ヘテロセクシストのいる教室きょうしつ

 文学ぶんがく研究けんきゅうをするときにポジショナリティをわれる研究けんきゅうしゃわれない研究けんきゅうしゃがいる。ヘテロセクシズムに批判ひはんてき介入かいにゅうしようとする研究けんきゅうしゃは、大抵たいてい、どのような立場たちばからろんじているのかとわれるが、普遍ふへんてきで、かたよりがなく、常識じょうしきてきで、中立ちゅうりつであると標榜ひょうぼうしている「普通ふつう研究けんきゅうしゃ」(正確せいかくづければ、ヘテロセクシストな研究けんきゅうしゃ)にたいして、どのような場所ばしょから研究けんきゅうしているのかといういがはっせられることはすくない。今回こんかいわたしは、ヘテロセクシズムという枠組わくぐみでものごとをとらえる研究けんきゅうしゃを、正確せいかくに、ヘテロセクシストとづけて、「ヘテロセクシストがいる教室きょうしつ」についてかんがえてみようとおもう。
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クィア理論りろん役立やくだ理論りろん

クィア理論りろんとはなに?それは一体いったいなにやくつのか?

クィア理論りろん対象たいしょうとするようなセクシュアル・マイノリティーズやそのアクティヴィズムからこのようないがげかえされる。このようないは、クィア理論りろんは、現在げんざいかれおんならがのぞむような回答かいとう提供ていきょうしたり、かれおんならになんらかのやくつべきだというもっともな前提ぜんていがある。だが、もしわたしがこのいにこたえるのならば、おそらくそれはかれおんなをがっかりさせるものになるだろう。

クィア理論りろん医者いしゃたとえるならば、患者かんじゃ役立やくだ患者かんじゃもとめる治療ちりょうをすぐにおこな医者いしゃが「い」医者いしゃだとすると、クィア理論りろんあきらかに「わるい」医者いしゃであり、ある意味いみ残酷ざんこく」な医者いしゃである。なぜなら、患者かんじゃ苦痛くつう敏感びんかん察知さっちしながらも、鎮痛ちんつうざい投与とうよしたり、その患部かんぶ処置しょち早急そうきゅうおこなおうとしないからだ。
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『クィア英会話えいかいわ』ツイッターアカウントのご紹介しょうかい

Not gay as in happy, but queer as in fuck you. 「かんじのいい従順じゅうじゅんな、でもおくれてるアジアのひと」とおもわれない英会話えいかいわしょうわざを、おもいつくままに紹介しょうかい英語えいご質問しつもんもある程度ていどけます。

ひさしぶりです、マサキチトセです。今年ことしの6がつに、『クィア英会話えいかいわ』としょうして、ツイッターじょう様々さまざま英語えいご表現ひょうげん紹介しょうかいするアカウントを作成さくせいしましたので、こちらで紹介しょうかいさせてください。

以下いかは、『クィア英会話えいかいわ』でながしている英語えいご表現ひょうげんれいです。もしおしたら、フォローしてください〜。

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[イベント.12-7.東京とうきょう] 難民なんみん移民いみんきる権利けんりを!かり放免ほうめんしゃ在留ざいりゅう資格しかくを!

12.7「かり放免ほうめんしゃ在留ざいりゅう資格しかくを!」デモのおしらせ(法務省ほうむしょう入管にゅうかんへの要求ようきゅう

わたしたち 難民なんみん(なんみん)・移民いみん(いみん)は 入管にゅうかん(にゅうかん)による 長期ちょうき収容しゅうよう(ちょうきしゅうよう)によって 心身しんしん(しんしん)ども(とも)に ボロボロに なり、やっとのことで かり放免ほうめん許可きょか(かりほうめんきょか)を 受(う)けました。

しかし、いつまた 収容しゅうよう(しゅうよう)される かも しれません。それに、かり放免ほうめん(かりほうめん)に なっても はたらけ(はたら)くことは みとめ(みと)められて いません。仕事しごと(しごと)を しないで どうやってなま(い)きて いけば りょう(よ)いのでしょうか。
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クィア理論りろん入門にゅうもん公開こうかい連続れんぞく講座こうざのおらせ

