（つづき）

【的いくわ川がわ】
　はい、ありがとうございました。コリンズさんとさっきお話はなしをしていたのですが、10年ねん前まえぐらいだと、こういう話はなしを宇宙研うちゅうけんのシンポジウムでなかなかできなかったんですよね。今いまは本気ほんきでやろうとすると、また、中村なかむらさんじゃないけど、元気げんきがなくなるという、かなり現実げんじつ的てきな状況じょうきょうにはあると思おもいます。

　今日きょうの議論ぎろんは、宇宙うちゅう輸送ゆそうというシステムを日本にっぽんでどうやって立たち上あげていくかというようなところが主体しゅたいになっているわけですけれども、どこまで今いまの段階だんかいで一致いっち点てんがあるのかというところをまず最低限さいていげん押おさえておく必要ひつようがあるかなというふうに思おもっています。もちろんパネラーの方ほうに問といかけますけれども、パネラーの方ほうから手てが上あがらなかった場合ばあいは、会場かいじょうの方ほうからぜひいろんな意見いけんを言いっていただきたいと思おもいます。

　最初さいしょにまず論点ろんてんは、有人ゆうじんの輸送ゆそうシステムをつくり上あげて、宇宙うちゅうへ人間にんげんが行おこなった場合ばあいに、何なにをするのかということですね。何なにをしに宇宙うちゅうへ人間にんげんが行いくのかというところ。幾いくつかの例れいが出でていましたね、午前ごぜん中ちゅうにも午後ごごにも。そういうものをできる限かぎりの範囲はんいで集あつめたいと思おもっておりますけれども。
　
　まず、パネラーの方ほうからいかがでしょうか。何なにをしに宇宙うちゅうに行いくのか。

　はい、岩田いわたさん、どうぞ。

【岩田いわた】
　さっきの野田のだ君くんの話はなしを繰くり返かえすだけですけれども、やっぱり、一番いちばん最初さいしょは商業しょうぎょう化かではなくて、実験じっけんで行おこなってみたらどうかと思おもいます。科学かがく、サイエンスと言いい切きっていいか分わかりませんが、人間にんげんが宇宙うちゅうへ行いけば、地球ちきゅう上じょうではできない、いわゆる宇宙うちゅう実験じっけん、微少びしょう重力じゅうりょく実験じっけんとか。ライフサイエンス・材料ざいりょうとか分わけられていますが、そういったものができるわけです。それを宇宙うちゅうステーションとか、スペースシャトル、ロシアのソユーズですか、今いまはこの3つくらいしか手段しゅだんがありませんが、それ以外いがいで特徴とくちょうのある宇宙うちゅう実験じっけんができるというのであれば、それがサイエンスとしても意義いぎが大おおきいのでは、と思おもいます。

【的いくわ川がわ】
　わかりました。それから、午前ごぜん中ちゅう出でていたのは観光かんこうですよね。旅行りょこうということ。それからSPSも出でましたね。これはエネルギー問題もんだいとの関連かんれんで出でました。

　ほかには。はい、どうぞ、木部きべさん。

【木部きべ】
　先さきほどちょっと否定ひてい的てきなことも少すこし申もうし上あげましたが、そういう形かたちで何なにをやるんだと。

多分たぶん、宇宙うちゅう実験じっけんをやります、観測かんそくをやりますとか、そういうような積つみ上あげ方式ほうしきで説明せつめいができないから今日きょうのような話題わだいがあるんじゃないかなと思おもうんですね。ですから、先さきほど例たとえば稲谷いなだに先生せんせいが完全かんぜん再さい使用しようのロケットを、30何なん年ねん後ごに実現じつげんさせたいという意志いしがあれば、10年ねん先さきにみんなを本気ほんきにさせる「うそ」をつかなきゃいけないわけですね。ですから、そういう意味いみで宇宙うちゅう実験じっけんだとか、ある意味いみではもうかりますよという話はなしが出でてくるんだろうし。私わたしは、最終さいしゅう的てきに宇宙うちゅうへ出でて、人類じんるいが何なにをするんだということに関かんして言いえば、先さきほど言いったように、宇宙うちゅう開発かいはつ自体じたいを人類じんるいの大おおきな営いとなみとして考かんがえたときに、やはり、外そとでコミュニティができる、これが最終さいしゅう的てきな目標もくひょうで、その目標もくひょうのために10年ねんごとにうそをついていけばいいかなというふうに思おもいますけれども。

【的いくわ川がわ】　　「うそ」という言葉ことばは、き流きながしていただいて……。

【中村なかむら】
　私わたしが言いった「ほら」というのと、多分たぶん、共通きょうつう性せいがあるんだと思おもいますけど。岩田いわたさん、お言葉ことばですけれども、微少びしょう重力じゅうりょく環境かんきょう利用りようというようなことは、今いままで投資とうししているんですから、そっちでやればいいんです。だって、そっちの成果せいかだって、全然ぜんぜん期待きたいできていないわけですよね、今いまのところほとんど。だから、これは今いままで投資とうしした分ぶんで、シャトルとそれからISSどうなるかわかりませんけどね、とにかく「きぼう」でできるだけのことはやっていただいて、そんなことをやりに行いくんじゃないんですよ、今いま考かんがえているのは。もう私わたしは木部きべさんの意見いけんと非常ひじょうに近ちかいんですけど、日本人にっぽんじんが宇宙うちゅうに存在そんざいすることを実現じつげんするわけですよ。それが、やっぱり私わたしは宇宙うちゅうへ行いく、有人ゆうじん宇宙うちゅう計画けいかくの最大さいだいの目的もくてきであり、意味いみだと思おもいます。

【コリンズ】
　そのとおりと思おもいます。宇宙うちゅうに行いくことは楽たのしいことと思おもいます。宇宙うちゅうに行いったことのある人ひとの話はなしでは、みんな生うまれてから一番いちばんおもしろい経験けいけんだと話はなしています。無重力むじゅうりょくで浮うかぶこと、それと地球ちきゅうとか宇宙うちゅうを眺ながめることは楽たのしいことです。ちょっと残念ざんねんなことは、宇宙うちゅう産業さんぎょう界かいの人ひとは、エンジニアとして、科学かがく者しゃとして、まじめな人ひとたちでしょう、それで税金ぜいきんを使つかって楽たのしむことはだめじゃないかと考かんがえてしまいます。もちろん、宇宙うちゅう観光かんこうビジネスをやることは政府せいふとして適当てきとうな活動かつどうじゃないです。けれど、新あたらしい産業さんぎょうを生うみ出だすことは政府せいふの責任せきにん、経済けいざい産業さんぎょう省しょうの仕事しごとです。

　宇宙うちゅうに行いくことは楽たのしいとみんなは知しっています。イギリスで、ある若わかいカップルがサブオービタルの便びんに搭乗とうじょう予約よやくしました。5,000ドルをデポジットしまして、それで今度こんど行いきたい。なぜかと言いうと、無む重力じゅうりょく空間くうかんで結婚式けっこんしきをするつもりであり、それでギネスブックに世界せかい初はじめて宇宙うちゅうで結婚けっこんした人間にんげんとして記録きろくに残のこす、ということでした。それはすばらしいです。ところが、まわりの同僚どうりょうは「馬鹿ばかじゃないか」と言いっている。ばかかもしれませんけど、彼等かれらは賢かしこい消費しょうひ者しゃですね。経済けいざいの基礎きそは消費しょうひ者しゃのマインドにあります。現在げんざいは消費しょうひ者しゃはお金かねを使つかいたくなくなりました。パソコンや携帯けいたいなどはもういいです。新あたらしいサービス、人気にんきがあるサービス、それを生うみ出だすことが日本にっぽん経済けいざい再生さいせいの鍵かぎだと思おもいます。

