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課題集
長文ちょうぶん 4.1しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい音読おんどく練習れんしゅうはどちらかひとつで。】
 【1】むかし人々ひとびとは、あかるいほしむすんで星座せいざおもえがきました。星座せいざつくったのは、シュメールじんというせつもありますが、一般いっぱんてきには、やくせんねんまえ、バビロニアのひつじいたちによって、つくられたのが最初さいしょわれています。【2】はじめのころは、じゅう星座せいざでしたが、そのよんじゅうはち星座せいざえました。
 じゅうなな世紀せいきに、オランダで望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめいされ、くらほし観測かんそくできるようになると、よんじゅうはち星座せいざのすきまにもあたらしい星座せいざつくられるようになりました。【3】そのころ、ほしつけるたびに、こんな会話かいわわされたかもしれません。「あたらしいほしつけたぞ。」「だめ。それは、おらンダ。」
 それまでは、星座せいざというと、北半球きたはんきゅうのものにかぎられていました。【4】しかし、いままでられていなかった南半球みなみはんきゅう星座せいざ紹介しょうかいされるようになると、しん星座せいざづくりのブームがこりました。なぜ星座せいざがたくさんつくられたのかというと、じゅう世紀せいきはじめまでは、星座せいざつくることにまりがなく、だれでも簡単かんたんつくることができたからです。【5】いちひゃくじゅうもの星座せいざつくられたことがあり、あまりのおおさに混乱こんらんきるようになってしまいました。そこで、じゅう世紀せいきになってから、国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうによって、はちじゅうはち星座せいざ統一とういつされ、星座せいざ境界きょうかいさだめられることになりました。【6】現在げんざいわたしたちがしたしんでいる星座せいざは、このときにさだめられたものです。
 星座せいざは、神話しんわとともに紹介しょうかいされることがおおいため、西洋せいようのものとおもわれがちですが、古代こだいのインドや中国ちゅうごくにも独自どくじのものがあります。【7】中国ちゅうごく星座せいざは、ななはち世紀せいきごろ、日本にっぽんにもつたえられたようで、日本にっぽんでは、明治めいじ時代じだい西洋せいよう天文学てんもんがく導入どうにゅうされるまで、ずっと中国ちゅうごく星座せいざ使つかわれてきました。
 【8】また、むかしから星座せいざは、時刻じこくをはかり、ぶしうつわりをり、農耕のうこう時期じきつたえる役割やくわりたしてきました。うみかこまれた土地とち人々ひとびとは、ひろうみ航海こうかいするときに、ほし観測かんそくして位置いち方角ほうがくたしかめるのにも使つかっていました。【9】ですから、星座せいざ名前なまえも、その土地とち独自どくじ数多かずおおくありました。
 四季しきつうじてあかるくえるオリオンは、世界せかい各地かくちでさまざまな名前なまえがつけられています。日本にっぽんでは、そのかたちからぼしばれていました。【0】また、オリオン左上ひだりうえにあるあかほし平家へいけぼしみぎにあるしろほし源氏げんじぼしともばれていました。これは平家へいけはたいろあかみなもとはたいろしろだったからです。
 さまざまな想像そうぞうをふくらませてくれる星座せいざを、たまには正座せいざしてしみじみながめてみるのもいいかもしれません。
 あれはおおきいからおとうさんぼし。あっちはきれいだからおかあさんぼし。これはしょっぱいから梅干うめぼし。ここにあるながいのは物干ものほし。あたまにかぶっているのはただの帽子ぼうし

