松岡まつおか利勝としかつ

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松岡まつおか 利勝としかつ
まつおか としかつ
生年月日せいねんがっぴ 1945年ねん2月がつ25日にち
出生しゅっしょう地ち 熊本くまもと県けん阿蘇あそ市し
没ぼつ年月日ねんがっぴ (2007-05-28) 2007年ねん5月28日にち（62歳さい没ぼつ）
死没しぼつ地ち 東京とうきょう都と新宿しんじゅく区く
出身しゅっしん校こう 鳥取大学とっとりだいがく農学部のうがくぶ
前ぜん職しょく 林野庁りんやちょう林政りんせい部ぶ林政りんせい課か広報こうほう官かん
所属しょぞく政党せいとう （無所属むしょぞく→）
自由民主党じゆうみんしゅとう（伊吹いぶき派は）
称号しょうごう 農学のうがく士し（鳥取大学とっとりだいがく）
親族しんぞく 景山かげやま俊太郎しゅんたろう（長男ちょうなんの義父ぎふ）
内閣ないかく 第だい1次じ安倍あべ内閣ないかく
在任ざいにん期間きかん 2006年ねん9月26日にち - 2007年ねん5月28日にち[1]
選挙せんきょ区く （旧きゅう熊本くまもと1区く→）
熊本くまもと3区く
当選とうせん回数かいすう 6回かい
在任ざいにん期間きかん 1990年ねん2月がつ19日にち - 2007年ねん5月がつ28日にち
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松岡まつおか 利勝としかつ（まつおか としかつ、1945年ねん2月がつ25日にち - 2007年ねん5月28日にち）は、日本にっぽんの農水のうすい官僚かんりょう、政治せいじ家か。元もと衆議院しゅうぎいん議員ぎいん（自由民主党じゆうみんしゅとう）。

第だい1次じ安倍あべ内閣ないかく農林のうりん水産すいさん大臣だいじん在任ざいにん中ちゅうに自殺じさつした。

来歴らいれき・人物じんぶつ

生おい立たち

熊本くまもと県けん阿蘇あそ町まち（現げん阿蘇あそ市し）に貧まずしい農家のうかの長男ちょうなんとして生うまれた[2]。

父ちちは日にち中ちゅう戦争せんそう中なか、満州まんしゅうで憲兵けんぺいをしていた。日本にっぽんに戻もどってからは定職ていしょくを持もたず林業りんぎょうブローカーのような仕事しごとで糊口ここうを凌しのぎ、時ときには酔よって妻つま（松岡まつおかの母親ははおや）に手てを上あげることもあったという[2]。非常ひじょうに厳格げんかくな人物じんぶつだったが、気きに入いらないことがあると怒鳴どなり散ちらすなど気性きしょうの荒あらいところもあり、周囲しゅういから怖こわれられた[2]。

学生がくせい時代じだい

中学ちゅうがく卒業そつぎょう後ご熊本くまもと県立けんりつ済々黌せいせいこう高等こうとう学校がっこうに進学しんがくし、空手からて部ぶに入部にゅうぶ[2]。親元おやもとを離はなれて下宿げしゅく生活せいかつを送おくる[2]。2年生ねんせいの時ときの修学旅行しゅうがくりょこうで東京とうきょうを訪おとずれた際さいに、単身たんしんで赤尾あかお敏さとし（大だい日本にっぽん愛国あいこく党とう元もと総裁そうさい）を訪たずね、活動かつどうへの参加さんかを志願しがんしている[2]。結果けっかは断ことわられたものの、右翼うよく思想しそうへの傾倒けいとうは松岡まつおかにとって大おおきな転機てんきになった[2]。防衛大学校ぼうえいだいがくこうを目指めざすが失敗しっぱいし、2浪なみののち鳥取大学とっとりだいがく農学部のうがくぶ林はやし学科がっかに進学しんがくする[2]。