【的いくわ川がわ】
　半はん世紀せいきぐらい前まえに、1953年ねんですかね、糸川いとかわ先生せんせいがグループをつくられたのは。55年ねんにペンシルが上あがって、そのころから半はん世紀せいきぐらいの間あいだ、宇宙うちゅうの現場げんばで仕事しごとをした人ひとたちというのは、さっきの中村なかむらさんの話はなしと符合ふごうするんでしょうけれども、やはり、大好だいすきで大好だいすきでしょうがないから宇宙うちゅうの世界せかいに入はいってきたという人ひとたちが多おおいわけですよね。事実じじつ、今いまもそうだし、ずっと将来しょうらいもきっとそうだと思おもいますが、実際じっさいには半はん世紀せいきたって、確たしかに日本にっぽんの宇宙うちゅう開発かいはつは非常ひじょうに大おおきな曲まがり角かどに立たっています。3機関きかん統合とうごうの話はなしが出でていますが、統合とうごうとそれからビジョンをつくるというのはむしろ順序じゅんじょが逆ぎゃくだったような気きがします。統合とうごうするからビジョンをつくるというのは変へんだなという気きはしますけれども、ともかく今こんビジョンの議論ぎろんをしている。新あたらしく、半はん世紀せいきたって、曲まがり角かどに立たったところで、何なにか宇宙うちゅう活動かつどうの新あたらしい地平ちへいみたいなものをつくろうと思おもえば、今いまの木部きべさんや中村なかむらさんがおっしゃったようなパラダイムの変換へんかんというんですかね、そういうものが今こん非常ひじょうに求もとめられていると思おもうんです。今いままでの延長えんちょうだけでは、なかなか展望てんぼうは開あけない。

　そこで、有人ゆうじんというのが出でてきているわけですけれども、有人ゆうじんを進すすめていく上うえでの議論ぎろんというのは、木部きべさんが言いったように、有人ゆうじんで行いけばあれもできます、これもできますと言いって、抱だき合あわせただけでは、なかなか大おおきなビジョンは出でてこない。だから、何なにをやるんだというところで、何なにかみんなの気持きもちが一致いっちしたような、動機どうきづけが必要ひつようだと思おもうんですね。

今いままでパネラーの方ほうに出だしていただいた意見いけん以外いがい、会場かいじょうで何なにか、この点てんに関かんして言いいたいこと。

じゃ、野田のださんいきましょうか、はい。

【野田のだ（宇宙開発事業団うちゅうかいはつじぎょうだん）】
　若わかい女おんなの子こが好すきな野田のだですけれども。これは私わたしの意見いけんではなくて、さっき言いった20歳さいの女おんなの子こに聞きいた話はなしなんです。宇宙うちゅうに行いって何なにをやりたいかという、まさにその質問しつもんをしたんです。そうしたら、この中なかで40歳さいぐらいから下したの若わかい方ほうだったらすぐにわかってもらえると思おもうんですけど、ガンダムに乗のりたい。赤あかいロボットと白しろいロボットに分わかれて戦闘せんとうしてみたいというのがありました。合体がったいロボットものなんですけど、それで戦たたかうという、そういうふうなものが冗談じょうだんではなしに、若わかい世代せだいのほうから聞きこえてきた。まあ、ばかばかしい話はなしではありますけど、そんなのがあります。

【的いくわ川がわ】　　その隣となり。

【對たい木き（宇宙開発事業団うちゅうかいはつじぎょうだん）】
　女おんなの子こよりフィギュアのほうが好すきな對たい木きです。宇宙うちゅう観光かんこうというのも、一ひとつのキーワードだと思おもうんですけれども、私わたしは、宇宙うちゅう観光かんこうがそのきっかけになればいいと思おもうんですが、実際じっさいに今いま、飛行機ひこうきに乗のっている客きゃくを見みると、観光かんこうで乗のっている人ひととビジネスで乗のっている人ひとがいるわけです。したがって、有人ゆうじん宇宙うちゅう活動かつどうの最終さいしゅう的てきな目標もくひょうが、宇宙うちゅうに職場しょくばがある、宇宙うちゅうに仕事しごとがある、「いや、おれ今度こんど、出張しゅっちょうで宇宙うちゅうに行いかなきゃいけないんだ。」そういう世界せかいができて初はじめて宇宙うちゅうで経済けいざい活動かつどうができ、宇宙うちゅう分野ぶんやの産業さんぎょうが独立どくりつというか、国くにの資産しさんの援助えんじょなしに商業しょうぎょう化か、自立じりつ化かができると思おもいます。したがって、宇宙うちゅう観光かんこうともう一ひとつ、経済けいざい活動かつどう、宇宙うちゅう観光かんこうも経済けいざい活動かつどうの一ひとつだと思おもうんですが、仕事しごとに行いく、とび職しょくの人ひとも行いく、あるいはエンジニアも行いく、配管はいかん工こうも行いく、そういった「宇宙うちゅうに仕事しごとに行いく」という状況じょうきょうが必要ひつようです。もちろん、今いまでも宇宙うちゅう飛行ひこう士しは、そういう意味いみでは仕事しごとで行おこなっているかもしれませんし、一部いちぶの科学かがく、サイエンスも勿論もちろん重要じゅうようですが、それ以外いがいにも地上ちじょうでありふれた職場しょくばの延長えんちょう上じょうのようなものが宇宙うちゅうに構築こうちくされることによって、初はじめて宇宙うちゅうというのは爆発ばくはつ的てきに、飛躍ひやく的てきに発展はってんするんじゃないかと思おもいます。何なにのために有人ゆうじん宇宙うちゅうをやりますか、それは「宇宙うちゅうに仕事場しごとばをつくる」ためです、というのが私わたしの意見いけんです。

【的いくわ川がわ】　その右側みぎがわの方ほうも、手てを挙あげていらっしゃいましたね。どうぞ。

【野尻のじり（SF作家さっか）】
　私わたしは、SF作家さっかの野尻のじりと申もうしまして、カプセル型がたロケットを提案ていあんしている野田のださんの協力きょうりょく者しゃとして、霞ヶ関かすみがせきを説得せっとくする理由りゆうとか、いろいろと一生懸命いっしょうけんめいに考かんがえてきました。宇宙うちゅうで何なにをするのかと聞きく人ひとは、大体だいたい有人ゆうじんに反対はんたいしている人ひとなんです。ほんとうに行いきたいと思おもっている人ひとは、理由りゆうなんか持もってないわけですね。もう単たんに行ゆければいいと思おもっている。いろいろ考かんがえたんですけど、いわゆる行いく理由りゆうを考かんがえるのは国民こくみんであって、我々われわれにできることというのは、国民こくみんを本気ほんきにさせることである。要ようするにこの10年ねんくらいの間あいだに確実かくじつに何なにかできて、少々しょうしょう費用ひようがかかってもいいから、日本人にっぽんじんが日本人にっぽんじんの手てによって有人ゆうじん飛行ひこうができたという事実じじつを突つきつけること。それによって、国民こくみんが本気ほんきで、ああ、ほんとうに行いけるんだというふうに考かんがえ始はじめたら、そこから何なにか始はじまるんじゃないかと思おもうわけですね。

