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課題集
長文ちょうぶん 1.1しゅう
一番いちばんめの長文ちょうぶんようちょういちさんがつのものを再掲さいけいしています。】
 【1】なつあいだ、あんなにたくさんかけたカエルは、ふゆにはまったくかけなくなります。カメやヘビも、ふゆあいだかけません。しかし、またはるになると、姿すがたあらわすようになります。【2】カエルにしてもヘビにしても、あんなにがなくてつるつるのからだでは、さぞふゆにはさむいことでしょう。それに、ふゆあいだは、エサにするむしなどのきものもとてもすくなくなります。【3】それでは、こういう生物せいぶつたちは、さむふゆをどうやってすごしているのでしょう。
 じつは、カエルやカメやヘビなどは、ふゆあいだ冬眠とうみんといって、地面じめんなかなかいけそこあななど、比較的ひかくてきあたたかそうで安全あんぜん場所ばしょにかくれてているのです。【4】カエルやヘビは変温動物へんおんどうぶつといって、そと気温きおんがってくると、自分じぶん体温たいおんおなじようにがってしまいます。だから、ふゆになって気温きおんがって活動かつどうできなくなると、冬眠とうみんしてしまうのです。
 【5】この冬眠とうみんあいだは、からだなかたくわえたエネルギーを使つかってきていますから、エサをべる必要ひつようがありません。いきさえしなくても大丈夫だいじょうぶなものもいるといいますからおどろきます。【6】いきもせずにきられるとはちょっと生意気なまいきですね。こうして、まるでんだようにねむつづけ、カエルのいなくなった世界せかいしずまりかえるのです。
 【7】はるになり、そとあたたかくなってくると、ねむっているカエルたちのからだもいっしょにあたたまり、体温たいおんがってきます。すると、カエルたちのからだふたた活動かつどうはじめ、「ああ、おなかがすいたなあ」と、そとてきます。【8】そのころには、エサたちも冬眠とうみんから目覚めざめたり、あたらしくまれたりしてたくさんいるので、おなかいっぱい食事しょくじをすることができます。
 「ねむれるもり美女びじょ」という、魔法使まほうつかいにねむらされたお姫様ひめさまはなしがあります。【9】お姫様ひめさま王子おうじさまのキスでながねむりから目覚めざめますが、「ねむれるもりのカエルたち」にとっては、はるあたたかい太陽たいようが、まるで「王子おうじさまのキス」のようにおもえることでしょう。カエルたちは、太陽たいようあたたかさで次々つぎつぎかえるのです。【0】

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいτたう
 【1】昨日きのう土曜日どようびとなりいえのサトシがぼくのいえあそびにきました。サトシにはアリサという名前なまえいもうとがいます。アリサとおかあさんはバレエの練習れんしゅうがあるので、サトシはお留守番るすばんです。
 最初さいしょに、ぼくたちはベイブレードであそびました。【2】サトシはたくさんのベイをっています。トイザラスにくといつもれになっているめずらしいベイもっています。ベイのかずではけているけど、ぼくは頑張がんばりました。対戦たいせん結果けっかけです。
 そのあとは、いち丁目ちょうめ公園こうえんくことにしました。【3】おかあさんは、
今日きょうさむいからおいえうちなかあそんだら。」
すここまったかおをしていました。ぼくは、
大丈夫だいじょうぶだよ。ってくるね。」
と、玄関げんかんました。そとさむくて、ふうがぴゅうぴゅういていました。【4】やっぱりいえなかあそべばよかったかなあとおもいながら、ぼくはポケットにみました。いち丁目ちょうめ公園こうえんには、タケシとシンジがいました。ぼくたちはいっしょになっておにごっこをしました。たくさんはしまわったのでまるでお風呂ふろうえあがりのようにからだがぽかぽかになりました。
 【5】いえいえかえるとちょうどさんのおやつの時間じかんでした。
「みんなでひゃくえんショップにってきなものをっておいで。」
と、ぼくのおかあさんがお財布さいふしながらいました。サトシとぼくの双子ふたごいもうとのカスミとヒカリはひゃくえんずつもらいました。ぼくだけひゃくじゅうえんもらいました。【6】どうしてかというと、おかあさんが、
「おかあさんのぶんもひとつってきてね。」
と、こっそりったからです。
 ぼくのいえさかりていくと左側ひだりがわひゃくえんショップがあります。ぼくはよんひゃくえんのコーナーでえらびました。【7】ったものは、どらチョコとジュースとベビースターとあわです。あわはラムネのお菓子かしです。それをべると、くちなかあわだらけになります。まるでモリアオガエルのたまごのようです。サトシもぼくの真似まねをしてあわをいました。【8】二人ふたりふたりくちおおきくけてカスミとヒカリにせたら、
「うわあ、まずそう。」
げられました。
「おいしいよなあ。」
と、ぼくとサトシはかお見合みあわせてわらいました。まだべたことがないから、あじからないのだなあとぼくはおもいました。【9】おかあさんにはチョコレートのお菓子かしってきてあげました。おかあさんは、
「ありがとう。このお菓子かし大好だいすき。」
よろこびました。ぼくはいいものをったなとうれしくなりました。たのしい土曜日どようびでした。【0】

