促進そくしんしていく必要ひつようがある。
  •  さらに、24あいだ巡回じゅんかいがた訪問ほうもん看護かんご実施じっしけては、どういちにちに、一人ひとり利用りようしゃたいし、複数ふくすう訪問ほうもん看護かんご事業じぎょうしょ訪問ほうもん看護かんご実施じっしする医療いりょう機関きかんおよ訪問ほうもん看護かんごステーションをいう。以下いかおなじ。)からふくすうかい訪問ほうもん看護かんごおこなえるようにする必要ひつようがあることから診療しんりょう報酬ほうしゅうじょう要件ようけんについて検討けんとうすることがのぞまれる。
  •  訪問ほうもん看護かんごしつ確保かくほについては、訪問ほうもん看護かんごたいする研修けんしゅう潜在せんざい看護かんごたいする研修けんしゅうとう訪問ほうもん看護かんごサービスをになうべき看護かんご職員しょくいんしつたかめるための施策しさくこうずるべきである。
 

B 医療いりょうサービスと福祉ふくしサービスの適切てきせつ連携れんけい確保かくほ

  •  ALS患者かんじゃ在宅ざいたく療養りょうよう支援しえんかんしては、医療いりょう機関きかん訪問ほうもん看護かんご事業じぎょうしょ訪問ほうもん介護かいご事業じぎょうしょなどのサービス提供ていきょう機関きかん、あるいは、都道府県とどうふけんとう保健所ほけんじょ市区しく町村ちょうそん担当たんとう部局ぶきょくなど、医療いりょう福祉ふくしなどの関係かんけい機関きかん多岐たきにわたっているが、各種かくしゅサービスの患者かんじゃへの提供ていきょうについての総合そうごうてき連携れんけい調整ちょうせい十分じゅうぶんとはえない状況じょうきょうにあることから、かく機関きかん相互そうご連携れんけい適切てきせつはかり、地域ちいきでのチームケア体制たいせい確立かくりつしていくことがもとめられている。このため、くにおよ地方ちほう公共こうきょう団体だんたいにおいて、つづき、かく機関きかん連携れんけい体制たいせい地域ちいきのチームケア体制たいせい確立かくりつ支援しえんするための施策しさくこうずるべきである。
  •  医学いがくてき管理かんり必要ひつようである在宅ざいたくALS患者かんじゃについては、チームケア体制たいせいにおいて、主治医しゅじい入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけ)が中心ちゅうしんとなるべきである。また、患者かんじゃ退院たいいん指導しどうさいしては、医療いりょう福祉ふくし関係かんけいしゃ参加さんかさせるなど、入院にゅういん期間きかんちゅうから地域ちいきでのチームケア体制たいせい確立かくりつはかるべきである。なお、在宅ざいたくALS患者かんじゃ主治医しゅじいたいしては、ALSにかんする情報じょうほう提供ていきょうおこなわれることが必要ひつようである。また、くにおよ地方ちほう公共こうきょう団体だんたいにおいて、「特定とくてい疾患しっかん医療いりょう従事じゅうじしゃ研修けんしゅう」や「難病なんびょう患者かんじゃとうホームヘルパー養成ようせい研修けんしゅう事業じぎょう」など、医療いりょう福祉ふくし関係かんけいしゃ研修けんしゅうつづ適切てきせつ実施じっしする必要ひつようがある。
  •  また、介護かいご保険ほけん制度せいど導入どうにゅうともない、保健所ほけんじょ保健ほけんとう難病なんびょう患者かんじゃへのかかわりがよわまったという指摘してきもあるが、在宅ざいたくALS患者かんじゃ支援しえんするチームケア体制たいせい確立かくりつうえで、医療いりょうのニーズがたか患者かんじゃにとって、各種かくしゅサービスが最適さいてきわせとなるようにするためには、保健所ほけんじょ保健ほけんとうになうべき総合そうごうてき調整ちょうせい機能きのうきわめて重要じゅうようであり、今後こんごとも当該とうがい機能きのう充実じゅうじつ強化きょうかはかるべきである。
  •  なお、平成へいせい15年度ねんどから開始かいしされる難病なんびょう相談そうだん支援しえんセンター事業じぎょう推進すいしんするなど、ALS患者かんじゃ家族かぞくたいする相談そうだん支援しえんなどを充実じゅうじつさせる必要ひつようがある。
 

