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課題集
長文ちょうぶん 4.1しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい音読おんどく練習れんしゅうはどちらかひとつで。】
【1】「また、まってる。」
 おかあさんが部屋へやはいってきました。年生ねんせいのときの作文さくぶん写真しゃしんなどがいろいろなところからてくるたび、わたし片付かたづけのめてしまいます。
【2】「ちょっとおもにひたっていただけ。」
といいわけをしましたが、つくえうえには、たくさんのプリントやほん教科書きょうかしょやまのようになっています。
おももいいけれど、これじゃあよるまでかかってもわらないわよ。」
【3】「大丈夫だいじょうぶ大丈夫だいじょうぶ。ちゃんとわるって。」
「そう。桃子ももこおばちゃんたちとお食事しょくじくからはやえてね。」
 春休はるやすみなので、しんせきの桃子ももこおばちゃんたちと夕飯ゆうはんべに約束やくそくをしています。【4】それも、わたし大好だいすきなイタリアンだというではありませんか。もし、わらなくて、けなくなったら大変たいへんです。わたしきゅう心配しんぱいになって、次々つぎつぎらなそうなプリントをゴミ箱ごみばこはじめました。
 【5】すると、プリントにまじって、クラスのひとみちゃんがかいたイラストがてきました。ひとみちゃんは、上手じょうずで、いつもアニメの主人公しゅじんこうなどをかいてくれるのです。うまいなあ。あっ、またまった。【6】わたしは、はっとして、片付かたづけをつづけました。教科書きょうかしょをまとめてかべ本棚ほんだなうつし、ノートは押入おしいれのなかれました。テストはひゃくてんのときゅうじゅうてんのをうえにして、はこにしまいました。
 つくえかみやまがだいぶ片付かたづいてくると、今度こんどこまかいものがにつきはじめました。【7】したほうけてしまったキラキラの鉛筆えんぴつのキャップや、れてしまったうさぎのヘアゴム、キティちゃんのメモのれはし。どうしてこんなものをとってあったのだろうというものばかりです。【8】まったく、らないものはちゃんとててよね、と自分じぶんいたくなりました。
 つくえうえがきれいになり、本棚ほんだなにもあたらしい教科書きょうかしょれるスペースができると、わたしはすがすがしい気分きぶんになってきました。【9】まるで、だれか他人たにん部屋へやたようなかんじがします。そのうえ勉強べんきょうもがんばりたくなってきたから不思議ふしぎです。やっぱり大事だいじなのは環境かんきょうだなとわたしおもいました。これで、おばちゃんたちとのお食事しょくじにもけそうです。【0】

言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかい φふぁい
 【1】むかしんぼにはナマズやドジョウなどのものがたくさんすんでいました。しかし、戦後せんご、これらのもの急速きゅうそくってしまいました。その原因げんいんひとつは、んぼの水路すいろがコンクリートなどでかためられたためにものがすみにくくなったことです。【2】もうひとつの原因げんいんは、んぼに、つよ農薬のうやくがまかれたためにやはりものがすみにくくなったことです。
 んぼには、いねよわらせてしまうむし発生はっせいします。たとえば、ウンカです。【3】梅雨つゆのころ、くもって中国ちゅうごくからやってくるウンカは、日本にっぽんんぼでかずやし、いねしるってつぎからつぎへとらしてしまいます。ひどいときは、んぼのいね全滅ぜんめつしてしまうほどです。今年ことしもウンカのだい発生はっせいか。【4】ウンカわるいなあなどとってはいられません。またヨコバイも、いね病気びょうきをうつすやっかいなむしです。農薬のうやくをまくことで、一時いちじてき害虫がいちゅうちからおさえてかたよこバイにすることはできますが、むしたちが農薬のうやく抵抗ていこうせいち、やがてまえよりも農薬のうやくつよくなってしまうという問題もんだいがあります。
 【5】また、農薬のうやくをまいたあと、ぎゃくにウンカがだい発生はっせいしてしまうこともあります。その理由りゆうは、農薬のうやくによって、ウンカやヨコバイをべるクモやアメンボなどの天敵てんてきってしまうからです。
 【6】そこで、農薬のうやく使つかわないでいねそだてる方法ほうほうがいろいろとかんがえられてきました。そのひとつは、しょうブナをんぼにおよがせることで、害虫がいちゅうべてもらったり、草取くさとりを手伝てつだってもらったりする方法ほうほうです。【7】草取くさとりは農家のうかにとってはたいへんな重労働じゅうろうどうですが、コイやフナがんぼをおよぎまわっていると、みずがかきまわされてにごるので、雑草ざっそうえにくくなるのです。しょうブナのおかげで、農薬のうやくもほとんど使つかわずにすみます。
 【8】んぼにアイガモをって、害虫がいちゅうべさせるという方法ほうほうもあります。アイガモは、いね天敵てんてきであるウンカのたまごまでべてしまうので、殺虫さっちゅうざい不要ふようです。雑草ざっそうは、みずかきでけられたり、べられたりして、えてこなくなります。【9】そのうえ、アイガモのふんは、とてもいい肥料ひりょうになるので、化学かがく肥料ひりょうをやらなくてもすむのです。まさに一石二鳥いっせきにちょう。アイガモを使つか方法ほうほうはいかがですか。「あ、いいカモ!」【0】

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ


長文ちょうぶん 4.2しゅう
 ねむってふゆをこす動物どうぶつ――くまやかえるのふゆみん――

 【1】ふゆのころ、はたけや、にわのをほりかえすと、ちゅうから、かえるやとかげなどがでてくることがありますね。
 【2】いいきもちでねていたところを、おこされたといわんばかりに、をぱちくりさせて、あわててまたなかにもぐりこみます。
 【3】かえるや、とかげは、こうやって、ふゆのあいだ、なかでねむっているのです。
 ながふゆのあいだじゅう、ずっとねむりとおすなんて、ずいぶんねぼうですが、これは、どういうわけなのでしょう。
 【4】かえるやとかげは、まわりの温度おんどにつれて、からだの温度おんどがかわるという、きみょうなせいしつをもっています。ですから、ふゆになってあたりがさむくなると、じぶんたちのからだおんも、きゅうにさがるのです。
 【5】そうなると、もう、かつどうすることができません。あたたかいあなやなかにもぐって、じっとしているのです。【6】こきゅうも、ゆるやかになり、のめぐりも、ほとんどとまっているといってよいくらいです。たべものは、もちろんたべません。
 【7】はんぶんんだようなようすで、ふゆをこすのです。これを、ふゆみんといいます。
 このほかに、りすや、やまねなども、ふゆじゅう、のほらでねむってすごします。
 【8】ちいさな動物どうぶつばかりではありません。おどろいたことに、あのおおきなくまも、ふゆじゅう、あなのなかでねむっているのです。
 これは、かえるや、とかげのように、からだがひえるためではありません。【9】ふゆになると、ありや、かになど、くまのだいすきなたべものが、そのへんにいなくなるし、のみなどもなくなりますから、あきのうちに、たくさんたべておいて、ふゆのあいだは、あなにはいって、じっとしているわけなのです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐりさん年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 4.3しゅう
 たびをするくさのみ――たんぽぽややしのみ――