言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ωおめが


長文ちょうぶん 1.2しゅう
 【1】がつあおいばん、アフリカの草原そうげんで、ライオンにがうまれました。まるまるふとってククククとよくわらうのがコロン、ちっともわらわないのがムウ、ちょっとばかりげんきがないのがショボン……となづけられて、いくにちかすぎました。【2】ちかくにおはなばたけがあるせいか、はなのさいているときにうまれたせいか、みんなひどくはなずきでした。さんびきは、よく、ちかくのもりの、はなばたけにねそべりにゆきました。
 【3】さてまたつきあおいばん、さんびきがはなのあいだでふざけていると、かあさんライオンがやってきて、コロンをよびました。
――コロンちゃん、いっしょにいらっしゃい。
 【4】うん、とコロンはおきあがり、クローバーを、ちょいとあたまにつけて、かあさんライオンについてゆきました。
 もりにはいると、かあさんライオンはいいました。
――きょうはね、ケモノのつかまえかたをおしえてあげるの。【5】よくみてらっしゃいよ。そういうと、じっとからだをひくめて、しのびあしで、ツツツツツウと、すすみます。おや、ウサギがいるぞ。
――ここでね、ウンといきをすいこんで、ひととびにゆくのよ。
 【6】かあさんは、ささやくようにコロンにおしえると、ウンと、いきをすいこみます。
 はなのあなが、さんかくにひろがり、ひげがヒョロリとたれてしまって、とってもへんなかおです。みたとたん、コロンはクククククと、わらいだしてしまいました。【7】ウサギはもちろん、ぴょんと、ひととびでサヨナラしてしまいました。
――だめじゃないの、コロンちゃん。
――だって、さっきのかあさんのかお、あんまりおかしかったんだもの。それに、あのウサギのあわてかたったら!
 【8】そしてまた、ククククなのです。かあさんライオンは、あきらめてかえりました。
 つぎのよるは、ムウでした。
――ムウちゃん、いっしょにいらっしゃい。
 ムウは、だまってついてゆきました。もりにはいると、かあさんライオンはいいました。
――【9】きょうはね、ケモノのつかまえかたをおしえてあげるの。よくみてらっしゃいよ。
 そういうと、からだをしずめて、スススススと、しのびあしですすみます。おや、あそこにリスがいるわ!――ここでね、ウオーッってほえるの。【0】そしたら、リスはびっくりして、ちぢみあがっちゃうのよ。そこを、つかまえるの。
 かあさんは、そうムウにささやくと、あごがはずれそうにおおきくくちをひらいて、ウオーッとほえました。
 もちろん、リスはビリリリと、でんきがかかったみたいになってうごけません。
――さあ、おたべ。
 かあさんライオンがムウにいいましたが、ムウはこたえません。じっと、リスをみつめています。そして、「さあ」と、もういちどかあさんがすすめると、ムムウと、かおをしかめるのです。かあさんはびっくりして、ムウをみました。
 へんじなし、なのです。
――どうしたの?
 それもそのはず、ムウもうごけなかったのです!
――あらあら、ムウちゃんまで!
 ごめん、ごめん。
 かあさんライオンは、あわててムウのしっぽを、ちょいとおしてやると、ムウはやっとうごけましたが、リスのほうもそのすきに、ひととびでにかけのぼりました。

「ぽけっとにいっぱい」『さんびきのライオンの』より(今江いまえ 祥智よしとも)フォア文庫ぶんこ


長文ちょうぶん 1.3しゅう
 【1】ひろいせかいにでられたうれしさに、ユラは、からだじゅうウーンとのばして、はなのひらくようにひらいたのです。ところがね、おわんのようにまるいぼうしのかわりに、ユラのは四角よつかど、まっ四角しかくなのです。【2】ユラは、となりにうかんでいるなかまにたずねました。
――ねえきみ、ぼく、まるくならないんだよ。
 するとそのクラゲは、ユラをながめて、おおごえをあげました。
――おやおや、ほんとだ。おーい、みんな、みてごらん。へんなのがいるぜ。
 【3】たちまち、なんじゅうぴきものクラゲたちが、ゆらゆらゆらとなみにのってきて、ユラをかこみました。
――へんなの。
――まるくないぜ。
――ぼくらとちがってらあ。
――クラゲじゃないわ。
 ユラぼうやは、びっくりしました。
【4】――ちがうよ、ぼく、クラゲだよ。ほら、あしもみんなとおなじだけあるし、いろもこえも、おなじじゃないの。
――だって、まるくないぜ。
――四角しかくいクラゲなんてみたことないや。
 そこでみんなこえをそろえて、アッハッハとわらうのです。
 【5】ユラはもう、なにもいえなくなり、そのままうみのあおいろのなかにとけてしまいたいとおもいました。あぶくのように、シュンときえたほうがいいなとさえおもいました。けれど、どちらもできぬこと。【6】ユラはだまって、なかまからはなれました。そして、ちいさななみ、おおきななみにゆられながら、そのよるは、ひとりでねむりました。
 あくるあさから、ユラはいっしょうけんめいに、じぶんのなかまをたずねてまわりました。
 【7】まず、イカのところでききました。
――ね、ぼく、あんたのなかまなの?
――じょうだんじゃなぃ。四角しかくいイカなんているものか。イカは三角さんかくにきまってる。一角いっかくおおいよ。それに、きみは、ぼくみたいにはやくおよげないじゃないか。
 【8】そういうとイカは、ロケットみたいにシュウッとみずをふくむと、さっとおよいでいってしまいました。ふうん、と、ぼうやはまたゆられてゆきます。
 こんどはタコ。
――ね、ぼく、あんたのなかまかしら?
【9】――なんだって。そんなしろいタコなんているかい。それにあしのかずだってちがうし、だいいち、このイボイボがないじゃないか。
 そういうと、コはプウウッとスミをふっかけて、いってしまいました。
 【0】だめかなあ……ぼうやはスミをふきとりながら、またゆらゆらとはなれてゆきます。
 つぎはナマコ。
――ね、ぼく、あんたのなかまだね。
――フフフフ、きみ、あしながすぎますよ。ほら、ぼくらは、もっとずんぐりしてるんだよ。
 そういいながら、ヨタヨタと、からだじゅうであるいていってしまいました。
 クラゲのぼうやは、しかたなく、もとのところへもどるほかはありませんでした。
 けれど、みんなもなかまにいれてくれません。ユラはひとりぽつんとはなれて、ゆらゆら、ゆられていました。
 ユラは、できるだけまるくなろうとやってみました。ぜんぶのあしをつっぱって、あたまをまるくおしてみたり、プーンと、おもいきりふくれてみたり、いわにかどっこをゴツンとぶつけてみたり……でも、どうしても、まるくならないのです。そのよるあお三日月みかづきが、そらにかかっていました。
 ひとりぼっちのユラは、三日月みかづきにきいてみようとおもいました。
――ね、おつきさま、ぼく、どうしてまるくならないのかしら……。
 おつきさまは、なにもこたえない。ただ、きれいにしずかにひかっています。でも、あおいひかりをあびていると、ユラはとてもなつかしいもちになって、ひとりでに、おいのりしたくなるのでした。