　だから、今日きょうの話はなしを聞きいていてびっくりしたのは、相変あいかわらずSSTOとかTSTOとか、再さい利用りよう型がたというような、いわゆる先進せんしん的てきと思おもわれている、しかし過去かこ20年間ねんかんなにひとつ成果せいかを出だしていない、コストばっかりかかる宇宙船うちゅうせんがいいと思おもわれていることです。そういうことでは、もう国民こくみんは本気ほんきにはなってくれないと思おもいます。その辺あたりをいわゆる根本こんぽん的てきに考かんがえ直なおして、まず手てがたく確実かくじつにできる計画けいかくを実行じっこうして国民こくみんの前まえに事実じじつを突つきっけるということが必要ひつようなんじゃないかなと思おもいます。

【的いくわ川がわ】　ほかにいかがですか。どんどん挙あがってきたな。はい、どうぞ。

【山中さんちゅう（IHIエアロスペース）】
　山中さんちゅうと申もうします。大変たいへんおもしろく聞きいています。ちょっと違ちがう視点してんなんですけれども、先さきほどの話はなしでは、まずものをつくるため、サービスを始はじめるためにはお金かねがかかるということ、2兆ちょう円えんぐらいあればできるとも言いわれていました。例たとえば、エアバスの場合ばあいはA320が一いち機き70億おく円えんで、採算さいさん分岐ぶんきが10年ねんぐらいを計画けいかくして700機きでペイする。エアバスは確たしかそんなような計画けいかくだったように思おもいます。そうすると、エアバス開発かいはつで4.9兆ちょう円えんですよね。ですから2兆ちょう円えんくらいだったら、エアバスは民間みんかんとみるかどうかは別べつですが、今いまでも10何なん年ねんか前まえでも集あつめようと思おもえば、集あつめられる額がくですよね。会社かいしゃとしてやろうと思おもえばできるんじゃないかという気きがしました。

　それから、2つ目め。技術ぎじゅつ的てきには10年ねん以内いないで、もうカプセル型がただったら3億おく円えんでできるというのであればこれもクリアできるわけですね。

　それから3つ目め。運賃うんちんの話はなしで、稲谷いなだに先生せんせいが、100万まん円えんだったら100万まん人にん集あつまると。多分たぶんそうだと思おもいます。現げんにロシアで、ミグ31で高度こうど8万まんフィートまで連つれていってくれるサービスを1人ひとり100万まん円えんで提供ていきょうしているというのがあります。たかだか8万まんフィートで100万まん円えんの値段ねだんがついているわけですから、もうちょっと高たかい高度こうどに行いけば、もっとお金かねは出だしてくれるんじゃないかと。

　そうすると、必要ひつような資本しほんと、お客きゃくさんがペイしていいなという市場いちば、それとあと技術ぎじゅつ的てきな可能かのう性せいの三拍子さんびょうしが一応いちおうそろっているのであれば、あと何なにが問題もんだいなのかなというところをちょっと議論ぎろんしていただければと思おもいます。つまり、要ようは事業じぎょう化かしようと思おもえば、投資とうし家かを見みつけて、社長しゃちょうを見みつけて、技術ぎじゅつ部長ぶちょうを見みつければ、いいんじゃないかなという気きもしたんですけれども、その辺あたりは何なにが本当ほんとうに欠かけているのでしょうか。そういった観点かんてんでのお話はなしを聞きかせていただければありがたいと思おもいます。

【的いくわ川がわ】
　それが今日きょうのテーマなんでしょうけどね。何なにが足たりないから?　これは稲いね谷だにさんが一番いちばん初はじめに言いったことですけど、こんなに長ながいことやっているんだけど、どうして何なにも起おきないのかなということなんですね。どうしましょうかね、稲谷いなだにさん。

【稲谷いなだに】
　最後さいごの答こたえだけになるかもしれませんけど、ロケット屋やという人種じんしゅは、世よの中なかでほんとうの意味いみで仕事しごとをしたことがなくて信用しんようがない。だれも商売しょうばいの相手あいてだと思おもってくれない。だから何なにごとも起おきない。要ようするに税金ぜいきんを使つかって仕事しごとをやることしかしていないので、世よの中なかに対たいして信用しんようがない。他たに信用しんようのある人ひとがいるのかどうかわかりませんが、旅行りょこうの話はなしについて言いえば僕ぼくらはまさにそういうことを考かんがえていて、こんなビジネスチャンスがあるのでどうですかと持もちかけました。もう5、6年ねん以上いじょう前まえになります。年間ねんかん1兆ちょう何なん千せん億おくくらいの話はなしです。そして、僕ぼくらはそう言いったものの、もしお金かねを出だそうという人ひとが出でてきたらどうしようかなどと心配しんぱいしたんですけど、結局けっきょくだれも出でて来こなくて、その後ごだれも現あらわれてないです。こんなやり方かたじゃだめなのかと、経済けいざい学者がくしゃの立場たちばでコリンズさんらに色々いろいろ相談そうだんしました。どうしてだれも僕ぼくらの言いうことを信用しんようしないのか。ベンチャー、ベンチャーと言いうけれども、何なにが問題もんだいかというところを突つき詰つめていくと、ぼくらが世よの中なかに信用しんようがないのはどうしてかということに帰着きちゃくします。自分じぶんのことを言いっているのであって、皆みなさんのことを言いっているわけではないですが。皆みなさん、どういうふうに考かんがえるんですか。その質問しつもんをもう一度いちど返かえしたいぐらいです。

【的いくわ川がわ】　中村なかむらさん、いかがですか。

【中村なかむら】
　皆みなさんが信用しんようがないんじゃなくて、皆みなさんがビジネスの相手あいてにまさかなるとは思おもえうっていないというだけのことじゃないですか。というのは、逆ぎゃくに言いうと、皆みなさんまじめ過すぎるんですよ。NASAと比くらべたら悪わるいんですが、NASAって変へんな人ひとがいるじゃないですか。宇宙うちゅう飛行ひこう士しにだっていましたよね。スピンオフして、何なにかやっちゃう人ひとがいるじゃないですか。何なにだよ、突然とつぜん宇宙うちゅう飛行ひこう士しがあるいはNASAの職員しょくいんだったのが山師やましみたいなことを言げんいやがってというのが多分たぶん、日本にっぽんの反応はんのうなんですよね。アメリカの反応はんのうはそうじゃないということは、日本にっぽんが逆ぎゃくなんですよ、やっぱり。皆みなさんがもうちょっと言葉ことばは悪わるいですが、いい加減かげんなことを言いってもらった方ほうがいいんですよ。あるいはもう、ISASをやめちゃって、NASDAをやめちゃって、ほら吹ふき会社かいしゃをつくっちゃう。そうすると、やっとビジネスの相手あいてだと認みとめられるんで、皆みなさん、基本きほん的てきに旧きゅう文部省もんぶしょうとか、旧きゅう科学技術庁かがくぎじゅつちょうとか、そういうところと一体化いったいかして見みられているんですよ。それが私わたしは皆みなさんにとっての最大さいだいのハンディキャップだと思おもいますけどね。今いまは文科ぶんか省しょうだから信用しんようないんですよ、極端きょくたんない方いかたですけど。