C 在宅ざいたく療養りょうよう支援しえんする機器きき開発かいはつ

  •  たんの自動じどう吸引きゅういん装置そうちとう在宅ざいたく療養りょうよう支援しえんする機器きき開発かいはつ普及ふきゅう促進そくしんは、患者かんじゃおよ家族かぞく負担ふたん軽減けいげんするものであることから、つづ機器きき研究けんきゅう開発かいはつおよ普及ふきゅう促進そくしんはかるための措置そちこうじるべきである。
 

D 家族かぞく休息きゅうそく(レスパイト)の確保かくほ

  •  家族かぞく必要ひつよう休息きゅうそく(レスパイト)を確保かくほし、在宅ざいたくALS患者かんじゃ療養りょうよう環境かんきょう向上こうじょうはかるため、今後こんごとも、ホームヘルプサービス事業じぎょう、ショートステイやデイサービス事業じぎょうなどの各種かくしゅ施策しさく充実じゅうじつはかっていく必要ひつようがある。
  •  なお、都道府県とどうふけん市町村しちょうそんにおいて、独自どくじ先進せんしんてき事業じぎょうんでいるところもあり、これらの施策しさく有効ゆうこう活用かつようされ、また、各地かくちにおける取組とりくみ参考さんこうとなるように、各種かくしゅ施策しさく情報じょうほう提供ていきょう周知しゅうちつとめるべきである。
(2) 入院にゅういん在宅ざいたく療養りょうよう的確てきかく組合くみあわ
 

@ 入院にゅういんから在宅ざいたくへの円滑えんかつ移行いこう

  •  在宅ざいたくへの移行いこう判断はんだんは、医師いし判断はんだんもとづくものであるが、患者かんじゃ病状びょうじょう患者かんじゃ療養りょうよう環境かんきょうまえた、適切てきせつ退院たいいん指導しどう実施じっし促進そくしんするため、退院たいいん指導しどう基本きほんてきなルールづくりが必要ひつようである。
 

A 緊急きんきゅうとう入院にゅういん施設しせつ確保かくほ

  •  患者かんじゃ病態びょうたい急変きゅうへんなどに対応たいおうするため、つづ入院にゅういん施設しせつ確保かくほするための施策しさく推進すいしん必要ひつようである。

3.たんの吸引きゅういん行為こういについて

(1) たんの吸引きゅういん安全あんぜん実施じっし
 

@ 専門せんもんてきはいたんほう普及ふきゅう

  •  専門せんもんてきはいたんほう体位たいいはいたんほう呼吸こきゅう介助かいじょほう(スクィージング)、けいほう振動しんどうほうなど)が適切てきせつ実施じっしされれば、たんの吸引きゅういん回数かいすう減少げんしょうさせることができることから、たんの吸引きゅういんともな患者かんじゃおよ家族かぞく負担ふたん軽減けいげんはかるためにも、専門せんもん てきはいたんほう普及ふきゅう促進そくしんつとめる必要ひつようがある。
 

A 日常にちじょうてきなたんの吸引きゅういんかんする適切てきせつ対応たいおう

  •  日常にちじょうてきなたんの吸引きゅういんについては、行為こうい危険きけんせいおうじた適切てきせつ対応たいおう(プロトコル)をしめすことが必要ひつようである。
(2)

