愛媛えひめ県けん松山まつやま市しで頚椎けいつい損傷そんしょうや筋すじジスなど、言語げんご障害しょうがいでなくても使つかえる入院にゅういん時じ制度せいどが開始かいし

ＮＰＯ法人ほうじん自立じりつ生活せいかつセンター松山まつやま
代表だいひょう　中村なかむら　久光ひさみつ

　当とうセンターでは２０００年ねん３月がつより入院にゅういん時じにホームヘルパーを派遣はけんして貰もらえるように継続けいぞくして市役所しやくしょ障害しょうがい福祉ふくし課かと交渉こうしょうしてきた。しかし、ホームヘルパーは居宅きょたくへ派遣はけんするという原則げんそくの壁かべを破やぶることができなかった。
　 障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに変かわり、地域ちいき生活せいかつ支援しえん事業じぎょうのコミュニケーション支援しえんを使つかって国庫こっこ補助ほじょ事業じぎょうとして、市しの負担ふたんは４分ぶんの１で、入院にゅういん時じ制度せいどの実施じっしが可能かのうとなった。そのことを市役所しやくしょ障害しょうがい福祉ふくし課かに説明せつめいして制度せいど化かに向むけた交渉こうしょうが２００８年ねん２月がつから始はじまった。当時とうじ公表こうひょうされていた要綱ようこうは神戸こうべ市しのものだけだったので同おなじような（対象たいしょう者しゃが非常ひじょうに狭せまい）ものにならないようにということを念頭ねんとうに交渉こうしょうを行おこなった。
　 その結果けっか、今年度こんねんど（２００９年度ねんど）４月がつより、全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃが入院にゅういん中ちゅうに使つかえる制度せいどが開始かいしされた。

制度せいどの主おもな特徴とくちょう

以下いか、当とう制度せいどの要綱ようこうを簡略かんりゃくして紹介しょうかいしていき説明せつめいを付つけ加くわえていく。

　交渉こうしょうを行おこなっていく上うえで、普段ふだんは普通ふつうに話はなしが出来できても入院にゅういんしなくてはならない状態じょうたいになると普段ふだん通どおりには話はなしができなくなることをくり返がえし強つよく訴うったえていった。また、言語げんご障害しょうがいがあり意思いし表示ひょうじが困難こんなんな者もので重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの対象たいしょう者しゃでない者ものもいることや子供こどもと２人ふたり暮くらしの場合ばあい、子供こどもが家計かけいを維持いじするために働はたらいている場合ばあいは介助かいじょができないなどを訴うったえていき、対象たいしょう者しゃに『原則げんそくとして』の文言もんごんを付つけ加くわえることにした。
　その結果けっかとして、障害しょうがい程度ていど区分くぶん６の障害しょうがい者しゃは介助かいじょ方法ほうほう等とうの伝つたえる情報じょうほうが多おおいため、頚椎けいつい損傷そんしょうや筋すじジスなど、言語げんご障害しょうがいでなくても使つかえるようになった。子供こどもと２人ふたり暮くらしで子供こどもが家計かけいを維持いじするために働はたらいている障害しょうがい者しゃも使つかえるようになった。
　また、『原則げんそくとして』の文言もんごんによって拡大かくだいされたその他たの対象たいしょう者しゃは、入院にゅういん時じの状況じょうきょうにより市役所しやくしょ障害しょうがい福祉ふくし課かと話はなし合あいを行おこない使つかえるかどうかが決きまる。

１月がつ当あたり２００時じ間あいだまでであれば、１日にち当あたりの上限じょうげん１２時じ間あいだは当事とうじ者しゃの使つかいたい日ひに使つかえる。入院にゅういんしてから１週間しゅうかんというような制限せいげんはない。

必要ひつように応おうじては、退院たいいんするまでの意味いみである。

　この制度せいどを創つくるに当あたり当とうセンターと市役所しやくしょ障害しょうがい福祉ふくし課かは１０回かいの交渉こうしょうを行おこなった。途中とちゅうからはＡＬＳの団体だんたいも加くわわっての交渉こうしょうであった。お互たがいに思おもうところを述のべて議論ぎろんを重かさねていき、骨格こっかくが出来上できあがったところで市役所しやくしょ障害しょうがい福祉ふくし課かが要綱ようこうの原案げんあんを作つくり、再度さいど調整ちょうせいを行おこなった。
　この１年間ねんかん制度せいどを使つかってみて不具合ふぐあいが出でてくれば要綱ようこうの見直みなおしをしていきたい。

