課題集

【長文ちょうぶんが二ふたつある場合ばあい、音読おんどくの練習れんしゅうはどちらか一ひとつで可か。】
　【１】昔むかしの人々ひとびとは、明あかるい星ほしを結むすんで星座せいざを思おもい描えがきました。星座せいざを作つくったのは、シュメール人じんという説せつもありますが、一般いっぱん的てきには、約やく五ご千せん年ねん前まえ、バビロニアの羊ひつじ飼かいたちによって、作つくられたのが最初さいしょと言いわれています。【２】初はじめのころは、十じゅう二に星座せいざでしたが、その後ご、四よん十じゅう八はち星座せいざに増ふえました。
　十じゅう七なな世紀せいきに、オランダで望遠鏡ぼうえんきょうが発明はつめいされ、暗くらい星ほしも観測かんそくできるようになると、四よん十じゅう八はち星座せいざのすきまにも新あたらしい星座せいざが作つくられるようになりました。【３】そのころ、星ほしを見みつけるたびに、こんな会話かいわが交かわされたかもしれません。「新あたらしい星ほしを見みつけたぞ。」「だめ。それは、おらンダ。」
　それまでは、星座せいざというと、北半球きたはんきゅうのものに限かぎられていました。【４】しかし、今いままで知しられていなかった南半球みなみはんきゅうの星座せいざが紹介しょうかいされるようになると、新しん星座せいざ作づくりのブームが起おこりました。なぜ星座せいざがたくさん作つくられたのかというと、二に十じゅう世紀せいきの初はじめまでは、星座せいざを作つくることに決きまりがなく、誰だれでも簡単かんたんに作つくることができたからです。【５】一いち時じは百ひゃく二に十じゅうもの星座せいざが作つくられたことがあり、あまりの多おおさに混乱こんらんが起おきるようになってしまいました。そこで、二に十じゅう世紀せいきになってから、国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうによって、八はち十じゅう八はちの星座せいざに統一とういつされ、星座せいざの境界きょうかいも定さだめられることになりました。【６】現在げんざい、私わたしたちが親したしんでいる星座せいざは、このときに定さだめられたものです。
　星座せいざは、神話しんわとともに紹介しょうかいされることが多おおいため、西洋せいようのものと思おもわれがちですが、古代こだいのインドや中国ちゅうごくにも独自どくじのものがあります。【７】中国ちゅうごくの星座せいざは、七なな、八はち世紀せいきごろ、日本にっぽんにも伝つたえられたようで、日本にっぽんでは、明治めいじ時代じだいに西洋せいようの天文学てんもんがくが導入どうにゅうされるまで、ずっと中国ちゅうごくの星座せいざが使つかわれてきました。
　【８】また、昔むかしから星座せいざは、時刻じこくをはかり、季き節ぶしの移うつり変かわりを知しり、農耕のうこうの時期じきを伝つたえる役割やくわりを果はたしてきました。海うみに囲かこまれた土地とちに住すむ人々ひとびとは、広ひろい海うみを航海こうかいするときに、星ほしを観測かんそくして位置いちや方角ほうがくを確たしかめるのにも使つかっていました。【９】ですから、星座せいざの名前なまえも、その土地とち独自どくじの呼よび名なが数多かずおおくありました。
　四季しきを通つうじて明あかるく見みえるオリオン座ざは、世界せかい各地かくちでさまざまな名前なまえがつけられています。日本にっぽんでは、その形かたちから鼓こ星ぼしと呼よばれていました。【０】また、オリオン座ざの左上ひだりうえにある赤あかい星ほしは平家へいけ星ぼし、右みぎ下かにある白しろい星ほしは源氏げんじ星ぼしとも呼よばれていました。これは平家へいけの旗はたの色いろが赤あか、源みなもと氏しの旗はたの色いろが白しろだったからです。
　さまざまな想像そうぞうをふくらませてくれる星座せいざを、たまには正座せいざしてしみじみ眺ながめてみるのもいいかもしれません。
　あれは大おおきいからお父とうさん星ぼし。あっちはきれいだからお母かあさん星ぼし。これはしょっぱいから梅干うめぼし。ここにある長ながいのは物干ものほし。頭あたまにかぶっているのはただの帽子ぼうし。

