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課題集
長文ちょうぶん 4.1しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい音読おんどく練習れんしゅうはどちらかひとつで。】
 【1】わたしのクラスでは、モルモットをひきっています。いち年生ねんせいのときからわたしたちのクラスにいます。いちひきぴき茶色ちゃいろながで、くろをしています。名前なまえはココアです。もういちひきぴきは、しろくてみじかあかをしています。名前なまえはミルクです。【2】やす時間じかんになると、わたしは、いつもモルモットをにいきます。毎日まいにちてもきません。
 今日きょうあさからあめでした。そとあそべないので、お昼休ひるやすみのあいだも、ずっとモルモットをていました。わたしは、どちらかというとココアがきです。【3】ココアの茶色ちゃいろなががとてもきれいだからです。わたしがココアをつめると、ココアもじっとわたしつめてきました。まんまるくろつめられていると、すこれくさくなります。
 わたしは、ときどきココアをそっとっこして背中せなかをなでてあげます。【4】それから、やさしくみみあたりをなでてあげます。すると、ココアは、「クックックックッ」とこえし、気持きもさそうにをつぶります。そんなココアをると、わたしもうれしくなります。
 わたしは、ココアをだききながら、
「かわいいね、ココア。」
と、こえをかけました。【5】すると、となりにいたメイちゃんが、
「ミルクもかわいいよ。」
いました。わたしが、
「メイちゃんは、ミルクのどこがきなの。」
くと、メイちゃんは、
しろがきれいだもん。」
こたえました。
「そう。わたし一緒いっしょ茶色ちゃいろがきれいだからココアがきなんだ。」
 【6】そうして、わたしとメイちゃんは、かお見合みあわせてにっこりしました。
 ココアとミルクという名前なまえは、みんなで相談そうだんしてめました。女子じょしはちゃんと名前なまえんでいますが、男子だんしなかには、めた名前なまえばないもいます。
【7】「おい、ネズきち。」
などとふざけていながら、乱暴らんぼうげるもいるので、すこ心配しんぱいです。でも、ココアもミルクも全然ぜんぜんいかりません。まるでたかこうたかいをされているあかちゃんのように、意外いがいたのしいのかもしれません。
 【8】このあいだ、サツキちゃんが長井ながい先生せんせいに、
男子だんし勝手かってにネズおおやけこうとかネズきちなんてぶんです。」
と、文句もんくいました。すると、長井ながい先生せんせいは、
「あらあら。かわいいモルモットなのにね。」
わらいました。
 【9】ココアとミルクは、わたしたちのクラスのアイドルです。わたしは、こんなかわいいモルモットをっているクラスは、ほかにはないだろうなあとおもいました。【0】

言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ωおめが
 【1】わたしたちはねむっているとき、レム睡眠すいみんというあさねむりと、ノンレム睡眠すいみんというふかねむりをかえしています。「レム」というのは「目玉めだまがよくうごく」という意味いみ英語えいご略語りゃくごで、「ノンレム」というのは、「目玉めだまうごかない」という意味いみです。【2】レム睡眠すいみんのときにはわたしたちの身体しんたいやすんでいますが、のうはまだ活動かつどうしています。そして、ノンレム睡眠すいみんのときには、身体しんたいとともにのうやすんでいます。
 【3】ゆめは、おもにこのレム睡眠すいみんのときにているとわれています。
 ゆめには、まえかんがえていたことや、ているあいだ自分じぶん身体しんたいかんじたことも影響えいきょうしているようです。【4】ですから、テストのまえにはテストのゆめたり、トイレにきたいのを我慢がまんしているとトイレにゆめたりします。【5】また、「自分じぶんでもどうしてこんなゆめたのかわからない」というようなへんゆめも、じつはしんおくかくされているもうひとつの自分じぶんあらわれではないかとわれています。
 【6】ゆめるのは、人間にんげんだけではありません。いぬゆめます。いぬている様子ようすていると、ねむりながら、うなったり、しっぽをふったり、あしうごかしたりすることがよくあります。【7】いぬだけではなく、ある程度ていどのう発達はったつした動物どうぶつには、このような現象げんしょう観察かんさつされるそうです。
 いま人間にんげんのうはたらきにちか能力のうりょくった人工じんこう知能ちのう開発かいはつすすんでいます。【8】のうはあまりにも複雑ふくざつなので、人工じんこう知能ちのう完全かんぜんのうわりができるはそう簡単かんたんにはそうにありませんが、その研究けんきゅう一環いっかんとして、人工じんこう知能ちのうゆめさせようという研究けんきゅうもあります。【9】いろいろな画像がぞうやその刺激しげきあたえて、それをゆめとしててさせようというこころみです。これは、科学かがく世界せかいでのゆめのあるはなしです。【0】