農林水産省のうりんすいさんしょう時代じだい

国家こっか公務員こうむいんのキャリア試験しけんに合格ごうかく、林学りんがく技官ぎかんとして官僚かんりょう人生じんせいのスタートを切きり、政治せいじの世界せかいへの足掛あしがかりを掴つかんでいく[3]。

大臣だいじん官房かんぼう企画きかく課か、天塩てしお営林署えいりんしょ長ちょう、国土庁こくどちょう（当時とうじ）地方ちほう振興しんこう局きょく山村さんそん豪雪ごうせつ地帯ちたい振興しんこう課長かちょう補佐ほさなどを務つとめる。1988年ねん、林野庁りんやちょう林政りんせい部ぶ林政りんせい課か広報こうほう官かんを最後さいごに退官たいかんし、地元じもと熊本くまもとに戻もどった。

政治せいじ家かとして

1990年ねんの第だい39回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょに旧きゅう熊本くまもと1区くから無所属むしょぞくで立候補りっこうほ。当初とうしょは泡沫うたかた候補こうほと見みられていたが、北口きたぐち博ひろし、松野まつの頼よりゆき三さんらを下くだし最下位さいかいながらも初はつ当選とうせん、以降いこう連続れんぞく6回かい当選とうせん（当選とうせん同期どうきに岡田おかだ克也かつや・佐田さた玄げん一郎いちろう・亀井かめい久ひさ興きょう・森もり英介えいすけ・福田ふくだ康夫やすお・石原いしはら伸晃のぶあき・河村かわむら建夫たけお・小林こばやし興起こうき・塩谷しおや立だて・古屋こや圭けい司し・細田ほそだ博之ひろゆき・小坂こさか憲次けんじ・山本やまもと拓たく・赤城あかぎ徳彦とくひこ・簗瀬やなせ進すすむ・山本やまもと有二ゆうじなど）。議員ぎいん一いち期き目めに、三塚みつづか派はの先輩せんぱいである小泉こいずみ純一郎じゅんいちろうや石原いしはら慎太郎しんたろうに同調どうちょうして小しょう選挙せんきょ区く導入どうにゅうに猛もう反対はんたいし、同おなじ三塚みつづか派は所属しょぞくの一いち年生ねんせい議員ぎいんらと共ともに党とう中枢ちゅうすうと敵対てきたいした。他ほかにもコメの自由じゆう化かに反対はんたいして国会こっかい前まえで座すわり込こみをしたり、1994年ねん11月の熊本くまもと市長しちょう選挙せんきょで魚住うおずみ汎ひろし英えいと乱闘らんとうを起おこすなど、武闘ぶとう派はとして知しられるようになる。一方いっぽうで、選挙せんきょで対立たいりつ候補こうほを支援しえんした建設けんせつ会社かいしゃに対たいして、その後ご公共こうきょう事業じぎょうの発注はっちゅうを行おこなわせないようにするなどの一いち面めんもあった。

1995年ねん8月がつ8日にち、村山むらやま改造かいぞう内ない閣かくで農林のうりん水産すいさん政務次官せいむじかん（翌年よくねん1月がつ11日にちまで）、1999年ねん10月29日にち、衆議院しゅうぎいん農林のうりん水産すいさん委員いいん長ちょう（翌年よくねん6月がつ2日にちまで）、2000年ねん12月6日にち、第だい2次じ森もり改造かいぞう内ない閣かくで農林のうりん水産すいさん総括そうかつ政務次官せいむじかんとなる。2001年ねん1月がつ6日にち、初代しょだい農林のうりん水産すいさん副ふく大臣だいじんとなり、WTO交渉こうしょう等とうに精力せいりょく的てきに取とり組くむ（同年どうねん4月がつ26日にちまで）。