　言葉ことばの森もり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいん会かい（πぱい）【１】「菜なの花はなや　月つきは東ひがしに　日ひ（ひ）は西にしに」
　蕪村ぶそんの俳句はいくに詠うたわれている菜なの花はなは、春はるを告つげる花はなとして、私わたしたちの目めを楽たのしませてくれます。しかし、菜なの花はなは観賞かんしょう用ようとして楽たのしむだけの花はなではありません。【２】野菜やさいと同おなじように食たべることもできる花はななのです。
　菜なの花はなは、花はなだけでなく茎くきも葉はも、ゆでたり炒いためたりして、おいしく食たべることができます。【３】しかも、菜なの花はなには、ビタミンや鉄分てつぶんなどの栄養素えいようそが豊富ほうふに含ふくまれています。
　菜なの花はなを調理ちょうりするときは、花はなが開ひらききっていないつぼみを選えらぶようにします。【４】花はなが開ひらくとエグ味あじ（み）が出でるためです。また、火ひの通とおりがよいので、菜なの花はなのほろ苦にがさや歯はざわりを生いかすように、塩しおを少すこしを加くわえた熱湯ねっとうでさっとゆであげます。
　【５】菜なの花はなは、アブラナ科かの植物しょくぶつで、種たねから油あぶらを採とることもできます。この菜種油なたねあぶらは、ドレッシングや天てんぷらの油あぶらとして利用りようされていますが、江戸えど時代じだいには行灯あんどんの燃料ねんりょうとしても使つかわれていました。
　【６】昔むかし、二宮にのみや金次郎きんじろうが子供こどものころ、夜よる遅おそくまで行灯あんどんをつけて本ほんを読よんでいるので、お店みせの主人しゅじんから、油あぶらがもったいないと言いわれたことがあります。【７】金次郎きんじろうは、川岸かわぎしの空あき地ちに、友達ともだちから借かりた一いち握にぎりの菜種なたねを植うえ、一いち年ねん後ごに袋ふくろ一いち杯はいの菜種なたねを収穫しゅうかくしました。【８】金次郎きんじろうは、この経験けいけんから、「小しょうを積つんで大だいと為なす」という考かんがえ方かたを学まなびました。金次郎きんじろうが行灯あんどんをつけて、天丼てんどんを食たべていたら、このような考かんがえ方かたを学まなぶことはなかったでしょう。
　【９】このように、いろいろな面めんで私わたしたちの役やくに立たつ菜なの花はなは、まさに魔法まほうの植物しょくぶつと言いえるでしょう。菜なの花はなを見みていると、思おもわず呪文じゅもんを唱となえたくなります。アブラナ　カタブラ。【０】

　言葉ことばの森もり長文ちょうぶん（ちょうぶん）作成さくせい委員いいん会かい（Λらむだ）

ちょうちょは　はねが　とれても　また　はえてくるの

　【１】はねの　とれた　ちょうちょは　ほんとうに　きのどく。
　もう　とべません。みつも　すえません。しぬばかりです。【２】はねは　もう　はえてきません。
　にんげんの　かみや　つめとは　ちがいます。

とりは　どうして　とべるの

　【３】すずめも　はとも　つばさを　はげしく　ばたばたさせて　まいあがります。そのために　つばさの　つけねの　きんにくも　ほねも　おおきく　じょうぶに　できています。
　【４】また、とりの　からだは　とても　かるいのです。ほねの　なかにも　くうきが　はいって　いるのです。
　【５】わたしたちの　りょうてに　おおきな　はねを　つけても　わたしたちは　とべません。
　【６】にんげんの　うでの　ちからでは　おおきな　はねを　ばたばたさせることは　できません。
　からだも　おもすぎて　とべません。

