(Translated by https://www.hiragana.jp/)
課題集
長文ちょうぶん 1.1しゅう
 アライグマは、なんでもあらってしまう動物どうぶつです。ものであろうとなかろうと、のまわりにあるどんなものも、前足まえあし器用きよう使つかって、ざぶりとすいにくぐらせてごしごしと念入ねんいりにあらいます。アライグマがあらわないのは、自分じぶんからだぐらいです。前足まえあしみずなかれるくせに、水浴みずあびはだいきらいなのです。だから、きれいこのみきにえて、本当ほんとうはきれいこのみきではないのかもしれません。なになんでもあらうという行動こうどうも、きれいにするためではなく、あそびの一種いっしゅだとわれています。
 アライグマが、一生懸命いっしょうけんめいなにかをあらっているすがたは、たいへんかわいらしいものです。むかし、「あらいぐまラスカル」というアニメが放映ほうえいされ、日本人にっぽんじんあたまなかに、アライグマはかわいらしい動物どうぶつであるというイメージが定着ていちゃくしました。おおくのひとが、ペットとしてってみたいとおもったのです。そこで、もともときたアメリカにすんでいたアライグマが、ペットよう数多かずおお輸入ゆにゅうされました。
 しかし、野生やせいのアライグマは、イヌやネコとはまったくちがいました。ちいさいころは、人間にんげんになつくのですが、大人おとなになるとあつかいかたむずかしくなります。野生やせい動物どうぶつは、自然しぜんなかきていくために、ある程度ていど獰猛どうもう性質せいしつっています。アライグマは、あらい、ペットにてきした動物どうぶつではなかったのです。そこで、こまったぬしがアライグマをこっそりててしまうこともありました。てられたアライグマは野生やせいして、はたけ農作物のうさくもつべあらし、被害ひがいました。
 しかし、はたけをあらすアライグマがわるいのでしょうか。野生やせい動物どうぶつがいちばんしあわせにらせるのは、もともとんでいた場所ばしょです。とおくはなれた日本にっぽんれてきたられたアライグマは、あたらしい環境かんきょう必死ひっしきていただけなのです。
 あつかいにこまってててしまうひとがいる一方いっぽうで、アライグマの生態せいたい勉強べんきょうして、責任せきにんってってくれる里親さとおやさが活動かつどうをしているひとたちもいます。わたしたちは、もっと動物どうぶつのことを勉強べんきょうして、動物どうぶつ人間にんげんがおたがいにしあわせにらせるようにしていかなければならないのでしょう。
「ところで、アライグマさん、本当ほんとう獰猛どうもうなんですか。」
「どうもう、なあんちゃって。」
「いや、そうじゃなくて。」

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長文ちょうぶん 1.2しゅう
 【1】なつあいだ、あんなにたくさんかけたカエルは、ふゆにはまったくかけなくなります。カメやヘビも、ふゆあいだかけません。しかし、またはるになると、姿すがたあらわすようになります。【2】カエルにしてもヘビにしても、あんなにがなくてつるつるのからだでは、さぞふゆにはさむいことでしょう。それに、ふゆあいだは、エサにするむしなどのきものもとてもすくなくなります。【3】それでは、こういう生物せいぶつたちは、さむふゆをどうやってすごしているのでしょう。
 じつは、カエルやカメやヘビなどは、ふゆあいだ冬眠とうみんといって、地面じめんなかいけそこあななど、比較的ひかくてきあたたかそうで安全あんぜん場所ばしょにかくれてているのです。【4】カエルやヘビは変温動物へんおんどうぶつといって、そと気温きおんがってくると、自分じぶん体温たいおんおなじようにがってしまいます。だから、ふゆになって気温きおんがって活動かつどうできなくなると、冬眠とうみんしてしまうのです。