 【1】みなさんは、もう学校がっこうでならって、っているでしょうか。植物しょくぶつのたねのなかには、たびをするものがあるのですよ。
 いろいろのたねがたびをしますが、いちばんたのしそうなのは、たんぽぽの空中くうちゅうりょぎょうでしょうね。
 【2】はる、たんぽぽのはながさききってしまうと、はなびらがちったあとにまるいわたのようなしろいものがのこります。
 やがてふうがふくと、一本いっぽん一本いっぽんのわたが、ふわり、ふわりと、そらにまいあがるのです。そのわたしたには、ひとつずつ、たねがついています。
 【3】きもちよさそうに、そらをとんでいったたんぽぽのわたは、ふうしだいで、たんぼのあぜにおりたり、みなさんのおうちをのぞいて、にわにおりたりします。
 そして、そこの地面じめんにこしをおろして、あくるとしはる、めをだし、はなをさかせるのです。
 【4】うみをたびする植物しょくぶつには、やしのみがあります。やしのみは、みなさんのあたまくらいあります。
 海岸かいがんなどにえていますので、うみなかにおちたものが、ふわりふわりと、うみのたびをして、とおとおしまにながれつき、そこで、めをだすことがあります。
 【5】人間にんげんのきものなどにくっついて、はこばれるのは、いのこづち、ぬすびとはぎなどのくさのみです。
 みなさんが、きれいなはなをとろうとおもって、やぶのなかにはいると、きものにいっぱいついて、なかなかとれないくさのみがあるでしょう。【6】それが、いのこづちや、ぬすびとはぎのみなのです。こうして、ほうぼうへつれていってもらって、めをだすばしょをみつけるのです。
 きみじかなのは、ほうせんかのたねでしょう。
 はながちって、あとにみができます。【7】みなさんが、たねをとろうとおもって、ちょっとをかけでもすると、パチンと、すごいいきおいで、かわがはじけて、なかのたねは、四方八方しほうはっぽうへ、とびちってしまいます。
 【8】ひとところへ、たくさんのたねがおちたのでは、めがでてから、おたがいに、ようぶんをとりっこしたり、太陽たいようのひかりをうけられないものができたりしますから、できるだけ、いきおいをつけて、とおくへちらばってとぶのです。
 【9】てっぽううりも、これとおなじようなことをします。
 たまはじきだけというきのこも、なんまんこという胞子ほうしのはいっているたねを、おとをたててはじきだします。
 【0】それでは、このように、じぶんのちからでりょぎょうできないのみ――たとえば、かきのみなどは、どうするのでしょうか。
 これらのみは、とりにたべてもらって、ふんといっしょに地面じめんちて、めをだします。かきのみや、なんてんのみなどが、じゅくして、うつくしくいろづくのは、とりにはやくたべてもらいたいからだといえましょう。
 こうしてみると、植物しょくぶつのたねのたびは、たのしいハイキングや、遠足えんそくではなくて、めをだすばしょをさがしてあるく、ひっこしなのですね。

(「世界せかいふしぎめぐりさん年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 4.4しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい読解どっかい問題もんだいよう長文ちょうぶんいち番目ばんめ長文ちょうぶんです。】
 大昔おおむかしとり祖先そせんは、ほかの動物どうぶつおなじようによんほんあし使つかってあるいていました。なが年月としつきのあいだに、前足まえあしつばさ進化しんかし、いまのようにそらべるようになったのです。とりは、爬虫類はちゅうるい仲間なかまから進化しんかしてきたので、トカゲの前足まえあし骨組ほねぐみととりつばさ骨組ほねぐみは、たいへんよくており、このふたつをくらべると、前足まえあしつばさわったことがよくわかります。また、前足まえあしだけではなく、からだをおおっている羽毛うもう一部いちぶつばさわりました。ふうかってすすむと、なんまいかさなった風切かざきりかざきりばねによって、とりからだ空中くうちゅうかせることができます。
 しかし、つばさだけがいくら立派りっぱでも、ぶことはできません。つばさうごかす部分ぶぶん大事だいじです。とりむねほねにはおおきなりがあり、船底ふなそこふなぞこのようなかたちをしています。そこに、つばさをはばたかせる筋肉きんにくがついています。とりむね筋肉きんにくは、たいへん発達はったつしており、この筋肉きんにくちからおおきなつばさをはばたかせることができます。
 自由じゆうそらぶためには、からだおもくてはいけません。普通ふつうからだつくっているもので、いちばんおもいのはほねです。そこでとりほねは、たけのようになか空洞くうどうになっていたり、スポンジのようにスカスカになっているなど、からだかるくするための工夫くふうられます。しかし、スカスカのほねといっても、すぐれてしまうようなよわいものではなく、たいへんかたくて丈夫じょうぶにできています。
 また、からだ全体ぜんたいかるくするために、ほねかずすくなくなっています。あごのほね一緒いっしょになって、くちばしにわりました。がないため、とりものをすべてまるのみにしてしまいます。「のみ」にするのは、だけではなかったということです。ただ、そのままではたいへん消化しょうかわるいので、おなかのなかべたものくだくことができるようになっています。その役目やくめをするのがすなきもすなぎもです。すなきもすなぎも砂嚢さのうともばれ、そののとおりすなはいっています。砂粒さりゅうすなつぶによってものをすりつぶすのです。
 わっているのはくちばしだけではありません。背骨せぼねかずすくなくなっていて、しかもぼうのようにまっすぐです。くび自由じゆううごくのにくらべて、背骨せぼね自由じゆううごきがほとんどできません。はねづくろいをするとりると、からだ全体ぜんたいをひねることができないので、くびだけをぐるりとうしろにまわしています。しかし、そのおかげで、そらぶときにからだ安定あんていするじょう離着陸りちゃくりく衝撃しょうげきからからだ全体ぜんたいまもられるようになったのです。
 からだかるくしなくてはいけない一方いっぽうで、とりぶためにおおくのエネルギーを必要ひつようとし、どんどんものべなくてはなりません。そこでとりは、べてすぐエネルギーにわるような食物しょくもつをとるようになりました。おおくのとり草食そうしょくではなく肉食にくしょくです。植物しょくぶつせいのものをべるとりもいますが、種子しゅし果実かじつなど、すぐにエネルギーになるものをべます。
 とりは、すこしでもからだかるくするために、もうひと工夫くふうをしています。それは、フンをためこまないということです。もし、とり便秘べんぴになったら大変たいへんなことです。フンのおもさでべなくなってしまうからです。公園こうえんなどでハトにフンをかけられてハッとおどろいても、「フン!」などと憤慨ふんがいせずに、「フーン、ぶためには仕方しかたがないのだな」とやさしく理解りかいしてあげましょう。