党内とうないでは、安倍あべ晋すすむ太郎たろう派は→三塚みつづか博ひろし派は→亀井かめいグループを経へて1998年ねんに江藤えとう・亀井かめい派は結成けっせいに参加さんか。当初とうしょは小泉こいずみ改革かいかくに反対はんたいする立場たちばだったが、衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かい理事りじ、衆議院しゅうぎいん郵政ゆうせい民営みんえい化かに関かんする特別とくべつ委員いいん会かい理事りじを経へて、小泉こいずみを積極せっきょく的てきに支持しじする姿勢しせいに転換てんかん、郵政ゆうせい国会こっかいを機きに長年ながねん仕つかえてきた亀井かめい静香しずか・平沼ひらぬま赳夫たけおらと事実じじつ上じょう訣別けつべつした。同年どうねんの通常つうじょう国会こっかいでは、2003年ねんに解党かいとうされた自由党じゆうとうの政党せいとう交付こうふ金きんを同どう党とうの党首とうしゅを務つとめていた小沢おざわ一郎いちろうが着服ちゃくふくしたとされる疑惑ぎわくを追及ついきゅうした。また、同年どうねん8月がつに郵政ゆうせい関連かんれん法案ほうあんが参議院さんぎいんで否決ひけつされたことにより当時とうじの小泉こいずみ首相しゅしょうは衆議院しゅうぎいんの解散かいさんを決断けつだんするが、同日どうじつに小泉こいずみと改革かいかくへの決意けついを首相しゅしょう官邸かんていで語かたっていた人物じんぶつは松岡まつおかである。他方たほう、これまでの主張しゅちょうであったコメの輸入ゆにゅう自由じゆう化か・FTAへの頑強がんきょうなまでの反対はんたい姿勢しせいを一転いってんさせたことは、従来じゅうらいの支持しじ基盤きばんだった農家のうかからの激はげしい反発はんぱつを招まねいた。

2006年ねん9月26日にち、第だい1次じ安倍あべ内閣ないかくで農林のうりん水産すいさん大臣だいじんに就任しゅうにんする。松岡まつおかは早はやい段階だんかいで安倍あべ支持しじを表明ひょうめいし、松岡まつおかが地盤じばんとする熊本くまもと県けんでの安倍あべの党員とういん得票とくひょう率りつは75%を記録きろくした。しかしその後ご、松岡まつおかの事務所じむしょ費ひ問題もんだい、光熱こうねつ水すい費ひ問題もんだい、献金けんきん問題もんだい等とう数々かずかずの疑惑ぎわくが浮上ふじょうし、大おおきな批判ひはんを受うけるようになる。安倍晋三あべしんぞうは自身じしんの内閣ないかくの威信いしんを貫つらぬくため松岡まつおかを庇かばい続つづけたが、マスコミは連日れんじつのように松岡まつおかの不祥事ふしょうじを報道ほうどうした。

2007年ねん5月28日にち、衆議院しゅうぎいん議員ぎいん宿舎しゅくしゃ（新赤坂しんあかさか宿舎しゅくしゃ）で首くびを吊つっている所ところを警護けいご官かんらに発見はっけんされ、救急きゅうきゅう車しゃで病院びょういんに運はこばれたが、既すでに心肺しんぱい停止ていし状態じょうたいだった。

政策せいさく

日本にっぽん食しょくの認証にんしょう制度せいど

海外かいがいの日本にっぽん食しょくレストランに対たいする認証にんしょう制度せいどの導入どうにゅうを発案はつあん。2006年ねん11月に「海外かいがい日本食にほんしょくレストランへの信頼しんらい度どを高たかめ、農林のうりん水産物すいさんぶつの輸出ゆしゅつ促進そくしんを図はかるとともに、日本にっぽんの正ただしい食しょく文化ぶんかの普及ふきゅうや我わが国くに食品しょくひん産業さんぎょうの海外かいがい進出しんしゅつを後押あとおしすること等とうを目的もくてき」[4]として、農林水産省のうりんすいさんしょう「海外かいがいにおける日本にっぽん食しょくレストランの認証にんしょう制度せいどを創設そうせつするための有識者ゆうしきしゃ会議かいぎ」を立たち上あげた[5]。