「ぽけっとにいっぱい」『四角しかくいクラゲの』より(今江いまえ 祥智よしとも)フォア文庫ぶんこ


長文ちょうぶん 1.4しゅう
 のうは、人間にんげんからだなかもっともエネルギーを必要ひつようとする器官きかんです。のうおもさは、からだ全体ぜんたいおもさのおよそパーセントをめるとわれています。たとえば、体重たいじゅうじゅうキログラムの人間にんげんのうおもさは、いちキログラムになるというわけです。それほどのおもさをめているわけではありませんが、こののう大変たいへんいしんぼうです。人間にんげん必要ひつようとするぜんエネルギーのうち、じゅうパーセントもがのう使つかわれています。しかも、ただの大食漢たいしょくかんではありません。なかなかのグルメなのです。どうしてかというと、のうがエネルギーげんとしてむのは、ブドウ糖ぶどうとうだけだからです。また、のう余分よぶんなエネルギーをたくわえておくことができないので、えずブドウ糖ぶどうとう補給ほきゅうつづける必要ひつようがあります。
 ごはんやパンなどの穀類こくるい、ジャガイモやサツマイモなどのイモるいなど、炭水化物たんすいかぶつばれるものはブドウ糖ぶどうとうのもとになります。からだうごかすためや成長せいちょうのためだけでなく、のうはたらきを活発かっぱつにするためにも、きちんと食事しょくじることは大切たいせつだとえます。ねむりからめ、栄養えいよう不足ふそくぶそくのうにとって、とりわけ朝食ちょうしょく最高さいこうのご馳走ちそうです。
 こんな実験じっけん結果けっかがあります。ラットを迷路めいろほうむと、まず一目散いちもくさんはしします。しかし、人間にんげんのように高度こうど知能ちのうたないラットのことですから、すぐにみちまよい、あがきはじめます。あがいているラットののうないは、どんな状態じょうたいになっているのでしょう。のうなかには様々さまざまはたらきをする場所ばしょがあり、それぞれが自分じぶん役目やくめたすためにはたらいています。迷路めいろ空間くうかん認識にんしきする能力のうりょく必要ひつようとします。迷路めいろれられたラットののうない空間くうかん記憶きおくつかさど部分ぶぶんブドウ糖ぶどうとうあたいは、通常つうじょうよりもおおきくんでいたそうです。それだけのうがエネルギーを使つかったということになります。注射ちゅうしゃによってブドウ糖ぶどうとう補給ほきゅうしてあげたところ、迷路めいろけの成績せいせきがったという結果けっかられました。つかれきったのうが、ブドウ糖ぶどうとうというエネルギーを補給ほきゅうしたおかげで見事みごと元気げんきもどしたのです。
 あるく、はしるというおおきな動作どうさともなからだうごきとくらべてみると、のう仕事しごとは、はっきりとはえません。ですから、そんなにもおおくのエネルギーを必要ひつようとするとは想像そうぞうできないでしょう。しかし、おおくのエネルギーが必要ひつようだということは、それだけ重要じゅうようはたらきをしているからにほかなりません。のう大変たいへんはたらものです。わたしたちがねむっているあいだでさえひとときもやすまずにはたらつづけます。のうなかは、神経しんけい細胞さいぼうがぎっしりとつまっていて、からだのすみずみまで命令めいれいしています。心臓しんぞううごきや呼吸こきゅうでさえ、のう命令めいれいしているおかげで一時いちじいっときやすまずにつづけられているのです。
「Oh! No.なんばー(オー、ノー)すこやすみたいよ。」
 そうおもうこともあるかもれません。それでも、のうはたらつづけます。

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいωおめが


長文ちょうぶん 2.1しゅう
 【一番いちばんめの長文ちょうぶんようちょういちさんがつのものを再掲さいけいしています。】
【1】いまからせんねんくらいむかしのことです。文明ぶんめいがさかえはじめたころの人々ひとびとは、夜空よぞら見上みあげて、宇宙うちゅうというのは、自分じぶんたちのんでいるこの地球ちきゅうだけだとおもっていました。【2】きらめくほしは、そらというたか天井てんじょうにはりついているもので、太陽たいようつきも、そらにはりついてうごいてき、しずむと地面じめんしたとおってまたひがしにいくとかんがえていたのです。
 ギリシャ時代じだいになって、宇宙うちゅうのしくみがかんがえられるようになりました。【3】世紀せいきころごろ活躍かつやくした天文学てんもんがくしゃプトレマイオスは、天動説てんどうせつというかんがえをとなえました。それは、地球ちきゅう宇宙うちゅう中心ちゅうしんにあって、そのまわりを太陽たいようつき惑星わくせいがぐるぐるまわり、いちばん外側そとがわ恒星こうせいがあるというかんがかたです。【4】まだ、望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめいされていない時代じだいのこのかんがかたは、そのせんねんものあいだ人々ひとびとしんじられました。
 じゅうろく世紀せいきになって、地球ちきゅう宇宙うちゅう中心ちゅうしんというかんがかた異議いぎとなえたのは、ポーランドの天文学てんもんがくしゃコペルニクスでした。【5】コペルニクスのかんがかたは、宇宙うちゅう中心ちゅうしん太陽たいようで、地球ちきゅう惑星わくせい太陽たいようのまわりを円形えんけい軌道きどうにそってまわっているというものでした。地球ちきゅうほううごいているとかんがえられたことから、地動説ちどうせつばれています。
 【6】はじめて望遠鏡ぼうえんきょう使つかってほしたのはじゅうなな世紀せいき、イタリアのガリレオ・ガリレイでした。ガリレオは望遠鏡ぼうえんきょうによって、つきのクレーターや太陽たいよう黒点こくてんなどをつぎつぎと発見はっけんしました。
 ニュートンが「万有引力ばんゆういんりょく法則ほうそく」を発見はっけんすると、惑星わくせいうごきはもっと正確せいかくにわかるようになりました。【7】万有引力ばんゆういんりょく法則ほうそくでは、すべてのものはたがいにっているとかんがえられました。そこで、つき地球ちきゅう地球ちきゅう太陽たいようもたがいにかれっていて、まわりをまわることができるとしたのです。しかし、そのときもまだ、宇宙うちゅう中心ちゅうしん太陽たいようで、宇宙うちゅうとは太陽系たいようけいのことでした。
 【8】じゅうはち世紀せいきになり、イギリスの天文学てんもんがくしゃハーシェルによって、宇宙うちゅう恒星こうせい世界せかいまでひろがり、銀河系ぎんがけいというものがわかるようになってきました。わたしたちの地球ちきゅう位置いちが、銀河系ぎんがけいなかのひとつになったのです。
 【9】じゅう世紀せいきはいると、すぐれた技術ぎじゅつ望遠鏡ぼうえんきょう次々つぎつぎ開発かいはつされ、恒星こうせいまでの距離きょりはかることができるほど高性能こうせいのうになりました。この観測かんそくのおかげで、銀河系ぎんがけいおおきさも、銀河系ぎんがけいなかのさまざまな天体てんたいのことも、そして銀河系ぎんがけい以外いがい銀河ぎんが、さらに宇宙うちゅう全体ぜんたいのすがたまでもがわかるようになってきたのです。
 【0】人間にんげん世界せかいは、どんどんひろがっていきます。やがて宇宙うちゅうおおきさもえてひろがっていくのかもしれません。