 【5】この冬眠とうみんあいだは、からだなかたくわえたエネルギーを使つかってきていますから、エサをべる必要ひつようがありません。いきさえしなくても大丈夫だいじょうぶなものもいるといいますからおどろきます。【6】いきもせずにきられるとはちょっと生意気なまいきですね。こうして、まるでんだようにねむつづけ、カエルのいなくなった世界せかいしずまりかえるのです。
 【7】はるになり、そとあたたかくなってくると、ねむっているカエルたちのからだもいっしょにあたたまり、体温たいおんがってきます。すると、カエルたちのからだふたた活動かつどうはじめ、「ああ、おなかがすいたなあ」と、そとてきます。【8】そのころには、エサたちも冬眠とうみんから目覚めざめたり、あたらしくまれたりしてたくさんいるので、おなかいっぱい食事しょくじをすることができます。
 「ねむれるもり美女びじょ」という、魔法使まほうつかいにねむらされたお姫様ひめさまはなしがあります。【9】お姫様ひめさま王子おうじさまのキスでながねむりから目覚めざめますが、「ねむれるもりのカエルたち」にとっては、はるあたたかい太陽たいようが、まるで「王子おうじさまのキス」のようにおもえることでしょう。カエルたちは、太陽たいようあたたかさで次々つぎつぎかえるのです。【0】

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長文ちょうぶん 1.3しゅう
 昆虫こんちゅうは、いつも危険きけんにさらされています。そらからりてきたとりのくちばしに一瞬いっしゅんのうちにはさまれてしまったり、不意ふいびてきたカエルのしたられてしまったり、昆虫こんちゅうは、いつもてきねらわれています。そのために、昆虫こんちゅうは、てきからまもるための工夫くふうをするようになりました。そのひとつが擬態ぎたいです。擬態ぎたいとは、自分じぶん姿すがたを、自分じぶん以外いがい生物せいぶつ周囲しゅういいろかたちせることによって、てきをくらます方法ほうほうのことです。
 擬態ぎたいには、おおきくけるとふたつの種類しゅるいがあります。ひとつは、まわりの植物しょくぶつなどにせて、てきつからないようにする方法ほうほうです。えだにそっくりのシャクトリムシやナナフシがこのれいです。とりだけではなく、人間にんげんても、すっかりだまされてしまいます。えだちてきたとおもってひろげたら、それがうごしたのでびっくりしたという経験けいけんがあるひともいるでしょう。この種類しゅるいには、ほかにも、そののとおりけるカレハガやかわけるキノカワガ、はなけるハナカマキリなどがいます。
 もうひとつの種類しゅるいは、まわりにいる危険きけんむしなどにせて、てきせつけないようにする方法ほうほうです。ハチにているアブやスズメガなどがこのれいです。また、悪臭あくしゅうはっするマサギマダラにけるカバシタアゲハやキボシアゲハなどもいます。てきおそわれそうになると、とり目玉めだまのようなはねせたり、毒々どくどくしいいろをしててきおどかしたりする昆虫こんちゅうもいます。
 擬態ぎたい目的もくてきは、動物どうぶつからまもることだけとはかぎりません。カマキリは、いろおなしょくをしているので、獲物えものづかれずにりをすることができます。っぱだとおもってちかづいてきたむしは、すぐさまカマキリのカマにとらえられてしまいます。カマキリのまえ金切かなきごえげてもあとまつり。これっきりというわけです。

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長文ちょうぶん 1.4しゅう
 日本にっぽん主食しゅしょくは、おべいこめです。日本にっぽんおなじように、おべいこめ主食しゅしょくとするくにおおく、インド、中国ちゅうごく東南とうなんアジアの諸国しょこくなどがあります。おべいこめは、つぶのままでべる場合ばあいおおく、みずいてごはんにしたり、おおめのみずいておかゆにしたり、しておこわにしたり、したあとついておもちにしたりするなど、さまざまなかたがあります。また、いたおべいこめをいためてたべるめしや、いためてからくピラフやパエリヤなどもよくられています。