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ
 【1】冷蔵庫れいぞうこがまだあまり普通ふつう家庭かていにはなかったころ、冷蔵庫れいぞうこには、どくがあって危険きけん物質ぶっしつ使つかわれていました。この物質ぶっしつは、液体えきたいからガスにわるときにまわりをやす性質せいしつっていました。
 【2】しかし、このように危険きけん物質ぶっしつを、家庭かていにおく冷蔵庫れいぞうこ使つかうわけにはいきません。そこで、なにかいい方法ほうほうはないものかと、研究けんきゅうおこなわれました。その結果けっか、フロンというあたらしい物質ぶっしつつかりました。
 【3】フロンは、いろにおいもない物質ぶっしつで、安定あんていした性質せいしつっています。性質せいしつ安定あんていしているということは、ほかのものといっしょにしても、ほとんど反応はんのうこさないということです。また、えることもないので、火事かじ心配しんぱいがありません。【4】さらに、簡単かんたん液体えきたいにしたりガスにしたりできるので、あつかいもらくです。そして、やすつくることができるのも、おおきな長所ちょうしょでした。
 こうして、フロンは「20世紀せいき最大さいだい発明はつめい」として歓迎かんげいされ、世界中せかいじゅう使つかわれるようになっていきました。【5】フロンは、まさに時代じだいのフロンティア(最前線さいぜんせん)でした。
 日本にっぽんではとくに、精密せいみつ機械きかい工場こうじょうで、部品ぶひんあらうのに使つかわれました。普通ふつうみずにはゴミやほこりがけこんでいるため、精密せいみつ機械きかい工場こうじょうでは使つかえなかったのです。
 【6】しかし、こんなに長所ちょうしょばかりがあるとおもわれたフロンに、意外いがい欠点けってんがあることがわかってきました。地球ちきゅう上空じょうくうにあるオゾンそうを、フロンが破壊はかいするということがわかってきたのです。
 【7】フロンの長所ちょうしょである安定あんていした性質せいしつが、ぎゃく欠点けってんにもなっていたのです。フロンはこわれにくく、ほかのものと反応はんのうもしないため、そのままガスとなって空気くうきちゅうきます。【8】そしてそらたかいところまでくと、太陽たいよう強力きょうりょく紫外線しがいせんによってはじめて分解ぶんかいされることになります。そのときに、フロンから塩素えんそがオゾンそうこわしていくのです。
 【9】オゾンそうは、太陽たいよう強力きょうりょく紫外線しがいせんから地球ちきゅうじょうものまもっているバリアのようなものです。このバリアがこわされると、紫外線しがいせん地球ちきゅうじょうそそぎ、ものおおきながいあたえます。【0】こうして、ヒーローだったはずのフロンは、いつのにか悪者わるものわるものになってしまいました。
 しかし、人間にんげん破壊はかいしたものは、人間にんげんによって修復しゅうふくできるはずです。オゾンそう破壊はかいすることは、人間にんげんにとってオーゾン(大損おおぞん)ですから、いま世界中せかいじゅうでオゾンそうまも対策たいさくすすめられています。

「フロンさん、元気げんきしてね。きみわるいわけじゃなく、たまたまオゾンくんなかわるかっただけなんだから。」
「うん、フロン、がんばる。フロンでも(ころんでも)ただではきないわ。」
「そう。オゾンくんも、だんだん元気げんきてきたようだから。」
「オイゾンも、これからがんばって、紫外線しがいせんからみんなをまもるでごわす。」
 フロー、フロー、オゾン!

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいτたう


長文ちょうぶん 5.1しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい音読おんどく練習れんしゅうはどちらかひとつで。】
【1】「ゴホッ、ゴホッ、エッヘン。」
 おかあさんがひどい風邪かぜきました。せき鼻水はなみず、それにねつもあるのです。昨日きのうから寝込ねこんでしまいました。それで、仙台せんだいのおばあちゃんが手伝てつだいにてくれました。【2】でも、おばあちゃんは、としをとっているし、うちの台所だいどころれていないので、おかあさんのわりを一人ひとりでやるのは大変たいへんです。だから、ぼくは学校がっこうからかえると、あさとうさんにわれたとおり、お手伝てつだいをすることにしました。
 【3】ぼくは、おばあちゃんが洗濯せんたくものものれにかいっているあいだあかちゃんの美咲みさきのめんどうをることにしました。美咲みさきは、普段ふだん機嫌きげんがいいのですが、おかあさんがかまってくれないので、ぐずぐずいてばかりいます。【4】ぼくは、美咲みさきのベッドのところへって、ぬいぐるみをせたりガラガラをらしたりしました。
 しばらくあそんでいると、美咲みさきはスースーとはならしてねむはじめました。そこで、ぼくは、つぎ仕事しごとりかかりました。【5】おばあちゃんがんだ洗濯せんたくものものをたたむのです。下着したぎやシャツ、美咲みさき肌着はだぎなど、いろいろなものがあります。ぼくは、まるでお店屋みせやさんのようなつきでどんどんたたんでいきました。なかには、かたち複雑ふくざつでむずかしいものもあったけれど、どうにか工夫くふうしてたたみました。
【6】「しょうちゃん、味見あじみをしてちょうだい。」
と、おばあちゃんが味見あじみよう小皿こざらをぼくにわたしました。煮物にもののいいにおいがただよっています。
「うん、ちょっとうすいかな。」
 ぼくは、小皿こざらかえしながらいました。煮物にものなかのニンジンは、ぼくがったものです。
 【7】食事しょくじがすんで、おさらあらうのもぼくがやりました。洗剤せんざいのこっていたらからだによくないので、しっかりとすすぎました。それがわると、おばあちゃんと一緒いっしょにお風呂ふろはいってきた美咲みさきに、パウダーをつけたりふくせたりする仕事しごとです。【8】お風呂ふろ大好だいすきな美咲みさきは、とてもうれしそうに元気げんきいっぱい手足てあしうごかしています。だから、そでにとおすだけでも一苦労ひとくろうでした。ようやく身支度みじたくができると、らばったバスタオルやおむつを片付かたづけて、湯冷ゆざましをませます。
【9】「しょうちゃん、ありがとう。よく手伝てつだってくれるのねえ。さん年生ねんせいっていうのは、こんなにいろいろできるんだね。」
 まえに、おばあちゃんが感心かんしんしたようにいました。ぼくは、今日きょうあそびをがまんして、がんばってよかったなとおもいました。【0】