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいμみゅー
 【1】がつさんにちみっか節分せつぶんです。ぼくたちはまめまきをしました。
おにそとぶくうち。」
と、元気げんきよく大声おおごえをあげました。パラパラとまめらばります。おもしろくてどんどんげました。ベランダからそとげるときは、ちょっとだけこえちいさくしました。【2】どうしてかというと、よるなので大声おおごえをあげると近所きんじょ迷惑めいわくになるからです。
まめ片付かたづけはチップにやらせるからじゃんじゃんまいていいよ。」
と、おかあさんがわらいながらいました。チップというのはぼくのいえいぬです。【3】まいたまめいしんぼうのチップがきれいにべてしまいます。
 まめまきのあと、ぼくがおとうさんとおかあさんにとしとしかずだけまめくばりました。
「おとうさんはさんじゅういちさいだからさんじゅういちね。はい。」
そうっておとうさんのまえまめきました。【4】おかあさんには、
「はい、おかあさんはさんじゅうよんね。」
と、さんじゅうよんかぞえました。
「いいなあ、こんなにいっぱい。」
と、ぼくがうらやましそうにうと、
「いいでしょう。」
と、おかあさんはにっこりしました。【5】おかあさんが、
としとしかずだけとってべるんだよ。」
うので、ぼくとおとうとたちは自分じぶんまめりました。ぼくはろくでリョウタは。キョウタはよんのはずでした。でも、ぼくはキョウタがよん以上いじょうくちれているのをてしまいました。【6】キョウタのやつ、それじゃあぼくより年上としうえじゃないかとおもいました。リョウタはちゃんとだけべていました。ぼくもろくだけべました。ぼくとリョウタは真面目まじめだなとおもいました。
 みんなにくばってからもまだまめのこりました。【7】のこったまめはぼくがつくったかみはこれてテーブルのうえいておきました。そのまめを、おとうさんがべていました。つぎからつぎへとまめくちほうんでいます。まるでまめほうからおとうさんのくちにふっんでくるみたいです。【8】おもしろそうなのでぼくも真似まねしてばくばくとべてしまいました。だからぼくもとしとしかずよりもべてしまいました。どうしてとしとしかずだけべるのかなあと不思議ふしぎおもいました。まめがきらいなひとはどうするのかなと心配しんぱいになります。【9】としとしかずだけべるのじゃなくて、はじめからきなだけべることにしたらいいとおもいます。
 ふと、おじいちゃんとおばあちゃんのかおおもしました。
「じいとばあはろくじゅうまめべたのかな。」
と、おかあさんにいてみました。【0】おかあさんは、
「さあ、どうかな。今度こんど電話でんわいてみたらいいんじゃない。」
ってわらいました。

原作げんさく しゅんのすけ 編集へんしゅう 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ωおめが


長文ちょうぶん 2.2しゅう
 【1】ところがあくるあさ、かあさんゾウがをさまして、おどろきました。バオバブがいなくて、そのかわり、ぜんぜんしらないゾウが、よこにねむっているのです。かあさんゾウは、あわててとうさんゾウをおこしました。
 【2】をこすりこすり、そのゾウをみてとうさんゾウもおおあわて。それにしても、なんというあつかましいゾウでしょう!
 いや、それよりも、バオバブは、いったいどこへいったのでしょう。
 【3】ふたりはますますあわてて、そのゾウのおしりを、おもいきりけっとばしてやりました。もしかすると、そのしたじきになっているかもしれないではありませんか。かわいそうなバオバブちゃん!
 【4】けれど、そのゾウはのんびりとをひらき、
――いたいなあ、とうさん……
 というのです。
――とうさんだって!
 とうさんゾウは、あきれてしまいました。こんなおおきなゾウに、とうさんなんてよばれるおぼえはない。【5】すると、かあさんゾウが、とんきょうなこえをあげました。
――まああ、とうさん、それはバオバブぼうやですよ!
――バオバブぼうやだって……。
 どうみても、ぼうやなんてからだつきではないのです。とうさんゾウよりおおきいくらいなのですから。
【6】――ほら、あのしたのなきぼくろ……
 さすがはかあさんです。ちゃんと、むすこのとくちょうをおぼえていました。
――そうですよ、ぼく、バオバブですよ。 とうさんたら、じぶんのむすこをみわすれるなんて、ひどいなあ。
 【7】そんなことをいったって、このおおきなゾウを、どうしてきのうのかわいいバオバブぼうやだとおもえるでしょう。とうさんゾウは、じぶんのみみをひっぱってみました。
――まだあんなことをやってる。ゆめじゃありませんよォ。
 【8】バオバブが、ふふくそうにいいました。
――ぼくだといったら、ぼくなんです。ぼくは、おおきくなるのがはやいだけなんですよ。
 はやいといっても、はやすぎる、ひとばんでわしよりおおきくなるなんてことがあるものか……と、とうさんゾウは、まだほんとうにできないようすです。
 【9】しかし、そういうあいだにも、 バオバブは、どうやらすこしずつそだってゆくようなのです。とうさんゾウは、すこしずつのたかくなってゆくむすこをみあげなければなりませんでした。のまえのできごとです。ほんとうにするほかはありません。

 【0】そのうちに、バオバブはとうさんのばいほどのおおきさにもなってしまいました。ガスいりの風船ふうせんでなしに、なかみもちゃんとつまったほんもののゾウです。とうさんだといっても、きみわるがらずにはいられませんでした。このぶんでいったら、あしたは、どうなることでしょう。
 とうさんゾウとかあさんゾウはかおをみあわせるばかりでした。
 