 言葉ことばもりながちょうぶん作成さくせい委員いいんかい τたう


長文ちょうぶん 4.2しゅう
 みずでっぽうをもったさかな――おもしろいてっぽううお――

【1】「じろう、しゃげきのじょうずなさかなをってるかい。」
 おとうさんがおっしゃいました。
「えっ、しゃげきのじょうずなさかな。そんなさかながいるの。」
【2】「うん、いるんだよ。てっぽうをうって、むしをとるのさ。ただし、みずでっぽうだ。みずなかにいるさかなだからな。」
「どこにいるの。」
日本にっぽんじゃないよ。フィリピンとかミャンマー(ビルマ)とか、あついみなみのくにのかわにいるのだよ。」
 【3】みなさんも、こういうめずらしいさかながいることを、まだらないでしょうね。
 そのさかなは、ながさじゅうろくセンチくらいの、ちょっとたいににたさかなですが、くちがいくらかつきだしています。
【4】「おひるのおやつに、なにかおいしいものをさがしてこようかな。」
おもうと、かわのきしのほうを、すいすいとおよいでいきます。そして、くさやのはにとまっている、むしをさがします。
 【5】むしがつかると、きゅうにみずうえにあたまをだして、くちのさきをむしのほうにさしむけ、みずでっぽうをはなつのです。そのよくあたること。けっして、しっぱいしないそうです。
 【6】むしは、たちまちかわなかにころげおちます。そこを、ぱくりとたべてしまうのです。
 ですから、このさかなを、てっぽううおとよんでいます。
 【7】てっぽううおは、どうしてこんなにじょうずに、みずをふきだすことができるのでしょうね。
 みなさんは、さかなが、ほっぺたのところをぱくぱくうごかして、みずをすったりはいたりするのをっているでしょう。
 【8】あのぱくぱくうごくところを、えらぶたといいますが、てっぽううおがえらぶたをとじて、みずくちなかにすいこむときには、ちょうどインクをだしいれするスポイトのゴムのようなはたらきをするのだそうです。ですから、みずがぴゅっといきおいよくとびでるのです。
 【9】それから、このさかなのしたさきがたいへんうすくなっていて、したのさきをまるめるとみずをうちだすのにつごうのよいみぞができます。それで、まっすぐにねらったところへみずをとばすことができるのです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐり年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 4.3しゅう
 さかなのめだまがひっこし――ひらめとかれい――

 【1】みなさんは、かれいとひらめのが、どこについているか、っていますか。
 かれいのは、ふたつとも、あたまのみぎがわについているし、ひらめは、ふたつとも、あたまのひだりがわについています。
 【2】ところが、かれいもひらめも、こどものときはほかのさかなとおなじように、あたまのみぎひだりひとつずつついているのです。それが、からだがおおきくなると、いつのまにか、ふたつともかたほうによってしまうのです。
 【3】ずいぶんおかしなことですね。
 なぜかというと、かれいもひらめも、おとなになると、ひらべったいからだのかたがわをぴったりうみのそこにつけていますから、ひとつのしたになっていては、ぐあいがわるいのです。
 【4】かれいは、ひだりがわをしたにして、よこになりますから、みぎがわのほうへひっこしをするのです。ひらめは、みぎがわをしたにして、よこになりますから、ひだりがわのほうへひっこしをするのです。
 【5】なぜ、かれいとひらめとでは、はんたいがわに、がひっこしをするかといいますと、それにはわけがあるのです。かれいは、からだのみぎがわが、うすぐろく、ひだりがわがまっしろです。
 【6】うみのそこで、うすぐろいほうをうえにしていれば、すなのいろとおなじですから、じぶんをいじめるさかながやってきてもきづかれません。
 【7】また、えさがそばへきたときは、つかまえるのに、ぐあいがいいからです。
 【8】それとはんたいに、ひらめは、からだのひだりがわがうすぐろく、みぎがわがまっしろです。だから、うすぐろいひだりがわをうえにしているのです。
 【9】らいちょうのはねや、ほっきょくぎつねのが、まわりのゆきやめんのいろとおなじようにかわるおはなしを、まえにしましたが、ひらめやかれいは、はじめからからだのかたがわがすなのいろをしていて、そのほうをうえせているのです。
 これも、やっぱりほごしょくのひとつです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐり年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 4.4しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい読解どっかい問題もんだいよう長文ちょうぶんいち番目ばんめ長文ちょうぶんです。】
 地球ちきゅう表面ひょうめんななわりうみです。りく地形ちけい簡単かんたんることができますが、うみなか地形ちけいることができません。ながあいだ海底かいてい地形ちけいはなぞにつつまれていました。しかし、じゅう世紀せいきになって、ふかうみなか調しらべる技術ぎじゅつ発達はったつしました。たとえば、うみそこ音波おんぱをぶつけて、はねかえってくる時間じかんのちがいから、うみふかさをはか方法ほうほうかんがされたのです。こうして、しだいに海底かいてい姿すがたがわかってきました。
 海底かいてい地形ちけいると、陸地りくち以上いじょうおおきなさんだにがたくさんあることにおどろかされます。陸上りくじょう山脈さんみゃくとはまったくくらべものにならないほど、なが山脈さんみゃくつづいていたり、ふかたになんほんもきざまれている場所ばしょもあります。海底かいていは、やまありたにありなのです。なぜ、うみそこはこのような地形ちけいになっているのでしょう。
 地球ちきゅう中心ちゅうしんからは、いつもあついマグマが上昇じょうしょうしています。マグマは、地殻ちかくいてあたらしい海底かいていつくります。うみ山脈さんみゃく、つまり海嶺かいれいは、あたらしい海底かいていまれている現場げんばです。またうみたに、つまり海溝かいこうは、海底かいてい地球ちきゅう中心ちゅうしんしずみこんでいる場所ばしょです。海嶺かいれい海溝かいこうも、たいへん地震じしんきやすい場所ばしょです。
 地球ちきゅう表面ひょうめんは、じゅうまい以上いじょういたかれており、それぞれがことなった方向ほうこうにゆっくりとうごいています。そのスピードは、いちねんすうセンチメートルほどです。海底かいてい陸地りくちも、このプレートとばれるいたうえってすこしずつうごきます。これをプレートテクトニクス理論りろんいます。したをかみそうな名前なまえなので、テクトウ(適当てきとう)にみたくなってしまいます。
 プレートがのプレートとぶつかる場所ばしょはどうなっているのでしょう。そこでは片方かたがたのプレートがあたらしくまれており、もう片方かたがたのプレートがそのしたしずみこんでいます。海底かいていさんだには、プレートがうごくときにおおきなちからがかかってできるきずのようなものです。まさに地球ちきゅうきているということがわかります。
 陸地りくちうごいているのではないかということを最初さいしょかんがえたのは、じゅう世紀せいきはじめのウェゲナーというひとでした。かれは、世界せかい地図ちずているとき、陸地りくちをはさみでってジグソーパズルのようにわせてみると、ぴったりうことにがついたのです。アフリカ大陸たいりく西にし南米なんべい大陸たいりくひがし海岸かいがんせんなど、おどろくほどうまくかさなります。このふとしたおもいつきから、かんがされたのが大陸たいりく移動いどうせつです。大昔おおむかし地球ちきゅうにはパンゲア大陸たいりくばれるひとつの巨大きょだい大陸たいりくがあり、これがいくつかにかれて移動いどうし、現在げんざいのようなたくさんの大陸たいりくになったというかんがかたでした。
 しかしウェゲナーは、なぜ大陸たいりくかれてうごいていったのかということまでは、うまく説明せつめいできませんでした。そのため、当時とうじ学者がくしゃたちは大陸たいりく移動いどうせつ疑問ぎもんをいだいていました。また、自分じぶんたちの生活せいかつ基盤きばんである大地だいちうごくというかんがえは、人々ひとびと反発はんぱついました。ウェゲナーは化石かせき調査ちょうさなどをおこない、その証拠しょうこしめそうとしましたが、グリーンランドを探検たんけんちゅう遭難そうなんしてしまいました。
 ウェゲナーの死後しご、いったんほろびったかにえた大陸たいりく移動いどうせつは、プレートテクトニクス理論りろんとともに復活ふっかつすることになります。世界せかい地図ちずてふとひらめいたかんがえが、すうじゅうねんとき真実しんじつであるとわかったのです。
 ウェゲナーがいまきていれば、きっとうれしゲナーがおをしたでしょう。自分じぶんただしかったことが証明しょうめいされて、ウェゲナーはうれしなきをしたかもしれません。「ウェーン。」