　だって、私わたしも先さきほど原子力げんしりょくの話はなしをしましたいろんなところでサイエンスの方ほうに首くびを突つっ込こませていただいていますけれども、どこへ行いっても、結局けっきょく今いまの文科ぶんか省しょうが横断おうだん的てきにいろんなことをオープンにやろうとしないことが最大さいだいの問題もんだいだというところにあちこちでぶつかっていますよ。だから、例たとえば原子力げんしりょく産業さんぎょうなんていうのは、経済けいざい産業さんぎょう省しょうが、もう文科ぶんか省しょうにやらせないほうがいいんじゃないか、全部ぜんぶとっちゃおうぜということになるわけです。それを考かんがえると、だれかスピンオフして、文科ぶんか省しょうに駆かけ込こまないで、経済けいざい産業さんぎょう省しょうに駆かけ込こみましょうよ。そうしたら、ビジネスチャンスが出でてくると思おもいますけどね。

【的いくわ川がわ】
　はい、ありがとうございました午前ごぜん中ちゅうにもちょっと出でていた意見いけんですけれども、従来じゅうらいの宇宙うちゅう開発かいはつの現場げんばにとらわれないで、他た省庁しょうちょうとの関係かんけいをつけるとか、あるいはさっきCRLの富田とみたさんがおっしゃっていたように、メーカーと、CRLもお金かねを出だされるそうですけど、新あたらしい株式会社かぶしきがいしゃをつくるとかの考かんがえはあるでしょうね。それからこれは国家こっか予算よさんだから同おなじかもしれないけれど、そういうふうな枠組わくぐみを、新あたらしく考かんがえ直なおす必要ひつようはきっとあるんですよね。その場合ばあい、例れいの総合そうごう科学かがく技術ぎじゅつ会議かいぎというところに期待きたいしたいんですが、これは経済けいざい産業さんぎょう省しょうがおそらく力ちからを握にぎっているんでしょう。従来じゅうらい、旧きゅう科技庁かぎちょう、郵政ゆうせい、運輸うんゆの3つはお互たがいに相当そうとうに対立たいりつしていても、通産省つうさんしょうが加くわわると言いいだすと突如とつじょ団結だんけつして、それは絶対ぜったいに入いれないという、そういう図式ずしきがずっと繰くり返かえされていたわけで。

今いまは経済けいざい産業さんぎょう省しょうは宇宙うちゅう開発かいはつに力ちからを注そそごうという方針ほうしんをかなり出だしてきましたね。それから輸送ゆそう機関きかんという意味いみでは、国土こくど交通省こうつうしょうも大分おおいた意いを決けっしたところもあります。宇宙うちゅう開発かいはつも横断おうだん的てきに何なにかやれれば相当そうとう違ちがうと思おもうんですが、今いまは文部もんぶ科学かがく省しょうがそれを必死ひっしで守まもっているという構図こうずです。3機関きかんが統合とうごうするどさくさに、もう少すこし枠組わくぐみが何なにか崩くずれる方向ほうこうはないのかなと。そうなれば、先さきほどから出でている、一生懸命いっしょうけんめい頑張がんばっても何なにも動うごかないということへの一ひとつの回答かいとうにはなるんではないかなと思おもうんですが。それに予算よさんがもう絶対ぜったい増ふえないという前提ぜんていでしか計画けいかくが練ねられないというのは大変たいへん妙みょうなことで、そこのところの枠組わくぐみを崩くずす妙案みょうあんというのはないでしょうけれども、その辺あたりについてどんなお考かんがえをお持もちでしょうか。予算よさんの枠組わくぐみというのは、もうほんとうにこれを前提ぜんていにせざるを得えないのか、あるいは崩くずす方法ほうほうはあるのか。その点てんについて、ちょっと現実げんじつ的てきな話はなしですけれども、ご意見いけんを伺うかがいたいと思おもいます。いまの予想よそうだと3,000億おく円えんがあり、600億おく円えんはステーションにかならず消きえ、200億おく円えんは宇宙うちゅう科学かがくに来きて、ほかにもいろいろありますよね。結局けっきょく、将来しょうらい型がたの輸送ゆそう系けいとかそういうところに注そそがれる金かねというのは非常ひじょうに少すくなくなってくるわけですけれども、それを突とっき崩くずすのは、その3,000億おく円えんという枠わくを何なんとか取とっ払ばらって展望てんぼうを示しめす以外いがいないと思おもいますが、どうでしょうか、そこは。はい、どうぞ。

【岩田いわた】
　政策せいさく的てきな難むずかしい話はなしですけど、今いま、私わたしも含ふくめて、予算よさんをもらって研究けんきゅう開発かいはつしている方ほうとしては、このままうまく同おなじことをやっていれれば一番いちばんいいわけです。そうしたいけれど、なかなかリストラの嵐あらしで、うまくいかないんで考かんがえているわけですが、そんな中なかで今こん盛さかんに午前ごぜん中ちゅうから出でている大おおきなキーワードが商業しょうぎょう化かですね。民間みんかんセクターにがんばってもらう方ほうがいいんじゃないか、という話はなしと今いままでやってきたとおり予算よさんをもらって国くにとしての宇宙うちゅう開発かいはつをやっていきたい、というのは矛盾むじゅんしているところもあるわけです。予算よさんをもらって国家こっかプロジェクトでやるという面めんから言いうと、民間みんかんの商業しょうぎょう化かというのはどう考かんがえていいかわからない。むしろ邪魔じゃまになるんじゃないかという、結果けっかとしては。今いままでのような国くにの予算よさんで宇宙うちゅう開発かいはつを続つづけている以上いじょう、結局けっきょく、いつの間まにか商業しょうぎょう化かを邪魔じゃましているという面めんがあるんじゃないかと思おもいますね。だから商業しょうぎょう化かというのはバラ色ばらいろの夢ゆめのように言いわれているけれども、もしかしたらそれも間違まちがいで、結局けっきょくは商業しょうぎょう化かはうまくいかないかもしれない。そうだとしたら、商業しょうぎょう化かにパラダイムシフトした結果けっかですね、何なにもかも失うしなってしまうわけで、国家こっか予算よさんは減へっていくし、商業しょうぎょう化かはうまくいかないのではないかという、本音ほんねのところで心配しんぱいがあるんですよ。もしそんな心配しんぱいが無ないんだったら、商業しょうぎょう化かにがらっと変かえてしまった方ほうが国くにの方ほうもうまくいくかもしれない。ですけど、そこがだれにもわからない。勉強べんきょう不足ふそくで、世よ聞のことを知しらないのもあるんだけれども、よくわかりません。本当ほんとうのところ私わたしは商業しょうぎょう化かに切きり替かえた方ほうが活路かつろが開あけるかなと思おもうんだけど、もしかしたらそれも間違まちがいで大だい失敗しっぱいするかもしれない、そういう心配しんぱいを持もっています。皆みなさんも本当ほんとうのところそうじゃないかと思おもうんですけれども。