 バオバブは、そのちょうしでどんどんおおきくなりはじめました。
 とうさんゾウは、むすこのかおをみるのに、えらくなんぎしなければなりませんでした。もともとくびのないゾウのこと、みあげるのはにがてなのです。
 でも、そんなことはまだよかったのです。こまったことに、バオバブのからだがおおきくなるにつれて、バオバブがたべるものも、ずんずんふえてゆくのです。みるみるうちに、あたりのたべものは、きれいさっぱりなくなってしまいました。
 これでは、ゾウがものすごいいきおいでふえてゆくようなものでした。とうさんゾウは、いそいでとしよりたちのところへしらせにいきました。

 はなしをきいてほんきにしなかったとしよりたちも、バオバブをみると、たまげてしまいました。これが、ついこのあいだ、ほそいはなをふうにふかれてをほそめていたゾウのあかんぼうでしょうか。
 としよりたちは、イヌがウマをみあげるようにバオバブをみあげなければならないので、すっかりあわててしまいました。そして、バオバブのたべっぷりをみて、もっとあわてました。これでは、いくらたべものがあっても、たりなくなってしまう。たいへんなゾウをかかえこんだものです。
「ぽけっとにいっぱい」より(今江いまえ 祥智よしとも)フォア文庫ぶんこ


長文ちょうぶん 2.3しゅう
 【1】すごくきれいね! トトが、かあさんをふりむいていいました。
 もりあきもりはきんいろとべにいろの色紙いろがみ細工ざいくです。もっと、あっちへいこう、――トトは、かあさんにせがみました。あぶないわ。いまは、にんげんがやまなかをあるきまわるときなのよ。【2】かあさんがとめました。だってこんなにきれいなんだもの。トトはピョコピョコ、シカのよこっとびでかけだしました。そしてたにまへのみちにでたとたん、
――おッ!
 たちすくんだのはトト。【3】たちどまってさっと鉄砲てっぽうをかまえたのはにんげんです。わかいりょうしです。かあさんが、ひととびでトトのよこにならびました。そしてあたまで、トトをぐいと、おしていいます。トト、おにげ! トトはにげない。【4】トトは、とうさんのことをおもいだします。これがとうさんをいなくしちまったにんげんか! トトはなつにあったポロをおもいだします。ゾクッとからだじゅうをむしゃぶるいがはしり、トトはあたまをぐっとさげ、するどいつきで、りょうしをにらみつけました。【5】トト! かあさんが、またおします。けれどトトは、けんめいです。ポロとおなじかまえで、さっととびかかろうとしたとたん、
――あっはっは!
 にんげんがわらいました。
――うてねえな、おまえは……。
 【6】そのわかいりょうしは、鉄砲てっぽうのつつさきをあげていいました。
――そのちびさんが、かあさんをまもろうってんだからな。
 トトはにんげんのいってることばは、わからない。ただ、かあさんがもうおさないので、きけんがさったことは、わかりました。
【7】――おれにゃ、うてねえよ。
 りょうしはしろをみせて、かあさんにはなしかけるようにいいました。
――こんなきれいなのこジカは、ころせねえ。
 かあさんはトトに、ぴったりよりそいました。【8】トトはきゅうにぐったりして、そこへすわりこみたくなりました。そのとき、にんげんが、どなるようにいいました。
――おい、はやいとこにげてくれよ! またがかわるかもしれないんだぜ。
 かあさんが、ぐいとトトをおしました。【9】こんどはトトもひととびです。あかるい栗色くりいろふたつのてんがもりなかにきえたとき、りょうしは鉄砲てっぽうをかまえてそらにむけてうちました。
 グァアン! ……あかのかれはが、パラパラと、りょうしにふりかかりました。【0】

「ぽけっとにいっぱい」『もりのシカ、トト』より(今江いまえ 祥智よしとも)フォア文庫ぶんこ


長文ちょうぶん 2.4しゅう
 宮崎みやざきけん幸島こうしまというところにいる野性やせいのサルのむれは、人間にんげんがまいてやるサツマイモをうみなみであらって、塩水えんすいしおみずあじつけをしてべることで有名ゆうめいです。
 そのころ、日本にっぽんではまだあまりサルの研究けんきゅうをするひとがいませんでした。しかし、サルが大好だいすきだった京都きょうと大学だいがく今西いまにし錦司きんじさんたちは、幸島こうしまのサルを観察かんさつしたくてやってきたのでした。ところが幸島こうしまのサルは、りょうられたことがあったために、人間にんげんをとてもこわがっていました。そこで京都きょうと大学だいがくひとたちは、サルを安心あんしんさせようと、サツマイモをまいてやりました。そのサツマイモを、サルはあらってべるようになったのです。それまで外国がいこくでは、サルの研究けんきゅうをするとき、えさをまいてやるということはしていませんでした。
 そのほかにも、外国がいこくひとがやっていないことを、この日本にっぽんわか研究けんきゅうしゃたちはしました。むれのサルに、いちひきいちひきいっぴきいっぴき名前なまえをつけて観察かんさつしたのです。たとえば、こわいボスザルには「カミナリ」、わかくてあたまのいいオスザルには「ヒヨシマル」といったぐあいです。
 日本にっぽんでの研究けんきゅうになれてくると、京都きょうと大学だいがくひとたちは、アフリカにってゴリラやチンパンジーの研究けんきゅうもするようになりました。
 そして、研究けんきゅうしたことを国際こくさい会議かいぎ発表はっぴょうしましたが、それをいて世界せかいのサル学者がくしゃたちはたいへんおどろきました。日本にっぽんで、こんなにりっぱなサルの研究けんきゅうがされていたとはおもっていなかったのです。日本にっぽんのサルの研究けんきゅうがいちばんすすんでいる、と世界せかいのサル学者がくしゃたちは感心かんしんしました。そんな世界せかいのサル学者がくしゃたちがもっとおどろいたのが、日本人にっぽんじんがサルたちに名前なまえをつけていたことなのでした。
 世界せかい学者がくしゃたちは、サルに番号ばんごうしかつけていませんでした。それに、サルのかお性格せいかくいちひきいちひきいっぴきいっぴきちがうことにもがついていなかったのです。
 西洋せいようひとは、人間にんげん動物どうぶつはまったくちがうものだと、はっきりわけてかんがえていました。けれど、日本人にっぽんじんむかしから、人間にんげん動物どうぶつとはあまりわらないものだというかんがかただったのです。サルもタヌキもキツネも、日本人にっぽんじんにとってはおなむら仲間なかまのようなものでした。だから、いま時代じだいになっても、わか研究けんきゅうしゃはごく自然しぜんに、サルになまえをつけたのでした。サルを番号ばんごうでよぶことのほうが、むしろやりにくかったのです。
 最初さいしょのころ、世界せかい学者がくしゃたちは、日本人にっぽんじんがサルにちかいからそういうことができるのだとかんがえていました。しかし、いまでは、世界中せかいじゅうのサルの研究けんきゅうしゃたちは、この日本にっぽん方法ほうほう使つかって、サルたちに名前なまえをつけて研究けんきゅうするようになっています。そのほうが、サルたちの社会しゃかい生活せいかつについて、よく理解りかいできることがわかったからです。