いぬは　どうして　あなを　ほるの

　【７】いぬは　にくの　ついた　ほねが　だいすき。あとの　おたのしみに、あなを　ほって　ほねを　しまいこんだりします。
　【８】たべものが　ありは　しないかと　あなを　ほったりします。
　【９】なつに　あまり　あついと、つめたい　つちをほりだし、そのうえに　はらばいに　なることも　あります。【０】

　「なぜだろうなぜかしら　ようちえん　上うえ（じょう）」（星野ほしの芳郎よしお（ほしのよしろう）著ちょ）

　【１】健康けんこう的てきで、お金かねもかからない手軽てがるなダイエット法ほう、それは、ものをよく噛かんで食たべることです。よく噛かんで食たべると食事しょくじに時間じかんがかるので、自然しぜんと大食たいしょく（おおぐ）いをしなくなります。【２】また、ゆっくり噛かんでいるうちに満腹まんぷく感かんが得えられ、必要ひつよう以上いじょうに食たべたいと思おもわなくなります。
　【３】同おなじカロリーのものでも、よく噛かんで食たべると、いろいろな感覚かんかくが刺激しげきされ、自律じりつ神経しんけいがよく働はたらき、食たべたエネルギーがどんどん使つかわれます。【４】一方いっぽう、噛かまずに直接ちょくせつ胃いに送おくり込こむと、食たべ物ものは、体からだの脂肪しぼうとなりたまってしまいます。
　【５】徳川とくがわ家康いえやすは、健康けんこう法ほうとして「一いち口くち、四よん十じゅう八はち回かい噛かむ」ということを守まもっていました。何なにかを食たべるとき、四よん十じゅう八文字はちもんじの「いろは」にあてはめて噛かむのです。【６】「いろはにほへと　ちりぬるを　わかよたれそ　つねならむ　うゐのおくやま　けふこえて　あさきゆめみし　ゑひもせす　ん。ごっくん」というわけです。
　【７】昔むかしは、主食しゅしょくも今いまのようなふっくらとした白しろいお米べい（こめ）ではなく、玄米げんまいや粟あわなど、噛かみごたえのあるものでした。早はやく食たべたくても、十分じゅうぶん（じゅうぶん）に噛かまなければ飲のみ込こめないようなものだったのです。
　【８】よく噛かんで食たべると、よいことはほかにもたくさんあります。あごが発達はったつし歯はの健康けんこうに役立やくだつ、唾液だえきがたくさん分泌ぶんぴつされ免疫めんえき力りょくが高たかまる、さらには、脳のうの中なかの血液けつえきの量りょうが増ふえ頭あたまのはたらきがよくなる、などです。
　【９】ツルは千せん年ねん、カメは万まん年ねん生いきると言いわれますが、ツルッと食たべずにカメば噛かむほど長生ながいきできるというわけです。【０】