言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかい φふぁい
 すなにうずまったまち――おそろしいさばくのあらし――

 【1】わたしたちのすんでいる日本にっぽんには、やまがあって、また野原のはらがあって、あおあおとしげり、きれいなみずがながれています。
 ところが、この地球ちきゅうじょうには、えなければはなもさかないし、みずもない、さばくというところがあります。
 【2】さばくというと、みなさんは、はてしなくつづく、たいらな砂原すなはらをかんがえるかもしれませんが、かならずしも、そうではありません。
 【3】さばくには、おおきな砂山すなやまが、なみのうねるようにつらなっていたり、大小だいしょういしいわがつみかさなっていたり、ごつごつしたいわはだがあらわれていたりして、たいらな砂原すなはらはすくないくらいです。
 【4】さばくのりょぎょうで、こまるのは、あついことです。かげはないし、すなはやけているし、太陽たいようのでているあいだは、とても、あるいてなどいられません。
 【5】へディンは、よるのうちにあるいて、ひるまは、すなにあなをほり、そのなかにねることにして、たびをつづけていきました。
 ひるまのあつさにひきかえて、さばくのよるは、はんたいに、ぐっと温度おんどがさがります。【6】ときには、れいよりもひくくなり、しもがふることさえあります。
 ですから、さばくをりょぎょうするひとたちは、たいていおりのきものをきて、もうおりのぬのをあたまにまいています。
 これは、ひるまは、つよいざしをさけ、よるは、さむさをふせぐためなのです。
 【7】さばくでは、すなあらしというのも、おそろしいものです。
 いままでしずかだったさばくに、とつぜんふうがふきだすと、すなぼこりで、まえをあるいている、なかまのすがたも、まったくみえなくなるほどです。
 【8】さばくに砂山すなやまがおおいのは、このすなあらしのためにできたものですが、その砂山すなやまもひとつところにとまっていないで、どんどんうごいていきます。
 へディンがしらべたところによると、タクラマカンのさばくではいちねんのあいだに、じゅうメートルも砂山すなやまがうごいていたということです。
 【9】そのために、むかし、タクラマカンさばくの西にしのはしにさかえていた、たくさんのまちが、すなしたにうずまってしまいました。
 このすなしたにうずまったまちについては、ふるくから、いろいろとふしぎなことがつたえられていました。
 【0】そこには、たくさんのかねぎんがうずまっているのだが、だれひとりもちかえったものがいない。というのは、このさばくには、おそろしいおうがいて、ひとびとがかねぎんをさがしだしてよろこんでかえろうとすると、みちをまよわせて、かねぎんをもとのところへかえすまでは、さばくをでることをゆるさないというのです。

(「世界せかいふしぎめぐりさん年生ねんせい」より抜粋ばっすい一部いちぶ調整ちょうせい


長文ちょうぶん 5.2しゅう
 地球ちきゅうおとよりはやい――地球ちきゅう運動うんどう――

 【1】むかし、キリストきょう教会きょうかいではかみさまが世界せかいをおつくりになったとき、人間にんげんのすんでいる地球ちきゅうをまんなかにして、太陽たいようや、つきや、ほしが、そのまわりをまわるようにしたのだとおしえていました。そして、そのころは、すべてのひとが、そうしんじていたのです。
 【2】コペルニクスは、ながいあいだ、ほしをかんそくして、
(それはちがう。太陽たいようはうごかないでいて、地球ちきゅうや、つきや、そのほかのほしが、太陽たいようのまわりを、ぐるぐるまわっているのだ。)
と、かんがえましたが、なかなかそれをいいだすことができませんでした。【3】というのは、そのころの教会きょうかいちからは、たいそうつよくて、もしも、教会きょうかいのおしえにそむくことをいったら、どんなひどいめにあわされるかしれなかったからです。
 けれども、コペルニクスは、ゆうきをだして、じぶんのただしいとしんじていることをほんにしようとけっしんしました。【4】が、そのほんができあがったとき、コペルニクスは、びょうきでんでしまいました。
 そのあと、コペルニクスのかんがえをせつめいしてあるいたブルーノという学者がくしゃは、あぶりにされ、さんせいするほんいたガリレオは、さいばんにかけられました。
 【5】このとき、ガリレオは、むりやりに、じぶんのかんがえをとりけさせられましたが、
「それでも、地球ちきゅうはうごくのだ。」
と、つぶやいたということです。
 こうして、地球ちきゅうがうごくというかんがえは、教会きょうかいのきびしいはんたいにあいながらもだんだんにみとめられてきたのです。【6】いまでは、地球ちきゅうがうごいているということは、だれでもっている、あたりまえのことですが、むかしは、こんなにもたいへんなことだったのですね。
 さて、地球ちきゅうはこのように太陽たいようのまわりをまわっているのですが、ひとまわりするのに、およそさんひゃくろくじゅうにちかかります。
 【7】わたしたちが、ふだんいちねんとよんでいるのは、この、地球ちきゅう太陽たいようをひとまわりするときあいだをいっているのです。
 それでは、地球ちきゅうは、どれくらいのはやさで、はしっているとおもいますか。
 【8】おどろいてはいけませんよ。一時いちじあいだに、およそじゅうまんキロというはやさではしっているのです。特急とっきゅう「ひかり」が、いちばんはやくはしっているときで、一時いちじあいだひゃくじゅうキロ、おとよりはやいといわれるジェット機じぇっときでも、一時いちじあいだせんさんひゃくキロくらいのはやさですから、地球ちきゅうのはやさとは、とてもくらべものになりませんね。
 【9】わたしたちは、そんなにはやくはしっている地球ちきゅううえにいて、よくたおれないものだと、ふしぎにおもいますね。それは、地球ちきゅうには、引力いんりょくといって、ものをひきつけるちからがあって、人間にんげんをひっぱっているから、たおれないのです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐりさん年生ねんせい」より抜粋ばっすい一部いちぶ調整ちょうせい


