台湾たいわんから１年間ねんかん県立けんりつ大学だいがくに留学りゅうがくしている楊岳霖さんは、「みつじ」とみんなに呼よばれています。由来ゆらいを聞きくと、「台湾たいわんの友ともだちから「羊ひつじ」と呼よばれていたんですが（中国ちゅうごく語ごでは「楊」と「羊ひつじ」の発音はつおんが同おなじ）、日本にっぽんの人ひとに「ヒツジと呼よんでください。」というのはさすがに格好かっこう悪わるいので、「ひ」を「み」に変かえました。（「み」に意味いみはなし）」とのこと。みつじさんは台湾たいわん桃園ももぞのの夜市やじで有名ゆうめいな中なかレキのご出身しゅっしんです。

SIC：楊さんの育そだったところはどんなところですか？

楊さん：私わたしは台湾たいわんの桃園ももぞの出身しゅっしんです。桃園ももぞの地区ちくは空港くうこうがあったり、工場こうじょうが多おおいところですが、私わたしが育そだったのは桃園ももぞのの繁華はんか街がい「中ちゅうレキ」という町まちです。家いえから歩あるいてすぐのところに観光かんこう地ちとして有名ゆうめいな「中ちゅうレキ夜市やじ」があります。高校こうこうの時ときは学校がっこうの帰かえりに夜よる市しに寄よって晩ばん御飯ごはんを食たべていました。台湾たいわん人じんは日常にちじょう的てきによく夜よる市しで晩ばん御飯ごはんを食たべます。今いま一いち番ばん食たべたいのはその夜よる市しで売うっているナマズスープです。漢方薬かんぽうやくがたくさん入はいったスープの中なかにナマズが入はいっています。漢方かんぽうの風味ふうみが日本人にっぽんじんは苦手にがてかもしれませんが、私わたしは大好だいすきです。ナマズに豆腐とうふ乳ちち（豆腐とうふに麹こうじをつけ、塩水えんすい中ちゅうで発酵はっこうさせた食品しょくひん）を少すこしつけて食たべるのが美味おいしいです。寒さむいから、温あたたかい羊ひつじの肉にくの鍋なべも食たべたいですね。

中ちゅうレキ夜市やじで食たべられる”ナマズのスープ”/90台湾たいわんドル（約やく350円えん）

 

SIC：島根しまねに留学りゅうがくを決きめたきっかけはなんですか？

楊さん：大学だいがくで日本語にほんごを勉強べんきょうしているので、日本にっぽんに決きめて、提携ていけい校こうである島根しまね県立けんりつ大学だいがくに留学りゅうがく先さきを決きめました。自分じぶんが生うまれ育そだった町まちがにぎやかな都会とかいだったので、静しずかな田舎いなかの生活せいかつを体験たいけんしてみたかったのもあります。田舎いなかの人ひとは人情味にんじょうみがあると思おもっていたのですが、来きてみたら、若わかい人ひとは都会とかいと同おなじでした。でも、お年寄としよりには訪日ほうにち前まえに思おもっていた通とおりの人情味にんじょうみを感かんじました。お世話せわになったお年寄としよりの中なかに、台湾たいわんのことが大好だいすきで、台湾たいわんの歴史れきしや文化ぶんかをよく知しっている人ひとがいます。私わたしは台湾たいわん人じんの中なかの「客きゃく家か（はっか）」という民族みんぞくです。台湾たいわん人じんの大半たいはんは福建ふっけん省しょうルーツの「ホーロー人じん」と呼よばれる民族みんぞくで、私わたしたち香港ほんこんルーツの「客きゃく家人かじん」は全体ぜんたいの13％ぐらいしかいません。母方ははかたの祖母そぼの家いえは客きゃく家人かじん特有とくゆうの「三さん合ごう院いん（三みっつの建物たてものがコの字じ型がたにつながった建たて方かた）」という建物たてものです。その日本にっぽんのお年寄としよりはそのこともよく知しっていました。嬉うれしかったです。母方ははかたの祖母そぼは客きゃく家か語ごと中国ちゅうごく語ごを話はなし、父方ちちかたの祖母そぼは客きゃく家か語ごと台湾たいわん語ごと日本語にほんごを話はなしていました。だから私わたしも少すこし客きゃく家か語ごがわかります。