　言葉ことばの森もり長文ちょうぶん（ちょうぶん）作成さくせい委員いいん会かい（αあるふぁ）

【長文ちょうぶんが二ふたつある場合ばあい、音読おんどくの練習れんしゅうはどちらか一ひとつで可か。】
　【１】フクロウは夜行やこう性せいの鳥とりで、暗くらいところで活動かつどうするため、体からだにさまざまな工夫くふうをしています。フクロウのなかまは、顔かおが平ひらたく頭あたまが大おおきいという特徴とくちょうがあり、人間にんげんと同おなじように、両目りょうめが顔かおの前まえの方ほうについていて、両目りょうめで見みえる範囲はんいが広ひろくなっています。【２】このおかげで、暗くらやみの中なかでも獲物えものをよく見みることができます。また、首くびがよく動うごくようになっているので、四方八方しほうはっぽうを見みわたせます。体からだはそのままで、首くびをぐるりと回まわし、真後まうしろに顔かおを持もってくることができるほどです。
　【３】フクロウの能力のうりょくのすばらしさは、目めだけではありません。暗くらやみで狩かりをするときは、音おとで獲物えものの場所ばしょを判断はんだんすることの方ほうが多おおいので、耳みみもすぐれています。【４】人間にんげんも、左右さゆうの耳みみに聞きこえるわずかな違ちがいから、音おとの出でている場所ばしょをある程度ていど知しることができますが、上下じょうげの位置いちのちがいを知しるのは、たいへん難むずかしいことです。【５】ふだん木きの枝えだにとまっているフクロウは、地面じめんを歩あるいているネズミのような獲物えものをつかまえるために、上下じょうげの方向ほうこうまで判断はんだんしなくてはなりません。【６】フクロウの右みぎ耳みみは、左ひだり耳みみよりも高たかいところについており、二ふたつの耳みみの位置いちが上下じょうげにずれているので、獲物えものがどのくらい下したを歩あるいているのかがわかるのです。
　【７】せっかく獲物えものの場所ばしょがわかっても、近ちかづくときにバサバサッと羽はばたきの音おとがすると、獲物えものに逃にげられてしまいます。けれども、フクロウは、そんなヘマはしません。【８】羽はねの先端せんたんは、細こまかく櫛くしのようにわかれていて、羽はばたきの音おとがしないようになっています。さらに、羽はねの表面ひょうめんには、たいへん細こまかい毛けが生はえていて、ビロードのようになめらかです。そのおかげで、こっそりと獲物えものにさとられずに近ちかづくことができます。
　【９】新幹線しんかんせんの新あたらしい車体しゃたいには、騒音そうおんをおさえる工夫くふうがされています。パンタグラフに小ちいさなギザギザのものがついているのですが、これは、音おとを立たてないで羽はばたくことのできるフクロウの翼つばさをまねて作つくったものです。【０】フクロウはこれを見みて、「ふう、クロウして考かんがえたのに……。」と言いっているかもしれません。
　言葉ことばの森もり長文ちょうぶん（ちょうぶん）作成さくせい委員いいん会かい（κかっぱ）
さかなは　みずの　なかで　めを　あけて　へいきなの

　【１】きれいな　みずの　なかで　めを　あけてごらんなさい。
　ほら、あけられるでしょう。でも、いたくて　すぐ　つぶってしまうでしょう。
　【２】さかなは　いつも　みずの　なかに　いるので　めは　みずに　なれています。それで　めを　あけていられるのです。

さかなは　みずの　なかで　つめたく　ないの

　【３】みんなの　からだは　いつも　おなじように　あたたかい　ですね。
　【４】だから　つめたい　みずに　さわると、ああ　つめたいと　おもうのです。
　【５】ところが　さかなの　からだは　みずが　つめたく　なれば　いっしょに　つめたくなります。【６】みずが　あたたかく　なれば　いっしょに　あたたかく　なります。
　それで　さかなは　みずを　つめたいとも　あたたかいとも　かんじません。

ありは　どうして　いえの　なかまで　はいってくるの

　【７】ありは　いつも　たべものを　さがしています。いえのなかへも　さがしに　はいってきます。
　【８】ありは　あまい　ものが　だいすきです。さとうや　おかしを　みつけたら、すぐ　なかまに　しらせます。【９】そのうちに　たくさんの　ありが　やってきて、さとうや　おかしに　まっくろに　たかります。【０】

　「なぜだろうなぜかしら　ようちえん　上うえ（じょう）」（星野ほしの芳郎よしお（ほしのよしろう）著ちょ）

どうして　うみには　なみが　あるの

　【１】しーんと　している　うみ。そのときは　きまって　かぜも　ふきません。
　かぜが　ふきだすと、うみも　さわぎだします。【２】なみが　おとを　たてて　きしに　おしよせます。かぜが　うみの　なみを　おこすのです。

あめは　どうして　ふるの

　【３】くもさえ　なければ　あめは　ふらないのに。あめは　ひくい　くもから　ふってくるのです。
　【４】くもは　ちいさな　ちいさな　みずの　つぶの　あつまり。
　【５】ちいさな　みずの　つぶが　だんだん　おおきくなり、とうとう　あめと　なって　おちて　くるのです。