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかいπぱい
【1】「はなや つきひがしに 西にしに」
 蕪村ぶそん俳句はいくうたわれているはなは、はるげるはなとして、わたしたちのたのしませてくれます。しかし、はな観賞かんしょうようとしてたのしむだけのはなではありません。【2】野菜やさいおなじようにべることもできるはななのです。
 はなは、はなだけでなくくきも、ゆでたりいためたりして、おいしくべることができます。【3】しかも、はなには、ビタミンや鉄分てつぶんなどの栄養素えいようそ豊富ほうふふくまれています。
 はな調理ちょうりするときは、はなひらききっていないつぼみをえらぶようにします。【4】はなひらくとエグあじるためです。また、とおりがよいので、はなのほろにがさやざわりをかすように、しおすこしをくわえた熱湯ねっとうでさっとゆであげます。
 【5】はなは、アブラナ植物しょくぶつで、たねからあぶらることもできます。この菜種油なたねあぶらは、ドレッシングやてんぷらのあぶらとして利用りようされていますが、江戸えど時代じだいには行灯あんどん燃料ねんりょうとしても使つかわれていました。
 【6】むかし二宮にのみや金次郎きんじろう子供こどものころ、よるおそくまで行灯あんどんをつけてほんんでいるので、おみせ主人しゅじんから、あぶらがもったいないとわれたことがあります。【7】金次郎きんじろうは、川岸かわぎしに、友達ともだちからりたいちにぎりの菜種なたねえ、いちねんふくろいちはい菜種なたね収穫しゅうかくしました。【8】金次郎きんじろうは、この経験けいけんから、「しょうんでだいす」というかんがかたまなびました。金次郎きんじろう行灯あんどんをつけて、天丼てんどんべていたら、このようなかんがかたまなぶことはなかったでしょう。
 【9】このように、いろいろなめんわたしたちのやくはなは、まさに魔法まほう植物しょくぶつえるでしょう。はなていると、おもわず呪文じゅもんとなえたくなります。アブラナ カタブラ。【0】
 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいΛらむだ


長文ちょうぶん 4.2しゅう
ありじごくにおちたありは

 【1】えんのしたや、やつでののかげの、かわいたつちやすなのところに、じょうごがたのちいさなあなをみつけたことがありませんか。
 【2】そして、そこにおちこんだありが、はいあがろうとして、もがいていることがあるでしょう。
 【3】ありは、とちゅうまでのぼってくると、すなといっしょにころがりおち、のぼることができません。【4】そのうちに、あなのそこから、すなとおなじいろいろむしがでてきて、ありをつかまえてしまいます。
 このあなのむしが、ありじごくですね。
 【5】ありじごくのあなのそこにゆびをれて、そのすなをすくってごらんなさい。きっと、ありじごくをつかまえることができるでしょう。【6】あずきつぶほどのおおきさで、はいいろをした、くものようなかたちのむしです。このむしは、とんぼににている、うすばかげろうというむしのこどもなのです。このむしは、ありをたべて、おおきくなります。
 【7】さて、ありじごくは、すなのうえで、からだをまわしながら、あなをほっていきます。まわりのかべは、ありがすべりおちるように、こまかなすなでつくり、あなのそこに、からだをかくしています。
 【8】うっかり、ありじごくにおちこんだありは、のぼろうとしても、すながくずれてしまうので、どうしてもはいあがることができません。【9】なんどか、のぼってはころげおち、のぼってはころげおちているうちに、つかれて、しまいには、そこでまちかまえているありじごくに、たべられてしまうのです。【0】

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下みやした正美まさみみやしたまさみしる 偕成社かいせいしゃ)より


長文ちょうぶん 4.3しゅう
ねこのしたは、どうしてざらざら

 【1】どうぶつえんのおじさんに、きいてみますと、したがざらざらしているのは、ねこばかりではないそうです。【2】とらでも、ライオンでも、ひょうでも、くまでも、もうじゅうのしたは、たいがいざらざらしているそうです。
 よくしらべてみますと、ねこのしたには、たくさんのとげがついています。
 【3】ねこは、とらや、ひょうのなかまで、まえは、やまなかで、けものやとりをつかまえて、そのにくをたべて、くらしていたもうじゅうでした。
 【4】もうじゅうたちが、にくのついているほねをしゃぶるときには、このざらざらしたしたが、とてもやくにたちます。なめらかなしたでは、にくをけずりとってたべたりすることが、むずかしいからです。
 【5】かなあみについている、さかなのにくののこりなどを、ねこは、じつにきれいにとってなめてしまいます。
 【6】いまでも、外国がいこくやまにすんでいるやまねこは、よわいけものや、とりをつかまえて、たべているもうじゅうです。
 【7】ねこは、にんげんにかわれるようになって、いまのように、おとなしくなったのですが、したは、もうじゅうのすがたを、のこしているわけです。
 【8】ですから、くさのはっぱを、たべているうしうまやきりんやしたのしたは、なめらかで、ざらざらしているところが、あまりありません。
 【9】にんげんのしたも、いくらかはざらざらしていますが、これは、おもに、あじをしったり、たべものをこねまわすためなのです。【0】