松岡まつおか自身じしんは、この認証にんしょう制度せいどを通つうじ、日本にっぽん食用しょくようの食材しょくざいとして国内こくない農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつ増加ぞうかを狙ねらう戦略せんりゃくを描えがいていたとされている。松岡まつおかは同どう会議かいぎの設置せっちに際さいし、この制度せいどの導入どうにゅうについて「海外かいがい在留ざいりゅう邦人ほうじんの日本にっぽん食しょくへの理解りかいの向上こうじょう」「日本にっぽん文化ぶんかへの関心かんしんの向上こうじょう」「農林のうりん水産物すいさんぶつや加工かこう食品しょくひんの輸出ゆしゅつ促進そくしん」「食品しょくひん産業さんぎょうの国外こくがい進出しんしゅつ推進すいしん」「日本にっぽんへの外国がいこく人じん観光かんこう客きゃくの増加ぞうか」といったメリットを指摘してきした[6]。他方たほう、海外かいがいのメディアを中心ちゅうしんにこの制度せいどを「スシポリス」と揶揄やゆする報道ほうどうや、日本にっぽん食しょくへの認証にんしょうは政府せいふの専管せんかん事項じこうなのか、国外こくがい独自どくじの日本にっぽん食しょくを否定ひていすることに繋つながらないか、といった報道ほうどうもなされた[要よう出典しゅってん]。

攻せめの農政のうせい

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく農務のうむ長官ちょうかんマイク・ジョハンズ（右みぎ）との記者きしゃ会見かいけん（2007年ねん1月がつ11日にち）

第だい1次じ安倍あべ内閣ないかく発足ほっそく時じの記者きしゃ会見かいけんで、松岡まつおかは「私わたしは日本にっぽんの農業のうぎょうには未来みらいがあると考かんがえている。そのためには、日本にっぽんの農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつを促進そくしんするべきだ。これまでは工業こうぎょうが攻せめ、農業のうぎょうは守まもりだったが、これからはそれではいけない」と強調きょうちょうし、従来じゅうらいの政策せいさくからの転換てんかんを表明ひょうめい。日本にっぽんの農林のうりん水産物すいさんぶつの輸出ゆしゅつ促進そくしん、バイオマス利用りようの加速かそく、担にない手て主体しゅたいの経営けいえい構造こうぞうの実現じつげんなどを謳うたった「攻せめの農政のうせい」を政策せいさくとして掲かかげ[7]、農林のうりん水産すいさん大臣だいじんとして精力せいりょく的てきに活動かつどうした。2007年ねん1月がつに訪米ほうべいし、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく農務のうむ長官ちょうかんマイク・ジョハンズと会談かいだん、世界せかい貿易ぼうえき機関きかん交渉こうしょうなどに関かんする意見いけん交換こうかんを行おこなった。

日にち豪ごうFTA

「日本にっぽんの農業のうぎょうに打撃だげきを与あたえかねない」として、日にち豪ごうFTAに慎重しんちょうだったが、小泉こいずみ純一郎じゅんいちろう支持しじに回まわる際さいに賛成さんせい側がわに転換てんかん。農水のうすい相しょうとしてオーストラリア側がわとの交渉こうしょうにあたった。

対たい中ちゅうコメ輸出ゆしゅつ

「攻せめの農政のうせい」の一環いっかんとして、2003年ねん以来いらい途絶とだえていた中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくへのコメ輸出ゆしゅつの再開さいかいに尽力じんりょく。2007年ねん4月がつ、中国ちゅうごくの国家こっか品質ひんしつ監督かんとく検査けんさ検疫けんえき総そう局長きょくちょう李り長江ながえと、日本にっぽんからのコメ輸出ゆしゅつに関かんする協定きょうていに調印ちょういんした。

