北海道ほっかいどう帯広おびひろ市し　ALSの奥様おくさまを支ささえながら近隣きんりんのALS患者かんじゃを支援しえん

 

帯広おびひろ市しは北海道ほっかいどう東部とうぶの十勝とかち地方ちほうのほぼ中心ちゅうしんに位置いちする、農業のうぎょうメインの人口じんこう約やく１７万まん人にんの市しです。

東あずま 洋ひろし（アズマヒロシ）さんは2008年としにALSを発症はっしょうされた奥様おくさまを支ささえながら現在げんざいは他たの患者かんじゃさんの支援しえんをされています。

 

奥様おくさまの発症はっしょうから自薦じせん開始かいしに到いたるまで

　　　2008年とし ４０歳さいの時とき　発はつ語ごに違和感いわかんを感かんじ始はじめる。呂律ろれつが

　　　回まわらなくなり病院びょういんには行いきたくなかったが2009年としに親族しんぞく

の強つよい要望ようぼうで神経しんけい内科ないかを受診じゅしん。

 

2010年とし　ALS診断しんだんが降ふり、特定とくてい疾患しっかん申請しんせいをする。

洋ひろしさんは奥様おくさまが人工じんこう呼吸こきゅう器きをつける前まえから知識ちしきを得えるため本ほんを読よんだり制度せいどについても必死ひっしで調しらべるようになった。　　　　　　　

 

 

　

　

　

　

　

 

2011年とし

お子こさんの成長せいちょうを見届みとどけたい、薬くすりの開発かいはつにも期待きたいしたい思おもいで人工じんこう呼吸こきゅう器きを装着そうちゃく。

胃いろうも造ぞう設しつらえ。急きゅうな発熱はつねつがあり急遽きゅうきょ入院にゅういんされたりと退院たいいん後ごも洋ひろしさんにかかる介護かいご負担ふたんは増ふえる一方いっぽうで仕事しごとにも支障ししょうが出でてきた。

痰たんの吸引きゅういんができる唯一ゆいいつの既存きそん事業じぎょう所しょと契約けいやくするが人員じんいんに限かぎりがあったりと充分じゅうぶんなサービスではなかった。

ご本人ほんにんの感情かんじょうの起伏きふくが気きになり入院にゅういんの際さい 脳のうのCTを取とり、FTLDの併発へいはつがわかる。

 

　

　

　

　

 

2014年とし

重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご支給しきゅう時間じかん数すうは１８３時じ間あいだ。病気びょうきの進行しんこうによりケアの時間じかんが長ながくなる。１件けん目めの事業じぎょう所しょでだけでは手てが回まわらなくなり２件けん目めの事業じぎょう所しょを探さがす。

しかし、痰たんの吸引きゅういんができないことやシフトが細切こまぎれになるため人ひとの出入でいりが激はげしく生活せいかつは落おち着つかなかった。

帯広おびひろにも患者かんじゃ会かいの必要ひつよう性せいを感かんじ患者かんじゃ会かい発足ほっそくへ向むけて動うごき出だした時ときにさくら会かいの川口かわぐちさんが患者かんじゃ会かい立だち上あげの際さいに帯広おびひろを訪問ほうもんしてくれて、全国ぜんこく広域こういき協会きょうかいと繋つながり自薦じせんヘルパーをつかった生活せいかつ方法ほうほうや求人きゅうじん・育成いくせいの方法ほうほう、２４ｈ重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの交渉こうしょう方法ほうほうなどアドバイスを受うける。

 

　　　　　

 

 

 

　

　

　

　

　

　