【的いくわ川がわ】　はい、高野たかの（忠ただし）先生せんせいどうぞ。

【高野たかの（宇宙うちゅう科学かがく研究所けんきゅうじょ）】
　技術ぎじゅつに関かんしてはデマンドとサプライがあります。今いままではサプライの話はなしばかりだったんですが、いまデマンドの話はなしがでたことで非常ひじょうに盛もり上あがっていると思おもうんです。いまの岩田いわたさんのお話はなしで、国くにが出過ですぎてはいけないということで、私わたしの経験けいけんで携帯けいたい電話でんわの話はなしをしたいと思おもいます。コリンズさんの論文ろんぶんの中なかにも携帯けいたい電話でんわが大だい発展はってんしたと書かいてあります。これは、当時とうじの電でん々公社こうしゃが17年ねん前まえに実用じつよう化かを決きめたわけですけれども、当時とうじ、これがペイするとはだれも思おもわなかったわけですね。その後ご15年ねんぐらいして、18万まん台だいぐらいの携帯けいたい電話でんわが売うれて、ああ、これでやっとペイしたと、事業じぎょう化かだという具合ぐあいになりました。事業じぎょうとはそういうものだと思おもいます。要ようするに、言いいたいのは、だれもビジネスの先さきはわからない。わからないけれども、当事とうじ者しゃがやらないとビジネスというのは立たち上あがらないということだと思おもうんですね。郵政省ゆうせいしょうが当時とうじの携帯けいたい電話でんわをやろうと思おもっても多分たぶんできなかったと思おもうんですね。事業じぎょうをやろうとしている人ひとがやる、それがビジネスだと思おもうんです。もし、そうでなければ国くにが技術ぎじゅつ開発かいはつしたものを民間みんかんに渡わたしてしまって民間みんかんがやるか。要ようするに、ビジネスに関かんしては国くにがもう手てを引ひくべきであると申もうし上あげたい。

　次つぎに、宇宙うちゅうがビジネスになり得える時期じきになっているのかということなんですけれども、10年ねんくらい何なにも動うごかなかったのは、それは時期じきが悪わるかっただけの話はなしです。今いまはまさしくその時期じきなので、最低限さいていげん何なにをやったらビジネスになるのか、例たとえば100万まん円えんで宇宙うちゅう旅行りょこうと言いいますけれども、何なにかやるためには最低限さいていげんどこで出発しゅっぱつするか、です。とにかく動うごき出だせば何なにかあるんですから。先さきほど中村なかむらさんの話はなしで2,000万まん円えんクルーズという話はなしが出でましたし、野田のださんは2億おく円えんカプセル、これは非常ひじょうに手てごろな値段ねだんだと思おもうんですね。とにかく動うごき出だそうじゃありませんか。それのためには、民間みんかんに金かねを出ださせる、すなわち銀行ぎんこうの金かねでビジネスをする、この精神せいしんだと思おもいます。そのためにはどうしたらいいのか、私わたし、ビジネスマンではありませんのでその辺あたりはわかりませんが。

【的いくわ川がわ】　その前まえの方ほう、お願ねがいします。

【鹿野かの（SF作家さっか）】
　野田のだ応援おうえん団だんの一人ひとりの鹿野かのといいます。先さきほど中村なかむらさんがおっしゃったような、普通ふつうの人ひとだって宇宙うちゅうに行いけるということが、これからの宇宙うちゅう開発かいはつの大おおきな駆動くどう力りょくになると思おもうんですね。我々われわれのレポートの中なかでも、宝たからくじで宇宙うちゅうへ行いこうという話はなしは書かいてあるし、10億おく円えんくらいで宇宙うちゅうに行いけるというクラスになってくると、何なにかそれを使つかって、歌手かしゅのプロモーションのようなショービジネスでは十分じゅうぶんペイするような価格かかく帯たいに落おちてくると思おもうんですよ。そして、その辺あたりのコスト感覚かんかくから一般いっぱんの人ひとが宇宙うちゅうを身近みぢかに感かんじるという効果こうかが出でてくると思おもいます。我々われわれが考かんがえた宇宙船うちゅうせんというのは、周回しゅうかい軌道きどうを考かんがえていますので、3億おく円えんと値段ねだんがかかるんですけれども、コリンズ先生せんせいは、サブオービタルならもっと値段ねだんが安やすいとおっしゃいました。ただサブオービタルと軌道きどうでは、技術ぎじゅつ的てきなギャップが非常ひじょうに大おおきくて、そう連続れんぞく的てきに続つづかないような、かなり別べつのもののように思おもうんですが。その辺あたり、まず、一般いっぱん的てきにたくさんの人ひとが宇宙うちゅう体験たいけんができるような状況じょうきょうをつくってから、それとは別べつのラインで周回しゅうかい軌道きどうをやるべきなのか、それとも初はじめから周回しゅうかい軌道きどうを目指めざしたらいいのかという点てんは、僕ぼくも、さっきのお話はなしを聞きいていて迷まようところなんですが、できればコリンズ先生せんせいにその辺あたりのことを伺うかがいたいと思おもうんですけど。

【コリンズ】
　おっしゃる通とおり、サブオービタルは秒速びょうそく1キロ、周回しゅうかい軌道きどうは8キロ、それはすごいギャップだと思おもいます。もう一ひとつ、さっきのコメントで民間みんかんビジネスとしてお金かねを調達ちょうたつできませんかという話はなしをしましたが、投資とうし者しゃの観点かんてんからするとリスクは大おおきいです。それは当あたり前まえです。世界中せかいじゅうで、ロケットによって観光かんこう旅行りょこうした人ひとは、チトーさんの前まえには誰だれもいなかった。それで投資とうし者しゃの観点かんてんからいうとリスクが非常ひじょうに高たかかった、新あたらしいことだったからです。新あたらしい、初はじめてのベンチャービジネスで1兆ちょう円えんというのは無理むりです。その点てんで、100億おく円えんぐらいならなんとかできるんじゃないでしょうか。そのサブオービタルのビジネスがうまくいったら、そしてそれから何なん万まん人にんか何なに十じゅう万まん人にんかわからないが、無事ぶじにこれに乗のって宇宙うちゅう旅行りょこうが始はじまると、投資とうし者しゃは信用しんようすることになります。それで、何なん千せん億おく円えんくらい調達ちょうたつできる可能かのう性せいは出でてくると思おもいます。そういうことはある程度ていどまでしか予測よそくできないですけれど、人気にんきはあると思おもいます。宇宙うちゅう旅行りょこうは全ぜん世界せかいで21世紀せいきの基本きほん的てきな経験けいけんになるんじゃないかと私わたしは思おもいます。今いまはまだ基本きほん的てきに「冷戦れいせん後ご時代じだい」という話はなしをしていますけど、21世紀せいきはどういう時代じだいですかと言いいますと基本きほん的てきに「宇宙うちゅう時代じだい」になると思おもいます。今いまは政府せいふ関係かんけいの人ひとが宇宙うちゅうに行いっていますが、そういうのは宇宙うちゅう時代じだいではないんです。宇宙うちゅう時代じだいとはだれでも宇宙うちゅうに行いける時代じだいだと思おもいます。