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいλらむだ


長文ちょうぶん 3.1しゅう
一番いちばんめの長文ちょうぶんようちょういちさんがつのものを再掲さいけいしています。】
 【1】夏休なつやすみのともといえばやはりカブトムシです。昆虫こんちゅう王様おうさまぶにふさわしいその姿すがたは、どもたちの視線しせんをとらえてはなしません。ペットショップのカブトムシコーナーは、毎年まいとし黒山くろやまひとだかりができていますし、採集さいしゅうツアーも登場とうじょうするほどです。
 【2】いかにも丈夫じょうぶそうな姿すがたのカブトムシですが、そのいのちはそれほどながいものではありません。たまごからかえり、ふゆした幼虫ようちゅうは、さなぎへと姿すがたえ、なつになると成虫せいちゅう、つまりカブトムシへと変身へんしんしますが、成虫せいちゅうになってからのいのちはおよそいちげつほどといわれています。【3】ですから、夏休なつやすみがわるころは、ちょうどカブトムシのいのちもつきる時期じきにあたるのです。クワガタムシも、カブトムシとならんで人気にんきがあります。カブトムシがひとなついのちなのにたいして、クワガタムシの場合ばあい種類しゅるいによっては越冬えっとうできるものもあります。えっとうれしくなってしまうでしょう。
 【4】大切たいせつそだてていたカブトムシのかなしいものですが、んでしまったからといってすぐに飼育しいくケースを処分しょぶんしてはいけません。ケースのなか腐葉土ふようどをそっとのぞいてみましょう。もしかしたら、ちいさなたまごつかるかもしれません。【5】直径ちょっけいさんミリ程度ていどしろくてまるたまごです。孵化ふか直前ちょくぜんたまごおおきさはミリ程度ていどになり、いろ黄色おうしょくあじびてきます。このたまごをじょうずにそだてることができたら、大切たいせつにしていたカブトムシのせい対面たいめんできるがやってくるのです。
 【6】たまごからかえった幼虫ようちゅうは、おもに腐葉土ふようどべておおきくなります。幼虫ようちゅう時代じだい摂取せっしゅした栄養えいようが、成虫せいちゅうのカブトムシのおおきさを決定けっていづけけます。いったん成虫せいちゅうになってしまったら、どんなに樹液じゅえきったところでそれ以上いじょうおおきくはなりません。【7】立派りっぱおおきさのカブトムシは、幼虫ようちゅう時代じだい十分じゅうぶん栄養えいようっていたのです。もしも人間にんげんがカブトムシとおな性質せいしつだったらどうでしょう。成人せいじんしたらいくらべてもふとらないわけですから、ダイエットにはげんでいる大人おとなにとってはなんともうらやましいはなしです。
 【8】通常つうじょういちひきぴき幼虫ようちゅうさなぎになるまでにべる腐葉土ふようどりょうは、洗面せんめん山盛やまもいちはいぶんにもなるそうです。カブトムシは、そんな大量たいりょう腐葉土ふようどをかぶっとむしゃむしゃべてしまうのです。さすがに昆虫こんちゅう王者おうじゃおどろいてしまいます。
 【9】友達ともだち自慢じまんできるくらいのおおきなカブトムシをそだてるためには、良質りょうしつ腐葉土ふようどえず補充ほじゅうしてあげることが大切たいせつです。また、飼育しいくケースのなかのフンをのぞいたり、掃除そうじをしたり、根気こんきよく世話せわつづけることが必要ひつようです。
 【0】では、カブトムシとクワガタムシでは、どちらがつよいでしょうか。カブトムシの得意とくいわざは、カブトりでしょう。クワガタムシの得意とくいわざは、もちろんクワかためです。結果けっかは、カブトもクワガタも、おたがいをムシしてけになりました。

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいωおめが
 【1】先週せんしゅう日曜日にちようびに、おとうさんと神奈川かながわスケートリンクへきました。わたしはこのをとてもたのしみにしていました。テレビでフィギュアスケートをて、すっかりスケートのファンになりました。フィギュアスケートは絶対ぜったい見逃みのがしません。【2】おかあさんは、
「どうしてあんなことができるのだろうね。」
不思議ふしぎそうです。わたし不思議ふしぎおもうけれど、練習れんしゅうしたらできるかもれないとおもっています。だから、いちでいいからスケートをやってみたかったのです。
 【3】おとうさんは、学生がくせいのころにアイスホッケーをしていたそうです。わたしがスケートにきたいとったら、
「おとうさんがおしえてあげるよ。」
と、得意とくいそうにいました。そして、来月らいげつ日曜にちようこうと約束やくそくしてくれました。
 【4】スケートじょうくと、すぐにスケートくつぐつりました。しろくつです。わくわくしながらいてみると、おもっていたよりもおもくて窮屈きゅうくつでした。まるでペンギンのようなあるかたでスケートリンクまであるきました。
【5】「よし、すべってみようか。ゆっくりおいで。」
と、おとうさんがこおりうえっています。おそるおそるこおりうえってみました。おとうさんのにぎるよりもさきにつるんとしりもちをついてしまいました。ほんの一瞬いっしゅん出来事できごとです。
【6】「こんなにすべるんだ。ああ、びっくりした。」
と、れながらうと、おとうさんは、
「すぐにれるさ。おとうさんとをつないで練習れんしゅうだ。」
と、わたしこしてくれました。おとうさんにられながらなんとか一周いっしゅうしました。【7】なんころびそうになってドキッとしました。しゅうでは、すこ余裕よゆうてきました。みぎひだりみぎひだり順番じゅんばんあしすこともおぼえました。さんしゅうになると、ちょっとたのしくなってきました。
「うまい、うまい。コツがわかってきたみたいだね。」
と、おとうさんもめてくれました。【8】おとうさんとをつないでなんしゅうすべったあとで、おもって一人ひとりひとりだけですべってみることにしました。深呼吸しんこきゅうをして、
「できる、できる、絶対ぜったいできる。」
と、自分じぶんにいいきかせました。スーッと右足みぎあしして、つぎはスーッと左足ひだりあし。とてもゆっくりだけど、わたしからだすすみました。
【9】「すごいぞう。やったな。」
とうさんのこえこえます。おとうさんのかおようとかおげた瞬間しゅんかん、またしりもちをついてしまいました。でも、いたくありません。どうしてかというとすべれたことがうれしくていたさもんでしまったからです。【0】そのも、なんころびながら練習れんしゅうしました。時々ときどきとうさんがひとりですべりにくこともあります。おとうさんはまるでスケート選手せんしゅのようです。わたしは、うっとりしながらながめました。わたしはやくあんなふうにすべれるようになりたいです。