主おもな所属しょぞくしていた団体だんたい・議員ぎいん連盟れんめい

疑惑ぎわく

内閣ないかく府ふへのNPO申請しんせい照会しょうかい、口利くちきき疑惑ぎわく

「WBEF」[8]から内閣ないかく府ふに提出ていしゅつされた特定とくてい非ひ営利えいり活動かつどう法人ほうじん申請しんせいに関かんして、松岡まつおかの秘書ひしょが内閣ないかく府ふに対たいし審査しんさ状じょう況きょうについて照会しょうかいしていた問題もんだいが発覚はっかくしている。照会しょうかいの事実じじつは内閣ないかく府ふの内部ないぶ文書ぶんしょにも記録きろくされているが、松岡まつおかは衆議院しゅうぎいんでの答弁とうべんで照会しょうかいの事実じじつ自体じたいを否定ひていしており、食くい違ちがいを見みせている。松岡まつおかは、内閣ないかく府ふで内部ないぶ文書ぶんしょが作成さくせいされていた事実じじつが報道ほうどうされると一転いってんして前言ぜんげんを翻ひるがえし、衆議院しゅうぎいんでの答弁とうべんが誤あやまりであったことを事実じじつ上じょう認みとめた。認証にんしょう前まえにもかかわらず、WBEFが自みずからを「特定とくてい非ひ営利えいり活動かつどう法人ほうじん」と記載きさいした冊子さっしを配くばったり、宣伝せんでん活動かつどうが出資法しゅっしほう違反いはんであるなどの理由りゆうで内閣ないかく府ふは2006年ねん6月がつに不ふ認証にんしょうの決定けっていを下くだした。

内閣ないかく府ふの主張しゅちょう
2006年ねん3月28日にち付づけの内閣ないかく府ふ作成さくせい文書ぶんしょには、2006年ねん3月13日にちに松岡まつおかの秘書ひしょから審査しんさ状じょう況きょうを照会しょうかいされ、担当たんとう官かんが「審査しんさ中ちゅう」と回答かいとうしたところ、秘書ひしょから「よろしくお願ねがいしたい」と依頼いらいされた旨むねが記しるされている。内閣ないかく府ふ市民しみん活動かつどう促進そくしん課かは、当該とうがい文書ぶんしょについて「課内かないで内部ないぶ用ように作成さくせいした可能かのう性せいが高たかいが、今いまは確認かくにんできない」とコメントした。2007年ねん1月がつ5日にち、内閣ないかく府ふ特命とくめい担当たんとう大臣だいじん高市たかいち早苗さなえは、「昨年さくねん3月がつに松岡まつおか事務所じむしょの秘書ひしょと名乗なのる者ものから審査しんさ状じょう況きょうの照会しょうかいを受うけて『審査しんさ中ちゅう』と回答かいとうした」、「『よろしく』という表現ひょうげんは憶測おくそくを招まねきかねない。不適切ふてきせつだと思おもう」と発言はつげんしている。
松岡まつおかの主張しゅちょう
松岡まつおかは、2006年ねん9月29日にちの記者きしゃ会見かいけんにおいて、WBEFとの繋つながりについて「自分じぶんにも自分じぶんの事務所じむしょにもまったくない」、「依頼いらい、働はたらきかけ、関係かんけい者しゃとの接触せっしょくもまったくない」と述のべた。2006年ねん10月がつ10日とおか、衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かいにて、松岡まつおかは「この組織そしきとはまったく面識めんしきもなく、一切いっさいの関係かんけいもございません」と答弁とうべんしている。2007年ねん1月がつ5日にち、農林水産省のうりんすいさんしょうで記者きしゃ会見かいけんした松岡まつおかは、「秘書ひしょの記憶きおくでは内閣ないかく府ふに照会しょうかいしたかどうかは確認かくにんできないが、（政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょ未み記載きさいのパーティー券けんの購入こうにゅうを仲介ちゅうかいした）後援こうえん者しゃは（松岡まつおか）事務所じむしょで確認かくにんしてもらったといっている」と発表はっぴょうし、松岡まつおかの事務所じむしょが内閣ないかく府ふに照会しょうかいしたことを一転いってんして認みとめた。衆議院しゅうぎいんでの答弁とうべんを事実じじつ上じょう訂正ていせいする発言はつげんである。
朝日新聞あさひしんぶんの主張しゅちょう
朝日新聞社あさひしんぶんしゃが当事とうじ者しゃである秘書ひしょに取材しゅざいしたところ、「あとで電話でんわする」との返答へんとうがあったものの、その後ご一切いっさい回答かいとうがなかったとされている。朝日新聞社あさひしんぶんしゃが松岡まつおかの選挙せんきょ事務所じむしょに再度さいど質問しつもん状じょうを送おくったところ、「9月がつの記者きしゃ会見かいけんと矛盾むじゅんする事実じじつはありません」と回答かいとうがあったという。
内閣ないかくの見解けんかい
2007年ねん1月がつ5日にち、内閣ないかく総理そうり大臣だいじん安倍晋三あべしんぞうは、「働はたらきかけはなかったという報告ほうこくを松岡まつおか大臣だいじんからも内閣ないかく府ふからも受うけている」と発言はつげんし、「NPO自体じたいが認可にんかされていない。働はたらきかけもなかったということではないだろうか」との考かんがえを示しめした。2007年ねん1月がつ5日にち、内閣ないかく官房かんぼう長官ちょうかん塩崎しおざき恭久やすひさは総理そうり大臣だいじん官邸かんていでの記者きしゃ会見かいけんで「働はたらきかけや要請ようせいはなかったと聞きいている」、「松岡まつおか氏し自身じしんが説明せつめいされるので、そちらの方ほうで聞きいていただきたい」と発言はつげんしている[要よう出典しゅってん]。

