数年後に 介護者運転で車で移動すると無許可では逮捕に
ヘルパー事業と同時に行う移送サービスに法の網をかける方針出る
すでに新聞などでも報道されていますが、国土交通省と厚生省の合意で、ヘルパー事業と同時に行う移送サービスに法の網がかかることになりました。
現在介護保険むけの中間とりまとめが行われたところですが、支援費でもこれに合わせた取り扱いがされることとなっています。(おそらく100%同じ取り扱いになる)
つまり、この改正が行われると、支援費で外出介護を受けながら介護者運転で車で移動するとき、道路運送法で無許可では、警察に捕まり逮捕されます。(経過措置があるのでしばらくは強い指導の時期をつくって、逮捕などはしないが、その期間が終わったら、逮捕・告発の運用になる)。
ヘルパーと移送の運転手が別々の人という方法の外出であっても、ヘルパー事業と移送事業が同じ法人なら(別団体でも資金関係があれば)、告発対象になると思われます。
国土交通省と厚生省の中間案では
- ヘルパー事業の中で車での移動介護を行う場合、道路運送法の営業許可を必要とする。(株式会社など営利法人の場合)
- NPOや社会福祉法人は特区での規制緩和を全国に広げることにする(同じく道路運送法の許可を必要とするが営利法人とは別基準)
・・ということのようです。
新聞報道などでは「NPOには(営利法人に比べ)ゆるい規制になった」とありますが、そうでもありません。
運転手に2種免許や、それがだめなら一定の講習を義務付けられています。特区の実例では、年に1回しか行わない県の行う講習をうけることや、国土交通省の天下り先の自動車免許学校での数万円の講習を受けるようにされている例があります。
また、タクシー会社や陸運局がはいった地区運営協議会にはいり、そこでの承認を受けないといけないとう方法になっています。
現在、中間とりまとめ案に対するパブリックコメント(一般からの意見募集)が国土交通省自動車交通局旅客課(03-5253-8111内線41262)と厚生労働省老健局振興課(03-3595-2889)で行われています。特に移送の利用者からの意見を募集しているようです。締め切りは2月29日です。詳しくは介護制度情報ホームページをご覧ください。
(次ページに中間整理案を抜粋掲載します。)
<中間整理案> 介護サービス事業者が公的介護保険の適用を受ける介護サービス(以下「介護保険サービス」という。)と連続して、又は一体として行う要介護者等の輸送サービスに係る今後の取扱いについて、厚生労働省及び国土交通省は、
現在、要介護者等であって公共交通機関を利用することが困難な移動制約者に係るSTS(スペシャル・トランスポート・サービス。要介護者、身体障害者等であって公共交通機関を利用することが困難な移動制約者を対象に、必要な介助等と連続して、又は一体として行われる個別的な輸送サービスをいう。)による移動が、タクシー等の公共交通機関のみによっては、必ずしも十分に提供されていない状況にあること、
一方、これらの移動制約者に係るSTSによる移動の提供に要する費用の社会的な負担のあり方については、いまだ社会的に議論が成熟していない状況にあること。公的介護保険制度においても、STSに係る運賃については、原則として介護報酬の評価の対象としていないこと、
こうした状況において、これらの移動制約者に係るSTSが、タクシー事業者等のほか、社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動法人、ボランティア等多様な担い手によって現に提供されている状況にあること、
を十分認識しつつ、それゆえ、
これらの移動制約者に係るSTSによる輸送サービスが適切に提供されるため、現に提供されている輸送サービス、特に介護サービス事業者が介護保険サービスと連続して、又は一体として行う要介護者等の輸送サービスについて、その実態を十分踏まえつつ、法的な位置付けの明確化を早急に図る必要があり、
その際、タクシー事業者等以外の担い手による輸送サービスについては、輸送中の旅客の安全確保、利用者の保護等の観点から"安全で安心して利用できるSTS"を目指すとともに、その方策については、現に行われているSTSを過度に萎縮させ、利用者利便に影響することがないよう配慮していく必要がある、
との視点に立ち、今後、本年度内を目途に別紙方針に沿って検討作業を行い、具体的な結論を得て、平成16年度のできる限り早い時期に実施するものとする。
(別紙)
介護サービス事業者が公的介護サービスと連続的・一体的に行う要介護者に係るSTSの取扱いに係る検討方針
(訪問介護サービス等の提供に伴うSTSの取扱い)
指定訪問介護事業者等が提供する、通所、通院等のためのSTS(訪問介護サービス等と連続して、又は一体として行うものに限る。)については、道路運送法の旅客自動車運送事業に該当するものであり、同法による一般乗用旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可を取得することを基本とし、以下の方針に沿って具体的な取扱いを検討する。
道路運送法第4条第1項の規定による一般乗用旅客自動車運送事業(患者等輸送限定)の許可の対象として、介護福祉士又は訪問介護員の資格を有する乗務員が要介護者等に限定した輸送を行う場合を追加し、あわせて許可基準を緩和するとともに、運賃に係る認可基準、審査手続を弾力化すること、
道路運送法第43条第1項の規定による特定旅客自動車運送事業の許可の対象として、要介護者等であって特定の市町村(保険者)に係る制度的な関連において、継続的な需要に応じるものであって、かつ、指定居宅サービス事業者において会員制等によりあらかじめ旅客の範囲を具体的に明示している場合等が含まれることを明確化すること、
NPO等の非営利事業者については、構造改革特別区域における措置として実施され、本年度内に予定されている「NPOによるボランティア輸送としての有償運送可能化事業」の全国実施等(セダン型等の一般車両の使用について特定の地域において行う措置を含む。)により、
道路運送法第80条第1項の許可により対応できることとすること、 道路運送法第80条第1項による自家用自動車有償運送の許可の対象として、指定訪問介護事業者等の介護福祉士又は訪問介護員が、介護保険サービスと連続して自己の車両で当該サービスを利用した要介護者等に対象を限定して輸送サービスを行う場合を追加するとともに、この場合における許可申請は、指定訪問介護事業者等が一括で行うことができるものとすること、
道路運送法による許可(上記の措置によるものを含む。)を得ることなく、指定訪問介護事業者等が、その提供する介護保険サービスと連続して、又は一体としてSTSを提供することは、道路運送法に抵触する違法な行為であること。このことからも、当該介護サービスについては、介護報酬の対象としないこと、
中略
(重点指導期間(仮称)) 1.及び2.に掲げる検討により結論が得られた事項を措置するに当たっては、現に道路運送法による許可を取得することなく公的介護サービスと連続して、又は一体としてSTSを行っている介護サービス事業者について、著しく高額な対価を収受しているもの、訪問介護の実態に乏しく実質的にタクシー業務のみを行っているもの等を除き、ただちに介護保険法や道路運送法による行政処分、刑事告発を行うのではなく、重点指導期間(仮称)を設け、その間においては、業務適正化、許可取得等に係る指導、啓発を重点的に実施することについて検討を行う。
(その他)
障害者(児)福祉サービスに係るSTSについても、上記の方針に沿って具体的な取扱いを検討する。
以上
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