言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ωおめが


長文ちょうぶん 3.2しゅう
 【1】ピピはまちのどうぶつえんに、つれてこられました。こんどあたらしくひらかれたどうぶつえんです。
 園長えんちょうさんはだいおおよろこびで、かかりの二郎じろうじろうをよびました。
【2】――二郎じろうじろうくん、はくクマのどもだよ。きっとみんなよろこぶ。さあひがしのC26ばんにいれたまえ。
 ひがしC26のおりは、ペンギンのしまです。しろおおきなこおりやまがつくってあり、まわりはプールです。もっともこおりはコンクリートせいですがね。【3】しかしペンギンは、つぎの捕鯨ほげいせんでもってきてもらえることになっているので、まだいちぴきもいません。
 ピピがC26のおりのうらからかおをだしてそのしろ氷山ひょうざんをみたとき、どれほどよろこんだことでしょう! 【4】おもわず二郎じろうじろうはなをこすりつけたほどです。さあっとからだじゅうにきれいなみずがはしり、青空あおぞらをたべたようなもちでした。ピピははねまわって氷山ひょうざんにとびうつり、さて、くびをペタリとつけて、ねそべってみました。【5】きたのくにでは、いつもこうして、おひるねをしていたものですからね。
 ところが、オヤオヤオヤ、くびのところがちっともひんやりしないのです。おかしいな、とおもってピピは、もうすこししたへおりてゆき、そこでまたねそべってみました。【6】やっぱりおなじです。ピピはおきあがって、じっと氷山ひょうざんをみあげました。まっさおななつそらにして、ぐっとつったつなつかしいふるさとの風景ふうけいとおなじです。
 おかしいな。ピピはおもいきってエイッとこおりをひっかいてみました。【7】ジーンと、いたみがからだじゅうをつきとおって、がしびれました。なにしろ、コンクリートをおもいきりひっかいたんですからね! つめがはがれて、ピピの右手みぎては、たちまちまっかです。けれどピピは、くやしくってくやしくっていたみなどかんじません。
 【8】だまされたのです。こんなかたい氷山ひょうざんなどこしらえて!
 ピピはそのときからずっと、おりのおくから、ちっともでませんでした。だまってをとじて、すみっこでねむっているのです。おりのなか冷房れいぼうがしてあります。【9】ですから、そとのにせもののきたのくにほどのきちがいめいたあつさはありません。
 二郎じろうじろうもこまりました。なにをもってきてもたべない。どうしてもうごかないのですからね。このままでは、まちがいなしに病気びょうきになります。
 【0】おきゃくさんたちは、まいにち、からっぽの氷山ひょうざんをながめてかえるだけでした。
 どこかでペンギンのこえがしてバタバタと羽音はおとがきこえたようながしました。けれどピピは、もうけっしてをあくまい、からだをうごかすまい、とこころにきめていたので、じっとしていました。それから、からだがもちあげられて、どこかへはこばれるようにもおもいましたが、やはりピピは、そのままじっとしていました。

 それからずいぶんながいあいだ、ピピは、こんどはほんとにねむりこんでしまいました。どうぶつえんにもってこられたペンギンたちといれかえに、ピピは、ふたたびきたのくにへつれもどされていったのです。まいにちのピピのひとりぼっちのすがたをみて、がまんできなくなった二郎じろうじろうが、ねっしんに園長えんちょうさんにたのんだのです。ふねはピピをつんで、きたきたへとはしっていました。
 ふねひとたちはこおりうえにそっとピピをおろしました。こおりのつめたさが、すこしずつピピのこころをあたためてゆきました。
――んじまったのかな? ひとりがつぶやきました。それから、みんなはいそがしそうにふねにひきあげてゆきました。ピピは、うっすらとをひらきました。
 こんどこそ、まちがいなしに、ほんもののこおり、ほんとのきたうみのにおいです。
 けれどピピは、もう二度にどとおきあがれませんでした。ただ、からだじゅうがかるくなって、すいすいとそらにまいあがってゆくがしました。
 ピピのからだのまっすぐうえうえそらから、小熊こぐまのとおいほしが、ピピのふるさとのしろ世界せかいを、しずかにみおろしていました。
「ぽけっとにいっぱい」より(今江いまえ 祥智よしとも)フォア文庫ぶんこ