事務所じむしょ費ひの不透明ふとうめいな支出ししゅつ

松岡まつおかの資金しきん管理かんり団体だんたい「松岡まつおか利勝としかつ新しん世紀せいき政経せいけい懇話こんわ会かい」が、賃料ちんりょうが発生はっせいしない議員ぎいん会館かいかんに主しゅたる事務所じむしょを置おきながら、事務所じむしょ費ひとして2003年ねんに2,600万まん円えん超ちょう、2004年ねんに3,100万まん円えん超ちょう、2005年ねんは3,300万まん円えん超ちょうと極きわめて高額こうがくな支出ししゅつを計上けいじょうしている。また、松岡まつおかの政治せいじ団体だんたい「松岡まつおか利勝としかつ後援こうえん会かい」は菊陽きくよう町まちをはじめ4ヶ所かしょに事務所じむしょを置おいているが、事務所じむしょ費ひとして2005年ねんに4,000万まん円えんを超こえる支出ししゅつを計上けいじょうしている。 地元じもと関係かんけい者しゃからは、「後援こうえん会かいの事務所じむしょ費ひに4,000万まんもの費用ひようが発生はっせいするはずがなく『不自然ふしぜん』である」と指摘してきされた[9][10]。

光熱こうねつ水すい費ひ問題もんだい

予算よさん委員いいん会かいでの指摘してきと松岡まつおかの主張しゅちょう
2007年ねん3月5日にちの参議院さんぎいん予算よさん委員いいん会かいにおいて、参議院さんぎいん議員ぎいん小川おがわ敏夫としお（民主党みんしゅとう）の質問しつもんにより、松岡まつおかの資金しきん管理かんり団体だんたい「松岡まつおか利勝としかつ新しん世紀せいき政経せいけい懇話こんわ会かい」が、水道すいどう代だい、冷暖房れいだんぼう費ひが無料むりょうである衆議院しゅうぎいん第だい一いち議員ぎいん会館かいかんに「主しゅたる事務所じむしょ」を設置せっちしているにもかかわらず、2005年ねんに500万まん円えん超ちょうの「光熱こうねつ水すい費ひ」を計上けいじょうしていたことが発覚はっかくした[11][12]。小川おがわから「どこで使用しようした光熱こうねつ水すい費ひか？」と質問しつもんされ、松岡まつおかは「当然とうぜん、主しゅたる事務所じむしょの議員ぎいん会館かいかんだ。使つかったものをきちんと計上けいじょうしている」「『どういう金額きんがくでどうだ』ということについては、私わたしも承知しょうちして諒解りょうかいしたものとして報告ほうこくしている」「（光熱こうねつ水すい費ひには）『ナントカ還元かんげん水すい』[13]や、暖房だんぼうとか別途べっとそういうものが含ふくまれる」「（松岡まつおか利勝としかつ新しん世紀せいき政経せいけい懇話こんわ会かいは衆議院しゅうぎいん第だい一いち議員ぎいん会館かいかん以外いがいには）他たに事務所じむしょがない」と答弁とうべんした。また、「（500万まん円えんという通常つうじょうでは考かんがえられない金額きんがくについて）還元かんげん水すいの装置そうちや電気でんきストーブを100個こも置おいているのか?」と問とわれると「いちいち見みていない。（後うしろで）確認かくにんする」と苦くるしい弁明べんめいを行おこなった。