会場かいじょう変更へんこうがあります。以下いか情報じょうほう確認かくにんしてご参加さんかください。

クィアという言葉ことばいたことがある、
ジェンダーやセクシュアリティをめぐる議論ぎろん興味きょうみがある、
もうすこくわしくりたいけれどくちつからない、
そういうほうけて、
クィア理論りろん入門にゅうもん連続れんぞく授業じゅぎょうをおこないます。
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クィア研究けんきゅうしゃ、アーティスト、活動かつどうみなさんへの公開こうかい書簡しょかん

以下いかは、 Palestinian Queers for Boycott, Divestment, and Sanctions Against Israel (クリックすると原文げんぶんけます)という団体だんたいによる、公開こうかい書簡しょかんです。ツイッターじょうのオフィシャルアカウント @PQ4BDS翻訳ほんやく許可きょかり、以下いか日本語にほんごやく掲載けいさいします。

また、翻訳ほんやく仕事しごとでやったりはしますが、今回こんかいきゅうだったのと、わたし自身じしん個人こじんてき和訳わやく苦手にがてなので、表現ひょうげん不備ふびがあったり、内容ないよう解釈かいしゃく問題もんだいがあるかもしれません。なに問題もんだい発見はっけんされたら、コメントらん、あるいはわたしのツイッターまでご連絡れんらくいただけたらうれしいです。

マサキ
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ドイツの団体だんたいによるジュディス・バトラーのインタビュー(和訳わやく

ベルリンのパレードについて、著作ちょさく理論りろんについて、レズビアンという名前なまえについて、アイデンティティについて、きずせいについて、ユダヤけい出自しゅつじについて、暴力ぼうりょくについて、主体しゅたいろんとヘーゲルについて、という、おはらいっぱい!なインタビューです。インタビューしているがわ発言はつげん時々ときどきボクが理解りかい出来できない表現ひょうげんがあるので、コメントか Twitter助言じょげんいただけたらたすかります。

ジュディス・バトラー インタビュー ←クリックで原文げんぶんべます

1956ねんオハイオしゅうクレヴァランドにまれたジュディス・バトラー。彼女かのじょらないひとなどいるだろうか。『ジェンダー・トラブル』の出版しゅっぱん以来いらい彼女かのじょは、彼女かのじょ理論りろん、とりわけジェンダーのパフォーマティヴィティの理論りろんによって国際こくさいてきわたった。フェミニズム、クィア理論りろんおよ政治せいじ哲学てつがくという、その内部ないぶ彼女かのじょ自身じしん熱心ねっしん活動かつどうかつブッシュ政権せいけんのアメリカの戦争せんそう政治せいじ批判ひはんしゃであるような分野ぶんやに、彼女かのじょ研究けんきゅう貢献こうけんしている。とくにドイツにおいては、ジェンダーにかかわるバトラーの理論りろんれることは非常ひじょう物議ぶつぎかもし、フェミニズムにおいて活発かっぱつ議論ぎろんこした。彼女かのじょ最近さいきん研究けんきゅうは、人種じんしゅ主義しゅぎ侵略しんりゃく反対はんたい平等びょうどうもとめること、ユダヤ哲学てつがく、そして国家こっか暴力ぼうりょく批判ひはんおもにしている。ベルリンパレード (Berlin CSD) のあとすぐにベルリンをってしまったので我々われわれ直接ちょくせつバトラーとはなしをすることが出来できなかったが、バトラーがわたしたちのEいーメールにおける質問しつもん——人種じんしゅ主義しゅぎとベルリンパレード、最近さいきん彼女かのじょ政治せいじてき発言はつげん近代きんだいフェミニズムが直面ちょくめんする問題もんだい、そしてユダヤけい出自しゅつじがどのような重要じゅうようせいっているのかについて——に回答かいとうするときあいだをかけてくれたことをよろこんでいる。
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ベルリンパレードでジュディス・バトラーが受賞じゅしょう拒否きょひ [2010] (日本語にほんご字幕じまくわけき)