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下みやした正美まさみみやしたまさみしる 偕成社かいせいしゃ)より


長文ちょうぶん 4.4しゅう
 【1】健康けんこうてきで、おかねもかからない手軽てがるなダイエットほう、それは、ものをよくんでべることです。よくんでべると食事しょくじ時間じかんがかるので、自然しぜん大食たいしょくおおぐいをしなくなります。【2】また、ゆっくりんでいるうちに満腹まんぷくかんられ、必要ひつよう以上いじょうべたいとおもわなくなります。
 【3】おなじカロリーのものでも、よくんでべると、いろいろな感覚かんかく刺激しげきされ、自律じりつ神経しんけいがよくはたらき、べたエネルギーがどんどん使つかわれます。【4】一方いっぽうまずに直接ちょくせつおくむと、ものは、からだ脂肪しぼうとなりたまってしまいます。
 【5】徳川とくがわ家康いえやすは、健康けんこうほうとして「いちくちよんじゅうはちかいむ」ということをまもっていました。なにかをべるとき、よんじゅう八文字はちもんじの「いろは」にあてはめてむのです。【6】「いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす ん。ごっくん」というわけです。
 【7】むかしは、主食しゅしょくいまのようなふっくらとしたしろいおべいこめではなく、玄米げんまいあわなど、みごたえのあるものでした。はやべたくても、十分じゅうぶんじゅうぶんまなければめないようなものだったのです。
 【8】よくんでべると、よいことはほかにもたくさんあります。あごが発達はったつ健康けんこう役立やくだつ、唾液だえきがたくさん分泌ぶんぴつされ免疫めんえきりょくたかまる、さらには、のうなか血液けつえきりょうあたまのはたらきがよくなる、などです。
 【9】ツルはせんねん、カメはまんねんきるとわれますが、ツルッとべずにカメばむほど長生ながいきできるというわけです。【0】

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいαあるふぁ


長文ちょうぶん 5.1しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい音読おんどく練習れんしゅうはどちらかひとつで。】
 【1】フクロウは夜行やこうせいとりで、くらいところで活動かつどうするため、からだにさまざまな工夫くふうをしています。フクロウのなかまは、かおひらたくあたまおおきいという特徴とくちょうがあり、人間にんげんおなじように、両目りょうめかおまえほうについていて、両目りょうめえる範囲はんいひろくなっています。【2】このおかげで、くらやみのなかでも獲物えものをよくることができます。また、くびがよくうごくようになっているので、四方八方しほうはっぽうわたせます。からだはそのままで、くびをぐるりとまわし、真後まうしろにかおってくることができるほどです。
 【3】フクロウの能力のうりょくのすばらしさは、だけではありません。くらやみでりをするときは、おと獲物えもの場所ばしょ判断はんだんすることのほうおおいので、みみもすぐれています。【4】人間にんげんも、左右さゆうみみこえるわずかなちがいから、おとている場所ばしょをある程度ていどることができますが、上下じょうげ位置いちのちがいをるのは、たいへんむずかしいことです。【5】ふだんえだにとまっているフクロウは、地面じめんあるいているネズミのような獲物えものをつかまえるために、上下じょうげ方向ほうこうまで判断はんだんしなくてはなりません。【6】フクロウのみぎみみは、ひだりみみよりもたかいところについており、ふたつのみみ位置いち上下じょうげにずれているので、獲物えものがどのくらいしたあるいているのかがわかるのです。
 【7】せっかく獲物えもの場所ばしょがわかっても、ちかづくときにバサバサッとばたきのおとがすると、獲物えものげられてしまいます。けれども、フクロウは、そんなヘマはしません。【8】はね先端せんたんは、こまかくくしのようにわかれていて、ばたきのおとがしないようになっています。さらに、はね表面ひょうめんには、たいへんこまかいえていて、ビロードのようになめらかです。そのおかげで、こっそりと獲物えものにさとられずにちかづくことができます。
 【9】新幹線しんかんせんあたらしい車体しゃたいには、騒音そうおんをおさえる工夫くふうがされています。パンタグラフにちいさなギザギザのものがついているのですが、これは、おとてないでばたくことのできるフクロウのつばさをまねてつくったものです。【0】フクロウはこれをて、「ふう、クロウしてかんがえたのに……。」とっているかもしれません。
 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ
にわとりやいぬは、けんかをするとき

