カタツムリとナメクジは、どちらも
巻き
貝のなかまで、
大昔、
海に
住んでいました。
海に
住んでいたころは、ナメクジにも
殻があったのですが、どういうわけか、ナメクジは
殻を
捨ててしまいました。もっと
身軽になりたいと
思ったのかもしれません。カタツムリは、
海に
住んでいたときのまま、
今でも
殻をつけています。
殻のないナメクジは、
水気のないところではからからになってしまいます。
一方、カタツムリは、
雨が
降るまで、
殻の
入り
口に
膜をはって
待つことができます。
カタツムリの
殻は、ヤドカリのようにだれかにもらったものではなく、
生まれながらに
身につけているものです。この
殻は、
体からしみ
出した
石灰分で
作られ、
体にくっついているので、カタツムリの
殻と
体とを
引きはなすことはできません。この
殻があるおかげで、カタツムリは、いつでも
敵から
身をかくすことができますが、ナメクジは、カタツムリのように
殻の
中にかくれることができないので、
夜にしか
行動しません。
ナメクジに
塩をかけると
小さくなっていきます。これは、
塩をかけられたことによって、ナメクジの
体の
中の
水分が
外に
出ていくためです。
塩だけではなく、
砂糖やこしょうでも
同じです。ナメクジは、とけていなくなってしまったように
見えますが、じっさいには、
水分がなくなったために
小さくなるだけです。もちろん、そのままにしておくと
死んでしまいますが、
水をかけてやると、まるで
魔法をかけられたように、また
元気になります。
もともとは
海の
中の
生き
物だったカタツムリとナメクジ。
陸に
上がってからは、
殻を
捨ててしまったナメクジの
方が
苦労が
多そうです。
歌にも
歌われて
人気のあるカタツムリに
比べると、ナメクジは
少し
分が
悪いようです。ナメクジは、びんぼうくじをひいてしまったと
思っているかもしれません。
言葉の
森長文作成委員会(
Λ)
高いところから
飛び
降りるとき、
地面に
着地する
瞬間に、ひざを
曲げてやわらかく
地面に
着くようにします。もし、ひざをまっすぐに
伸ばしたまま
着地をしたら、ひざを
痛めてしまいます。
同じ
高さから
飛び
降りているのに、どうして
衝撃が
違うのでしょうか。
その
秘密は、
力というものの
性質にあります。
力は、
重さと
速さをかけたもので、「
力」=「
重さ」×「
速さ」ということになります。
例えば、あなたが
走っていって、おすもうさんとぶつかるのと、
一年生のけんちゃんとぶつかるのと、どちらが
衝撃が
強いでしょうか。おすもうさんの
方が
重いので、あなたははねとばされてしまうでしょう。ただし、
一年生のけんちゃんが
実はゾウの
一年生だったとしたら、あなたはけんちゃんにもはねとばされてしまうかもしれません。このように、
重いものは
大きな
力を
持っているのです。
では、
速さはどうでしょう。
野球をしているとき、バットを
思いっきり
振ってうまく
当たったのでホームランになったとします。
同じ
場面で、バットをスローモーション
撮影のようにゆっくり
振っていたらどうでしょう。どんなにうまく
当たっても、ゴロにしかなりません。
同じ
重さでも、スピードを
出しているときの
方が
力があるのです。
着地するときにひざを
曲げるのは、ちょうどこのスローモーション
撮影をしていることと
同じです。
足の
裏が
地面に
着く
瞬間が、ほんの
少しゆっくりになるのです。その
差は
例えば、〇・
一秒で
着地するところが〇・
二秒で
着地することになっただけかもしれません。しかし、それでも
力は
二分の
一に
減ってしまうのです。
この
原理はいろいろなところに
応用できます。けん
玉をするとき、
玉をお
皿に
乗せる
瞬間にちょっとひざを
曲げます。すると、
玉がお
皿に
着地する
時間がほんの
少しゆっくりになるので、
玉はとても
入れやすくなります。こんなふうにして、
玉がうまく
入るようになったらたまりませんね。
言葉の
森長文作成委員会(
Σ)
【1】あさは ぼうっとして、あくびが でたり、しせいも わるいのに、ごごは げんきに なる
子が おおぜい います。
こうなるのは、あさねぼうの ためです。【2】あさは のうが
目を さまして いないので、きちんとするように めいれいが だせません。それで、しせいも ぐにゃぐにゃに なるのです。
【3】せっかく、せなかを のばす れんしゅうをしても、のうが ねぼけて いたのでは、なんにも なりません。
【4】あさねぼうの
子は、よるに なっても げんきで、おそくまで おきているので、また あさねぼうを することに なります。
ぐっすり ねむっても、おきたばかりの ときは、 だれでも のうが ねぼけています。
【5】あたたかい パジャマを ぱっとぬいだり、せのびを したり、
手や
足を うごかしたり、つめたい
水で かおを あらったりしていると、のうが はっきり
目をさましてきます。
【6】がっこうが はじまる、
一じかんはん まえに おきて、のうが きちんと
目を さましてから、がっこうへ いきましょう。
【7】あさ はやく おきて、げんきよく せいかつして いれば、あなたの のうは いつも、よく はたらきます。
にんげんが、ほかの どうぶつと ちがうのは、
二ほんの
足で
立って あるき、
手と ことばが つかえる ことです。【8】それと、それができる、りっぱな のうを もっている ことです。
けれども、あるくための ほねや きんにくが よわくなったり、のうを あまり つかわない
子が ふえています。
【9】みなさんの のうや からだは、つかえば つかうほど つよくなり、うまく はたらくように なります。
そとで はしりまわって あそんだり、のうを きちんと はたらかせるようにして、げんきな
子に なってください。【0】
「せなかをぴんとのばそう!」(
偕成社)