かわの　みずは　どこへ　いくの

　【６】かわの　みずは　ひくい　ところが　だいすきです。たきが　あれば　ころがりおち、ひらたい　じめんでは　ゆっくり　すべって　いきます。
　【７】おしまいには、ひろい　うみに　たどりついて、みずは　はじめて　おちつきます。みずは　ゆったりと　ねそべって　います。
　【８】おひさまが　うみを　てらすと、みずは　めには　みえない　すいじょうきと　なって、そらへ　まいあがります。
　【９】そして　みずは　くもに　すがたを　かえ、くもは　やがて　あめと　なり、あめは　じめんに　おちて　かわに　ながれこみます。みずは　また　うみまで　たびを　つづけます。【０】

　「なぜだろうなぜかしら　ようちえん　上うえ（じょう）」（星野ほしの芳郎よしお（ほしのよしろう）著ちょ）

　【１】昔むかしの暦こよみでは、それぞれの月つきに呼よび名ながつけられていました。例たとえば、四よん月がつは卯月うづき、五月ごがつは皐月さつき、六ろく月がつは水無月みなづきなどという呼よび方かたです。
　【２】さて、十じゅう月がつは神無月かみなづき（かんなづき）と言いいます。字じを見みてのとおり、神様かみさまのいない月つきということです。【３】ところが出雲いずもの国くに（今いまの島根しまね県けん）だけは、神在かみあり月がつ（かみありづき）というのです。この月つきには日本にっぽん全国ぜんこくからたくさんの神様かみさまが出雲いずもに集あつまってくるからです。
　【４】出雲いずも大社たいしゃは、大国たいこく主命しゅうめい（おおくにのぬしのみこと）を祭まつってある神社じんじゃで、縁結えんむすびの神様かみさまとしても知しられています。【５】ここで年とし（ねん）に一いち度ど、日本にっぽん中ちゅう（にほんじゅう）の神様かみさまたちが集あつまって、一いち年間ねんかんの予定よていを話はなし合あうのだそうです。
　【６】この会議かいぎは、多おおくの神様かみさまが集あつまる大おおがかりなものであるわりに、神様かみさまたちにとってはリラックスできるひとときだったようで、神様かみさまはこの時期じきには縁結えんむすび以外いがいの仕事しごとはあまりしていないようです。
　【７】みなさんの近ちかくにある神社じんじゃの神様かみさまも、一いち年ねんに一いち度ど、島根しまねの方ほうへ旅たびに出でているかもしれません。出雲いずもはイツモよいとこだなあ、などと羽はねを伸のばしつつ。

【８】「そろそろ、神無月かみなづき（かんなづき）の支度したくをしないと、いカンナあ。えーと、持もち物ものは、ヤカン・ナベ、ミカン・梨なし、ようかん・ナス、図鑑ずかん・【９】生なまクリーム、空あき缶かん・ナイフと。これぐらいで、いいカンナ」（みんなも考かんがえてみてね）
「おっと、そんなたくさん持もって、ぶつカンナ」【０】