 世界せかいには、おべいこめ以外いがい主食しゅしょくもあります。代表だいひょうてきなものは小麦こむぎです。小麦こむぎは、アメリカ、インドなどでおお生産せいさんされ、かたは、こなにしてからべることがおおく、ねっていたり、めんにしてゆでる方法ほうほうがほとんどです。パンやスパゲッティは、小麦こむぎからつくられます。中国ちゅうごくべられている饅頭まんじゅうまんとうも、ねった小麦粉こむぎこまるめてしたものです。日本にっぽんでおなじみのにくまんも、饅頭まんじゅうまんとういちしゅです。
 トウモロコシは、べいこめ小麦こむぎならんで、世界せかいさんだい穀物こくもつひとつとわれています。メキシコでは、トウモロコシのこなつくった生地きじをうすくのばしていたトルティーヤが主食しゅしょくです。そのほか、トウモロコシをこながゆにしたり、したりしてべます。
 世界せかいには、それぞれのくに気候きこう風土ふうどによっていろいろなものがあります。さむくて作物さくもつ栽培さいばいできない北極ほっきょくちかくにむイヌイットは、カリブーやアザラシのにく主食しゅしょくとしています。むかしのイヌイットはアザラシなどのにくなまべて、ビタミンCがりなくなるのをふせいでいました。もっとも、こおりうえにくいてべていたら、こおりけてうみちてしまうという理由りゆうもあったかもしれません。
 北極ほっきょく探検たんけんしたヨーロッパじんたちは、生肉せいにくなまにくべるのをきらったために、壊血病かいけつびょうくるしめられました。生肉せいにくなまにくけないヨーロッパじんにとって、壊血病かいけつびょう問題もんだいは、なかなか解決かいけつできませんでした。せいにくべるのは、北極ほっきょくというきびしい場所ばしょきのびていくためのイヌイットの知恵ちえだったのです。

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長文ちょうぶん 2.1しゅう
 ちいさなアリの世界せかいは、不思議ふしぎです。ひとつのなかのアリたちは、おたがいが仲間なかまであることをにおいでたしかめあいます。そと出会であったときも、おたがいの触角しょっかくがふれあっただけで仲間なかまだということがわかるので、ものをわけあたえたり、協力きょうりょくしてものをはこんだりします。
 はたらきアリは、おどろくほどおおきなものをはこんでいることがあります。アリはたいへんな力持ちからもちで、自分じぶんのからだのばいぐらいのおもさのものならげることができますし、じゅうばいおもさのものでもきずってはこぶことができます。おおきすぎていちひきぴきはこべないものは、仲間なかまといっしょにはこんだり、そのちいさくちぎってすこしずつはこんだりします。
 仲間なかまどうしはおたがいに協力きょうりょくしますが、がちがえばみんなてきです。ちがうのアリどうしが出会であうと、ものすごいたたかいになることがあります。じょうぶなだいあごや、おしりのさきからでる蟻酸ぎさんぎさんというどく武器ぶきにたたかいます。
 世界せかいには、かわったアリがいます。おそろしいのは、アフリカにすんでいるサスライアリです。サスライアリのとおったあとは、べられるものは何一なにひとのこりません。サスライアリのれは、たとえニシキヘビだろうと、あっというほねだけにしてしまいます。
 きたアメリカやメキシコ北部ほくぶむミツツボアリは、はたらきアリのなかにおなかが異常いじょうにふくらむものがいます。ほかのはたらきアリがあつめたみつをおなかにたくわえ、みつれものの役目やくめをしながら、天井てんじょうからじっとぶらさがっているのです。はたらきアリはおなかがくと、おなかにみつをたくわえたアリのあたまをたたき、はきされるみつをなめます。おなかにみつをたくわえたアリは、まるできている食糧しょくりょう倉庫そうこです。

みつ、ありますか。」
「はい、どうぞ。」
「ありがとう。」