さらに小川おがわから、衆議院しゅうぎいん第だい一いち議員ぎいん会館かいかんは水道すいどう代だい、および集中しゅうちゅう管理かんりの冷暖房れいだんぼうについては費用ひようがかからないことを追及ついきゅうされると、途端とたんに答こたえに詰つまり「ほかのことを聞きいたらどうか?」などと要求ようきゅうしたため、野党やとうから「石炭せきたんでも焚たいてるのか!? 」などの野次やじが飛とび交かい一いち時じ騒然そうぜんとなった。
3月7日にちの参議院さんぎいん予算よさん委員いいん会かいでは、参議院さんぎいん議員ぎいん芝しば博一ひろかず（民主党みんしゅとう）から「（多額たがくの光熱こうねつ水すい費ひは『ナントカ還元かんげん水すい』や暖房だんぼうに使用しようしたと松岡まつおかは主張しゅちょうしているが）浄水じょうすい器きやストーブは（光熱こうねつ水すい費ひではなく）備品びひん・消耗しょうもう品ひん費ひだ」と指摘してきされた。また、参議院さんぎいん議員ぎいん井上いのうえ哲士てつし（日本にっぽん共産党きょうさんとう）は、「熊本くまもと県内けんないの（主しゅたる事務所じむしょではない）2つの地元じもと事務所じむしょの光熱こうねつ費ひがそれぞれ約やく66万まん円えん、38万まん円えんなのに、なぜ無料むりょうのはずの議員ぎいん会館かいかんの光熱こうねつ費ひがこれほど高額こうがくなのか?」と疑問ぎもんを呈ていした。さらに、5日にちの答弁とうべんで松岡まつおかは「きちんと確認かくにんしてから答こたえたい」と述のべていたが、7日にちの審議しんぎでは一転いってんして「開示かいじは現行げんこう制度せいどが予定よていしていない。差さし控ひかえさせていただきたい」と答弁とうべんし、9日にちにも同おなじ質問しつもんをされ再度さいど同様どうようの回答かいとうをした。同日どうじつの参議院さんぎいん予算よさん委員いいん会かいで内閣ないかく総理そうり大臣だいじん安倍晋三あべしんぞうはこれらの問題もんだいに対たいし、「法律ほうりつに則のっとって報告ほうこくをしており問題もんだいはない」と答弁とうべんした。これについて野党やとうは、「安倍あべ政権せいけんは隠蔽いんぺい政権せいけん」と批判ひはんした。
3月9日にちの朝あさに記者きしゃ団だんから説明せつめいを求もとめられ、「事務所じむしょで水道すいどう水すいを飲のんでいるのか?」という記者きしゃの問といに「今いま、水道すいどう水すいを飲のんでいる人ひとはほとんどいないんじゃないですか」と発言はつげんし、農林水産省のうりんすいさんしょうに抗議こうぎの電話でんわが7件けんあった。3月19日にちの参議院さんぎいん予算よさん委員いいん会かいにおいて芝しば博一ひろかず（民主党みんしゅとう）は「（わが党とうの）中井なかい洽ひろし元もと法相ほうしょうは間違まちがいがあったから謝罪しゃざいし訂正ていせいした。農相のうしょうも公開こうかいすべきではないか」と質問しつもんしたが、松岡まつおかは例れいによって「報告ほうこくするべきことは報告ほうこくしている」と内訳うちわけの説明せつめいを拒否きょひし、出処しゅっしょ進退しんたいについても「農相のうしょう辞任じにんのつもりはない」と続投ぞくとうの意向いこうを表明ひょうめいした。