近ちかい将来しょうらいはサブオービタルが人気にんきになると思おもいますから、需要じゅようと供給きょうきゅう、両方りょうほうが今いま、投資とうし者しゃの目めの前まえにありますね。投資とうし者しゃはお金かねについては全部ぜんぶ知しっているが、お金かね以外いがい何なにもわからない。技術ぎじゅつについては自分じぶんでどちらが良よいとか全然ぜんぜん判断はんだんできないけど、目めの前まえで宇宙うちゅうに行いっている、みんなロケットに乗のっているとなると、もうちょっと長期ちょうき的てきに「宇宙うちゅうホテルもいいんじゃないか」というような考かんがえが出でてくると思おもいます。サブオービタルから軌道きどうへのステップはある程度ていど大おおきいけど、軌道きどうに行いく上うえでの技術ぎじゅつは40年ねん前まえにできていますね。チトーさんは1657番ばん日びのソユーズロケットですから、そのステップに無理むりなことは何なにも無ない。まずサブオービタルの便びん、それからオービタル軌道きどうにいく、その次つぎに宇宙うちゅうホテルですね。宇宙うちゅうホテルはモジュールですが、だんだんすごいビジネスになっていくと思おもいます。

　もう一ひとつコメントがあるのですが、どうしてお金かねが調達ちょうたつできないかということです。基本きほん的てきに宇宙うちゅう局きょくは有人ゆうじんに反対はんたいですから今いまは調達ちょうたつできません。アメリカでは10年ねんぐらい、いろんなベンチャービジネスがいろんなロケットや、サブオービタ、オービタなどのシステムに数すう十じゅう億おく、数すう百ひゃく億おく円えんの規模きぼを投とうじましたが、NASAはこれらに反対はんたいでしたNASAの前ぜん長官ちょうかんのゴールディンは、チトーさんが宇宙うちゅうに行いけないようにキャンペーンしたほどです。そのことについて私わたしは2回かい話はなしましたが、彼かれは基本きほん的てきに宇宙うちゅう旅行りょこうは嫌きらいです。98年ねんにNASAがアメリカのSTA（宇宙うちゅう輸送ゆそう協会きょうかい）と一緒いっしょに宇宙うちゅう旅行りょこうについての論文ろんぶんを出版しゅっぱんしました。非常ひじょうにポジティブな内容ないようで、十分じゅうぶんに可能かのうで、一番いちばん大事だいじなビジネスになると。しかしゴールディンの反対はんたいで、この出版しゅっぱん物ぶつはNASAから受うけ取とることはできなかった。ホームページにも出でなかった。彼かれの任期にんきが終おわったので、いまはNASAのホームページでスペースツーリズムをサーチするとこの論文ろんぶんを見みることができますが、改あらためてすばらしいと思おもいます。その中なかに、どうすれば宇宙うちゅう旅行りょこう産業さんぎょうが実現じつげんするかというリコメンデーションがあります。一番いちばん最初さいしょは、お金かねは必要ひつようありません。世界中せかいじゅうで宇宙うちゅう局きょくのトップの人ひとがスピーチで、宇宙うちゅう旅行りょこうは良よいことである、可能かのうである、技術ぎじゅつ的てきにも十分じゅうぶん……なんたらかんたら……と話はなしてまわる。予算よさんがあればこれができると。そのスピーチだけでも投資とうし者しゃや会社かいしゃは元気げんきになって、「ああやっぱり無理むりでないですね、なんとかやってみようか……」となるんですけれども、今いままでは「拒否きょひ」でした。「宇宙うちゅう旅行りょこう拒否きょひ政策せいさく」が続つづく間あいだは、お金かね調達ちょうたつはできないと思おもいます。

【的いくわ川がわ】　はい、ありがとうございました。今いまの意見いけんについて、何人なんにんか手て挙あがっているんですけど、じゃ、麻生あそう先生せんせいからいきましょうか。

【麻生あそう（九大きゅうだい工こう・航空こうくう）】
　先さきほどの的いくわ川がわ先生せんせいの3,000億おく円えんの話はなしです。この枠わくを崩くずすためにはどうしたらいいかということについてですが、これは非常ひじょうに大事だいじな問題もんだいだと思おもうんですけどね。国土こくど交通省こうつうしょうとか経済けいざい産業さんぎょう省しょうの宇宙うちゅう輸送ゆそうとか、そういう国くにがやるべき仕事しごとに対たいして、それらの予算よさんが全部ぜんぶ流ながれ込こむような、一元いちげん的てきな枠組わくぐみに新あたらしくつくりかえないといけないと思おもいます。ですから、いま3機関きかん統合とうごうの話はなしが進行しんこう中ちゅうですが、すべての省庁しょうちょうの縦割たてわりをなくして、国くにがやる宇宙うちゅう関連かんれんの仕事しごとは全部ぜんぶこの新しん機関きかんでやるというような仕組しくみを目指めざしたいですね。どんな形かたちが可能かのうかわかりませんけれども、それをやらない限かぎり、3,000億おくの枠わくは消きえないと思おもうし、それが逆ぎゃくに成功せいこうすれば、もっとこの新しん機関きかん予算よさんも増ふえていく可能かのう性せいがあると思おもいます。その実現じつげんに真剣しんけんにかつ有機ゆうき的てきに、効果こうか的てきに取とり組くんでほしい、というのが私わたしの偽いつわらざる願ねがいです。

【的いくわ川がわ】それは独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんというふうに、もしなった場合ばあいに、その活動かつどうの仕方しかたの問題もんだいですかね。

【麻生あそう】　そうでしょう。

【的いくわ川がわ】　はい、じゃ、松本まつもとさん、どうぞ。

【松本まつもと（航空宇宙技術研究所こうくううちゅうぎじゅつけんきゅうじょ）】
　今いまここで行おこなわれている議論ぎろんは、宇宙うちゅう旅行りょこう、一般人いっぱんじんの宇宙うちゅう旅行りょこうということにどんどん頃ころいて行いっているという気きがするのですが、私わたしはずうっと話はなしを聞きいていて非常ひじょうに違和感いわかんをもちました。皆みなさんは、宇宙うちゅう開発かいはつでディズニーランドを作つくるつもりなのですか?　毎年まいとし3,000億おくか何なに千せん億おくかけて一生懸命いっしょうけんめいディズニーランドをつくろうと思おもっているように聞きこえてくる。それは間違まちがいだと思おもいます。宇宙うちゅう旅行りょこう、宇宙うちゅう観光かんこう旅行りょこうは、あくまでも日本にっぽんの宇宙うちゅう開発かいはつの一種いっしゅのスピンオフとしてやるというのなら分わかるけれども、それがメインターゲットとなるんでしょうか。

【的いくわ川がわ】　有人ゆうじんについてのご意見いけんをちょっとお伺うかがいします。

【松本まつもと】　有人ゆうじん輸送ゆそうについても同おなじだと思おもいます。

【的いくわ川がわ】　同おなじというのは、有人ゆうじん輸送ゆそうというのは必要ひつようだとお考かんがえですか。

【松本まつもと】　私わたしは必要ひつようだと思おもってますけれども。

【的いくわ川がわ】　何なにをするために?