「ぼくにも、ください。」
「もう、ありません。」
「ありー。」

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長文ちょうぶん 2.2しゅう
 動物どうぶつは、体温たいおん調節ちょうせつができるかどうかで、おおきくふたつにけることができます。ひとつは、カエルやヘビ、トカゲ、おおくの昆虫こんちゅうなど、自分じぶんでは体温たいおん調節ちょうせつができない動物どうぶつです。これらの動物どうぶつ変温動物へんおんどうぶついます。つまり、そとさむくなってくると、自分じぶんからだ温度おんどもいっしょにがるのです。このような動物どうぶつは、さむさのきびしいふゆには、あたたかい地面じめんなかあななかで、んだようにねむってごします。
 もうひとつは、自分じぶん体温たいおん一定いっていたもてる動物どうぶつです。人間にんげんもそうですし、とり哺乳類ほにゅうるいはすべて、この恒温動物こうおんどうぶつ仲間なかまです。恒温動物こうおんどうぶつは、定温動物ていおんどうぶつともいます。わたしたちは、ふゆそと気温きおんが〇ちかくまでがっても、体温たいおんはいつもとどうじままです。
 人間にんげんは、ふゆになるとエアコンをつけるなどして暖房だんぼうしますが、もりにいる動物どうぶつたちは、そうはいきません。ふゆになると、エサもすくなくなります。そこで、リスやヤマネ、コウモリなどは、やはり冬眠とうみんするのです。
 しかし、恒温動物こうおんどうぶつ冬眠とうみんは、んだようにねむつづける変温動物へんおんどうぶつ冬眠とうみんとはすこちがいます。リスなどは、冬眠とうみんはいると体温たいおんはじめ、からだはたらきを最小限さいしょうげんにしてねむります。このあいだ、エサはべませんが、いきだけはしています。気温きおんひくくなっても、なない程度ていど体温たいおん調節ちょうせつおこなわれているのです。また、週間しゅうかんくらいごとに目覚めざめがあります。このとき、リスの体温たいおんがり、あきのうちにたくわえておいたエサをべたり、おしっこをしたりしますが、すぐにまた体温たいおんがって冬眠とうみん状態じょうたいになります。これをふゆあいだくりがえしながら、はるっているのです。
 みなさんも、さむふゆあさ、「ああ、リスみたいに冬眠とうみんして、ふゆあいだねむってすごしたいなあ」とおもうことがあるかもしれません。でも、そうしたら、クリスマスのケーキも、バレンタインのチョコも、べられません。人間にんげんは、あたたかいふく暖房だんぼう発明はつめいして、さむふゆあいだなつおなじように活動かつどうできるようになったのです。リスも、本当ほんとう冬眠とうみんなどしないで、クリスマスくらいは、リースをかざってたのしみたいなあとおもっているかもしれません。

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長文ちょうぶん 2.3しゅう
 いつもそらまるえる太陽たいようけてえることがあります。地球ちきゅう太陽たいようまわりをまわっています。その地球ちきゅうまわりをつきまわっています。地球ちきゅう太陽たいようあいだつきはいると、つきがじゃまになって太陽たいようえなくなります。これを日食にっしょくといいます。太陽たいようひかりはなっているので、つきがじゃまをしている部分ぶぶんつきかげになり、地球ちきゅうからはえないということになります。つき太陽たいよう完全かんぜんかくしてしまうことを皆既かいき日食にっしょくといい、一部いちぶかくすことを部分ぶぶん日食にっしょくといいます。地球ちきゅうじょううつつきかげひとつのけんぐらいのおおきさなので、一回いっかい日食にっしょく皆既かいき日食にっしょくられる地域ちいきかぎられます。これをようと海外かいがいまでかけるひともいるくらいです。