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ
 【1】現代げんだい携帯けいたい電話でんわという便利べんりなものがありますが、むかし情報じょうほうひとつはこぶのも大変たいへんでした。【2】手紙てがみにして、相手あいてのいるところにまでとどけなくてはなりません。もちろん荷物にもつはこぶトラックも鉄道てつどうもない時代じだいです。
 【3】江戸えど時代じだい、このような郵便ゆうびん宅配たくはい便びん仕事しごとをしていたのが飛脚ひきゃくでした。戦乱せんらんなかでは、各地かくち関所せきしょかれ、みち自由じゆう通行つうこうすることができませんでした。【4】しかし、江戸えど平和へいわ時代じだいになると、街道かいどう宿場しゅくば整備せいびされ、ひとぶつ移動いどうがスムーズになったのです。
 【5】飛脚ひきゃくのうちで、料金りょうきんがいちばんやすいものは、なんにちとどけるという保証ほしょうがないものでした。いそぐものやおもいものは値段ねだんたかいというところはいまおなじでした。
 【6】飛脚ひきゃくたのむとき、ちかいところだといまのおかねすうひゃくえん江戸えどから大阪おおさかまでのもっとはや特急とっきゅう便びんだとすうじゅうまんえんもかかったそうです。
 ところで、なぜうま使つかわなかったのか、という疑問ぎもんがわいてきます。【7】理由りゆうとしては、当時とうじうまいま競走きょうそうのようにはやくなかったこと、遠距離えんきょりはしれなかったこと、そしてなによりリレーしていくうまつねっておく費用ひようがかかりすぎたことなどがげられています。
 【8】さて、これらの飛脚ひきゃく明治めいじ時代じだいはいって、イギリスから郵便ゆうびん制度せいどれられたことにより、その役割やくわりえました。郵便ゆうびんくにだけがおこなうようになり、切手きってをはるという仕組しくみもできました。【9】江戸えど時代じだい飛脚ひきゃくたちが、いま高速こうそく情報じょうほう通信つうしん時代じだいたら、まるくすることでしょう。もしかしたら、マラソン選手せんしゅになって、オリンピックで活躍かつやくするかもしれません。【0】