長文ちょうぶん 5.3しゅう
 うしのおとおりで電車でんしゃがとまる――うしをうやまうインドのひと――

 【1】まちのまんなかで、なにかじけんがあったのでしょうか。いままではしっていた電車でんしゃがとまってしまいました。自動車じどうしゃも、うごきません。
 ひとごみをのぞいてみますと、うしとういちとう電車でんしゃのせんろに、いちとうはそれとならんで、のんきなかおつきで、ねそべっています。
【2】「こまったなあ。はやくどいてもらわなくては、とおることができない。」
と、電車でんしゃくるましょうも、自動車じどうしゃのうんてんしゅも、こまったかおです。
 【3】つなをつけてひっぱるとか、ぼうでおいはらったらよいとおもいますが、だれも、そんなことをしようとおもわないようです。
 【4】そのうちに、うしはゆっくりとおきあがって、まち大通おおどおりを、さんぽでもするように、のそのそとあるいていきました。電車でんしゃも、自動車じどうしゃも、なにごともなかったようにうごきだしました。
 【5】これは、日本にっぽんのはなしではありません。インドのカルカッタというまちでの、できごとなのです。
 インドでは、こういったことはたびたびみられます。【6】インドのひとたちはうしをたいへんだいじにします。だいじにするというよりも、うしを、かみさまが、かりにすがたをあらわしたものだとおもってうやまうのです。
 【7】ですから、カルカッタのまちにはなんひゃくとうといううしばなしで、まいにち、のそのそとあるきまわっています。
 まちひとたちは、まいあさ、そのうしに、たべものをささげます。
 【8】ときには、うしみせさきのたべものなどを、しっけいすることもありますが、それでも、おこってうしをおいはらうようなことは、けっしてしません。うしが、とおみちにねころんで、とおりをふさいだりしていても、うしがうごきだすまで、のんびりと、まっているのです。
 【9】インドでは、たいていのひとヒンズひんずきょうというおしえをしんじていますが、ヒンズひんずきょうのしんものじゃたちは、うしほどやくにたつ動物どうぶつはないとおもっているのです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐりさん年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 5.4しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい読解どっかい問題もんだいよう長文ちょうぶんいち番目ばんめ長文ちょうぶんです。】
 シベリアやアラスカといった、さむさのきびしい地方ちほうらす人々ひとびとは、ふるくから、ひとぶつはこぶために、いぬぞりを使つかってきました。シベリアン・ハスキーやサモエド、アラスカン・マラミュートといった種類しゅるいの、さむさにつよく、力持ちからもちのいぬたちにそりをかせるのです。これらのいぬたちは、ふさふさしたあつ脂肪しぼうっているため、北極ほっきょくこおりうえねむっても平気へいきです。また、なが距離きょりはしってもえられる、すぐれた体力たいりょくぬしです。
 なかでもハスキーけんは、探検たんけんピアリーやアムンゼンによる北極ほっきょく南極なんきょく探検たんけん使つかわれ有名ゆうめいになりました。また、ドッグレースやいぬぞりレースで、いつも優秀ゆうしゅう成績せいせきおさめていました。
 あるとき、アラスカのノームというまちに、ジフテリアというおそろしい病気びょうきがはやりました。現在げんざいではおおくのくに予防よぼう接種せっしゅおこなわれているので、ジフテリアはほとんど流行りゅうこうすることがありません。しかし、当時とうじはまだ、おおぜいのひとぬこともあるこわ病気びょうきでした。ジフテリアの症状しょうじょうおさえるには、ワクチンというくすり必要ひつようですが、このときノームのまちでは、ワクチンがそこをついてしまいました。あまりに患者かんじゃおおかったからです。このままでは、人々ひとびとがどんどんんでしまいます。
 ノームのまちからアラスカしゅう政府せいふがあるアンカレッジに、たすけをもとめる連絡れんらくはいりました。すぐにでも、ワクチンをおくらなければなりません。しかし、そのときはとても天気てんきわるく、もう吹雪ふぶきつづき、飛行機ひこうきばすことができません。自動車じどうしゃでさえはしれないようなひどいあらしです。ワクチンをラクチンにはこべるような状況じょうきょうではありませんでした。
 「そうだ。いぬぞりではこぼう。」政府せいふは、そう決断けつだんしました。そして、すぐさまむら々に連絡れんらくきました。ただちにじゅういぬぞりチームが、ワクチンをとどけるために準備じゅんびをしました。
 そとは、マイナスじゅうにもなるきびしいさむさと、くる吹雪ふぶきです。このなかを、じゅういぬぞりチームは日間にちかんかけてはしとおし、ワクチンは無事ぶじにノームにとどけられたのです。このおかげで、すうひゃくにんいのちすくわれました。
 このときのはたらきをたたえて、ハスキーけん銅像どうぞうが、ニューヨークのセントラル・パークにてられています。また、この出来事できごと記念きねんして、毎年まいとし世界せかいでいちばんむずかしくいちばんながいぬぞりレースがアラスカでおこなわれるようになりました。このレースは、アンカレッジからノームまでを人間にんげん一人ひとりいぬたちじゅうすうひきはしるレースです。ふつう、ゴールするのにさん週間しゅうかんくらいかかるそうです。
 いぬたちのがんばりも相当そうとうなものですが、人間にんげん根性こんじょうもたいしたものです。こんなに大変たいへんなレースののちでは、いぬたちに号令ごうれいをかけつづけた人間にんげんこえもしわがれて、きっと「ハスキー・ボイス」になってしまうことでしょう。
 さむ地方ちほう使つかわれるいぬぞりのほかに、日本にっぽんにもさまざまなそりがあります。有名ゆうめいなところでは、エビぞり、ひげそり、のっそり、ごっそり、もっそり、こっそり、ひっそり、げっそり、などです。

