【臨時りんじ法話ほうわ】自省じせい

外山とやま毘沙門天びしゃもんてん縁日えんにちの『福ぶく銭ぜに貸がし』

毎年まいとし正月しょうがつ三さん日にち、山内やまうちの北東ほくとうにある外山とやま（とやま・標高ひょうこう880㍍）山頂さんちょうの毘沙門びしゃもん天堂てんどうにおいて縁日えんにちが催もよおされます。厄除やくよけ・火ひ防ぼう・災難さいなん除のぞけ・商売しょうばい繁盛はんじょうなどのご利益りやくがあり、日光にっこう市し・鹿沼かぬま市しを中心ちゅうしんに県内けんない外がい、遠とおくは東北とうほくや近畿きんき地方ちほうの方々かたがたまでおいでになり、日ひの出での時刻じこくにはご来光らいこうを拝おがむ多おおくの善男善女ぜんなんぜんにょで賑にぎわいます。中なかでも珍めずらしいのは『福ぶく銭ぜに貸がし』で、事業じぎょう繁栄はんえい・商売しょうばい繁盛はんじょうを祈願きがんし、福ふくの神かみでもある毘沙門天びしゃもんてん様さまからお金かねをお借かりするという信仰しんこうです。その福ぶく銭ぜにの単位たんいは「円えん」ではなく「万まん両りょう」で、十じゅう円えんは十じゅう万まん両りょう、百ひゃく円えんは百ひゃく万まん両りょうとなります。正月しょうがつ三さん日にちの山上さんじょうには、「百ひゃく万まん両りょうお返かえし」「五ご十じゅう万まん両りょうお貸かしします」といった景気けいきのよい声こえが響ひびきます。福ぶく銭ぜにを借かりた人ひとは、翌年よくねんその倍額ばいがくを返かえし、改あらためて福ぶく銭ぜにを借かりてゆきます。例たとえば十じゅう万まん両りょう（十じゅう円えん）借かりた場合ばあい、翌年よくねんに二に十じゅう万まん両りょう（二に十じゅう円えん）を返かえした上うえで、新あらたに福ぶく銭ぜにを借かりるというシステムです。しかも、ご住所じゅうしょとお名前なまえをいただくだけで、証文しょうもんも保証人ほしょうにんも必要ひつようなく、利子りしもありません。

出会であいと別わかれ

冬ふゆの刺さすような寒さむさも徐々じょじょに和やわらぎ、少すこしずつ春はるを感かんじる季き節ぶしになりました。春はるは出会であいと別わかれの季き節ぶしでもあります。学生がくせいなら卒業そつぎょう・入学にゅうがく、社会しゃかい人じんなら異動いどう・転勤てんきん、習ならい事ごとを辞やめたり始はじめたり、実じつに様々さまざまな出会であいと別わかれがあります。