 【1】わたしたちだって、けんかをするときには、ひからせ、こわいかおをするでしょう。そして、こしをひき、あしをふんばって、みがまえるではありませんか。
 【2】それは、とびかかっていくための、みがまえというだけでなく、あいてをおどして、こわがらせるためでもありますね。
 【3】けものたちも、うなりこえごえをたてたり、はをむきだしたりして、あいてをおどします。
 【4】いぬもにわとりも、せなかをたかくし、しっぽをぴんとあげたり、くびのをさかだてたりします。
 【5】にわとりは、つばさをひくくひろげて、じぶんをおおきくみせ、まず、あいてをおどかすのです。
 【6】そのうえ、こうしたみがまえをしますと、とびかかりやすく、また、さっとからだをうごかすのにも、つごうがよいのです。
 【7】からだをおおきくみせ、おそろしいようすをしてあいてをおどかすのは、ねこやにわとりばかりではありません。
 【8】おすライオンのたてがみも、そうですし、ふぐが、からだをぷうっとふくらませるのも、そのためです。
 【9】ねこのけんかをみても、よくわかります。
 また、ゴリラが、おこって、おなかをぽんぽんたたくのも、あいてをおどして、こわがらせるためです。【0】

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下みやした正美まさみみやしたまさみしる 偕成社かいせいしゃ)より



長文ちょうぶん 5.2しゅう
くまは、ふゆになると

 【1】ふゆになると、やまにはゆきがふりつもって、くまのたべものが、ほとんどみつからなくなります。いくらさがしまわっても、なんにも、たべるものがありません。
 【2】それで、くまは、野山のやまにどっさりたべもののあるあきのあいだに、もりもりとたべて、からだをふとらせます。つまり、くいだめをしておくのです。
 【3】さむいふゆになって、ゆきがふりはじめるまえに、くまはあなのなかにはいり、はるがやってくるまで、ねむりつづけます。
 これをくまの冬眠とうみんといいます。
 【4】でも、ほんとうは、ぐっすりとねむっているのではなく、からだをうごかさないで、うつらうつらしているのです。
 ですから、ふゆのあいだ、くまは、なんにもたべません。
 【5】あきのあいだに、くいだめしたたべものは、あぶらにして、からだにためこんであります。それが、すこしずつとけて、からだにひつようなようぶんとなって、きつづけているのです。
 【6】ですから、はるめいてきて、ゆきがとけはじめると、くまはをさまして、あなからでてきますが、すっかりやせ、おなかをすかしています。
 さっそく、たべものをさがしますが、まだそのころは、そうやすやすと、たべものはみつかりません。
 【7】それで、たまにゆきしたをかぎわけて、ふきのねなどをほってたべますが、なにしろ、おなかがすききっていますから、があらくて、はるのはじめごろのくまは、りょうしなどから、いちばんこわがられています。
 【8】にんいえのあるところまでやってきて、はたけのさくもつをあらしたり、かちくをとったりするのも、このころです。
 めすぐまは、冬眠とうみんしているあいだにこどもをうみます。そして、おっぱいをのませます。【9】それで、よけいにやせてほそくなり、あなからでてくるときには、おなかが、すききっているのです。
 冬眠とうみんするどうぶつには、くまのほかに、ねずみのなかまのやまねこや、こうもりがいます。
 また、へびやかえるもつちのなかにもぐって、じっとしています。【0】

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下みやした正美まさみみやしたまさみしる 偕成社かいせいしゃ)より