 言葉ことばもりながちょうぶん作成さくせい委員いいんかい αあるふぁ


長文ちょうぶん 5.1しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい音読おんどく練習れんしゅうはどちらかひとつで。】
 【1】ある、おじいちゃんから電話でんわがありました。おじいちゃんは、
ってるか。今日きょうよるながぼしがいっぱいられるんだぞ。」
おしえてくれました。オリオン流星りゅうせいぐんというのだそうです。ぼくは、ながぼしたことがありません。【2】いそいでおかあさんにいました。
「おかあさん。今日きょうながぼしられるんだって。」
 ぼくは、おにいちゃんにもらせました。それから、ぼくは、おかあさんに、
よるなかになったらぼくのことこしてね。おねがい。」
たのみました。【3】おかあさんは、
「いいねえ。じゃあ、こすからかならきてね。よるさむいから、上着うわぎしておこうか。」
と、早速さっそく準備じゅんびはじめました。
 そのよる、ぼくは、おかあさんにからださぶられてましました。【4】おかあさんは、かおちかづけると、
いま、すごくおおきいのがながれたよ。」
いました。ぼくはあわててがると、そとしました。おかあさんが上着うわぎっていかけてきました。ぼくたちは上着うわぎ羽織はおると、レジャーシートのうえにごろりとよこになりました。【5】いそいでよこになったので、ゴツンと地面じめんあたまをぶつけてしまいました。
「そんなにあせらなくて大丈夫だいじょうぶ。まだまだこれからだよ。ほら、あれがオリオンでしょう。オリオンあたりをていてごらん。【6】あっというあいだながれちゃうから、ようくそらていてね。」
と、おかあさんがいました。おかあさんがおしえてくれたほうけると、ちいさなほしみっならんでひかっています。
「ようし。いつでもこい。」
ぼくは気合きあいをれました。
 【7】しかし、しばらくちましたが、なかなかられません。おまけにすこさむくなってきました。おかあさんが、
「あたたかいココアでもれてこようか。」
いました。ぼくとおにいちゃんは歓声かんせいをあげました。【8】まるでぼくの気持きもちがつたわったみたいでした。
 ちょうどココアをんでそらていたときです。さあっとひとつ、ほしながれました。
「あっ!」
さんにんこえかさなりました。【9】ぼくにとっては、はじめてのながぼしでした。ひかりは、あっというながれてえました。
 そのよる、ぼくは、全部ぜんぶいつつのながぼしました。ねがごとはできなかったけれど、ぼくは満足まんぞくしてベッドにはいりました。【0】

言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ωおめが
 とりのごうとう――いじわるなとうぞくかもめ――

 【1】にんげんには、どろぼうやごうとうなど、ときどきわるいことをするひとがいますね。
 ところが、とりにも、どろぼうやごうとうがいるといったら、きっとみなさんは、ふしぎにおもうでしょう。
 【2】とうぞくかもめという、うみのとりが、そうなのです。
 ほかのかもめやうみどりが、さかなをとってとびたとうとしますと、とうぞくかもめはいきなりとんでいって、
「おい、そのさかなをこっちへよこせ。」
とかなんとかいって、おどかすのです。
 【3】すると、あいてのとりは、びっくりして、くわえたさかなをおとします。
 もしも、さかなをのみこんでしまったあとだったら、とりは、おなかのなかから、むりにさかなをはきださせられます。
 【4】そして、とうぞくかもめは、さかながうみにおちないうちに、うまくうけとめて、たべてしまうのです。
 【5】また、ほかのとりが、のえだをあつめてすをつくりますと、じぶんのすをつくるのに、そのえだをよこどりしにきます。
 すのまえでおおきくはねをひろげてとびまわりながら、おどかすのです。【6】とうぞくかもめは、ひじょうにさむいところにすんでいますが、ほっきょくのちかくにいるのと、なんきょくのちかくにいるのとでは、しゅるいがちがいます。
 【7】日本にっぽんのなんきょくかんそくたいがいったオングルとうのちかくにもとうぞくかもめがたくさんいました。
 【8】いつもからふといぬをおそったり、ねこをねらったり、ときには、かんそくたいのひとたちをおそったりしたそうです。にんげんにはとてもかなわないということを、らないのですね。
 【9】おかげで、かんそくたいのひとたちは、とうぞくかもめをてっぽうでうちおとして、やきとりをつくり、だいよろこびだったそうです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐり年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 5.2しゅう
 しぜんにできたいわのはし――にじのうきはし――
 
 【1】さんうみにいきますと、ふしぎなかたちのいわが、たくさんあるのを、よくますね。
 【2】アメリカのユタしゅうというところには、だれがつくったのでもない、しぜんにできたおおきないわのはしが、たににまたがって、いくつもあります。
 【3】これは、『にじのうきはし』とよばれていますが、たかさがはちじゅうメートルもあって、まったくそらににじがかかったかとおもわれるような、うつくしいかたちをしています。
 【4】ちょっとたのでは、まんなかからおれはしないかとおもわれて、こわいようです。
 【5】けれど、だいじょうぶです。うまにのってパカパカわたっているひとがあるくらいですから。
 【6】こんなはしが、しぜんにできるなんて、じつにふしぎですね。
 【7】このへんは、ひろいさばくで、つよいかぜがたえずいわにすなをふきつけます。【8】それで、はじめはあたりまえのいわだったのが、すなかぜのためにだんだんやわらかいところがけずりとられて、ながいあいだに、それこそなんまんまんねんとたつうちに、とうとう、こんなかたちのいわができたのです。
 【9】それにしても、かぜのちからは、つよいものですね。【0】

(「世界せかいふしぎめぐり年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 5.3しゅう
 あたたかいゆきのいえ――イヌイット(エスキモー)のくらし――
 