英語えいごばん

Butler, Judith. “I must distance myself from this complicity with racism, including anti-Muslim racism.” ‘Civil Courage Prize’ Refusal Speech. Christopher Street Day. June 19, 2010.
Judith Butler – I must distance myself from this complicity with racism

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内部ないぶ批判ひはん意義いぎ

Twitter じょう松浦まつうら大悟たいごさんと数日すうじつあいだやりとりさせていただいているなかで、尾辻おつじかな事務所じむしょ閉鎖へいさイベントにおける伏見ふしみ憲明のりあきさんのスピーチの原稿げんこう紹介しょうかいしていただいた。のユーザーにも言及げんきゅうされ、参照さんしょうされている文章ぶんしょうなので、ある一定いってい方向ほうこう主張しゅちょうをするときには「まずこれをんどけ」てきな、 the Book てき位置いちづけなのかもしれない。さらに、かれ文章ぶんしょう紹介しょうかいするブログ記事きじつけることができた。ボク自身じしん伏見ふしみさんのいたいこともかるし、それが(ひろ意味いみでの)政治せいじてき文脈ぶんみゃくなんらかの重要じゅうようせいつ/っていたこともかる。かるのだけれども、同時どうじに、おもて舞台ぶたいって人々ひとびと支持しじようとするさい問題もんだいを、ある部分ぶぶんにおいては明確めいかくにしつつ、しかしまたある部分ぶぶんにおいては隠蔽いんぺいしてしまう効果こうかっているようながして、とくにそのしゃ部分ぶぶんひかりてたいとおもってこの文章ぶんしょういているところ。よってこの文章ぶんしょう尾辻おつじかなさんや彼女かのじょ活動かつどう、あるいは伏見ふしみ憲明のりあきさんの文章ぶんしょうかれ目指めざ方向ほうこうせい批判ひはんしようというつもりでいているのではなく、尾辻おつじかなさんにかぎらず今後こんご数多かずおおるであろうセクシュアル・マイノリティ議員ぎいん候補こうほ応援おうえんする気持きもちからかれたものであると理解りかいしていただければさいわいです。
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ひろこさんにはりがある

『ハートをつなごう』というNHKの番組ばんぐみシリーズで昨日きのう放送ほうそうされたのは、障害しょうがいをもつこととLGBTであることの両方りょうほうがどのようにかさなるのかについてだった。それをて、まず感想かんそうとしてったのは、「差異さいみとめ、それを祝福しゅくふくすることに、どうしてそんなに『幸福こうふく』が重要じゅうようになってるんだろうか」というものだった。ひろこさんはVTRにも登場とうじょうし、スタジオでメインゲストとしてインタビューをけた、脳性のうせい麻痺まひつトランスジェンダー女性じょせいだ。彼女かのじょ番組ばんぐみちゅう頻繁ひんぱんに「しあわせそう」とか「かわいいひと」とわれつづけ、「やりたいことをやってる」つよしんったひとのようなあつかいばかりをけた。でももし彼女かのじょ憂鬱ゆううつひとだったら? 実際じっさい彼女かのじょ憂鬱ゆううつ日々ひびおくっていたことは、番組ばんぐみからもあきらかだ。
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「わたしには言葉ことばしかない」場合ばあい——告発こくはつ検閲けんえつ

言葉ことばつこと、すなわちある程度ていど語彙ごい論理ろんりせいかんする能力のうりょく訓練くんれん可能かのう機会きかいめぐまれた人生じんせい一定いってい期間きかんごしたことがあるということは、やっぱり権力けんりょくせいびないわけがない。そんなことはたりまえで、だからもちろん言葉ことばつことというのは、とくにその言葉ことば歴史れきしてき社会しゃかいてき権力けんりょくっている/ってたような文化ぶんかのものであるとき、暴力ぼうりょくてきになりるし、そのあつかいには注意ちゅういしなければならない。しかもそれは西洋せいよう中心ちゅうしんてき学問がくもん言語げんごであったり、あるいは啓蒙けいもう主義しゅぎてき道徳どうとくてき語彙ごい定義ていぎであったり、いろんな形態けいたいる。
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