桃園ももぞの空港くうこうでまるで姉あね弟おとうとのようなお母かあさんと。（なまずスープは美容びようにもいいようです。）

SIC：友達ともだちがたくさんできましたか？

楊さん：県けん大だいで日本人にっぽんじんをはじめ、中国ちゅうごく、韓国かんこく、ロシアなどの友達ともだちがたくさんできました。学外がくがいの友ともだちも作つくりたくて、島根しまね県内けんないで気軽きがるに参加さんかできる国際こくさい交流こうりゅうイベントを探さがしたのですが見みつからなくて、一番いちばん近ちかいところで広島ひろしまに、月つきに１度どパブのような所ところで海外かいがいの人ひとや、国際こくさい交流こうりゅうに興味きょうみがある日本人にっぽんじんが集あつまるパーティを見みつけました。そこに一人ひとりで数すう回かい行いきました。友達ともだちもできるし、いろんな話はなしも聞きけるのでとても楽たのしいです。福岡ふくおかの同おなじようなパーティーにも行おこなったことがあるのですが、そこで出会であった外国がいこく人じんの一人ひとりが、日本語にほんごが上手うまいし、話はなしも上手じょうずだし、自分じぶんは「まだまだだ…」ととても刺激しげきになりました。

道後どうご”伊佐いさ爾なんじ波は神社じんじゃ”で引ひいた恋こいみくじは大吉だいきちでした。

SIC：台湾たいわんに戻もどった後のちはどんな予定よていですか？

楊さん：戻もどったら、大学だいがく卒業そつぎょうです。台湾たいわんでは男おとこは18歳さいから兵役へいえきに行いかなければいけませんが、大学生だいがくせいは大学だいがく卒業そつぎょう後ごに行いくことになっています。だから、今年ことしの夏なつには４か月げつの兵役へいえきに行いきます。兵役へいえきが終おわったら、少すこしゆっくりして、イギリスにワーキングホリデーに行いきたいと思おもっています。イギリスに決きめたのは、まず歴史れきしが面白おもしろいこと。県けん大だいの中なかにイギリス出身しゅっしんの先生せんせいがいるので、その先生せんせいからイギリスの話はなしをいろいろ聞きき、もっと興味きょうみを持もちました。私わたしは他たの世界せかいをたくさん見みたい。外国がいこくの友ともだちが作つくりたい。それに、イギリスには友達ともだちが一人ひとりもいないので、すべてゼロから始はじめることになります。挑戦ちょうせんしてみたいです。

楊さんがたくさんの写真しゃしんの中なかから選えらんだ「島根しまねで撮とったとっておきの１枚まい！」はこれでした。

■最後さいごに

１年間ねんかんの留学りゅうがくということで、経験けいけんしたかった日本にっぽんでのアルバイトができなかったと悔くやしがる楊さんですが、休やすみを利用りようした旅行りょこうや、持もち前まえの行動こうどう力りょくで日本にっぽんのいろんなものを見みて、たくさんのことを吸収きゅうしゅうしたようです。「世界中せかいじゅうのことを知しりたい。」と今度こんどはイギリスを目指めざし、その探究たんきゅう心しんは尽つきないようですが、その後ごは日本にっぽんの大学院だいがくいんに入はいりたいとか。「いつでも帰かえってきてください。」と大おおきな背中せなかに手てを振ふりました。

（公おおやけ財ざい）しまね国際こくさいセンターは～外国がいこくにつながる人ひとたち～を応援おうえんしています。