 つき太陽たいようでは、地球ちきゅうからかけのおおきさはあまりちがいがありません。実際じっさい地球ちきゅうから太陽たいようまでの距離きょりは、地球ちきゅうからつきまでの距離きょりよんひゃくばいもありますが、太陽たいようつきよんひゃくばいおおきさであるため、地球ちきゅうからのかけのおおきさはあまりわらないのです。しかし、よくはかってみると、つき太陽たいようえるおおきさがすこしずつ変化へんかします。これはつき太陽たいよううごくことによって、地球ちきゅう観測かんそく地点ちてんからの距離きょりわるからです。つきほうおおきいときは、太陽たいよう全体ぜんたいかくしきって皆既かいき日食にっしょくこります。太陽たいようほうおおきいときは、太陽たいようほうがはみして、金環きんかん日食にっしょくとなります。
 日食にっしょく仕組しくみがからなかった古代こだいには、不吉ふきつなことがこる前兆ぜんちょうだとかんがえるひとおおかったようです。皆既かいき日食にっしょくむかしひとは、太陽たいようがすっかりえなくなってしまうのですから、さぞ怪奇かいき現象げんしょうだとおもったことでしょう。
 むかしこよみ太陰暦たいいんれきといい、つきけをいちヶ月かげつとしてつくられていました。現在げんざいこよみ太陽暦たいようれきといい、地球ちきゅう太陽たいようまわりをまわ周期しゅうきもとつくられています。天体てんたいうごきは、わたしたちの生活せいかつにも利用りようされているのです。

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長文ちょうぶん 2.4しゅう
 シマウマのからだ模様もようは、まるで横断おうだん歩道ほどうのようです。横断おうだん歩道ほどう模様もようはとても目立めだつので、シマウマのしろくろ模様もようも、草原そうげんなか目立めだってしまい、肉食にくしょくじゅう簡単かんたんつかってしまうのではないかとおもうかもしれません。しかし、そんなことはありません。
 アフリカの日差ひざしは強烈きょうれつです。昼間ひるま太陽たいようがぎらぎらとりつけて大地だいちあつくなると、かげろうがちのぼります。シマウマのんでいるサバンナ地帯ちたいは、ひろくなだらかなおかのところどころに、ひくしげみや、背丈せたけたかくさむらがあります。ゆらゆらするかげろうのなかで、シマウマの姿すがたはちょうどくさにまぎれて、えにくくなります。あのシマ模様もようは、ライオンやハイエナの嗅覚きゅうかくがとどかないところにいるかぎり、まもるのにとても都合つごうがよいのです。このように、身体しんたいからだえにくくさせるいろのことを、保護ほごしょくびます。
 シマウマが、なぜ横断おうだん歩道ほどうのような模様もようをしているかについて、もうひとせつがあります。それは、サシバエ(しバエ)からまもるためというせつです。アフリカには、ツェツェバエというおおきなハエがいて、アブのようにひと動物どうぶつします。ツェツェバエという名前なまえは、ボツワナの言葉ことばで「うしたおしてしまうハエ」という意味いみです。ハエにとっては、さかええある名前なまえかもしれません。人間にんげんがこのハエにされると、からだなか病原びょうげんたいはいって、ときにはいのちとすこともあります。
 ツェツェバエのからると、シマウマのシマ模様もようえにくいらしく、シマウマのまわりにたかるハエは、ほかの動物どうぶつくらべてぐんとすくないのです。
 ところで、シマウマのしま模様もようは、いちとうずつすべてことなっています。人間にんげん指紋しもんにはひとつもおなじものがありませんが、シマウマの模様もようもちょうどそれとています。わたしたち人間にんげんからると、どれもおなじようにえる模様もようですが、ひとつとしておなじものがありません。
 さて、しまのつく動物どうぶつは、ほかにもいます。シマリス、シマダイ、シマヘビ、島田しまだくん。それは人間にんげんです。

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長文ちょうぶん 3.1しゅう