長文ちょうぶん 5.3しゅう
ライオンには、なぜ、たてがみが

【1】「おすがいばるためのかざりだろう。」
 もちろん、どうどうとしたすがたを、めすのライオンにみせてやるため、ということもあります。
 【2】からだをかざって、めすとなかよくしようというわけです。
 しかし、そのほかに、ライオンのおすのたてがみは、たいせつなぶきになるのです。
 【3】おそろしいてきにであったとき、じぶんのたてがみをさかだて、からだをおおきくみせて、あいてをおどすのです。
 【4】また、てきにとびかかられても、あたまやかたは、あのたてがみのおかげで、かみつかれたり、きずがついたりしません。
 【5】なにしろ、おすは、めすやこどもをまもるために、つよいどうぶつと、たたかったりしなければなりませんから、どうしても、ぶきがいるわけです。
 【6】マントひひのおすも、りっぱなたてがみをつけていますが、これも、たいせつなぶきなのです。
 【7】けもののおすは、こうしたぶきをもっているものが、おおいのです。
 【8】たとえば、しかやかもしかのおすの、すばらしいつのも、そうです。
 【9】あのつのも、めすに、りっぱなようすをみせてやるとともに、てきとたたかうときには、ぶきとして、たいへんやくにたつのです。【0】

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下みやした正美まさみみやしたまさみしる 偕成社かいせいしゃ)より


長文ちょうぶん 5.4しゅう
 【1】むかしこよみでは、それぞれのつきがつけられていました。たとえば、よんがつ卯月うづき五月ごがつ皐月さつきろくがつ水無月みなづきなどというかたです。
 【2】さて、じゅうがつ神無月かみなづきかんなづきいます。てのとおり、神様かみさまのいないつきということです。【3】ところが出雲いずもくにいま島根しまねけん)だけは、神在かみありがつかみありづきというのです。このつきには日本にっぽん全国ぜんこくからたくさんの神様かみさま出雲いずもあつまってくるからです。
 【4】出雲いずも大社たいしゃは、大国たいこく主命しゅうめいおおくにのぬしのみことまつってある神社じんじゃで、縁結えんむすびの神様かみさまとしてもられています。【5】ここでとしねんいち日本にっぽんちゅうにほんじゅう神様かみさまたちがあつまって、いち年間ねんかん予定よていはなうのだそうです。
 【6】この会議かいぎは、おおくの神様かみさまあつまるおおがかりなものであるわりに、神様かみさまたちにとってはリラックスできるひとときだったようで、神様かみさまはこの時期じきには縁結えんむす以外いがい仕事しごとはあまりしていないようです。
 【7】みなさんのちかくにある神社じんじゃ神様かみさまも、いちねんいち島根しまねほうたびているかもしれません。出雲いずもはイツモよいとこだなあ、などとはねばしつつ。

【8】「そろそろ、神無月かみなづきかんなづき支度したくをしないと、いカンナあ。えーと、ものは、ヤカン・ナベ、ミカン・なし、ようかん・ナス、図鑑ずかん・【9】なまクリーム、かん・ナイフと。これぐらいで、いいカンナ」(みんなもかんがえてみてね)
「おっと、そんなたくさんって、ぶつカンナ」【0】

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいαあるふぁ


長文ちょうぶん 6.1しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい音読おんどく練習れんしゅうはどちらかひとつで。】
 【1】たくさんのほんいてある図書館としょかんきなほんをさがしたり、なにかを調しらべたりすることができて、本当ほんとう便利べんりです。【2】図書館としょかんのある場所ばしょからとおくにんでいるひとのためには、図書館としょかんほんんだバスが、まったてくれるところもあります。これを移動いどう図書館としょかんといいます。
 【3】移動いどう図書館としょかんは、世界中せかいじゅうにあります。たいていは、バスにほんをつんだ「図書館としょかんバス」ですが、なかには、かわった移動いどう図書館としょかんもあります。【4】たとえば、モンゴルというくにでは、ラクダがほんんでさばくのみちく、「図書館としょかんラクダ」がいるそうです。ヨーロッパのきたでは、トナカイのそりにほんをのせていく「図書館としょかんトナカイそり」があって、ゆきこおりうえをすいすいとほんはこんでくれるそうです。【5】タイというくにでは、ゾウのほんをつんだ「図書館としょかんゾウ」がいるそうです。ゾウは、どんなにがおいしげったジャングルのみち平気へいきすすんでいき、山奥やまおくむら学校がっこうほんとどけてくれるそうです。
 【6】こくひろいところでは、ヘリコプター図書館としょかんもあるそうです。しかし、もちろんヘリコプターのうえからほんをばらまくわけではありません。
 【7】また、インドネシアでは、日本にっぽんにほんひとたちの寄付きふ使つかって、オートバイでほんはこぶ、「バイク図書館としょかん」もできました。どうしてかというと、インドネシアでは、おおきい津波つなみがあって、むらみちもめちゃめちゃにされてしまったからです。【8】しかし、バイクなら、じゃまなものがふさいでいるみちとおりぬけていくことができるのです。
 世界せかいには、貧困ひんこん戦争せんそうのために、きるだけでしらげいちはいというらしをおくっているひとたちがいます。【9】しかし、そういうところにこそ、図書館としょかんつくろうというひとがいるのです。図書館としょかんができると、人々ひとびとは、ものにもこまっていても、いえ、きるのにぎりぎりのきびしい生活せいかつだからこそ、よろこんでほんりにるというのです。【0】そして、それらの人々ひとびとは、こういます。
 「図書館としょかんは、人間にんげんらしくきるための、いのち灯台とうだいだ」と。
 このはなし、「ほん灯台とうだい(ほんとうだい)」!

