気違きちがい

日本語にほんご

表記ひょうきゆれ

• 気狂きちがい

名詞めいし

気き違たがえい （きちがい）

1. (蔑称べっしょう, 蔑称べっしょう) 精神せいしんが異常いじょうにみだれること。また、そのような人ひと。
   • しかし彼かれの興奮こうふんが極度きょくどに達たっしている事ことは、時々ときどき彼かれがあたりへ投なげる、気違きちがいじみた視線しせんにも明あかりかであった。（芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ『影かげ』）
2. あることに夢中むちゅうになること。また、そのような人ひと。
   • 森もり君くんは犬いぬ気違きちがいだ。とても犬いぬが好すきで、犬いぬとさえ見みれば直すぐ呼よんで可愛かわいがる。（甲賀こうが三郎さぶろう『贋にせ紙幣しへい事件じけん』）
   • 君きみは何故なぜこう写真しゃしんが好すきなんだろう、学校がっこう時代じだいも、有名ゆうめいな写真しゃしん気違きちがいだったな……（蘭らん郁二郎いくじろう『魔ま像ぞう』）
   • ニコライ・イーリイッチ・ベリヤーエフというのはペテルブルグの家作かさく（かさく）持もちで、競馬けいば気違きちがいで、そして栄養えいようのいいてらてらした顔かおの、年としの頃ころ三さん十じゅう二にぐらいの若わか紳士しんしであった。（アントン・チェーホフ、神西じんざい清きよし訳わけ『小しょう波瀾はらん』）

発音はつおん

き↗ちが↘い

用法ようほう

• 1980年代ねんだいに入はいってからマスメディアにおいて使用しようが自粛じしゅくされている（ポリティカル・コレクトネス）。また、多おおくの仮名漢字かなかんじ変換へんかんソフトでも、当初とうしょ辞書じしょには登録とうろくされていない。

類義語るいぎご

語義ごぎ1：

• 狂人きょうじん; 〔卑語ひご〕 きじるし

語義ごぎ2：

• ばか、マニア、フリーク

派生はせい語ご

• 接頭せっとう辞じ 

気違きちがい水みず

• 接尾せつび辞じ

キチ - 釣つりキチ　ゲーキチ（ゲーム キチガイ）

色気違いろきちがい（「色狂いろきちがい」とも）

• 成句せいく

気違きちがいに刃物はもの

翻訳ほんやく

• 英語えいご: madman ^(en)
• ツォツィル語ご: chuvaj
• ポーランド語ご: szaleniec ^(pl) 男性だんせい

形容動詞けいようどうし

活用かつよう

活用かつようと結合けつごう例れい

気違きちがい-だ 形容動詞けいようどうし活用かつよう表ひょう（日本語にほんごの活用かつよう）

ダ活用かつよう
語幹ごかん	未然みぜん形がた	連用形れんようけい	終止しゅうし形がた	連体れんたい形がた	仮定かてい形がた	命令めいれい形がた
気違きちがい	だろ	だっ で に	だ	な	なら	(無なし)

各かく活用かつよう形がたの基礎きそ的てきな結合けつごう例れい

意味いみ	語形ごけい	結合けつごう
推量すいりょう・意志いし	気違きちがいだろう	未然みぜん形がた + う
過去かこ・完了かんりょう	気違きちがいだった	連用形れんようけい + た
否いや定形ていけい	気違きちがいでない	連用形れんようけい + ない
自動詞じどうし化か	気違きちがいになる	連用形れんようけい + なる
い切いきり	気違きちがいだ	終止しゅうし形がたのみ
名詞めいし化か	気違きちがいなこと	連体れんたい形がた + こと
仮定かてい条件じょうけん	気違きちがいならば	仮定かてい形がた + ば
様態ようたい	気違きちがいそうだ	語幹ごかん + そうだ