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいτたう
 【1】哺乳類ほにゅうるいあかちゃんは、母親ははおやからミルクをあたえられてそだちます。動物どうぶつのミルクの成分せいぶんは、みなおなじではなく、それぞれに特徴とくちょうがあります。【2】たとえば、オランウータンやチンパンジーなどは、母親ははおやがいつも子供こどものそばにいてミルクをあたえることができる生活せいかつをしているので、ミルクはうすく、たんぱくしつ脂肪しぼうすくなくなっています。
 【3】ところが、ライオンなどのりにかける動物どうぶつは、母親ははおやなんあいだ留守るすにするため、そのあいだ子供こどもにミルクをあたえることができません。長時間ちょうじかん子供こどものおはらなかたしておく必要ひつようがあるので、ミルクはく、たんぱくしつ脂肪しぼうをたくさんふくんでいます。
 【4】また、さむ地方ちほう水中すいちゅうにすむ動物どうぶつは、体温たいおんをうばわれないように、皮膚ひふしたにたくさんの脂肪しぼうをたくわえています。この仲間なかまであるアザラシやアシカのミルクはとてもく、脂肪しぼうがたくさんふくまれています。
 【5】クジラやイルカのあかちゃんは、水中すいちゅうでミルクをみますが、まだあかちゃんなので長時間ちょうじかんもぐっていることができません。そこで、みじか時間じかんでもたくさんの栄養えいようれるように、やはりいミルクになっています。
 【6】人間にんげんのおはらなかなかなかには、たくさんの細菌さいきんがすんでいて、そのなかにはやくつものと病気びょうきのもとになるものがあります。あかちゃんのおはらなかなかなかにも、まれてあいだもなく、さまざまな細菌さいきんがすみつきはじめます。【7】母乳ぼにゅうには、あかちゃんにとってやく微生物びせいぶつえるための成分せいぶんや、病気びょうきのもとになる細菌さいきんやさないようにする成分せいぶんはいっていて、あかちゃんの健康けんこうたもおおきな役割やくわりをたしています。
 【8】あかちゃんがまれてあいだもないころの母乳ぼにゅうは、はつちちしょにゅうばれています。人間にんげんからだには、そとからはいってきた病気びょうきのもとを撃退げきたいするための免疫めんえきというシステムがありますが、まれたばかりのあかちゃんは、まだ免疫めんえき十分じゅうぶんじゅうぶんっていません。【9】はつちちしょにゅうには、おかあさんがっている免疫めんえき物質ぶっしつがふくまれていて、それがあかちゃんのからだなか吸収きゅうしゅうされて、いろいろな病気びょうきからあかちゃんをまもっているのです。

 おっぱいには、このようにいろいろなものがいっぱいはいっています。
 【0】しかし、あかちゃんがおおきくなり、自分じぶんでごはんべられるようになると、やがてあかちゃんは自分じぶんちからきていくようになります。
 そこで、「おっぱいさん、グッパーイ」となるわけです。

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ


長文ちょうぶん 6.1しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい音読おんどく練習れんしゅうはどちらかひとつで。】
【1】「やった! べた。」
 高田たかださんがべたとき、クラスちゅうのみんながざわめきました。高田たかださんはそのままうごきません。じっとっています。女子じょし何人なんにんかかけよりました。うれしそうなこえをあげながら、高田たかださんのかたをゆすったり、背中せなかをたたいたりしています。【2】やっと、高田たかださんがかおをあげてこちらをきました。
「みんな、ありがとう。」
 とてもちいさなこえで、あまりきとれませんでしたが、たしかにくちがそううごきました。だれからともなく拍手はくしゅこります。パチパチパチパチ。【3】このクラスで最後さいご体育たいいく授業じゅぎょう、ずっとばこべなかった高田たかださんがついにんだのです。クラスのだれもがのぞんでいた瞬間しゅんかんでした。
 ばこ授業じゅぎょうは、がつはいってからはじまりました。【4】みんながおおはしゃぎでだんげているなかで、高田たかださんはなんんでも、ばこにまたがってまってしまうのでした。
「まだ、べないの。」
ひともいました。まえに、
「ドッスーン。」
などとからかうひともいました。【5】もし、ぼくが高田たかださんだったら、とっくに、できないとってしてしまったことでしょう。
 しかし、高田たかださんは、あきらめませんでした。なんなん挑戦ちょうせんしていました。【6】放課後ほうかご先生せんせい練習れんしゅうしているもありました。その姿すがたに、それまでやかしたりわらったりしていたひとも、だんだん応援おうえんするようになったのです。
 やがて体育たいいくつぎ種目しゅもくになりましたが、特別とくべつ高田たかださんのためにばこ用意よういされました。【7】高田たかださんは、毎回まいかい黙々もくもく練習れんしゅうしていました。クラスでいちばんはやななだんべるようになった川上かわかみくんが、なんもアドバイスしていました。
りが大事だいじだから。そう、もういちかいやってみて。」
 【8】また、女子じょしこえをそろえて、
しい!」
「もうすこし!」
こえをかけました。先生せんせいまくは、もうないくらいでした。
 チャイムがって、体育たいいく時間じかんわりました。みんなで高田たかださんをかこむようにして、体育館たいいくかんをあとにしました。【9】高田たかださんのかおは、まだだけれど、なんだかかがやいているようにえました。やればできる。がんばればできないことなんかない、というこえがどこからかこえてくるようでした。【0】

言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかい φふぁい
 地球ちきゅうつきのひっぱりっこ――みちしおとひきしお――