 【1】ゆきのいえがあたたかいなんて、ちょっとおかしいですね。
 【2】そのゆきでつくられたいえは、ほっかいどうなどよりも、もっと、ずっときたのほうのさむいくににあるのです。
 【3】ほっきょくにちかいアラスカというところにイヌイットというひとたちがすんでいますが、このイヌイットたちが、ゆきでつくったいえのなかで、くらしているのです。
 【4】ゆきのいえをつくるには、まず、かたいゆきをよんかくにきってまるいわのかたちにならべ、そのうえへだんだんつみかさねてつくります。
 【5】ちょうど、おわんをふせたようなかたちにして、ちいさないりぐちをひとつつけ、つみかさねたすきまをやわらかいゆきでふさいで、もうできあがりというわけです。
 【6】つくりあげるのに、はんにちくらいしかかかりませんが、それでも、このゆきのいえは、たいへんじょうぶなのです。【7】いりぐちがちいさいので、そとのさむいかぜははいってこないし、なかではあざらしのあぶらをもやしますから、さむいことは、ありません。
 【8】てんじょうにちいさいあなをいくつかあけておいて、にごったくうきをだしたり、いえのなかがあたたかくなりすぎて、ゆきがとけないようにしてあります。【9】イヌイットは、ふゆのあいだは、このゆきのいえですごして、なつになると、テントのいえでくらすのですが、ゆきのいえは、ふゆのあいだじゅうとけません。【0】

(「世界せかいふしぎめぐり年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 5.4しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい読解どっかい問題もんだいよう長文ちょうぶんいち番目ばんめ長文ちょうぶんです。】
 わたしたちは、文字もじ使つかうことで、自分じぶん意思いし相手あいてつたえることができます。しかし、人類じんるい最初さいしょから文字もじっていたわけではありません。わたしたちのとお祖先そせん文字もじたず、はな言葉ことばぶり、ぶり、音楽おんがくおどりまで使つかって、意思いしつたっていました。
 文字もじまれる最初さいしょのきっかけは、ものかたちにかいたことでした。あるとき人間にんげんは、ちいさなをいくつもかいて、意思いしつたえることをおもいつきました。けれども、ひとによって見方みかたことなるので、うまくつたわることもありますが、誤解ごかいされることもおおかったことでしょう。また、いくら単純たんじゅんといっても、たくさんかくのはたいへんです。より簡単かんたんにかけるように、かたちはだんだん単純たんじゅんされていきました。
 最初さいしょ文字もじ発明はつめいしたのは、いまのイラクの南部なんぶ当時とうじはバビロニアとよばれていた地域ちいきんでいたシュメールじんだとわれています。いまからせんねんまえのことです。シュメールじん文字もじは、簡単かんたんにした記号きごうのようなもので、そのひとひとつに意味いみがありました。このような文字もじは、絵文字えもじとよばれています。絵文字えもじ使つかって文章ぶんしょうくためには、膨大ぼうだいかず文字もじ必要ひつようです。これを使つかうのはたいへんむずかしく、またわかりにくいという欠点けってんがありました。
 そこで、それぞれの文字もじ意味いみたせるのではなく、ひとつの文字もじひとつの音声おんせいをあてはめることをかんがえた人々ひとびとがいました。そうすれば、それほどたくさんの文字もじ必要ひつようなくなり、はな言葉ことばをそのままうつせるようになるので、簡単かんたん使つかえるようになります。このようなおとだけをあらわ文字もじを、表音ひょうおん文字もじといいます。文字もじは、どんどんからとおざかり、単純たんじゅん記号きごうになっていきました。
 ひとひとつの記号きごう意味いみ表意ひょうい文字もじは、絵文字えもじ象形しょうけい文字もじなど、数多かずおおくありましたが、どれもずっとむかし使つかわれなくなってしまいました。しかし、いまでも使つかわれている表意ひょうい文字もじがあります。それは漢字かんじです。中国ちゅうごくには、おおくの文学ぶんがく作品さくひん宗教しゅうきょう書物しょもつがあり、漢字かんじは、むかしからそれほどわらないかたちけつがれてきました。
 日本語にほんごには、表意ひょうい文字もじである漢字かんじと、表音ひょうおん文字もじのひらがな、カタカナがあり、それらをぜてぶんあらわします。これは、世界せかい言語げんごなかでも特殊とくしゅで、外国がいこくじんからると、たいへんむずかしい言語げんごです。
 大昔おおむかし日本にっぽんには文字もじがありませんでした。日本人にっぽんじんはじめて使つかった文字もじは、中国ちゅうごくからつたわった漢字かんじです。最初さいしょは、はな言葉ことば日本語にほんご文章ぶんしょう中国ちゅうごく漢文かんぶんという状態じょうたいでした。漢字かんじばかりの漢文かんぶんは、おおくの日本人にっぽんじんにとってちんぷんかんぷん(漢文かんぶん)だったことでしょう。
 その漢字かんじ意味いみ無視むしして、みだけを日本語にほんごおとにあてはめた万葉仮名まんようがなつくられました。これによって、はな言葉ことば文字もじ表記ひょうきできるようになりました。さらに、漢字かんじかたちをくずして、一文字ひともじひとおんをあてはめたひらがなができました。また、漢字かんじ一部分いちぶぶんをとったり、簡単かんたんかたちにしたりすることによって、カタカナもつくられました。
 現在げんざいでは、漢字かんじとかなをまぜて、自由じゆうぶんあらわすことができます。ひらがなの五十音ごじゅうおんだけで、文章ぶんしょうをつづることもできるし、どの言葉ことば漢字かんじあらわすかは、ひとこのみでめることができます。これは、日本語にほんご表記ひょうきのすばらしい特徴とくちょうえるでしょう。
 ただ、面倒めんどうだからといって、すべてひらがなでくと、おもわぬ誤解ごかいまねくことがあるので注意ちゅういしましょう。たとえば、つぎぶんはどのようにめるでしょうか。「ははははははとわらった」(はははハハハとわらった・ハハハハハハとわらった)、「きのうおかあさんとぱんつくった」(パンつくった・パンツった) 長文ちょうぶんちょうぶんκかっぱ
 【1】湿しめったみずのあるところがきです。とおくからでもひと体温たいおんあせからでる水分すいぶんかんじてよってきます。そして、ちくりとします。【2】ですから、は「このひとはおいしくなさそうだから、あっちのひとにしよう」とひとをみてすのではありません。【3】体温たいおんたかひとあせかきのひとのほうが標的ひょうてきにされるのです。【4】また、スポーツをしてあせをかいたあとやお風呂ふろあがりでからだがほてっているときなどは、されやすくなります。
 【5】をすうたまごったメスだけです。メスでも、たまごっていないときは、はなみつ果物くだものしるなどを食物しょくもつとしています。
 【6】いちかい血液けつえきりょうは、体重たいじゅうばいぐらいです。そのため、血液けつえきをたっぷりうと、よたよたしてかたおそくなることがあります。
 【7】たっぷりったは、よんにちたつとすうひゃくたまごみます。たまごはボウフラからサナギになり、やがて成虫せいちゅうになります。【8】たまごから成虫せいちゅうになるまで十日とおかほどですから、なつあいだ次々つぎつぎまれてくるのです。
 【9】天敵てんてきには、トンボやツバメやコウモリがいます。ツバメは、いちにちすうひゃくからすうせんべます。なつそらをトンボやツバメがんでいるときは、つかまえているのです。【0】