家族かぞく以外いがいものによるたんの吸引きゅういんについて

  •  たんの吸引きゅういんは、その危険きけんせい考慮こうりょすれば、医師いしまた看護かんご職員しょくいんおこなうことが原則げんそくであり、ALS患者かんじゃたいする家族かぞく以外いがいもの医師いしおよ看護かんご職員しょくいんのぞく。以下いか家族かぞく以外いがいもの」という。)によるたんの吸引きゅういんについては、医師いしおよ看護かんご職員しょくいんにより十分じゅうぶんにサービスが提供ていきょうされるならば、実施じっしする必要ひつようはないとかんがえられる。
  •  しかしながら、たんの吸引きゅういん頻繁ひんぱんおこな必要ひつようがあることから、だい部分ぶぶん在宅ざいたくALS患者かんじゃにおいて、医師いし看護かんご職員しょくいんによるたんの吸引きゅういんくわえて、家族かぞくおこなっているのが現状げんじょうであり、家族かぞく負担ふたん軽減けいげんもとめられている。このような在宅ざいたく療養りょうよう現状げんじょうにかんがみれば、家族かぞく以外いがいものによるたんの吸引きゅういん実施じっしについても、一定いってい条件じょうけんしたでは、当面とうめん措置そちとしておこなうこともやむをないものとかんがえられる。この場合ばあいにおいても、医療いりょうサービスをける機会きかいざされることのないよう、医師いしおよ看護かんご職員しょくいん積極せっきょくてきかかわっていくべきである。
  •  なお、この取扱とりあつかいについては、訪問ほうもん看護かんごサービスのさらなる充実じゅうじつやたんの自動じどう吸引きゅういん装置そうち開発かいはつ普及ふきゅう進展しんてんとう今後こんごにおける在宅ざいたく療養りょうよう環境かんきょう変化へんかおうじて、適宜てきぎ適切てきせつ見直みなおすことが必要ひつようであり、まずは3ねん今回こんかい措置そち実施じっしじょうきょう在宅ざいたくALS患者かんじゃ療養りょうよう環境かんきょう整備せいびじょうきょうとうについて確認かくにんすべきである。
  •  また、今回こんかい措置そち在宅ざいたくALS患者かんじゃ療養りょうよう環境かんきょう現状げんじょうにかんがみ、当面とうめんやむをない措置そちとして実施じっしするものであって、ホームヘルパー業務ぎょうむとして位置付いちづけられるものではないが、医療いりょう福祉ふくし関係かんけい、それぞれの役割やくわり分担ぶんたんふくめて、在宅ざいたく医療いりょうたずさわるものおこな業務ぎょうむ在宅ざいたく医療いりょうそのもののかたについての議論ぎろん必要ひつようであるという意見いけんもあり、これについては、今後こんご検討けんとうすべき課題かだいであるとかんがえる。
  •  以下いかは、家族かぞく以外いがいもの患者かんじゃたいしてたんの吸引きゅういんおこな場合ばあい条件じょうけんしめしたものである。

療養りょうよう環境かんきょう管理かんり

  •  入院にゅういんさき医師いしは、患者かんじゃ病状びょうじょうとう把握はあくし、退院たいいん可能かのうかどうかについて総合そうごうてき判断はんだんおこなう。
  •  入院にゅういんさき医師いしおよ看護かんご職員しょくいんは、患者かんじゃ入院にゅういんから在宅ざいたく移行いこうするまえに、当該とうがい患者かんじゃについて、家族かぞく在宅ざいたくのかかりつけ看護かんご職員しょくいん保健所ほけんじょ保健ほけん家族かぞく以外いがいものとう患者かんじゃ在宅ざいたく療養りょうようかかわるもの役割やくわり連携れんけい体制たいせいなどの状況じょうきょう把握はあく確認かくにんする。
  •  入院にゅういんさき医師いしは、患者かんじゃ家族かぞくたいして、在宅ざいたく移行いこうすることについて、事前じぜん説明せつめい適切てきせつおこない、患者かんじゃ理解りかいる。
  •  入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけおよ看護かんご職員しょくいんは、患者かんじゃ在宅ざいたくへの移行いこうそなえ、医療いりょう機器きき衛生えいせい材料ざいりょうとう必要ひつよう準備じゅんび関係かんけいしゃ連携れんけいしたおこなう。医療いりょう機器きき衛生えいせい材料ざいりょうとうについては、患者かんじゃ状態じょうたいわせ、入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけ必要ひつようかつ十分じゅうぶん患者かんじゃ提供ていきょうすることが必要ひつようである。
  •  家族かぞく入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけ看護かんご職員しょくいん保健所ほけんじょ保健ほけん家族かぞく以外いがいものとう患者かんじゃ在宅ざいたく療養りょうようかかわるものは、患者かんじゃ在宅ざいたく移行いこうしたのちも、相互そうご密接みっせつ連携れんけい確保かくほする。