 【1】いまからせんねんくらいむかしのことです。文明ぶんめいがさかえはじめたころの人々ひとびとは、夜空よぞら見上みあげて、宇宙うちゅうというのは、自分じぶんたちのんでいるこの地球ちきゅうだけだとおもっていました。【2】きらめくほしは、そらというたか天井てんじょうにはりついているもので、太陽たいようつきも、そらにはりついてうごいてき、しずむと地面じめんしたとおってまたひがしにいくとかんがえていたのです。
 ギリシャ時代じだいになって、宇宙うちゅうのしくみがかんがえられるようになりました。【3】世紀せいきころごろ活躍かつやくした天文学てんもんがくしゃプトレマイオスは、天動説てんどうせつというかんがえをとなえました。それは、地球ちきゅう宇宙うちゅう中心ちゅうしんにあって、そのまわりを太陽たいようつき惑星わくせいがぐるぐるまわり、いちばん外側そとがわ恒星こうせいがあるというかんがかたです。【4】まだ、望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめいされていない時代じだいのこのかんがかたは、そのせんねんものあいだ人々ひとびとしんじられました。
 じゅうろく世紀せいきになって、地球ちきゅう宇宙うちゅう中心ちゅうしんというかんがかた異議いぎとなえたのは、ポーランドの天文学てんもんがくしゃコペルニクスでした。【5】コペルニクスのかんがかたは、宇宙うちゅう中心ちゅうしん太陽たいようで、地球ちきゅう惑星わくせい太陽たいようのまわりを円形えんけい軌道きどうにそってまわっているというものでした。地球ちきゅうほううごいているとかんがえられたことから、地動説ちどうせつばれています。
 【6】はじめて望遠鏡ぼうえんきょう使つかってほしたのはじゅうなな世紀せいき、イタリアのガリレオ・ガリレイでした。ガリレオは望遠鏡ぼうえんきょうによって、つきのクレーターや太陽たいよう黒点こくてんなどをつぎつぎと発見はっけんしました。
 ニュートンが「万有引力ばんゆういんりょく法則ほうそく」を発見はっけんすると、惑星わくせいうごきはもっと正確せいかくにわかるようになりました。【7】万有引力ばんゆういんりょく法則ほうそくでは、すべてのものはたがいにっているとかんがえられました。そこで、つき地球ちきゅう地球ちきゅう太陽たいようもたがいにかれっていて、まわりをまわることができるとしたのです。しかし、そのときもまだ、宇宙うちゅう中心ちゅうしん太陽たいようで、宇宙うちゅうとは太陽系たいようけいのことでした。
 【8】じゅうはち世紀せいきになり、イギリスの天文学てんもんがくしゃハーシェルによって、宇宙うちゅう恒星こうせい世界せかいまでひろがり、銀河系ぎんがけいというものがわかるようになってきました。わたしたちの地球ちきゅう位置いちが、銀河系ぎんがけいなかのひとつになったのです。
 【9】じゅう世紀せいきはいると、すぐれた技術ぎじゅつ望遠鏡ぼうえんきょう次々つぎつぎ開発かいはつされ、恒星こうせいまでの距離きょりはかることができるほど高性能こうせいのうになりました。この観測かんそくのおかげで、銀河系ぎんがけいおおきさも、銀河系ぎんがけいなかのさまざまな天体てんたいのことも、そして銀河系ぎんがけい以外いがい銀河ぎんが、さらに宇宙うちゅう全体ぜんたいのすがたまでもがわかるようになってきたのです。
 【0】人間にんげん世界せかいは、どんどんひろがっていきます。やがて宇宙うちゅうおおきさもえてひろがっていくのかもしれません。

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長文ちょうぶん 3.2しゅう
 あきになると、「クマがた」「クマにおそわれた」などといったニュースをくことがあります。これは、ふゆごもりにそなえてたくさんのエサをべようとしているクマが、人間にんげんんでいるところにまでやってきてしまうからです。
