日食にっしょくを観察かんさつする方法ほうほう

やってはいけないこと

　太陽たいようはたいへん強つよい光ひかりと熱ねつを出だしています。部分ぶぶん食しょくのときには、太陽たいようの一部いちぶは月つきによって隠かくされていますが、光ひかりや熱ねつが強つよいことに変かわりはありません。正ただしい方法ほうほうで観察かんさつしないと、目めを痛いためたり、最悪さいあくの場合ばあい失明しつめいしたりする危険きけん性せいがあります。

　以下いかのようなことは、目めを痛いためますので絶対ぜったいにやってはいけません。

肉眼にくがんで直接ちょくせつ太陽たいようを見みる (数すう秒びょうでも危険きけんです)	望遠鏡ぼうえんきょうや双眼鏡そうがんきょうを使つかう (※1)	下敷したじきやCDを使つかう	フィルムの切きれ端はしを使つかう (※2)
すすをつけたガラス板ばんを使つかう	サングラスやゴーグルを使つかう	日食にっしょくグラスを使つかって 望遠鏡ぼうえんきょうや双眼鏡そうがんきょうをのぞく

　肉眼にくがんで直接ちょくせつ太陽たいようを見みると、たとえ短みじかい時間じかんであっても目めを痛いためてしまいます。

　また、下敷したじきやCD、フィルムの切きれ端はし、すすをつけたガラス板ばん、サングラスやゴーグルなどを使つかって太陽たいようを見みるのもいけません。見みた目めではあまりまぶしく感かんじなくても、光ひかりの遮断しゃだんが不十分ふじゅうぶんなものや、目めに有害ゆうがいな波長はちょうの光ひかりを通とおしやすいものがあり、気きづかないうちに網膜もうまくを損傷そんしょうしてしまう危険きけん性せいがあります。

　望遠鏡ぼうえんきょうや双眼鏡そうがんきょうは、太陽たいようの光ひかりや熱ねつを集あつめて強つよくするため、肉眼にくがんで太陽たいようを見みる以上いじょうに危険きけんです。

【関連かんれんリンク】

　「世界せかい天文てんもん年ねん2009 日にち食しょく観察かんさつガイド」の中なかの「危険きけん回避かいひのために」のページにも詳くわしく解説かいせつされています。ぜひご参照さんしょうください。

安全あんぜんな観察かんさつ方法ほうほう

　太陽たいようを安全あんぜんに観察かんさつするには、以下いかのような方法ほうほうがあります。

ピンホールを利用りようする

　厚紙あつがみなど、光ひかりを通とおさない薄うすいシートに小ちいさな穴あなを開あけて、日食にっしょく中ちゅうの太陽たいようの光ひかりを当あてます。すると、穴あなを通とおって影かげの中なかに映うつった太陽たいようの光ひかりが、欠かけた太陽たいようの形かたちになっています。(ピンホールカメラの原理げんりです。)

ピンホールを利用りようした日食にっしょく観察かんさつの例れい
紙かみに開あけた穴あなを通とおった光ひかりのひとつひとつが、欠かけた太陽たいようの形かたちになっているのがわかります 画像がぞう提供ていきょう：平野ひらの岳たけし史し氏し	麦むぎわら帽子ぼうしを太陽たいようの光ひかりにかざすと、細こまかい隙間すきまを通とおった太陽たいようの光ひかりが、それぞれ欠かけた太陽たいようの形かたちになります	椅子いすの背せもたれに開ひらいた穴あなを通とおった光ひかりも、はっきりと太陽たいようの形かたちになっています
(画像がぞうをクリックすると、大おおきな画像がぞうをご覧らんになれます)

　→ピンホールを利用りようしたこのほかの画像がぞうはこちら

　また、下記かきの図ずのようなものを作つくれば、特別とくべつな道具どうぐなしに、安全あんぜんに日食にっしょくを観察かんさつすることができます。

(図ずの内容ないよう) (画像がぞうをクリックすると、大おおきな画像がぞうをご覧らんになれます) 画像がぞう提供ていきょう：津村つむら光則みつのり氏し (二に次じ利用りよう不可ふか)

木こもれ日びを見みる

　木こもれ日びも、ピンホールと同おなじ原理げんりで、葉はの間あいだを通とおったそれぞれの光ひかりが太陽たいようの形かたちになります。

(画像がぞうをクリックすると、大おおきな画像がぞうをご覧らんになれます) 画像がぞう提供ていきょう：吉住よしずみ千亜紀ちあき氏し (二に次じ利用りよう不可ふか)

　→木こもれ日びを利用りようしたこのほかの画像がぞうはこちら

【関連かんれんリンク】

　JAXA (宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう) 宇宙うちゅう教育きょういくセンターの「みんなで木こもれ日びを撮とろう」キャンペーンのページでは、皆みなさんが撮影さつえいした木こもれ日びの写真しゃしんを募集ぼしゅうします。