2015年とし

2月頃つきごろ ご本人ほんにんが腎盂じんう腎じん炎えん、尿にょう路ろ感染かんせんなどで入退院にゅうたいいんを繰くり返かえし、また洋ひろしさんは長ながいこと1日ひ２時じ間あいだの睡眠すいみん時間じかんしか取とれなかったこともあり、奥様おくさまの入院にゅういん中ちゅうは1ヶ月かげつほど家いえで昼夜ちゅうや寝ねて過すごす時期じきもあった。そんな中なかでも何なにとか4月頃つきごろ 動うごけるようにまで回復かいふく。奥様おくさまの退院たいいん前まえの5月つきには初はじめての自薦じせんヘルパーを雇用こようすることが出来できた。（求人きゅうじん紙しで求人きゅうじん）

現在げんざい、洋美ひろみさんの重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの支給しきゅう時間じかん数すうは６５０時じ間あいだ。

ヘルパーも定着ていちゃくし介護かいご保険ほけんと合あわせてほぼ２４時じ間あいだを４人にんの常勤じょうきん自薦じせんヘルパーで賄まかなっている。

（介護かいご保険ほけんの身体しんたい介護かいご利用りよう時間じかんも障害しょうがいの重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの時間じかんも、同おなじ自薦じせんヘルパーが継続けいぞくして勤務きんむ）

普段ふだんの買かい物ものもままならなかった洋ひろしさんはまとまった時間じかんが取とれるようになり、患者かんじゃ会かい活動かつどうにも力ちからを入いれられるようになった。以前いぜんは年としに２回かいの胃い瘻交換こうかん以外いがいは引ひきこもりだった洋美ひろみさんは、自薦じせんヘルパーや訪問ほうもん看護かんご師しと一緒いっしょに外そとに出でかけられるようになった。

　

　

　

　

　

　

 

訪おとずれ看みが実地じっちの指導しどう看護かんご師しをしてくれ、

ヘルパー全員ぜんいんが吸引きゅういんや経けい管かん栄養えいようなどの

医療いりょうケアが可能かのうとなっている。

 

 

　

　喀痰かくたんの実地じっち研修けんしゅうの様子ようす

　

　

　

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春はるに、キタコブシの花はなを見みに散歩さんぽへ

ヘルパーと訪おとずれ看みがついて来きてくれた

重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごは外出がいしゅつも可能かのうなのです

 

　

　

　

　

　

　

　

　

　

 

自薦じせんヘルパーが定着ていちゃくし、在宅ざいたくが広ひろがっていく

　自薦じせん開始かいし当初とうしょは全国ぜんこく広域こういき協会きょうかいの提携ていけい事業じぎょう所しょ（北見きたみ市し）にヘルパー登録とうろくをしていたが、2016年としからは全国ぜんこく広域こういき協会きょうかいの協力きょうりょくのもとご自宅じたくの一室いっしつを訪問ほうもん介護かいご事業じぎょう所しょ化か。

　ケアマネ、地域ちいき包括ほうかつや他たの患者かんじゃからの紹介しょうかいなどで洋ひろしさんが相談そうだんを受うけるようになり、どのようにALSの在宅ざいたく療養りょうようを行おこなっているかを保健所ほけんじょや患者かんじゃ会かいを通とおして伝つたえるようになった。

　そうして十勝とかち管内かんない近郊きんこうの支援しえんに繋つながり、現在げんざい4市町村しちょうそんで５名めいのALS患者かんじゃが重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの利用りよう者しゃとなっている。

支援しえんには行政ぎょうせいへの申請しんせい方法ほうほうなども含ふくまれ、利用りよう者しゃは全すべて家族かぞく同居どうきょで、ほとんどが人工じんこう呼吸こきゅう器き装着そうちゃく者しゃ。5人ひととも、おおむね1日ひ２４時じ間あいだの自薦じせんヘルパーで稼働かどうしている。

また支援しえんが始はじまったばかりの患者かんじゃは１３０キロほど離はなれたところにお住すまいだが、訪問ほうもんもしながら、主おもにメールや電話でんわで対応たいおうしている。

 

 