 動物どうぶつには、そと気温きおんわせて体温たいおんがってしまう変温動物へんおんどうぶつと、そと気温きおんにかかわらず、体温たいおん一定いっていたもてる恒温動物こうおんどうぶつがいます。恒温動物こうおんどうぶつといっても、けっして体温たいおん高温こうおんというわけではありません。クマも、ふゆあいだあななかでじっとしていますが、これはカエルのような変温動物へんおんどうぶつ冬眠とうみんや、リスやヤマネのようなしょう動物どうぶつ冬眠とうみんとはすこちがいます。したがって、クマの場合ばあい冬眠とうみんとはばずふゆごもりとんでいます。
 ふゆごもりちゅうのクマの体温たいおんは、いつもとくらべてさんしかがりません。エサもべず、おしっこやくそふんもしませんが、完全かんぜんねむっているわけではなく、いつでも目覚めざめることができます。だから、なにかがちかくをとおるとしてきたり、ふゆでもエサをさがしてうろついたりするものもいるそうです。さむくてもエサがつかればええさ、とおもっているのでしょうか。
 ふゆあいだ、ほとんどまずわずですごしたクマの体重たいじゅうは、もとのさんぶんくらいにってしまいます。また、メスは、このふゆごもりのあいだいちとうからとうグマをみます。そして、ふゆあいだなにべずに子育こそだてをするのです。
 あきあいだにたくさんべて栄養えいようたくわえているとはいっても、なんヶ月かげつもエサもべず、排泄はいせつもしないできている動物どうぶつたちの冬眠とうみん仕組しくみは、じつはまだあまりよくわかっていません。しかし、人間にんげん冬眠とうみんできるようにして、そのあいだ病気びょうき治療ちりょうしようという研究けんきゅうがされているそうです。もしかしたら将来しょうらい戸口とぐちに、「サンタさんへ。冬眠とうみんちゅうなのでプレゼントははるになってからとどけてくださいね」などとがみをするいえてくるかもしれません。

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長文ちょうぶん 3.3しゅう
 お正月しょうがつべるお雑煮ぞうには、あたらしいとし豊作ほうさく家族かぞく健康けんこういの気持きもちがこめられたおめでたい料理りょうりです。
 しかし、お雑煮ぞうにわれておもかべた料理りょうりをほかのひとすと、「これは、お雑煮ぞうにじゃないよ。」とわれてしまうことがあるかもしれません。じつは、お雑煮ぞうには、日本にっぽん全国ぜんこくそれぞれの地方ちほうかけもあじことなるのです。たとえば、おもちのかたち西日本にしにほんではまる東日本ひがしにっぽんでは四角よつかど場合ばあいおおく、いてからしるにいれるところや、べつゆでしてからしるれるところなど、おもちのかた地方ちほうによってちがいます。しるあじも、みそあじのところもしょうゆあじのところもあります。お雑煮ぞうになかもさまざまです。新潟にいがたではサケやイクラ、広島ひろしまではカキ、福井ふくいではくきのついたカブをれるそうです。ほかにも、香川かがわのように、あんこのはいったあままるもちをしろみそのしるれるところや、沖縄おきなわのようにお雑煮ぞうにをお正月しょうがつべる習慣しゅうかんがないところもあります。
「うちは関西かんさいんでいるけど、おとうさんもおかあさんも関東かんとう出身しゅっしんだから四角しかくいもちを使つかうよ。最後さいごにイクラをせるのは、新潟にいがた出身しゅっしんのおばあちゃんにおそわったんだって。」というふうに、お雑煮ぞうにるとそのいえのいろいろなことがわかるのです。
 アフリカのピグミーぞくむかし、ゾウをつかまえてべていました。ですから、
「ぼくのいえでは、おゾウにゾウをれてべるよ。」
といういえでは、おとうさんがアフリカにんでいたのかもしれませんぞう。
 現代げんだいでは、いろいろな地方ちほうくにひと同士どうし結婚けっこんして、あたらしい家庭かていつのはめずらしくありませんから、そのいえオリジナルのあたらしいお雑煮ぞうにかんがえてみるのもいいかもしれません。おとうさんとおかあさんは関東かんとう関西かんさい出身しゅっしんだから、おもちのかたちさんかくとか、おかあさんは韓国かんこく出身しゅっしんだからキムチをれるなどといういえがあってもよさそうです。ピンクのハートがたおもちにコンソメスープ、トリュフもせたフランスふう雑煮ぞうに、ちょっとべてみたいがします。