 【1】はるになると、みなさんのなかには、おとうさんやおかあさんにつれられて、しおひがりにいくひともあることでしょう。
 しおひがりは、たのしいものですね。
 【2】ふだんすいのあるときには、かいがみえないのに、しおがひくと、くまでで、ちょっとかいただけで、いくらでも、かいがでてくるのですからね。
 うみみずは、へいきんしていちにちかいずつ、みちたり、ひいたりしています。【3】それは、まるで、うみがゆっくりといきをしているみたいです。
 どうして、こんなことがおこるのでしょうか。
 しおのみちひは、つき太陽たいようが、うみみずをさかんにひっぱるために、おこるのです。
 【4】地球ちきゅう運動うんどうのところで、引力いんりょくのことをおはなししましたが、地球ちきゅうばかりでなく、太陽たいようでもがつでも、そのほかのほしでも、すべてのものはたがいにひっぱりあっています。【5】引力いんりょくおおきなものほどつよいのですが、ちかくにあるものは、ちいさくても、とおくにあるものより、つよく引力いんりょくをはたらかせます。
 【6】たとえば、太陽たいよう引力いんりょくは、つきよりはるかにおおきいのですが、地球ちきゅうからのきょりがずっととおいので、うみみずをひっぱるちからは、ちいさなつきのほうが、太陽たいようよりばいはんもつよいのです。
 【7】ですから、しおのみちひは、おもにつき引力いんりょくのためにおこるとかんがえて、さしつかえありません。
 つきのひっぱるちからは、ちかいところにあるものほどつよくはたらきます。【8】ですから、地球ちきゅううえで、つきとむかいあっているところには、つき引力いんりょくがいちばんつよくはたらき、うみみずつきのほうへひっぱられてもりあがり、みちしおとなります。【9】これにたいして、地球ちきゅううえつき反対はんたいのがわにあるところは、つきからいちばんはなれているので、つき引力いんりょくはいちばんよわくなっていますが、ここでは、つきとはんたいのほうこうに、地球ちきゅう遠心えんしんりょくがつよくはたらいているので、つきとはんたいのほうへうみみずがもりあがって、やはり、みちしおとなります。【0】

(「世界せかいふしぎめぐりさん年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 6.2しゅう
 いえちくといっしょにテントのたび――モンゴルのひとのくらし――

 【1】わたしたちのくらしかたは、まずいえをつくって、そこにおちついてくらします。
 学校がっこうへいくのも、おつとめにでるのも、そのいえからです。
 よほどのことがなければ、ひっこしはしません。
 【2】ところが、むらぜんたいが、いつもひとところにおちついていないで、いえをもって、あちこち、ひっこしてあるくひとたちがいます。
 モンゴルのひとたちが、そうです。
 【3】モンゴルは、あつささむさのちがいが、たいへんはげしいところで、しめりけがすくなく、土地とちがひじょうにかわいています。
 そのため、さばくやひろい草原そうげんがひろがっており、おおくのひとびとが、うし、うま、らくだ、ひつじ、やぎなどをかってくらしています。【4】そして、いつもみずくさのあるところをさがして、つぎつぎとひっこしてあるくのです。
 ふつういちけんのいえで、ひつじをさんひゃくとううしじゅうとううまじゅうとうくらいもっています。【5】ですから、むら全体ぜんたいがひっこすとなると、たいへんなさわぎとなります。
 しかし、いえは、ごくかんたんなもので、おりたたみができますから、たいしてせわはありません。
 【6】やなぎのをくみあわせて、ほねぐみをつくり、それにひつじのがわを、すっぽりうえからかぶせただけのすまいです。このいえのことを、パオといっています。
 【7】パオは、くみたても、とりはずしも、さんあいだでできてしまうたいへんべんりないえです。
 モンゴルのひとたちのたべものは、おもに、ひつじやうしのちち、にくなどです。【8】あさは、チャオミイといって、ひつじのちちをいれたおちゃに、いったあわをいれてたべます。ゆうはんは、ゴリルといって、ひつじのにくに、うどんをまぜてにたものです。そして、いちにちのうちに、なんかいもおちゃをのみます。【9】このおちゃは、ひつじのがわととりかえて、にいれます。
 ねんりょうには、ひつじやうしのあぶらのほか、うしのふんをかわかしたものをつかっています。パオも、ひつじのがわでつくったものです。【0】

(「世界せかいふしぎめぐりさん年生ねんせい」より抜粋ばっすい


長文ちょうぶん 6.3しゅう
 とおくへたびをするとり――わたりとりのいろいろ――

 【1】はるになると、つばめがみなみくにからとんできて、いえののきしたなどにすをつくるのを、みなさんはっていますね。
 そこのいえひとたちは、
「ああ、ことしもまた、つばめがやってきた。【2】よくわすれないで、くるもんだ。かわいいものだな。」
といって、じぶんのどもが、ながいたびからかえってきたように、かわいくおもうものです。
 つばめは、くるそうそう、どろをくわえてきては、もとあったすのいれをして、やがて、そこにたまごをうみます。
 【3】ひながかえると、こんどは、せっせとえさをさがしてきて、ひなをそだて、あきになると、おおきくなったつばめをつれて、またみなみくにへかえっていきます。
 みなみくにって、いったいどこでしょう。
 【4】おどろいてはいけませんよ。フィリピンとかインドネシアとか、うみをこえた、とおくのほうなのです。
 これとはんたいに、あきになると、きたくにから日本にっぽんにやってきて、ふゆのあいだじゅういて、はるにかえっていくとりもあります。
 【5】がんや、かもなどが、そうです。
 これは、どこからくるのかというと、ずっときたのほうの、シベリアとか、カムチャッカという、さむいところからです。
 なつのあいだじゅう、そこで、ひなをそだてて、あき日本にっぽんへやってくるのです。
 【6】このように、とおくからたびをしてくるとりを、わたりとりといっていますが、そのうちで、つばめのようになつのあいだ日本にっぽんにいるとりを、なつとりといいます。
 そして、がんや、かものように、ふゆのあいだいるとりふゆとりといっています。
 【7】ふゆとりには、このほか、つる、つぐみ、まひわなどがあります。
 ほととぎすやかっこう、つつどり、おおるり、さんこうちょう、ぶっぽうそうなどは、なつとりです。
 【8】うぐいすも、はるになると、まちちかくにやってきます。けれど、これは、なつのあいださんにすんでいて、ふゆになると、あたたかいうみべや野原のはらにでてきて、そこでひなをうみ、はるのあいだ、平野へいやにすんでいるのです。
 【9】うぐいすのほかにも、ひよどりや、もずなどは、やま平野へいやのあいだだけを、いったりきたりしているのです。
 こうしてみると、たいていのとりがたびをしているみたいですね。
 それでも、ひとつところにいて、どこにもたびをしないとりも、いることはいます。
 【0】みなさん、ごぞんじでしょう。
 すずめ、からす。これは、たしかに、いちねんじゅう、わたしたちののまえをとんでいますね。