【松本まつもと】
　それは、やはり午前ごぜん中ちゅうのお話はなしにもあったように、人類じんるいのフロンティアを拡大かくだいしていくということです。どうしても人間にんげんは宇宙うちゅうに出でて行いかざるを得えない。例たとえば、これは大分おおいた昔むかしの話はなしになるんですけど、ローマクラブ報告ほうこくを見みると、あらゆる資源しげんは300年ねんから400年ねんで枯渇こかつするといいます。これがほんとうだとすると、あと何なん年ねん資源しげんが残のこっているかと考かんがえると、そういう視点してんは50年ねん早はやいのかもしれないけれども、宇宙うちゅう開発かいはつで一ひとつの解かいを出だすとしたら、いずれ有人ゆうじん宇宙うちゅう輸送ゆそうが出でてくるだろうと思おもいます。多分たぶん200年ねん後ごに宇宙うちゅう開発かいはつで頑張がんばろうとしても、もうその時ときはリソースはないだろうという気きがします。そういう視点してんがもう少すこしあっていいんじゃないか。その中なかのサイドエフェクトとして宇宙うちゅう旅行りょこう、宇宙うちゅう観光かんこう旅行りょこうがある。そういう形かたちにならないものかという気きがします。

【的いくわ川がわ】
　わかりました今いままでの議論ぎろんとのかかわりで言いえば、将来しょうらいの宇宙うちゅう輸送ゆそう、あるいは有人ゆうじんの輸送ゆそうシステムを考かんがえている人ひとは、宇宙うちゅう観光かんこうだけをターゲットに考かんがえていたわけでないと思おもうんですよね。ただエネルギー危機ききを救すくうからSPSが必要ひつようだとか、そういうことでは、要ようするに事態じたいは打開だかいできなかったわけでしょう、きっと。どうやっても何なにも動うごかなかったんで、ワラにすがっているわけじゃないけれども、経済けいざい分析ぶんせきその他たをして、経済けいざい的てきに可能かのう性せいが出でているものがおそらく宇宙うちゅう観光かんこう旅行りょこうだけという形かたちで、議論ぎろんが進すすんでいるんだと思おもうんですね。おそらく、松本まつもとさんも同おなじような意図いとだと思おもうんですが、説得せっとく力りょくのある有人ゆうじん宇宙うちゅう輸送ゆそうとはどういうものなのかということをいま議論ぎろんしているわけでしょう。富田とみたさん、どうぞ。

【富田とみた（通信つうしん総合そうごう研究所けんきゅうじょ）】
　宇宙うちゅうにゴールドがあるかという話はなしを始はじめると、それはもう、この10年ねん、20年ねんやってきた議論ぎろんの繰くり返かえしで、先さきほどどなたかが言いわれたように、とにかく有人ゆうじんを始はじめれば、そこにゴールドが見みえるというほうが正解せいかいではないかと思おもいます。もちろん有人ゆうじんはメインではない、スピンオフだし、先さきほど岩田いわたさんが言いわれたように、経済けいざいのほうに乗のっかると宇宙うちゅうは崩壊ほうかいしてしまうんじゃないかという危険きけんはありますけれども。だから経済けいざいをやるんでしょう。でも今いま、そういうことを日本にっぽんでい出いださなければ、これから10年ねん、20年ねんはずっと米国べいこくの後追あとおいでしかないと思おもうんですね。だから、どこかで米国べいこく、ロシア、中国ちゅうごく、あるいは欧州おうしゅう、というところを向むいて日本にっぽんの独自どくじ性せいを出だすとすれば、有人ゆうじんをやるよと言いわなければならない。ほんとうはCEOがいいんですが、CEOはもうちょっと経済けいざいのわかる方ほうがなるとして、例たとえにCTOに的いくわ川がわ先生せんせい、そちらに座すわっている方かたたちが技術ぎじゅつ部長ぶちょうになってベンチャー会社かいしゃを起おこして、国くにから20億おく円えん、外部がいぶから300億おく円えん、トータル合あわせて何なに百ひゃく億おく円えん、あるいは何なん千せん億おく円えんという金額きんがくを集あつめて、10年間ねんかんで何なにかをやると。日ひの丸まるをつけた人ひとが、X-15でもいいですけれども、日本にっぽんがつくったもので宇宙うちゅうに行いくということを、技術ぎじゅつ畑はたけの方ほうが示しめしてくれるならば、私わたしも一いち枚まい乗のってもかまわない。

　ところで、こんど独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんになりましたから、通つう総研そうけんにはプレベンチャー制度せいどといういいシステムがありまして、CRLの職員しょくいんがベンチャーに出でても、5年ねんぐらいならば失敗しっぱいしても戻もどってきていいよと、そういう制度せいどをつくりました。それを10年ねんに延のばせば、一応いちおう安心あんしんしてベンチャーに出でて行いけます。今度こんど3機関きかんが統合とうごうする新あたらしい機関きかんでも、ぜひそういうプレベンチャー制度せいど、失敗しっぱいしたら戻もどってきても職しょくはありますよという制度せいどをつくって下ください。規定きていをつくってしまえば安心あんしんして会社かいしゃをつくれます。そういうことをしないと現状げんじょうは打開だかいできないし、ここで日本にっぽんのトップを動うごかすには、有人ゆうじんをい出いださなければいけないというふうに思おもいます。

【的いくわ川がわ】　その前まえの方ほう、もう一人ひとり

【秋山あきやま（西松建設にしまつけんせつ）】
　秋山あきやまと申もうします。私わたしは、木部きべ先生せんせいの一歩一歩いっぽいっぽ進すすんでいくべきだという意見いけんがとても重要じゅうようだと思おもいます。私わたしは無人ぶにんでも有人ゆうじんでも、どちらもどんどんやってくれという意見いけんですけれども、いま有人ゆうじんに参入さんにゅうする、しないという決断けつだんはとても一いち歩ほが大おおきいんじゃないかと思おもうんですね。日本にっぽんの政府せいふとしても、有人ゆうじん打うち上あげ能力のうりょくを持もっていない段階だんかいで、民間みんかんの参入さんにゅうをうんぬんするというのは、非常ひじょうにステップが遠とおいんじゃないでしょうか。そこで提案ていあんですが、現在げんざい、地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどうには民間みんかんもどんどん打うち上あげていますが、3機関きかんが現在げんざいやっているミッションに、どんどん民間みんかんの参入さんにゅうを許ゆるすというのをまず始はじめてはどうかと。例たとえば、今度こんど、セレーネにNHKのハイビジョンカメラが乗のることが決きまったと聞きいていますけれども、あれは非常ひじょうにいい例れいだと思おもいます。選考せんこう過程かていなどいろいろ手続てつづきはあると思おもいますが、ある一定いってい量りょうのリソースに関かんしては、民間みんかんが応おう分ぶんな費用ひようを払はらうのであれば乗のせてよ、ということをまず無人むじんのうちから始はじめます。例たとえば、1グラムだけ乗のせるから1グラム分ぶんだけのお金かねを払はらう、ということであれば、非常ひじょうに低ひくい投資とうしでいいわけですよね。それで儲もうかるか儲もうからないかということは、政府せいふ機関きかんよりも民間みんかんが考かんがえたほうが、よっぽどいい案あんが出でてきます。損そんをしたならば民間みんかんが損そんを負おうし、利益りえきが上あがったら、それは民間みんかんが利益りえきをとるということをやっていく。