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長文ちょうぶん 3.4しゅう
 【1】夏休なつやすみのともといえばやはりカブトムシです。昆虫こんちゅう王様おうさまぶにふさわしいその姿すがたは、どもたちの視線しせんをとらえてはなしません。ペットショップのカブトムシコーナーは、毎年まいとし黒山くろやまひとだかりができていますし、採集さいしゅうツアーも登場とうじょうするほどです。
 【2】いかにも丈夫じょうぶそうな姿すがたのカブトムシですが、そのいのちはそれほどながいものではありません。たまごからかえり、ふゆした幼虫ようちゅうは、さなぎへと姿すがたえ、なつになると成虫せいちゅう、つまりカブトムシへと変身へんしんしますが、成虫せいちゅうになってからのいのちはおよそいちげつほどといわれています。【3】ですから、夏休なつやすみがわるころは、ちょうどカブトムシのいのちもつきる時期じきにあたるのです。クワガタムシも、カブトムシとならんで人気にんきがあります。カブトムシがひとなついのちなのにたいして、クワガタムシの場合ばあい種類しゅるいによっては越冬えっとうできるものもあります。えっとうれしくなってしまうでしょう。
 【4】大切たいせつそだてていたカブトムシのかなしいものですが、んでしまったからといってすぐに飼育しいくケースを処分しょぶんしてはいけません。ケースのなか腐葉土ふようどをそっとのぞいてみましょう。もしかしたら、ちいさなたまごつかるかもしれません。【5】直径ちょっけいさんミリ程度ていどしろくてまるたまごです。孵化ふか直前ちょくぜんたまごおおきさはミリ程度ていどになり、いろ黄色おうしょくあじびてきます。このたまごをじょうずにそだてることができたら、大切たいせつにしていたカブトムシのせい対面たいめんできるがやってくるのです。
 【6】たまごからかえった幼虫ようちゅうは、おもに腐葉土ふようどべておおきくなります。幼虫ようちゅう時代じだい摂取せっしゅした栄養えいようが、成虫せいちゅうのカブトムシのおおきさを決定けっていづけけます。いったん成虫せいちゅうになってしまったら、どんなに樹液じゅえきったところでそれ以上いじょうおおきくはなりません。【7】立派りっぱおおきさのカブトムシは、幼虫ようちゅう時代じだい十分じゅうぶん栄養えいようっていたのです。もしも人間にんげんがカブトムシとおな性質せいしつだったらどうでしょう。成人せいじんしたらいくらべてもふとらないわけですから、ダイエットにはげんでいる大人おとなにとってはなんともうらやましいはなしです。
 【8】通常つうじょういちひきぴき幼虫ようちゅうさなぎになるまでにべる腐葉土ふようどりょうは、洗面せんめん山盛やまもいちはいぶんにもなるそうです。カブトムシは、そんな大量たいりょう腐葉土ふようどをかぶっとむしゃむしゃべてしまうのです。さすがに昆虫こんちゅう王者おうじゃおどろいてしまいます。
 【9】友達ともだち自慢じまんできるくらいのおおきなカブトムシをそだてるためには、良質りょうしつ腐葉土ふようどえず補充ほじゅうしてあげることが大切たいせつです。また、飼育しいくケースのなかのフンをのぞいたり、掃除そうじをしたり、根気こんきよく世話せわつづけることが必要ひつようです。
 【0】では、カブトムシとクワガタムシでは、どちらがつよいでしょうか。カブトムシの得意とくいわざは、カブトりでしょう。クワガタムシの得意とくいわざは、もちろんクワかためです。結果けっかは、カブトもクワガタも、おたがいをムシしてけになりました。

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