(「世界せかいふしぎめぐりさん年生ねんせい」より抜粋ばっすい一部いちぶ調整ちょうせい


長文ちょうぶん 6.4しゅう
長文ちょうぶんふたつある場合ばあい読解どっかい問題もんだいよう長文ちょうぶんいち番目ばんめ長文ちょうぶんです。】
 コロンブスの時代じだい人々ひとびとはまだ、地球ちきゅうまるいとはおもっていませんでした。そのころ、ヨーロッパ諸国しょこくは、貿易ぼうえきおこなキリスト教きりすときょうひろめるため、さかんにふね東方とうほうにあるアジア進出しんしゅつ目指めざしていました。この時代じだいだい航海こうかい時代じだいんでいます。
 イタリアまれのコロンブスは、ひがし目指めざ人々ひとびととはことなるかんがえをっていました。かれは、地球ちきゅうまるいことをしんじていました。アフリカのみなみをまわってアジアを目指めざすよりも、大西洋たいせいよう西にしすすんだほうが、ずっとはやくアジアにたどりけるはずだとかんがえたのです。もうひとつ、コロンブスに航海こうかい決心けっしんさせたものがあります。それは、マルコ・ポーロの「東方とうほう見聞けんぶんろく」でした。そこにかれていた、黄金おうごんくにジパング(日本にっぽん)は、ヨーロッパのひとのあこがれのてきまとでした。かれはスペインの女王じょおう援助えんじょけ、サンタ・マリアごうって、西にしまわりでアジアに計画けいかく実行じっこうすることになりました。
 このとき、コロンブスが要求ようきゅうしたことは、もしインドをつけたらそのたからじゅうぶんいち自分じぶんがもらうこと、発見はっけんした土地とち総督そうとくになること、スペインの貴族きぞくになることなどでした。当時とうじ遠洋えんよう航海こうかいには莫大ばくだい資金しきん必要ひつようでした。このため、イギリスやフランスは、コロンブスの提案ていあんれることができませんでした。コロンブスにとってもスペインの女王じょおうにとっても、航海こうかいおおきなけだったのです。
 サンタ・マリアごう乗組のりくみいんたちは、地図ちずにもっていない未知みち海域かいいきへと航海こうかいました。そして、げつ以上いじょう航海こうかいて、ようやく陸地りくちつけることができたのです。コロンブスのかんがえでは、そこはアジアのはずでした。
 地球儀ちきゅうぎるとわかりますが、ヨーロッパから西にしかって大西洋たいせいよう横断おうだんすると、巨大きょだいアメリカ大陸あめりかたいりくにぶつかります。アメリカ大陸あめりかたいりくえてひろ太平洋たいへいよう横断おうだんしなければ、アジアに到着とうちゃくすることはできません。実際じっさい地球ちきゅうは、コロンブスがかんがえているより、ずっとおおきかったのです。
 アメリカ大陸あめりかたいりく存在そんざいらなかったのですから、コロンブスが新大陸しんたいりくをアジアだとおもったのも無理むりはありません。コロンブスは、上陸じょうりくした島々しまじま名前なまえをつけ、スペインの領土りょうどとしました。
 当時とうじ、インドという言葉ことば漠然ばくぜんとアジア全体ぜんたい言葉ことばとしても使つかわれていました。アメリカ大陸あめりかたいりくにもともとんでいた人々ひとびとを、コロンブスはインドのひとという意味いみでインディオスとびました。
 スペインにかえったあと、かれ発見はっけんはたいへんな評判ひょうばんになりました。かれ一生いっしょう自分じぶん発見はっけんした陸地りくちをアジアだとしんじていたそうです。
 コロンブスのタマゴのはなし有名ゆうめいです。このはなしいて、あるひとおなじようにタマゴをてようとすると、タマゴはうまくたずに、コロン。そのひとはブスっとしていたそうです。はい、ちぢめてうと、コロン。ブス。

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいκかっぱ
 【1】ななさんというのはとしのことですが、実際じっさいろくさいよんさいでおいをすることがあります。七五三しちごさんとしは、かぞどしというもので、実際じっさいとしよりひとつかふたじょうになります。どうしてこういうとしかぞかたをするのでしょう。
 【2】いま誕生たんじょうがくるとひとねんをとる満年齢まんねんれい普通ふつうです。しかし、むかしはそうではありませんでした。あたらしいとしがくると、みんないっせいにひとねんをとったのです。
 【3】お年玉としだまというのは、もともととしたましいのことで、お正月しょうがつとしたましいであるおもちべて、としひとつとったというわけです。
 このかぞどしかんがかた東洋とうようのもので、西洋せいようではむかしからいまのような満年齢まんねんれいかぞかたでした。【4】西洋せいようでは、あかちゃんがまれてきたときから、年齢ねんれいかぞえます。しかし、日本にっぽんでは、おかあさんのおなかにいるときからあかちゃんの年齢ねんれいかぞえるため、まれた瞬間しゅんかんいちさいとしました。【5】もし、十二月じゅうにがつさんじゅういちにちまれたとしたら、そのあかちゃんはまれたときにもういちさいです。そして、つぎ元旦がんたんむかえると、すぐにさいになるのです。
 【6】だれもがおないちがついちにちひとねんをとるというのは、それだけとしあらたまるお正月しょうがつ意味いみおおきかったからなのかもしれません。
 いま満年齢まんねんれいかぞかたになったのは、だい世界せかい大戦たいせんのことです。【7】まれたからかぞえる満年齢まんねんれいかんがかたは、それなりに正確せいかく実用じつようてきです。しかし、お正月しょうがつにおもちべていっせいにとしをとったふる時代じだいのやりかたには、ひとしくいのち大事だいじにする文化ぶんかがあったようにおもえます。
 【8】お正月しょうがつは、お雑煮ぞうにのおもちべながら、モチっと日本にっぽん文化ぶんかについてかんがえてみるのもいいかもしれません。

 七五三しちごさんは、さんさいさいななさいでおいをします。【9】どうして、年齢ねんれいじゅんさんななわないかというと、つぎのようなことがあるからです。
「えーと、そろそろうちのも、あれだな。あの三五さんご、えーとさん……」
じゅうでしょ」【0】

 言葉ことばもり長文ちょうぶんちょうぶん作成さくせい委員いいんかいαあるふぁ