2017年ねん4月がつ日本にっぽんでの大学院だいがくいんへの進学しんがくを目指めざして来日らいにちした宋そう佳けいさんは、現在げんざい県立けんりつ大学だいがくの学生がくせい寮りょうの6人にん部屋へやで、日本人にっぽんじんの学生がくせいと一緒いっしょに寮りょう生活せいかつをしています（取材しゅざい当時とうじ2018年ねん2月がつ）。初はじめての日本にっぽん、初はじめての日本人にっぽんじんとの共同きょうどう生活せいかつについてお話はなしを伺うかがいました。

SIC：日本にっぽんでの寮りょう生活せいかつはどうですか？

宋そう佳けいさん：楽たのしいです。最初さいしょは生活せいかつ文化ぶんかの違ちがいもあり、戸惑とまどうことがたくさんありました。「これをしたら、他たの人ひとに迷惑めいわくをかけるかな…」とか、「これはどうしたらいいんだろう？」とか。日本にっぽんに来きて１番ばん困こまったのは、ごみの分別ふんべつです。「ペットプラ」とか、「燃もやせる」、「燃もやせない」とか、中国ちゅうごくでは全部ぜんぶ一緒いっしょに捨すてるので、面倒めんどうだったし、分わけ方かたが難むずかしかったです。でも、ルームメイトに「捨すてるごみがどのごみになるのかは全部ぜんぶ書かいてあるんだよ。」と外側そとがわのパッケージにマークが書かかれていることを教おしえてもらってからは、悩なやまず分別ふんべつできるようになりました。ごみは臭くさいが出でないように洗あらって捨すてるとか、そういったことも全すべて、ルームメイトが私わたしに教おしえてくれました。一緒いっしょに料理りょうりを作つくって食たべたり、話はなしをしたり一人ひとりじゃないから楽たのしいです。でも、6人にん部屋へやは1年生ねんせい用ようの寮りょうなので、4月がつからは2年生ねんせいから入いれる一人ひとり用ようの寮りょうに移うつります。

 

誕生たんじょう日びの日ひ、夜よる１１時じにバイトから帰かえると、ルームメイトがこんなサプライズを用意よういしてくれていました。

ルームメイトの誕生たんじょう日びにはみんなでおいをしています。

SIC:日本にっぽんに来くる前まえから日本人にっぽんじんとの交流こうりゅうはあったんですか？

宋そう佳けいさん：先生せんせい以外いがいにはほとんどなかったです。だから、日本にっぽんに来きて、日本語にほんごがほとんどき取きとれませんでした。私わたしが中国ちゅうごくで勉強べんきょうした教科書きょうかしょの日本語にほんごは今いま考かんがえるととても堅苦かたくるしくて、日本人にっぽんじんが実際じっさいに使つかっている日本語にほんごと違ちがいました。それに日本人にっぽんじんの会話かいわは早口はやくちで、来日らいにち当初とうしょは半分はんぶんくらいしかわかりませんでした。でも、今いまは慣なれました。

SIC：浜田はまだに住すむ外国がいこく人じんの中なかで一番いちばん多おおいのは中国ちゅうごく、その次つぎにベトナムの人達ひとたちなのですが、大学だいがくの外そとで、そんな方かた達たちとの繋つながりがありますか？

宋そう佳けいさん：私わたしたち留学生りゅうがくせいがよく言いうのは、「女性じょせいで前髪まえがみがある人ひとは日本人にっぽんじん、前髪まえがみがない人ひとは外国がいこく人じん」です。大体だいたい当あたります。女性じょせいの前髪まえがみがない人ひとで、「中国人ちゅうごくじんぽいなぁ」と思おもった時ときには、近ちかくに行いって様子ようすを見みて、日本語にほんごで「日本人にっぽんじんですか？」と声こえを掛かけることもあります。やっぱり中国ちゅうごく語ごでしゃべれると嬉うれしいです。声こえを掛かけられた人ひとも喜よろこんでくれるし、親したしみを感かんじます。
SICに紹介しょうかいしてもらって、市内しないの日本語にほんご教室きょうしつで中国人ちゅうごくじんに日本語にほんごを教おしえています。何なに十じゅう年ねんも前まえに中国ちゅうごくから浜田はまだに来きて、日本人にっぽんじんの旦那だんなさんと日本にっぽんで子育こそだてをし、孫まごもいるそのおばあちゃんは、「娘むすめも、孫まごも中国語ちゅうごくごは分わからないし、中国ちゅうごく語ごが話はなせて嬉うれしい。」と私わたしが来くるのを楽たのしみにしてくれています。
その教室きょうしつにはベトナム人じんもいて、平日へいじつ私わたしのバイト先さきによく来きます。私わたしはスーパーの精肉せいにくコーナーでバイトをしていますが、夕方ゆうがた勤務きんむなので、遅おそい時間じかんになって値下ねさげシールを貼はっているとお肉にくのパックを私わたしのところに持もってきて、「せんせい、これ（は貼はりますか）？」、「それはまだ。（20時じ以降いこう貼はります。）」とよくやりとりしています（笑）。（補足ほそく：男性だんせいの国籍こくせきの見分みわけ方かたは未いまだ見みつかっていないそうです。）