 言葉ことばもりながちょうぶん作成さくせい委員いいんかい βべーた


長文ちょうぶん 6.1しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい音読おんどく練習れんしゅうはどちらかひとつで。】
 【1】日曜日にちようびのことです。おとうさんが、
「ちょっと背中せなかんで。」
いました。わたしは、時々ときどきとうさんの背中せなかんであげます。でマッサージをするよりも、わたしほう気持きもちがいいのだそうです。【2】わたしでマッサージをしても、おとうさんにとっては物足ものたりないのでしょう。
 わたしは、靴下くつしたぐと、
「うん、いいよ。」
いました。どうしてかというと、靴下くつしたいているとすべりやすいからです。
【3】「おとうさん、るよ。」
こえをかけて、右足みぎあしから背中せなかりました。そして、おとうさんの背中せなかうえでゆっくりと足踏あしぶみをしました。
「ううん。気持きもちいいなあ。」
とうさんは、うつぶせになったままこえしました。
 【4】背中せなかうえは、バランスをとって足踏あしぶみをするのがすこむずかしいです。それも、おなじところだけでなく、背中せなか全体ぜんたいまなくてはなりません。あしうら全体ぜんたいやさしくむのは、すこしコツがります。
 わたしは、
「もうすこつよんでもいい。」
きました。【5】おとうさんは、
「うん。おもんでいいよ。」
こたえました。わたしは、すこりょくれてはじめました。
 おとうさんの仕事しごとは、からだをたくさんうごかす仕事しごとです。おもいものをはこぶこともあるので、大変たいへんなのだとおもいます。【6】おとうさんは、いつも元気げんきはたらいているので、日曜日にちようびにはたっぷりやすんでほしいとおもいました。
 わたしがしばらくんでいると、おとうさんは気持きもちよさそうに居眠いねむりのふりをはじめました。わたしは、ふざけて、もっとつよしました。
 【7】おとうさんの背中せなかは、ひろくてあつみがあって、まるでちいさなおかのようです。わたしは、いつのにかおとうさんの背中せなかうえにいることをわすれて、おかうえ行進こうしんしているような気持きもちになってきました。
 【8】おとうさんは、しばらくたふりをしていましたが、突然とつぜん
「いたたた。かたつよすぎる。」
ってがりました。わたしは、むかし、おかあさんにやってもらったように、
いたいの、いたいの、んでけえ。」
ってあげました。
 【9】すると、おとうさんは、にっこりして、
「よし、元気げんきになったから、どこかにあそびにこう。」
いました。わたしはうれしくて、おとうさんにびつきました。【0】

言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ωおめが
 およげなくてもしずまないみずうみ――ふしぎなうみしかい――