兵庫ひょうご県けん西宮にしのみや市しの入院にゅういんコミュニケーション支援しえんの要綱ようこうが最終さいしゅう確定かくてい

先月せんげつ号ごうで詳細しょうさい解説かいせつした、西宮にしのみや市しの入院にゅういんコミュニケーション支援しえんの要綱ようこうが最終さいしゅう確定かくていしました。（制度せいど開始かいし後ごも、交渉こうしょうした障害しょうがい者しゃ団体だんたいと最終さいしゅうの変更へんこうの詰つめが行おこなわれていました）
（先月せんげつ号ごうの記事きじ：「兵庫ひょうご県けん西宮にしのみや市しで、頚椎けいつい損傷そんしょうや筋すじジスなど、言語げんご障害しょうがいでなくても使つかえる入院にゅういん介護かいご制度せいど開始かいし」を参照さんしょうください。）
　西宮にしのみや市しの要綱ようこうの全文ぜんぶんは、ホームページに掲載けいさいしています。

　言語げんご障害しょうがいの無ない頚椎けいつい損傷そんしょうや筋すじジス等とうでも、入院にゅういん時じに意思いし疎通そつうが困難こんなんな状態じょうたいだと医師いしの意見いけん書しょで証明しょうめいできれば、利用りよう可能かのうという制度せいど運用うんようです。この点てんは要綱ようこうだけを読よんでもよくわからないようになっています（要綱ようこうの3条じょう（３）の対象たいしょう者しゃの「発はつ語ご困難こんなん等とうにより意思いしの伝達でんたつが困難こんなんな者もの」の「等ひとし」がそれに当あたる）。

　 非公開ひこうかいの内部ないぶ文書ぶんしょには「言語げんご障害しょうがいの無ない障害しょうがい者しゃでも、入院にゅういん時じに意思いし疎通そつうが困難こんなんな状態じょうたい」だと医師いしの意見いけん書しょで証明しょうめいできれば利用りよう可能かのうと明記めいきされています。

この制度せいどを交渉こうしょうして作つくった西宮にしのみや市しの障害しょうがい者しゃ団体だんたいに、市しの回答かいとうを、要綱ようこうについてＱ＆Ａきゅーあんどえー形式けいしきにまとめてもらいました。

Ｑ．制度せいど対象たいしょう外がいになる「元来がんらい意思いし疎通そつうが不可能ふかのうな者もの」とはどういう人ひとを想定そうていしているか？

Ａ．認定にんてい調査ちょうさの６の３の意思いし伝達でんたつの項目こうもくで「できない」の人ひとが対象たいしょう。 　療育りょういく的てきなところがある。疎通そつうも出来できない人ひと。重心じゅうしんの方ほう。

Ｑ．市長しちょうが必要ひつようと認みとめたら、９０日にち以上いじょうの支給しきゅうもあるということか？

Ａ．個別こべつで検討けんとうし、必要ひつようならありえる。（これは２月がつに局長きょくちょう交渉こうしょうの時ときに要望ようぼうし、局長きょくちょう判断はんだんで入いれてもらいました）

※解説かいせつ：この制度せいどでは原則げんそく９０日にちまでとなっているが、転院てんいんしたらまた何なん度どでも９０日にち使つかえる制度せいどとなっている。今いまは、入院にゅういんから３ヶ月かげつで病院びょういんから退院たいいんを言いわれるので転院てんいんするのが普通ふつうなので、交渉こうしょうした団体だんたいはこの規定きていでよしとしたが、更さらなる交渉こうしょうで、９０日にち以上いじょう同おなじ病院びょういんで入院にゅういんする場合ばあいにも特とくに認みとめる場合ばあいは延長えんちょうができることになった。

Ｑ．これはどういうことか？

Ａ．これは予備よび決定けっていこのと。入院にゅういんになる前まえから対象たいしょうになっている人ひとは、入院にゅういん前まえに予備よび決定けっていをする。入院にゅういんして１０日にちを超こえた場合ばあいは再度さいど支給しきゅう決定けっていする。
　　予備よび決定けっていができるのは言語げんご障害しょうがいのある人ひとのみ。頸損・筋すじジスなどは予備よび決定けっていはできず、入院にゅういんしてから医師いしの診断しんだん書しょ・意見いけん書しょで対象たいしょうとなる。

Ｑ．事業じぎょう所しょは複数ふくすう利用りよう出来できるのか？

Ａ．できる。

５月がつ２８日にち障害しょうがい保健ほけん福祉ふくし主管しゅかん課長かちょう会議かいぎの報告ほうこく

　５月がつ２８日にちに、厚生こうせい労働ろうどう省しょうで都道府県とどうふけんなどを集あつめ主管しゅかん課長かちょう会議かいぎが開催かいさいされました。（当日とうじつ会議かいぎ資料しりょうはホームページに掲載けいさいしています）
　 今回こんかいは、現在げんざい国会こっかいに提出ていしゅつされている自立じりつ支援しえん法ほう改正かいせい法案ほうあん（ただし審議しんぎは進すすんでいません）の簡単かんたんな解説かいせつと、平成へいせい２１年度ねんど補正ほせい予算よさん案あんによる対策たいさくについての説明せつめいが中心ちゅうしんでした。