東ひがしさん支援しえん先さきの4市町村しちょうそんのALSの方々かたがたの状況じょうきょう

	開始かいし日び	人工じんこう呼吸こきゅう器き	家族かぞく同居どうきょ	重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの月つき支給しきゅう時間じかん数すう	介助かいじょ者しゃ数すう	訪問ほうもん入浴にゅうよく時じ※	入院にゅういん時じ※	重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの同行どうこう支援しえん支給しきゅう状じょう況きょう
洋美ひろみさん	2015年とし4月つき	○	○	６５０h	4名な	×	○	3人ひと360h
N村むら	2016年とし9月つき	未み	○	７４４h	５名めい	一部いちぶ	○	4人ひと420h
M町まち	2017年とし12月つき	○	○	７４４h	４名めい	○	○	3人ひと360h
市内しない	2018年とし4月つき	○	○	６２７.５h	５名めい	○	○	3人ひと360h
市内しない	2018年とし5月つき	○	○	４２３h	４名めい	○	○	3人ひと360h
K市し	2019年とし11月つき	○	○	２４８h	１名めい	×	×	未み交渉こうしょう

※訪問ほうもん入浴にゅうよく時じ、入院にゅういん時じにヘルパーの付つき添そいが認みとめられているか

　

　

 

（写真しゃしん：病室びょうしつにて）2020.2/12〜21尿にょう路ろ感染かんせんで入院にゅういん中ちゅうもヘルパーの見守みまもりでずっとついていた（重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごは入院にゅういん中ちゅうも利用りよう可能かのう）

 

　

　

　

　

　

　

こうして東ひがしさんご夫婦ふうふが地域ちいきで自薦じせんを始はじめたことで、結果けっか的てきに十勝とかち管内かんないや離はなれた地域ちいきのALS患者かんじゃも生いきる選択せんたくをできるようになった。

高齢こうれいでの発症はっしょうだったり、家族かぞくが仕事しごとや自身じしんの生活せいかつがある中なかで初はじめから全すべてを行おこなうにはハードルが高たかいこともある。

東ひがしさんが経験けいけんを通とおして得えたノウハウを使つかい、そのハードルを下さげることで利用りようできる人ひとが増ふえ、次つぎに必要ひつような人ひとたちへと繋つなげることを日々ひび実践じっせんされている。

 

 

心こころがけていることとして洋ひろしさんは、

「病気びょうきによって人生じんせいが一変いっぺんしたが、今いままでを振ふり返かえっても仕方しかたがない。

これまでの延長えんちょうと考かんがえず、ゼロから再さい構築こうちくし今いま置おかれた立場たちばで何なにができるか考かんがえ出来できることを見みつけて行いく。

大切たいせつなのは先々さきざきで良よい縁えんがあると考かんがえ、決けっして孤立こりつしないこと」という。

 

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桜さくらを見みに神社じんじゃへ

訪おとずれ看みとヘルパーと

散ちり際さいの季き節ぶしであったがとても暖あたたかい日ひで、

その日ひ急遽きゅうきょ外出がいしゅつすることにして神社じんじゃへ

　　　　　　　　　　

　

　

　

　

　

　

　

　

　　　　　　　　　　　　　　　　　

 

 

 

 

 

 

左ひだり：東洋とうようさん（夫おっと）

 

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

東ひがしさんから皆みなさんへ

「患者かんじゃ会かいができた時ときには（東京とうきょうから）さくら会かいの人達ひとたちが車椅子くるまいすに乗のって会あいにきてくれました。

ALSの身体しんたいでも外そとを飛とび回まわっている人ひとが沢山たくさんいます。病気びょうきだから家いえから出でられないのは違ちがいます。

自分じぶんが望のぞみ、重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの制度せいどを利用りようしてヘルパー雇用こようすれば、自由じゆうになれるのです。

これからも皆みなさんとALSの在宅ざいたく生活せいかつの事例じれいを増ふやし支ささえて行いきたいです。」

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

■人工じんこう呼吸こきゅう器き利用りよう者しゃの２４時じ間あいだ介護かいごと自立じりつ生活せいかつの事例じれい