 【1】うみしかいでは、なぜからだがしずまないのか、そのわけをおはなししましょう。
 ふつう、みずうみは、うみとちがって、まみず(しおけのないみず)のわけです。【2】ところが、このうみしかいは、うみみずよりも、もっとしおからいのです。ろくばいもしおけがおおいのです。
 みなさんは、まみずかわや、プールよりも、しおけのあるうみのほうが、よくおよげるということを、っているでしょう。
 【3】だから、うみよりもしおけのおおいうみしかいでは、からだがうきあがってしまうのです。
 それでは、ふつうのみずうみはまみずなのに、このうみしかいは、なぜそんなにたくさんのしおけをふくんでいるのでしょうか。
 【4】それは、こういうわけです。
 このうみしかいのあるところは、とちがひくくて、うみよりよんひゃくメートルもひくいのです。
 ですから、たくさんのかわが、みんなこのみずうみにながれこんでいます。
 【5】ところで、このへんのとちは、しぜんのしおをふくんでいますので、かわみずがすこしずつしおをうみしかいにはこんでいるのです。ところがうみしかいからは、どこへもみずがながれていきません。【6】そのかわり、つよいたいようにてらされて、みずだけがどんどんじょうはつしますから、しおがみずうみにのこって、だんだんしおけがこくなったのです。
 【7】さて、にんげんがしねないのにうみしかいというなまえがついているわけをおはなししましょう。
 【8】にんげんはしねないけれど、このみずうみには、さかながすんでいないのです。しおからすぎて、さかながすめないのです。
 さかなをはなしてやっても、みんなしんでしまいます。
 【9】にんげんだって、みずにおぼれることはありませんが、あまりながく、このみずうみにはいっていると、からだのひふがぴりぴりしてきて、たいへんなことになります。それで、うみしかいというのです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐり年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 6.2しゅう
 さばくのかいぶつ――サボテンのいろいろ――

 【1】アメリカのアリゾナしゅうとかメキシコへいきますと、やけるようにあついさばくのなかに、きみょうなすがたをしたしょくぶつが、にょきにょきとはえています。
 【2】まるで、かいぶつがをつきだして、おどっているようにえるのです。
 ところで、このかいぶつのからだは、みずでいっぱいなのです。
 【3】どこか、くきのところをきりとって、しぼってみますと、おいしいみずがとれるのです。
 みずのないさばくをりょこうするひとたちは、このサボテンのみずをのんでだいだすかりをします。
 【4】ところが、このたかいくきのてっぺんに、すをつくるとりがあるから、おもしろいではありませんか。
 サボテンふくろうというとりで、ふくろうのうちでも、いちばんちいさいとりです。すずめぐらいしかありません。【5】こんなたかいところの、とげだらけのなかにいればあんぜんだと、すましています。
 このサボテンふくろうはちゃっかりもので、そのすも、じつは、きつつきがすんだことのある、あきやのあなをしっけいしているのです。
 【6】サボテンには、よんせんいじょうのしゅるいがありますが、どれも、はもえだもない、くきばかりのしょくぶつで、からだにいっぱいとげがはえています。
 ずいぶんかわったすがたのしょくぶつですがこれでなくては、さばくのようなところではそだたないのです。
 【7】さばくはあめのすくないところで、めんも、みずけのないすなか、いわばかりのところです。
 ですから、サボテンは、からだぜんたいに、みずけをいっぱいふくんでいるのです。
 はっぱがないのにも、わけがあります。【8】はっぱがあると、そこからすいぶんをどんどんはきだしてしまいますから、いくらくきがみずをたくさんもっていても、たちまちすいぶんがなくなって、かれてしまうのです。
 【9】そこで、はっぱは、ほそいとげにかわって、やたらとすいぶんをそとにはきださないようになってしまったのです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐり年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 6.3しゅう
 せかいいちのふねをしずめたうみのかいぶつ――おそろしい氷山ひょうざん――