在宅ざいたく患者かんじゃ適切てきせつ医学いがくてき管理かんり

  •  入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけおよ看護かんご職員しょくいんは、当該とうがい患者かんじゃについて、定期ていきてき診療しんりょう訪問ほうもん看護かんごおこない、適切てきせつ医学いがくてき管理かんりおこなう。

家族かぞく以外いがいものたいする教育きょういく

  •  入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけおよ看護かんご職員しょくいんは、家族かぞく以外いがいものたいして、ALSやたんの吸引きゅういんかんする必要ひつよう知識ちしき習得しゅうとくさせるとともに、当該とうがい患者かんじゃについてのたんの吸引きゅういん方法ほうほうについての指導しどうおこなう。

患者かんじゃとの関係かんけい

  •  患者かんじゃは、必要ひつよう知識ちしきおよびたんの吸引きゅういん方法ほうほう習得しゅうとくした家族かぞく以外いがいものたいしてたんの吸引きゅういんについて依頼いらいするとともに、当該とうがい家族かぞく以外いがいもの自己じこのたんの吸引きゅういん実施じっしすることについて、文書ぶんしょにより同意どういする。

医師いしおよ看護かんご職員しょくいんとの連携れんけいによる適正てきせいなたんの吸引きゅういん実施じっしちゅう別紙べっし参照さんしょう

  •  適切てきせつ医学いがくてき管理かんりもとで、当該とうがい患者かんじゃたいして適切てきせつ訪問ほうもん看護かんご体制たいせいがとられていることを原則げんそくとし、当該とうがい家族かぞく以外いがいものは、入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけおよ看護かんご職員しょくいん指導しどうもとで、家族かぞく入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけおよ看護かんご職員しょくいんとの連携れんけいみつにして、適正てきせいなたんの吸引きゅういん実施じっしする。
  •  この場合ばあいにおいて、気管きかんカニューレ下端かたんよりはいがわ気管きかんない吸引きゅういんについては、迷走めいそう神経しんけいそうを刺激しげきすることにより、呼吸こきゅう停止ていししん停止ていしこす可能かのうせいがあるなど、危険きけんせいたかいことから、家族かぞく以外いがいものおこなうたんの吸引きゅういん範囲はんいは、くち鼻腔びこうない吸引きゅういんおよ気管きかんカニューレ内部ないぶまでの気管きかんない吸引きゅういん限度げんどとする。
  •  入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけおよ看護かんご職員しょくいんは、定期ていきてきに、当該とうがい家族かぞく以外いがいものがたんの吸引きゅういん適正てきせいおこなうことができていることを確認かくにんする。

緊急きんきゅう連絡れんらく支援しえん体制たいせい確保かくほ

  •  家族かぞく入院にゅういんさき医師いし在宅ざいたくのかかりつけ看護かんご職員しょくいん保健所ほけんじょ保健ほけんおよ家族かぞく以外いがいものとうあいだで、緊急きんきゅう連絡れんらく支援しえん体制たいせい確保かくほする。

4 おわりに

  •  ほん検討けんとうかいでは、在宅ざいたくALS患者かんじゃ在宅ざいたく療養りょうよう環境かんきょう向上こうじょうはかるとともに、患者かんじゃおよ家族かぞく負担ふたん軽減けいげんする観点かんてんから、必要ひつよう措置そちについて検討けんとうかさねてきた。
  •  これらの措置そち有効ゆうこう機能きのうするためには、在宅ざいたくALS患者かんじゃ療養りょうよう生活せいかつ支援しえんする関係かんけいしゃ一体いったいとなってむことが不可欠ふかけつであり、くにおよ地方ちほう公共こうきょう団体だんたいはじめ、関係かんけいしゃさらなる努力どりょく期待きたいするとともに、これらの措置そちつうじて、患者かんじゃおよ家族かぞく療養りょうよう環境かんきょう向上こうじょうしていくことがのぞまれる。