　自立じりつ支援しえん法ほう改正かいせい案あんについては、すでに公表こうひょうされている資料しりょうに沿そっての簡単かんたんな解説かいせつがありました。
（「自立じりつ支援しえん法ほう改正かいせい法案ほうあんについての厚生こうせい労働省ろうどうしょう資料しりょう」は当会とうかいホームページの５月がつ２８日にち課長かちょう会議かいぎの傍聴ぼうちょう記録きろくの記事きじ内ないにリンク掲載けいさい）

　 ２１年度ねんど補正ほせい予算よさん案あんでは、「福祉ふくし・介護かいご人材じんざいの処遇しょぐう改善かいぜん」や「事業じぎょう者しゃの新しん体系たいけい移行いこうの促進そくしん」などが説明せつめいされました。

　 「福祉ふくし・介護かいご人材じんざいの処遇しょぐう改善かいぜん」は、ヘルパーに一定いってい水準すいじゅん以上いじょうの賃上ちんあげ（常勤じょうきんヘルパーなら１万まん５０００円えんくらい）を行おこなうなどの条件じょうけんをクリアしている事業じぎょう所しょに対たいして、事業じぎょう規模きぼに応おうじた助成じょせい金きんを支払しはらうという内容ないようです。たとえば長時間ちょうじかん介護かいごを必要ひつようとする全身ぜんしん性せい重度じゅうど障害しょうがい者しゃの場合ばあい、個々人ここじんの障害しょうがい特性とくせいに応おうじた介護かいご技術ぎじゅつが必要ひつようなので、ベテランヘルパーでないと十分じゅうぶんな介護かいごを受うけられません。今年ことし４月がつの報酬ほうしゅう改定かいていや今回こんかいの助成じょせい金きんでヘルパーの待遇たいぐうが良よくなれば、ヘルパーが長ながく働はたらいてくれるようになるので、障害しょうがい者しゃの生活せいかつが安定あんていしやすくなります。なお、事業じぎょう所しょに対たいする具体ぐたい的てきな助成じょせい額がくなどの細こまかい条件じょうけんについてはまだ決きまっていません。

　「事業じぎょう者しゃの新しん体系たいけい移行いこうの促進そくしん」は、１８年度ねんど補正ほせい予算よさんで造成ぞうせいされた基金ききんの積つみ増ましです（２回かい目め）。ヘルパー事業じぎょう所しょを新あたらしく立たち上あげたときの備品びひん費ひの助成じょせいなどが新規しんきメニューとして盛もり込こまれています。

国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんオーバーの市町村しちょうそんへ基金ききんから補助ほじょする制度せいど、今回こんかいの追加ついか補正ほせいで基金ききんが上積うわづみ

　 主管しゅかん課長かちょう会議かいぎの口頭こうとうでの質疑しつぎ応答おうとうでは、今回こんかいの補正ほせい予算よさんでの交付こうふ金きんが、既存きそんの基金ききん事業じぎょうメニューで使つかうことができるのかという質問しつもんがありました。これに対たいして、厚労省こうろうしょうからは、３５５億おく円えんについては基金ききんの積つみ増ましなので、これを既存きそんメニューに活用かつようできるとの返答へんとうがありました。

基金ききん事業じぎょうの中なかで、重度じゅうど障害しょうがい者しゃにとって最もっとも重要じゅうようなメニューは国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんオーバー市町村しちょうそんに対たいする補助ほじょ事業じぎょうですが、今回こんかいの３５５億おく円えんの一部いちぶも充当じゅうとうできるので、引ひき続つづき都道府県とどうふけんと交渉こうしょうしてください。詳くわしくは、２００９年ねん１月がつ号ごうなど過去かこの解説かいせつ記事きじ「国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんオーバーの市町村しちょうそんに全額ぜんがくを国庫こっこ補助ほじょ対象たいしょうにする制度せいどが開始かいし！」（HPでは2008年ねん12月26日にち掲載けいさい）を参照さんしょうください。

全国ぜんこくホームヘルパー広域こういき自薦じせん登録とうろく協会きょうかいのご案内あんない

（介護かいご保険ほけんヘルパー広域こういき自薦じせん登録とうろく保障ほしょう協会きょうかいから名称めいしょう変更へんこうしました）略称りゃくしょう＝広域こういき協会きょうかい
フリーダイヤル 　０１２０−６６−０００９
フリーダイヤル　

