介護かいご福祉ふくし士し一本いっぽん化かや５００時じ間あいだ研修けんしゅう一本いっぽん化かに問題もんだいあり

　厚生こうせい労働省ろうどうしょう老健ろうけん局きょくは、将来しょうらい的てきには介護かいご業務ぎょうむに従事じゅうじするものはすべて介護かいご福祉ふくし士しに一本いっぽん化かすることを方針ほうしんとしています。（障害しょうがい保健ほけん福祉ふくし部ぶはそのような考かんがえではなく、重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご研修けんしゅう（１０時じ間あいだ研修けんしゅう）や３級きゅう研修けんしゅうを残のこす意向いこう）。

　介護かいご福祉ふくし士しは毎年まいとし４．５万まん人にん〜７万まん人にんが供給きょうきゅうされるとのことです。
　現在げんざいの介護かいご保険ほけんと障害しょうがい施策しさくのヘルパーは２０万まん人にん（うち２割わりが介護かいご福祉ふくし士し）、施設しせつ等とうも含ふくむ全ぜん介護かいごサービスでは７０万まん人にんの職員しょくいんのうち、３割わりが介護かいご福祉ふくし士しです。
　単純たんじゅん計算けいさんでは、ヘルパーだけを介護かいご福祉ふくし士しに限定げんていしようとすれば３〜４年ねんでまかなえる計算けいさんになります。全ぜんサービスを介護かいご福祉ふくし士しに限定げんていしようとすると、７年ねんから１１年ねんでまかなえる計算けいさんになります。
　しかし、単純たんじゅんに国くにがこのように考かんがえているとしたら、障害しょうがい者しゃ団体だんたいとしては、そのまま容認ようにんできません。最さい重度じゅうど障害しょうがい者しゃの泊とまり込こみ介護かいごや盆暮ぼんくれ正月しょうがつなども勤務きんむできるヘルパーの確保かくほ、男性だんせいヘルパーの確保かくほ、性格せいかくや柔軟じゅうなん性せいなど、長時間ちょうじかんヘルパー利用りよう者しゃの介護かいごに入はいるための適正てきせいの問題もんだいなど、人材じんざい確保かくほにはかなりの困難こんなんが伴ともないます。たとえば、現げんに、１００人にんを面接めんせつしても１人にんしか採用さいよう基準きじゅんに達たっしない状況じょうきょうです。つまり、資格しかくを介護かいご福祉ふくし士しに一本いっぽん化かするのであれば、従業じゅうぎょう者しゃ数すうの１００倍ばいの介護かいご福祉ふくし士し（７０００万まん人にん）を用意よういしてもらわねばなりません。（日本にっぽんの就業しゅうぎょう人口じんこうを超こえてしまい、それは不可能ふかのうです）。
　実際じっさいには、重度じゅうど障害しょうがい者しゃのヘルパーの確保かくほには、無む資格しかく者しゃ向むけの求人きゅうじんを行おこない、採用さいようされた者ものに日常にちじょう生活せいかつ支援しえん研修けんしゅうや３級きゅう研修けんしゅうを行おこない、重度じゅうど障害しょうがい者しゃの個々人ここじんの介護かいごに慣なれるまで２人ふたり介護かいごなどで実習じっしゅうを行おこなっているという現場げんばの実態じったいがあります。重度じゅうど障害しょうがい者しゃは個々人ここじんによって介護かいご方法ほうほうが大おおきく違ちがいますので、介護かいご福祉ふくし士し要請ようせい課程かていやヘルパー１級きゅう研修けんしゅうなどの一斉いっせい研修けんしゅうは実じつはそれほど有効ゆうこうではありません。実際じっさいには、長ながい時間じかん介護かいごに入はいることによって、介護かいごになれていくという方法ほうほうが有効ゆうこうです。厚生こうせい労働ろうどう省しょうでも障害しょうがい部ぶはこの考かんがえ方かたにたって、最さい重度じゅうどの重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご利用りよう者しゃには今いままでより介護かいご研修けんしゅうを半分はんぶんの時間じかんに簡素かんそ化かしましたし、重度じゅうど包括ほうかつ支援しえんにいたっては、資格しかく要件ようけんを完全かんぜんに外はずしました。いずれも、介護かいごに長ながく入はいっていくことでその技能ぎのうをあげていくという考かんがえ方かたに変かわっています。
　今後こんごも重度じゅうど障害しょうがい者しゃについては、無む資格しかく者しゃを広ひろく求人きゅうじんして、適性てきせいのある人ひとを採用さいようして、それから研修けんしゅうを行おこなうという方法ほうほうが担保たんぽされなければいけません。
　しかしながら、障害しょうがいヘルパー制度せいどは少すこしずつ改善かいぜんされていっていますが、介護かいご保険ほけんはまったく重度じゅうど障害しょうがい者しゃむけの特例とくれい措置そちがありません。４０歳さい以上いじょうのＡＬＳなど特定とくてい疾病しっぺいの障害しょうがい者しゃや６５歳さいに達たっした重度じゅうど障害しょうがい者しゃは介護かいご保険ほけんを使つかうことを求もとめられます。介護かいご保険ほけん３６万まん円えんを使つかい切きるまで障害しょうがいヘルパーを使つかえないため、これらの障害しょうがい者しゃは大変たいへんな迷惑めいわくを被こうむっています。介護かいご保険ほけん制度せいどにおいても、早急そうきゅうに障害しょうがいヘルパー制度せいどの重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご研修けんしゅう（１０時じ間あいだ研修けんしゅう）などの特例とくれいを設もうけるべきです。

資料しりょう

第だい７回かい介護かいご福祉ふくし士しのあり方かた及およびその養成ようせいプロセスの見直みなおし等とうに関かんする検討けんとう会かい資料しりょう（平成へいせい１８年ねん６月がつ１２日にち開催かいさい）（全文ぜんぶんはｗａｍリンク）

以下いかはその抜粋ばっすい