SIC：そろそろ春節しゅんせつですが、中国ちゅうごくに一時いちじ帰国きこくされるとか？何なにをする予定よていですか？

宋そう佳けいさん：春休はるやすみの間あいだ、一いちか月げつ半はん帰かえってきます。毎年まいとし大晦日おおみそかの夜よるはみんなで年越としこしのテレビを見みます。お母かあさんはテレビを見みながら餃子ぎょうざを包つつんでくれます。夜中よなかの12時じになったら、少すこしご飯はんを食たべて、寝ねます。朝あさ６時じくらいになったら爆ばく竹ちくが鳴なり出だすので、起おきだします。爆ばく竹ちくは空気くうきの汚染おせんや出でるごみで環境かんきょうに良よくないとか、騒音そうおんの問題もんだいなどがあり、都市とし部ぶでは規制きせいされていたりしますが、中国ちゅうごくでは爆ばく竹ちくの音おとで去年きょねんの悪わるいことを消けし、新あたらしい年としを迎むかえるという意味いみがあり、地方ちほうでは続つづいている風習ふうしゅうです。二日ふつか目めはおじいちゃんとおばあちゃんのところに行いって、一いち日にち過すごします。毎年まいとしおばあちゃんが「おじいちゃんとおばあちゃんからだよ。」とお年玉としだまをくれるのですが、おじいちゃんはそれとは別べつにこっそり「内緒ないしょだよ。」とまたお年玉としだまを渡わたしてくれます（笑）。三日みっか目めはお母かあさんと一緒いっしょにデパートの初はつ売うりに行いきます。普段ふだんお母かあさんは仕事しごとで忙いそがしくて、ゆっくり買かい物ものをする時間じかんがないので、この時ときに、洋服ようふくとか、靴くつとか、お菓子かしとかたくさんの買かい物ものをします。この時ときにお母かあさんにたくさん買かってあげたくて今こんバイトを頑張がんばっています。

今年ことしもこっそりお年玉としだまをくれたおじいちゃん。おばあちゃんも実じつは知しっているのかも。

SIC：ご家族かぞくも宋そう佳けいさんが戻もどられるのを楽たのしみにされているでしょうね。

宋そう佳けいさん：はい、楽たのしみにしています。帰国きこくした時ときに、仲なかの良よい高校こうこうの同級生どうきゅうせいが結婚式けっこんしきをします。その時とき同級生どうきゅうせいに会あえるのも楽たのしみです。みんなへのお土産みやげに日本にっぽんの化粧けしょう品ひんや、お菓子かしをたくさん買かって帰かえるつもりです。だからバイトを頑張がんばらなければいけません（笑）。

同級生どうきゅうせいの結婚式けっこんしき

■最後さいごに

宋そう佳けいさんは無事ぶじ試験しけんに合格ごうかくし、この春はる大学院生だいがくいんせいになりました。入試にゅうしへ向むけた勉強べんきょうと両立りょうりつさせながら、大学生だいがくせいにとってイベントも、誘惑ゆうわくも多おおい日曜日にちようびに、毎週まいしゅうボランティアの日本人にっぽんじん先生せんせいに交まじって、学習がくしゅう者しゃに日本語にほんごを教おしえています。続つづけている理由りゆうについて「私わたしが来きたら喜よろこんでくれる人ひとがいるから嬉うれしいです。」と笑わらっていました。日本語にほんご教室きょうしつの外国がいこく人じん支援しえん者しゃとして、教おしえる側がわと教おそわる側がわ、日本にっぽんと海外かいがい、子こどもと大人おとななど、その日ひの日本語にほんご教室きょうしつの状況じょうきょうに応おうじて柔軟じゅうなんに双方そうほうを繋つなぐ宋そう佳けいさんですが、お話はなしを伺うかがっていると宋そう佳けいさんの心しんが休やすまり、また躍おどる場所ばしょもこの日本語にほんご教室きょうしつにあるのかもしれないと思おもいました。

（公おおやけ財ざい）しまね国際こくさいセンターは～外国がいこくにつながる人ひとたち～を応援おうえんしています。