(H15.06.03()9:23〜9:40 厚生こうせい労働ろうどう記者きしゃ会見かいけん

しゃ

 ALS患者かんじゃさんの吸引きゅういん問題もんだいなんですが、大臣だいじん昨年さくねん11がつのご指示しじ検討けんとうかい設置せっちされて、ようやく報告ほうこくしょかたちでまとまったんですけれども、その内容ないようにつ いてALSの患者かんじゃさん団体だんたいほうはALSの在宅ざいたくのみにかぎられているとか、やまし びょうたとえばきんジストロフィーとか、疾病しっぺい吸引きゅういん必要ひつようとされているひとたちに は、報告ほうこくしょではどうも対象たいしょうになっていないということに不満ふまんというか、さらにけん 討してしいというような要望ようぼうされているようですけれども、大臣だいじんのおかんがえ として吸引きゅういん問題もんだいだけにかぎらずですけれども、医療いりょう介護かいご狭間はざまというか、医療いりょうぎょう ためのありかたについてどのようなおかんがえがあるかおかせください。

だい しん

 ALSのみなさまかたからご依頼いらいけてスタートしたことでございますが、これ は本来ほんらいはALSだけにとどまったはなしではないとわたしおもっております。ただどこか の問題もんだい中心ちゅうしんにして議論ぎろんをして、そして決着けっちゃくをつけて風穴かざあなをあけないと全体ぜんたいひろ がっていかないわけでございますから、まずそのてんでおはなしをさせていただきまし た。ALSの場合ばあいには非常ひじょうむずかしいほうでございまして、口腔こうくうないまりました たんるというだけではなくて、のどのところに手術しゅじゅつをされてそしてそこに人工じんこうよび 吸器とうをつけておみえになるわけでございますから、そうしたみなさんかたたん るというのはそこもらなければいけないわけでありまして、ふつうの口腔こうくうないに おけるたんるというのよりも非常ひじょうむずかしいというふうにおもっております。ここ でみとめるということになれば、のところにたいしましてもそれ相応そうおう対応たいおうをする のが妥当だとうだとわたしおもっております。したがいまして、介護かいごのいわゆる介護かいごさん のみなさんかた非常ひじょう訓練くんれんんで、そしていろいろなことを出来できるようになって まいっておりますから、そうしたみなさんかたたいして出来できることはおわたしをしてい くということにしないといけないというふうにおもっております。医師いしでなければ 出来できない、看護かんごでなければ出来できないということではないとわたしおもっておりま す。したがってもうすこしそこは段階だんかいてき拡大かくだいをしていくということでなければい けないというふうにおもいます。いつかももうげましたように、はじめは血圧けつあつけい ることすら抵抗ていこうがございまして、それをやることは医師いしほう違反いはんだといったような 意見いけん最初さいしょはあったわけでございますから、最近さいきん機械きかい発達はったつをいたしましたけ れども、個人こじんはかろうと、あるいはまた看護かんごさんがはかろうと、もう保健ほけんさん はもちろんでございますけれども、あらゆるひとはかっているわけでありまして、 わたし出来できることはみんながやれるようにしていけばいいというふうにおもいます。 ただその結果けっか判断はんだんというものについては、それは専門せんもんてき知識ちしき必要ひつようでござい ますから、そこは専門せんもんにおまかせをするということでよろしいのではないかとい うふうにおもっております。したがいまして、たん吸引きゅういんをするということにおきま しても、ただ吸引きゅういんをするというだけではなくてたんりょう非常ひじょうえてきたといっ たようなとき、あるいはまたたん非常ひじょう濃厚のうこうになって、そして普段ふだんとはちがうといっ たようなとき、そうしたときにはやはり専門せんもんにそのことを報告ほうこくをするといったよう なことは必要ひつようなことだというふうにおもっております。

記者きしゃ会見かいけん内容ないよう全文ぜんぶん厚生省こうせいしょうホームページに掲載けいさいされています http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2003/06/k0603.html

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