2009年ねん５月がつより重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの給与きゅうよに12％加算かさん手当てあて開始かいし（条件じょうけんあり）
（区分くぶん６むけ時給じきゅう1250円えんの方ほうは、加算かさんがつくと、＋150円えんで時給じきゅう１４００円えんに。）

自分じぶんの介助かいじょ者しゃを登録とうろくヘルパーにでき自分じぶんの介助かいじょ専用せんように使つかえます
対象たいしょう地域ちいき：４７都道府県とどうふけん全域ぜんいき

介助かいじょ者しゃの登録とうろく先さきの事業じぎょう所しょのみつからない方ほうは御ご相談そうだん下ください。いろいろな問題もんだいが解決かいけつします。

　全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃ介護かいご人じん派遣はけん事業じぎょうや自薦じせん登録とうろくヘルパーと同おなじような登録とうろくのみのシステムを支援しえん費ひヘルパー利用りよう者しゃと介護かいご保険ほけんヘルパー利用りよう者しゃむけに提供ていきょうしています。自分じぶんで確保かくほした介助かいじょ者しゃを自分じぶん専用せんように制度せいど上じょうのヘルパー（自薦じせんの登録とうろくヘルパー）として利用りようできます。介助かいじょ者しゃの人選じんせん、介助かいじょ時間じかん帯たいも自分じぶんで決きめることができます。全国ぜんこくのホームヘルプ指定してい事業じぎょう者しゃを運営うんえいする障害しょうがい者しゃ団体だんたいと提携ていけいし、全国ぜんこくでヘルパーの登録とうろくができるシステムを整備せいびしました。介助かいじょ者しゃ時給じきゅうは求人きゅうじんして人ひとが集あつまる金額きんがくにアップする個別こべつ相談そうだんシステムもあります。

利用りようの方法ほうほう
　広域こういき協会きょうかい　東京とうきょう本部ほんぶにＦＡＸふぁっくすか郵送ゆうそうで介助かいじょ者しゃ・利用りよう者しゃの登録とうろくをすれば、翌日よくじつから障害しょうがいや介護かいご保険ほけんの自薦じせん介助かいじょサービスが利用りよう可能かのうです。東京とうきょう本部ほんぶから各かく県けんの指定してい事業じぎょう者しゃに業務ぎょうむ委託いたくを行おこないヘルパー制度せいどの手続てつづきを取とります。各地かくちの団体だんたいの決きまりや給与きゅうよ体系たいけいとは関係かんけいなしに、広域こういき協会きょうかい専せん門もんの条件じょうけんでまとめて委託いたくする形かたちになりますので、すべての契約けいやく条件じょうけんは広域こういき協会きょうかい本部ほんぶと利用りよう者しゃの間あいだで利用りよう者しゃが困こまらないように話はなし合あって決きめます。ですから、問とい合あわせ・申もうし込こみは東京とうきょう本部ほんぶ０１２０−６６−０００９におかけください。　介助かいじょ者しゃへの給与きゅうよは身体しんたい介護かいご型がたで時給じきゅう１５００円えん（１.５時じ間あいだ以降いこうは１２００円えん）（東京とうきょう都とと周辺しゅうへん県けんは時給じきゅう１９００円えん。１.５時じ間あいだ以降いこうは１３００円えん）、家事かじ型がた１０００円えん、重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごで区分くぶんにより時給じきゅう１１００（区分くぶん５以下いか）・１２５０円えん（区分くぶん６）・１４５０円えん（最さい重度じゅうど）が基本きほんですが、長時間ちょうじかん利用りようの場合ばあい、求人きゅうじん広告こうこくして（広告こうこく費用ひよう助成じょせいあり）人にんが確保かくほできる水準すいじゅんになるよう時給じきゅうアップの相談そうだんに乗のります。（なお、2009年ねん５月がつより重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごのヘルパーには１２％の手当てあてを加算かさんします。（手当てあては、厚生こうせい年金ねんきんに入いれない短時間たんじかんの方ほうのみ。また、契約けいやく時間じかん120時じ間あいだ未満みまんの利用りよう者しゃの介護かいご者しゃは加算かさんがつきません）。介助かいじょ者しゃは１〜３級きゅうヘルパー、介護かいご福祉ふくし士し、看護かんご士し、重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご研修けんしゅう修了しゅうりょう者しゃなどのいずれかの方ほうである必要ひつようがあります。（３級きゅうは障害しょうがいの制度せいどのみ。介護かいご保険ほけんには入いれません）。重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごは、障害しょうがい者しゃが新規しんきに無む資格しかく者しゃを求人きゅうじん広告こうこく等とうして確保かくほし、２日にちで２０時じ間あいだ研修けんしゅう受講じゅこうしてもらえば介護かいごに入いれます。