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいλらむだ
ひばりは、どうして、たかそら

 【1】はるになると、ひばりが、むぎばたけや、かわらのくさのあいだから、たかくとびあがって、さえずりはじめますね。
【2】「あ、ひばりだ。いいこえだなあ。」
と、わたしたちは、しろくもしたに、まめつぶのようにみえるひばりを、みあげたりします。
 【3】ひばりが、たかそらにとびあがってなくのは、
「いよいよはるもさかりになったぞ。【4】このあたりは、わたしのりょうぶんだぞ。」
と、こえをあげて、なかまにしらせるためです。
 【5】すこしはなれたたかそらで、ピーチク、ピーチク、ないているべつのひばりも、
「こっちは、わたしのりょうぶんだ。【6】きみのりょうぶんは、あらさないよ。」
と、こたえているのです。
 【7】もし、べつのひばりが、じぶんのりょうぶんにはいると、おこって、とびかかり、じぶんのりょうぶんのそとへ、おいだしてしまいます。
 【8】そのうえで、めすのひばりに、じぶんのりょうぶんをしらせて、
「こっちへおいで。いっしょにくらそう。」
と、よぶ、なきごえをたてるわけです。
 【9】どんなけものでも、とりでも、じぶんのりょうぶんというものがあって、いろいろのしかたで、なかまにしらせあっているのです。【0】

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下みやした正美まさみみやしたまさみしる 偕成社かいせいしゃ)より


長文ちょうぶん 6.2しゅう
でんしょばとは、どうして、とおくから
 
 【1】はとや、いぬは、じぶんのすんでいるところにもどってこようとする、しぜんのちえをもっていると、いわれています。
 【2】じぶんのすや、すんでいるいえのほうがくを、ちゃんとみさだめて、もどってくるわけですが、そのわけは、まだ、はっきりとしらべられてはいません。
 【3】ときには、すにもどることができないで、とちゅうで、うろうろしているものや、ほうがくをとりちがえて、まいごになるものもあります。【4】しかし、ちかいところですと、たいてい、じぶんのすにかえってきます。はとは、じぶんのすのちかくまでとんできますと、あたりのようすをおぼえていて、まいおりるのでしょう。
 【5】なんどかながいたびをしたり、ながいあいだ、おなじばしょにすんでいたものは、まよわずに、ちゃんともどってきます。
 【6】ですから、はとやいぬは、なにか、ほうがくをみさだめて、もどってくるちからを、からだのどこかに、もっているものとかんがえられます。
 【7】すてたねこが、ちゃんとうちへもどってきたり、とおくにみつをあつめにいったみつばちが、いちちょくせんに、すばこにかえってくるのも、きっと、からだに、とくべつにほうがくをしるはたらきが、あるのかもしれません。
 【8】どんなどうぶつでも、なにか、そうしたちからをもっていることがわかりますが、そのなかでも、でんしょばとやいぬは、とくべつに、ほうがくをみさだめるちからが、つよいようです。
 【9】それで、でんしょばとにてがみをもたせて、つうしんをすることができるのです。【0】