　言葉ことばの森もり長文ちょうぶん（ちょうぶん）作成さくせい委員いいん会かい（αあるふぁ）

【長文ちょうぶんが二ふたつある場合ばあい、音読おんどくの練習れんしゅうはどちらか一ひとつで可か。】
　【１】たくさんの本ほんを置おいてある図書館としょかん。好すきな本ほんをさがしたり、何なにかを調しらべたりすることができて、本当ほんとうに便利べんりです。【２】図書館としょかんのある場所ばしょから遠とおくに住すんでいる人ひとのためには、図書館としょかんの本ほんを積つんだバスが、決きまった日ひに来きてくれるところもあります。これを移動いどう図書館としょかんといいます。
　【３】移動いどう図書館としょかんは、世界中せかいじゅうにあります。たいていは、バスに本ほんをつんだ「図書館としょかんバス」ですが、なかには、かわった移動いどう図書館としょかんもあります。【４】たとえば、モンゴルという国くにでは、ラクダが本ほんを積つんでさばくの道みちを行いく、「図書館としょかんラクダ」がいるそうです。ヨーロッパの北きたでは、トナカイのそりに本ほんをのせていく「図書館としょかんトナカイそり」があって、雪ゆきや氷こおりの上うえをすいすいと本ほんを運はこんでくれるそうです。【５】タイという国くにでは、ゾウの背せに本ほんをつんだ「図書館としょかんゾウ」がいるそうです。ゾウは、どんなに木きがおいしげったジャングルの道みちも平気へいきで進すすんでいき、山奥やまおくの村むらの学校がっこうに本ほんを届とどけてくれるそうです。
　【６】国こくが広ひろいところでは、ヘリコプター図書館としょかんもあるそうです。しかし、もちろんヘリコプターの上うえから本ほんをばらまくわけではありません。
　【７】また、インドネシアでは、日本にっぽん（にほん）の人ひとたちの寄付きふも使つかって、オートバイで本ほんを運はこぶ、「バイク図書館としょかん」もできました。どうしてかというと、インドネシアでは、大おおきい津波つなみがあって、村むらも道みちもめちゃめちゃにされてしまったからです。【８】しかし、バイクなら、じゃまなものがふさいでいる道みちも通とおりぬけていくことができるのです。
　世界せかいには、貧困ひんこんや戦争せんそうのために、生いきるだけで精しらげ一いち杯はいという暮くらしを送おくっている人ひとたちがいます。【９】しかし、そういうところにこそ、図書館としょかんを作つくろうという人ひとがいるのです。図書館としょかんができると、人々ひとびとは、食たべ物ものにもこまっていても、いえ、生いきるのにぎりぎりの厳きびしい生活せいかつだからこそ、喜よろこんで本ほんを借かりに来くるというのです。【０】そして、それらの人々ひとびとは、こう言いいます。
　「図書館としょかんは、人間にんげんらしく生いきるための、命いのちの灯台とうだいだ」と。
　この話はなし、「本ほん、灯台とうだい（ほんとうだい）」！

　言葉ことばの森もり長文ちょうぶん（ちょうぶん）作成さくせい委員いいん会かい（λらむだ）
ぼくたちは　おおきな　たまごから　うまれたの

　【１】ねこの　たまごを　みたことが　ありますか。だれも　みたことが　ありません。
　【２】ねこも　いぬも　おやねこや　おやいぬの　おなかから　うまれて　くるのですよ。
　にんげんも　おかあさんの　おなかから　うまれます。

はしったり　すると　どうして　むねが　どきどき　するのだろう

　【３】あかい　ち。それは　いのちの　もとです。
　ちは　からだじゅうを　まわって　からだに　ちからを　つけます。
　【４】なわとびや　かけっこで、がんばると、ちは　おおいそぎで　からだを　かけめぐります。
　しんぞうから　おくりだされた　ちが　てや　あしに　きて　ちからを　だします。
　【５】むねが　どきどき　するのは　しんぞうが、ぽんぷの　ように　いそがしく　ちを　おくりだして　いるからです。

どうして　おならが　でるのかな

　【６】わらっちゃ　いけません。だれでも　いちにちに　にかいや　さんかいは　おならを　します。
　おならが　でない　ようだったら、おもい　びょうきに　かかって　いるのですよ。
　【７】たべものを　のみこんだとき、くうきも　いっしょに　おなかに　はいる　ことが　あります。その　くうきが　おしりから　でると、おならに　なります。
　【８】こういう　おならは　くさく　ありません。
　おなかの　なかの　たべものが　すこし　くさったり　して　がすが　でることが　あります。
　【９】その　がすが　おしりから　でると　くさい　おならに　なります。
　がまんを　しないで　おならを　しましょう。おならは　けんこうの　しるし　です。【０】

　「なぜだろうなぜかしら　ようちえん　上うえ（じょう）」（星野ほしの芳郎よしお（ほしのよしろう）著ちょ）

おふとんを　ほすと　どうして　ふわふわ　するんだろう

　【１】おふとんを　おひさまに　ほすと、あたたかく　なります。
　そうすると、おふとんの　なかの　くうきが　ふくらみます。【２】くうきは　おふとんの　なかの　わたを　ふくらませます。それで　おふとんは　ふわふわ　します。