長文ちょうぶん 3.3しゅう
 【1】みよちゃんは、このあいだから、こっそりおもいつづけていることがあります。
――いっちゃおうかな……と、よるになるとおもいます。でも、ちょっとはずかしくって、いえないのです。けれど、きょうはほしのとくべつにきれいなよるでした。【2】そこで、みよちゃんは、とうとう、おねだりしたのです。
――ね、おとうさん、おねがい。
 ほほう……と、おとうさんは、めずらしそうにふりむきました。
――あれ、とって。
 みよちゃんは、そらにたくさんあるほしをゆびさしました。
 【3】あははは。おとうさんはわらって、
――あれは、だめ、ほしだもの。
 みよちゃんのかおはクシャンとゆがんで、べそをかきました。どうしてほしならだめなのかしら。
 おにいちゃんなんか、あんなたかいところをとんでるトンボでも、ひょいとつかまえてくるのに……。
【4】――あれはね、とってもとおいところにあってとてもおおきいんだ。
 けれどもみよちゃんには、おとうさんのせつめいなぞみみにはいりません。おもいつづけていたことを、やっといったのに、あははは、とわらわれちゃったんですからね。
 【5】みよちゃんはだまっていえをでていって、うしろのおかにのぼりました。そらほしに、いっそうちかくなったのするところです。そして、そこにしゃがんでなきはじめました。
 エーンエンエンエン
 【6】おおきななみだが、ポタンポタンとおっこちて、つちにすいこまれてゆきます。すると、そのへんでへんなおとがするのです。
 コボン、コボ、コボ、ポコン
 みよちゃんはきみがわるくなって、なきやみました。【7】そしてたちあがったとたん、ポウン……と、あしもとのつちがはねのけられて、みょうないきものがかおをだしました。
――えへへ、ぼく、モグラだよ。
 モグラなんて、しりません。
 【8】けれどモグラのほうは、いっこうにへいきでつづけました。
――みよちゃんが、あんまりなみだをおとすんで、ぼくのいえのまえのみちね、そこの天井てんじょうがゆるんじまうんでね。
――あら、ごめんなさい。
――みよちゃんはあやまりました。
【9】――だって、わたし、そんなところにおうちやみちがあるなんて、がつかなかったんだもの。
 するとモグラは、みじかいをふって、いやいや、べつにあやまってもらわないでも……。そこでふたりは、はなしはじめました。【0】そしてみよちゃんがほしのことをいうと、モグラは、なあんだ、といったかおつきでいうのです。
――ようがす。
 それからくるりとまわれみぎ五分ごぶもしないうちに、またあなからかおをだすと、
――これですよ、かけらしかとれませんでしたがね。
 ひょいとさしだしたのは、つちのかたまりです。こんなつちなんて、と、みよちゃんがうけとらないでいると、モグラはいうのです。
――だってこの地球ちきゅうも、ほしひとつなんですよ。そらのむこうからみれば、あおくひかって、くるくるまわってるんです。
 へええ、そうなの、と、みよちゃんはおもいました。

「ぽけっとにいっぱい」『ほしをもらった』より(今江いまえ 祥智よしとも)フォア文庫ぶんこ


長文ちょうぶん 3.4しゅう
 北極ほっきょく地方ちほうは、さむさがたいへんきびしく、うみもほとんどごおりでおおわれています。いまでは、北極ほっきょく陸地りくちがないことがわかっていますが、むかし地図ちずなかには、北極ほっきょくてん中心ちゅうしんよっつの大陸たいりくえがかれているものがあります。きた極点きょくてん陸地りくちうみかということさえ、ながあいだ、なぞだったのです。
 じゅうろく世紀せいきに、ふねによる北極ほっきょく探検たんけんはじまりました。北極ほっきょくかいほっきょくかいには、あつさが天井てんじょうこうたかさほどもあるこおりいちめんかび、ゆっくりと移動いどうしています。北極ほっきょく探検たんけんでは、移動いどうしてきたこおりふねめられて遭難そうなんするなど、おおくのいのちうしなわれました。
 もうひとつ、探検たんけんたちにおそれられていたのは、壊血病かいけつびょうという原因げんいん不明ふめい病気びょうきです。これはなかなか解決かいけつできない問題もんだいで、この病気びょうきによって隊員たいいんたちが次々つぎつぎたおれていきました。この病気びょうき原因げんいんは、ビタミンCの不足ふそくでした。航海こうかいちゅうには、野菜やさい果物くだものなどの新鮮しんせんものべることがむずかしいので、らずらずのうちにビタミンCがりなくなっていたのです。
 じゅうきゅう世紀せいきわりごろから、探検たんけんたちはさまざまなルートで北極圏ほっきょくけんはいり、地球ちきゅうもっときたであるきた極点きょくてんをめざしました。ノルウェーのナンセンは、北極ほっきょくてんのすぐちかくまでふねちかづくことができました。しかし、すぐちかくとってもその距離きょりは、東京とうきょう大阪おおさかほどもはなれていました。また、南極なんきょく探検たんけん有名ゆうめいなアムンゼンは、大西洋たいせいようからアメリカ大陸あめりかたいりくきたとおって太平洋たいへいようにぬける北西ほくせい航路こうろを、はじめて通過つうかすることに成功せいこうしました。
 西洋せいようじんとしてきた極点きょくてん最初さいしょったのは、アメリカのロバート・ピアリーだとわれています。しかし、かれ簡単かんたんきた極点きょくてん到達とうたつできたわけではありませんでした。はじめてきた極点きょくてんいどんだ探検たんけんだい失敗しっぱいわり、凍傷とうしょうによりあしゆびはちほんはっぽんうしなってしまったのです。普通ふつうだったらどうしようと途方とほうれてしまうところですが、それでもピアリーはけませんでした。失敗しっぱいした体験たいけんかし、なが時間じかんをかけて計画けいかくなおし、ふたたあらたな探検たんけんました。この探検たんけんでは、さむさにつよいぬぞりや、イグルーというこおりつくったいえをうまく使つかい、ついにきた極点きょくてん到達とうたつすることができました。じゅうろく世紀せいき北極ほっきょく地方ちほうへの探検たんけんはじまってから、やくさんひゃくねんもの年月としつきねんげつがたっていました。
 西洋せいようじんにとっては、ながあいだ北極ほっきょく未知みち世界せかいでしたが、北極圏ほっきょくけんには、もともと先住民せんじゅうみんぞくんでいました。かれらはイヌイットとばれており、なに世紀せいきなんせいきものあいだあいだ外部がいぶとほとんど接触せっしょくをしないでらしてきました。うみむアザラシやセイウチなどのりを中心ちゅうしん生活せいかついとなみ、独自どくじ文化ぶんかつくっていたのです。イヌイットは、西洋せいようじんよりもはるかに北極ほっきょくのことをよくっており、探検たんけんたちが、かれらからまなぶべきことはおおくありました。最後さいご探検たんけんのとき、ピアリーは、きびしい北極ほっきょく環境かんきょうれたおおくのイヌイットをれていました。イヌイットのちからりたことも、ピアリーを成功せいこうにみちびくおおきな要因よういんだったのでしょう。

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