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下みやした正美まさみみやしたまさみしる 偕成社かいせいしゃ)より


長文ちょうぶん 6.3しゅう
あひるは、どんなしかけでみずうえ

【1】「あしのゆびのあいだにみずかきがついていて、それでみずをかくから、じょうずにおよげるんだよ。」
 なるほど、それにちがいありません。
 【2】しかし、そのあしで、みずをかいて、まえへすすむといっても、あしをまえへつきだすときには、はんたいに、まえのほうへみずをおしますから、あひるのからだはうしろにもどり、おなじところに、とまってしまいはしないでしょうか。
 【3】あひるが、じょうずに、みずうえをおよげるしかけが、みっつあります。
 ひとつは、もちろん、みずかきのついているあしです。
 【4】あしをまえにだすときには、あしのゆびをちぢめますから、みずかきもしぜんにすすんで、みずからうけるちからちいさくなり、からだは、うしろへもどされません。
 【5】もうひとつは、あしが、からだのずっとうしろのほうに、ついていることです。
 これは、みずうえをおよぐのに、とてもつごうがよく、ひとかきで、ずっとからだを、まえにすすめることができます。
 【6】もうひとつは、からだからあぶらをだしていて、からだやはねに、みずがしみこまないように、なっていることです。
 このようなしかけで、あひるは、じゆうじざいに、みずうえを、およぎまわることができるのです。【7】よくできすぎていて、おかにあがると、あるくほうは、いっこううまくありません。
 みずどりは、かもでもおしどりでも、がちょうでもペリカンでも、みんな、あひるによくにています。【8】およぐことはじょうずですが、あるくことは、たいそうへたです。
 ところが、これがもっとひどくなって、あしがからだのうしろのほうにつきすぎて、にんげんのように、ってあるくみずどりまでできました。それは、ペンギンです。
 【9】ペンギンは、みなみなんきょくのうみにすんでいるとりで、およぎのめいじんです。みずをおよぐのはすばらしくうまいのですが、りくにあがって、あるくかっこうときたら、あひるよりひどく、まるでふたつぐらいのどもが、よちよちとあるいているような、おかしなかっこうです。【0】

理科りかなぜ? なぜかな」(宮下みやした正美まさみみやしたまさみしる 偕成社かいせいしゃ)より


長文ちょうぶん 6.4しゅう
 【1】石油せきゆは、大昔おおむかし動物どうぶつ植物しょくぶつ微生物びせいぶつなどの死骸しがいつちといっしょに海底かいていもり、なが年月としつきねんげつあいだおおきなちからねつくわわってできたとわれています。【2】地面じめんうみふかいところには、石油せきゆがたまっている油田ゆでんという場所ばしょがあり、石油せきゆはそこからくみげられます。
 【3】油田ゆでんゆでんからくみげられたばかりの石油せきゆは、原油げんゆばれています。原油げんゆはいろいろな成分せいぶんじっていて、そのままでは使つかいにくいため、それらの成分せいぶんける必要ひつようがあります。
 【4】みず沸騰ふっとうして水蒸気すいじょうきになるような、液体えきたい気体きたいわるときの温度おんど沸点ふってんいます。原油げんゆなかのいろいろな成分せいぶんは、沸点ふってんすこしずつちがいます。【5】そこで、その沸点ふってんちがいを利用りようして原油げんゆをガソリンや灯油とうゆなどにけていきます。そして、次々つぎつぎけて最後さいごのこったものがタールやアスファルトになるのです。
 【6】たとえば、原油げんゆという家族かぞくがお風呂ふろはいっていたとします。お風呂ふろ温度おんどげていくと、まず最初さいしょにそのあつさにえられなくなった子供こどもがお風呂ふろからします。【7】この子供こどもがガソリンです。さら温度おんどげていくと、今度こんどはおとうさんが、「あちち。」とってしてきます。【8】このおとうさんが灯油とうゆです。しかし、どんなに温度おんどげても最後さいごまで湯船ゆぶねのこっているひとがいます。おじいちゃんです。このおじいちゃんがタールです。

【9】「おいおい、もっといいやくにしてくれよ。」
「じゃあ、おじいちゃん、アスファルトね。」
「あまり、わっとらん。」【0】

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