 【1】みなさんは、うみみずがこおって、氷山ひょうざんができたとおもうかもしれませんが、そうではありません。
 【2】うみみずは、あつささんメートルくらいまではこおりますが、それからさきはこおりません。
 【3】そのわけは、こおりがはると、そのしたみずはひえませんし、まして、しおけのあるうみみずは、こおりにくいからです。
 【4】氷山ひょうざんは、なんきょくやほっきょくのりくちをおおっているごおりが、だんだんすべりおちてきてうみにうかんだものなのです。
 【5】ところで、なんきょくの氷山ひょうざんとほっきょくの氷山ひょうざんのかたちを、よくくらべててください。【6】なんきょくのほうは、うえがたいらで、テーブルのようにひろいでしょう。
 【7】ほっきょくのほうは、てっぺんが、やまのようにとがっています。【8】これは、ほっきょくの氷山ひょうざんは、ほとんどがグリーンランドというしまの、ふかいたにまをうずめていたこおりが、うみにすべりおちてできたものだから、たかくて、とがっているのです。
 【9】また、なんきょくの氷山ひょうざんは、ひろいたいりくをおおっていた、たいらなこおりが、うみにうかんだものだから、ひくくて、たいらなかたちをしているのです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐり年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 6.4しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい読解どっかい問題もんだいよう長文ちょうぶんいち番目ばんめ長文ちょうぶんです。】
 アメリカ大陸あめりかたいりくでは、ヨーロッパのひと移住いじゅうするまえから、独自どくじ文明ぶんめい発達はったつしていました。マヤ文明ぶんめいは、いまからせんねん以上いじょうまえに、中央ちゅうおうアメリカのユカタン半島はんとう中心ちゅうしんにおこり、ながあいださかえた、たいへん高度こうど文明ぶんめいです。古代こだいマヤじんは、ジャングルのなかにピラミッドをて、マヤ文字もじをきざんだ石碑せきひて、いくつもの王国おうこくつくりました。しかし、この文明ぶんめい突然とつぜんほろんでしまったのです。マヤ文明ぶんめい滅亡めつぼうは、人類じんるい歴史れきしなかでも、おおきななぞひとつです。
 だれむことができなくなっていたマヤ文字もじは、「ユカタン事物じぶつ」というほん発見はっけんをきっかけに、解読かいどくすすみました。このほんは、マヤじんキリスト教きりすときょうひろめたランダ神父しんぷじゅうろく世紀せいきいたもので、マヤ文字もじうつしとり、説明せつめいぶんくわえられていました。マヤ文字もじは、ひらがなやアルファベットとはかなりことなったものでした。ひと動物どうぶつかお記号きごうわされたもので、どちらかとうと漢字かんじちか文字もじだとかんがえられます。
 「ユカタン事物じぶつ」には、マヤの複雑ふくざつこよみについても、くわしい説明せつめいがありました。このほんのおかげで、マヤじんがどれほど精密せいみつこよみっていたかが、あきらかになりました。かれらは、天文学てんもんがくにとてもよくつうじていました。金星きんぼし公転こうてん正確せいかく計算けいさんしたり、日食にっしょく予測よそくすることもできたのです。さらに、後世こうせい研究けんきゅうしゃたちをおどろかせたことがありました。それは、マヤの数学すうがくです。かれらは、ゼロを発明はつめいしていたことがわかっています。ギリシャやローマのように高度こうど文明ぶんめいをのこした民族みんぞくでも、ゼロという概念がいねんっていなかったことをかんがえると、おどろくべきことです。ただ、ゼロという概念がいねんがないと、テストでれいてんってしかられることがないのは、よいかもしれません。
 マヤじん生活せいかつじょうで、重要じゅうようなのは宗教しゅうきょうです。かれらのあらゆる行動こうどうは、宗教しゅうきょうぬきにはかたることができません。その儀式ぎしきなかには、いまわたしたちからると、残酷ざんこくでばかげているようにえるものもあります。たとえば、いけにえの儀式ぎしきです。当時とうじのマヤじんにとって、いけにえは、神様かみさまねがいごとをするために、なくてはならないものでした。たいていの場合ばあい、いけにえにされるひとも、合意ごういうえだったようです。「ユカタン事物じぶつ」をいたランダ神父しんぷは、この儀式ぎしきをやめさせるため、裁判さいばんおこない、かみぞうをこわし、二度にどとくりがえさないことを人々ひとびとにちかわせたといいます。
 マヤ文明ぶんめいは、なぜ突然とつぜんほろんだのでしょう。それには、いくつかのせつがあります。土地とちがやせて、農業のうぎょうつづけられなくなり、ゆたかな土地とちつけるためにとおくへはなれる必要ひつようがあったというせつや、民衆みんしゅうが、王様おうさま貴族きぞくなどの階級かいきゅう不満ふまんち、暴動ぼうどうおこしたというせつもあります。また、だい規模きぼ飢饉ききん伝染でんせんびょうによって、おとろえていったというかんがえもありますが、いずれにしてもはっきりしたことはわかっていません。
 のちに、この地域ちいきはスペインじんによって征服せいふくされましたが、スペインじんがマヤじん領域りょういきにやってきたとき、マヤじんたちは、自分じぶんたちの過去かこのことについて、なにおもすことができなかったそうです。征服せいふくされたあと、マヤじんたちは、もうピラミッドや石碑せきひてることはなくなりましたが、マヤ文化ぶんかいまでものこっています。マヤの子孫しそんなかには、いま古代こだいマヤじんはなしていたマヤはな人々ひとびとがいます。また、衣装いしょう使つかわれる模様もようには、石碑せきひられた模様もようとよくているものもあります。
 みみをすますと、古代こだいマヤじんたちのこえこえてくるようです。
むかしはユカッタンだけど、などとっていないで、マヤ文明ぶんめい見直みなおすのは、いマヤ。」

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ
 【1】きなことを仕事しごとにしているひとしあわせだといわれています。しかし、「き」ということばはすこしあいまいです。【2】「きらいではない」からはじまって「これがないときていけない」にいたるまで、幅広はばひろ範囲はんい言葉ことばだからです。
 【3】「きなことをつけて、仕事しごとにする」というのは理想りそうてきなことのようにえますが、人生じんせいささえてくれるほどの「きなこと」はそう簡単かんたんにはつかりません。【4】「きなこと」というのはレストランのメニューのようにたくさんならんでいるなかからえらぶのとはちがうのです。
 【5】「きなこと」はつけるというより、「出合であう」ものなのかもしれません。「自分じぶんにはきなことがない」というひとでも、がっかりすることはありません。【6】きなことがこのなかにないのではなく、まだそれに出合であってないだけだからです。
 【7】現在げんざい社会しゃかいではおおくの職業しょくぎょうがあります。じゅうねんまえにはなかったあたらしい仕事しごとまれています。たとえば、インターネットのウェブデザイナーという仕事しごとは、むかし存在そんざいしませんでした。
 【8】自分じぶんきなことをさがしながらきていると、やがて、そのきなことが仕事しごとむすびついてまえあらわれてくるでしょう。【9】いい「出合であい」をするためには、好奇こうきしんしんのアンテナをいつもりめぐらせておくことが大切たいせつです。【0】

 言葉ことばもりながちょうぶん作成さくせい委員いいんかい βべーた