手鏡てかがみで映うつす

　大おおきさが10センチ程度ていどまでの鏡かがみで太陽たいようの光ひかりを反射はんしゃさせ、反射はんしゃさせた光ひかりを建物たてものの壁かべなどに映うつしてみましょう。壁かべからは、鏡かがみの大おおきさの約やく200倍ばい以上いじょう離はなれてください。（鏡かがみの大おおきさが10cmでしたら、壁かべからは20m以上いじょう離はなれる必要ひつようがあります。）壁かべから十分じゅうぶんに離はなれると、鏡かがみがどんな形かたちをしていても、壁かべに映うつった太陽たいようの光ひかりが丸まるく見みえるようになります。この丸まるい形かたちが、太陽たいようの形かたちです。日食にっしょくのときには、欠かけた太陽たいようの形かたちが壁かべに映うつります。

　この方法ほうほうも、ピンホールの原理げんりを使つかったものです。

　小ちいさな鏡かがみが用意よういできない場合ばあいには、小ちいさな穴あなを開あけた厚紙あつがみで鏡かがみを覆おおい、小ちいさな鏡かがみの代かわりとして使つかうこともできます。

画像がぞう提供ていきょう：西にしはりま天文台てんもんだい (二に次じ利用りよう不可ふか)

専用せんようの日食にっしょくグラスを使つかう

　日食にっしょく専用せんようとして、さまざまな日食にっしょくグラスや遮光しゃこう板ばんが販売はんばいされています。

　それぞれの製品せいひんの説明せつめい書しょに書かかれた使用しよう上じょうの注意ちゅういをよくお読よみになって、安全あんぜんに観察かんさつするよう心こころがけてください。また、太陽たいようを観察かんさつしている時間じかんはなるべく短みじかくし、長時間ちょうじかん連続れんぞくして観察かんさつを続つづけないようにしましょう。

【関連かんれんリンク】

　日食にっしょくグラスや遮光しゃこう板ばんについては、「世界せかい天文てんもん年ねん2009 日にち食しょく観察かんさつガイド」の中なかの「日食にっしょくの楽たのしみ方かた」のページの「専用せんようフィルターごしに太陽たいようを見みる」で、日食にっしょくグラスや太陽たいよう観察かんさつ専用せんようフィルターとして紹介しょうかいされています。

望遠鏡ぼうえんきょうを使つかって太陽たいよう投影とうえい板ばんに投影とうえいする

　望遠鏡ぼうえんきょうに取とり付つけた「太陽たいよう投影とうえい板ばん」に太陽たいようを投影とうえいします。

　望遠鏡ぼうえんきょうが1台だいあれば、大勢おおぜいの人ひとが一いち度どに観察かんさつできるのも、この方法ほうほうのよい点てんです。

(画像がぞうをクリックすると、大おおきな画像がぞうをご覧らんになれます) 画像がぞう提供ていきょう：カナコー天文台てんもんだい (二に次じ利用りよう不可ふか)

※ 天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうには太陽たいよう観察かんさつに適てきさないタイプのものもあります。望遠鏡ぼうえんきょうの詳くわしい使つかい方かたについては、それぞれの望遠鏡ぼうえんきょうの取扱とりあつかい説明せつめい書しょなどをご覧らんください。

注意ちゅうい事項じこう

日食にっしょくの観察かんさつ方法ほうほうについて

　日食にっしょくを安全あんぜんに観察かんさつする方法ほうほうは、このページに書かかれているものがすべてではありません。また、このページで「やってはいけない」としている観察かんさつ方法ほうほうでも、適切てきせつな減げん光こうと組くみ合あわせたり、使用しようする材料ざいりょうを適切てきせつに選えらんだりするなど、やり方かたによっては安全あんぜんに日食にっしょくを観察かんさつすることができる場合ばあいがあります。しかし、詳くわしい知識ちしきがないまま中途半端ちゅうとはんぱな方法ほうほうで太陽たいようを観察かんさつすると、目めを痛いためたり、最悪さいあくの場合ばあい失明しつめいしたりする危険きけん性せいがあります。詳くわしくわからない場合ばあいには、自己流じこりゅうの方法ほうほうを試ためしたりせず、必かならず専門せんもん家かの指導しどうに従したがってください。

関連かんれんサイト

• 世界せかい天文てんもん年ねん2009 日にち食しょく観察かんさつガイド
  世界せかい天文てんもん年ねん2009日本にっぽん委員いいん会かいによる日食にっしょく観察かんさつに関かんする情報じょうほうです。

　2009年ねんは世界せかい天文てんもん年ねん