てれびは　どうして　うつるの　だろう

　【３】てれびとうを　みたことが　ありますか。おおきな　まちには　たいてい　てれびとうが　たっています。とうきょうたわーも　てれびとうです。
　【４】てれびとうは、たくさんの　いえの　てれびに　でんぱを　おくります。
　みなさんの　いえの　やねには　てれびの　あんてなが　たっているでしょう。
　【５】でんぱは　てれびとうから　そのあんてなに　とびこんできます。
　こうして　てれびが　うつるのです。
　【６】てれびとうの　でんぱは　どこから　きたのでしょう。それは　てれびかめらから　おくられて　きたのですよ。
　【７】てれびかめらが　まんがや　うたっている　ひとを　うつすと、そのえは、てれびとうの　でんぱに　かえられます。そして　でんぱは　いえの　てれびの　あんてなに　とびこんで　もとの　えに　もどります。

　かいじゅうは　ほんとうに　いるの

　【８】あんしんして　ください。てれびの　かいじゅうは、つくりものです。ほんとうは　とても　ちいさいの　ですよ。
　ひとが　かいじゅうの　かわを　かぶって　おもちゃの　いえや　はしを　ふみつぶして　いるだけです。
　【９】むかしの　おおきい　どうぶつは　ひを　ふいたりしません。
　おおむかしには　かいじゅうのような　どうぶつが　たくさん　いました。それは　きょうりゅうです。【０】

　「なぜだろうなぜかしら　ようちえん　上うえ（じょう）」（星野ほしの芳郎よしお（ほしのよしろう）著ちょ）

　【１】石油せきゆは、大昔おおむかしの動物どうぶつや植物しょくぶつ、微生物びせいぶつなどの死骸しがいが土ど（つち）といっしょに海底かいていに積つもり、長ながい年月としつき（ねんげつ）の間あいだに大おおきな力ちからや熱ねつが加くわわってできたと言いわれています。【２】地面じめんや海うみの深ふかいところには、石油せきゆがたまっている油田ゆでんという場所ばしょがあり、石油せきゆはそこからくみ上あげられます。
　【３】油田ゆでん（ゆでん）からくみ上あげられたばかりの石油せきゆは、原油げんゆと呼よばれています。原油げんゆはいろいろな成分せいぶんが混まじっていて、そのままでは使つかいにくいため、それらの成分せいぶんを分わける必要ひつようがあります。
　【４】水みずが沸騰ふっとうして水蒸気すいじょうきになるような、液体えきたいが気体きたいに変かわるときの温度おんどを沸点ふってんと言いいます。原油げんゆの中なかのいろいろな成分せいぶんは、沸点ふってんが少すこしずつ違ちがいます。【５】そこで、その沸点ふってんの違ちがいを利用りようして原油げんゆをガソリンや灯油とうゆなどに分わけていきます。そして、次々つぎつぎと分わけて最後さいごに残のこったものがタールやアスファルトになるのです。
　【６】例たとえば、原油げんゆという家族かぞくがお風呂ふろに入はいっていたとします。お風呂ふろの温度おんどを上あげていくと、まず最初さいしょにその熱あつさに耐たえられなくなった子供こどもがお風呂ふろから飛とび出だします。【７】この子供こどもがガソリンです。更さらに温度おんどを上あげていくと、今度こんどはお父とうさんが、「あちち。」と言いって飛とび出だしてきます。【８】このお父とうさんが灯油とうゆです。しかし、どんなに温度おんどを上あげても最後さいごまで湯船ゆぶねに残のこっている人ひとがいます。おじいちゃんです。このおじいちゃんがタールです。

【９】「おいおい、もっといい役やくにしてくれよ。」
「じゃあ、おじいちゃん、アスファルトね。」
「あまり、変かわっとらん。」【０】

　言葉ことばの森もり長文ちょうぶん（ちょうぶん）作成さくせい委員いいん会かい（τたう）