我々われわれがそのときに提示ていじすべきは、今いまは無人むじんでこうやってます、有人ゆうじんに関かんしても同おなじスタンスでこれからやっていきますよ、と約束やくそくすることです。ところで、有人ゆうじんの最初さいしょのうちは観光かんこう旅行りょこうというのは、まだちょっと目的もくてきが違ちがうかな、と私わたしは思おもいます。松本まつもと先生せんせいも言いわれていますけれども、数すう億おく円えんの段階だんかいでターゲットにすべきは民間みんかんの宇宙うちゅう旅行りょこうではなくて、やっぱりサイエンスだと思おもいます。これは、午前ごぜん中ちゅうに矢野やのさんがサイエンスの提案ていあんをしておられたので我田引水がでんいんすいではないんですが、国くにとしてはまずはサイエンスの意義いぎがあるからやりますと。ただし、そういうふうにやっていく途中とちゅうで、民間みんかんの人ひとが加くわわってくることがあれば、応おう分ぶんのコストを払はらうんであれば、それは認みとめましょうということを最初さいしょから言いえばいい。お金かねを払はらって、民間みんかんでも宇宙うちゅう飛行ひこう士しを乗のせてくれと言いうんだったら、乗のせてあげたらいい。ともかく、まずは無人むじんのところから始はじめる、有人ゆうじんになっても同おなじようにやるよというスタンスを示しめせば、民間みんかんもどんどん参入さんにゅうしてきてくれるんじゃないかというふうに思おもいます。どうでしょうか。

【的いくわ川がわ】
　今いまのご意見いけん、どうでしょうか。結論けつろんというか、方向ほうこう議ぎ命いのちはおそらく2つあって、一ひとつは国くにを動うごかして、大おおきな有人ゆうじんの予算よさんを獲得かくとくしていくという方法ほうほうはあるかどうか、二ふたつ目めは、もう国くにはだめだからベンチャー的てきに、民間みんかんのお金かねに頼たよって進すすめていくという方式ほうしきしかないのではないか、という考かんがえ方かたです。どうも雰囲気ふんいき的てきにはこの2つに分わかれているような気きがします。もう一ひとつきっと、有人ゆうじんは当分とうぶんやらなくてもいいという意見いけんは、おそらく潜在せんざい的てきにあるかと思おもいますけれども。その辺あたりの基本きほん的てきな方向ほうこう性せいですね。どなたかご意見いけんがあれば。

　棚たな次じ先生せんせい、アメリカ、ヨーロッパの状況じょうきょうを含ふくめていかがですか。二に、三さん十じゅう年ねん先さきだと、もう、再さい使用しよう型がたのものが飛とんでいるだろうと断言だんげんしていいんでしょうかね。

【棚たな次じ（宇宙うちゅう科学かがく研究所けんきゅうじょ）】
　国くにがやるか、民間みんかんがやるかということですが、国くにがビジネスをやってうまくいった例れいは何なにもないわけですね。今いままで何なにもないんです。今いま、特殊とくしゅ法人ほうじんを解体かいたいしたりいろいろしていますが、全部ぜんぶを国くにがやるとほとんど赤字あかじになる。国くにという倒産とうさんしない企業きぎょうが企画きかくしたビジネスがうまく行いくわけないんです。航空機こうくうきの世界せかいというのは、結局けっきょくは民間みんかん主導しゅどうでやったからここまで発展はってんしたのであって、宇宙うちゅう開発かいはつというのは、この40年ねん以上いじょう、全部ぜんぶ国こく主導しゅどうです。世界せかい的てきにそうですね。ですから、議論ぎろんになっていますように、やはり国くにがやる限界げんかいにきているのかなという気きが私わたしはします。

　ですから、ビジネスをやるには民間みんかんでやると。ただ、ここでの一番いちばんの問題もんだいは、儲もうかる種たねが見みえないということでありまして、どこかで突破口とっぱこうを開ひらかなきゃいけないと思おもうんです。ですから、観光かんこうというのは一ひとつの突破口とっぱこうでありますが、観光かんこうというと、まじめな方ほうはなかなか乗のりにくいという点てんが一ひとつあります。かといって、ほかにあるかといいますとやはりSPSかなと。ですから、このビジネスの話はなしになりますと、常つねに宇宙うちゅう観光かんこうとSPSしか出でてこないわけですね。いつまでたっても出でてこない。ほかの何なにかうまいビジネスの種たねがないかということですが、これはやはり、宇宙うちゅうの環境かんきょうとか、宇宙うちゅうの状況じょうきょうというのをもう少すこし広ひろく皆みなさんに知しっていただいて、アイディアを出だしていただくということが必要ひつようじゃないかと思おもいます。先さきほどは観光かんこうの話はなしで200万まん円えんで宇宙うちゅうに行いきますかという話はなしが出でました。私わたしが宇宙うちゅうとは全まったく関係かんけいのない若わかい女性じょせいに聞ききました経験けいけんでは、200万まん円えんあれば4回かいヨーロッパヘ行おこなったほうがいいと。「宇宙うちゅうへ行いって何なにをするんですか。」という質問しつもんが返かえってきて、「教おしえてください」と。ですから、もう少すこし、教育きょういくする必要ひつようがあるんじゃないでしょうかね。去年きょねんの12月に出でました宇宙うちゅう開発かいはつ委員いいん会かいの中長期ちゅうちょうき戦略せんりゃくにも書かいてありましたが、やはり国民こくみんに対たいして、もっと宇宙うちゅうとはどういうものかということを考かんがえていただいて、宇宙うちゅう部落ぶらくでないもっと多おおくの方々かたがたからアイディアを出だしていただくことが必要ひつようです。その中なかに面白おもしろいビジネスの種たねがあるんじゃないかと、私わたしはそういう風ふうに思おもっています。

　30年ねん先さきに宇宙うちゅう機きが上あがっているかということですが、航空機こうくうきと宇宙うちゅう機きの歴史れきしを比較ひかくしたアーサー・C・クラークさんの表ひょうがあるんですが、宇宙うちゅう機きの歴史れきしは、航空機こうくうきの歴史れきしに対たいして50年ねんずれていると言いっています。ですから、1970年ねんにジャンボジェット機じぇっときが飛とんだのですが、それにプラス50年ねんしますと2020年ねんには、航空機こうくうきの世界せかいで言いうジャンボジェット機じぇっときクラスの宇宙うちゅう機きが飛とんでいないといけないわけですね。このアナロジーが正ただしいかどうかは知しりませんが、国くに主導しゅどうでやっていますと、宇宙うちゅう機きでジャンボジェット機じぇっときクラスのものが出でてくるとは思おもえません。やはり民間みんかん主導しゅどうでやるような方向ほうこうでいくのがいいのではないかと私わたしは思おもっています。