光熱こうねつ水すい費ひの詳細しょうさい
政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょ上うえは、松岡まつおか利勝としかつ新しん世紀せいき政経せいけい懇話こんわ会かいは、光熱こうねつ水すい費ひだけで2003年ねんは400万まん円えん超ちょう、2004年ねんには500万まん円えん超ちょうを計上けいじょうしている。また、2001年ねんから2005年ねんまでの5年間ねんかんでは約やく2,885万まん円えんの光熱こうねつ水すい費ひを計上けいじょうしている。
主張しゅちょうを受うけての相次あいつぐ報道ほうどう
ミネラルウォーターの使用しよう、浄水じょうすい器きの設置せっちについての発言はつげんを受うけ、浄水じょうすい器きが見当みあたらない、ミネラルウォーターの存在そんざいが不明ふめいと指摘してきする報道ほうどうが行おこなわれた[14]。
衆議院しゅうぎいん第だい一いち議員ぎいん会館かいかんの松岡まつおか事務所じむしょを突撃とつげき取材しゅざいした朝日新聞社あさひしんぶんしゃによると、事務所じむしょには「水道すいどうと流ながし台だいがある。が、一見いっけんしたところ浄水じょうすい器きらしきものは見みあたら」[14]ず、松岡まつおかの秘書ひしょは浄水じょうすい器きの設置せっちの有無うむを聞きかれ「そんなものは……」[14]と答こたえ、「ナントカ還元かんげん水すい」がミネラルウォーターと同様どうようなのか聞きかれ、「ありませんから」[14]と回答かいとうしており、「ナントカ還元かんげん水すい」の存在そんざいそのものが不明ふめいである。同様どうように衆議院しゅうぎいん第だい一いち議員ぎいん会館かいかんの松岡まつおか事務所じむしょを突撃とつげき取材しゅざいした日刊にっかんゲンダイによると、事務所じむしょには「水道すいどうの蛇口じゃぐちには浄水じょうすい器きのカケラもない」[15]ように見みえるという。その後ご、松岡まつおか側がわは「1本ほん5000円えんの水みずを購入こうにゅうしている」という主張しゅちょうを展開てんかいした。これは鹿児島かごしま県けん志布志しぶし市しで採と水みずされるミネラルウォーターだが、問とい合あわせを受うけたメーカーの会長かいちょうは全ぜん代理だいり店てんの注文ちゅうもんを把握はあくしており、「松岡まつおか大臣だいじんあるいは永田町ながたちょう方面ほうめんからの注文ちゅうもんはない」と否定ひていし、松岡まつおかを訴うったえたいとまで主張しゅちょうしている[16]。
作家さっかの猪瀬いのせ直樹なおきは、自身じしんが小泉こいずみ内閣ないかく時代じだいに行革ぎょうかく断行だんこう評議ひょうぎ会かい委員いいんを務つとめていた際さい、松岡まつおかから「あんたはタリバンだ」などと罵声ばせいを浴あびせられた[17]ことを明あかし、「この人ひと（松岡まつおか）が大臣だいじんになったら（内閣ないかくの）足あしを引ひっ張ぱることになるのは、報道ほうどう関係かんけい者しゃなら誰だれでも目めに見みえていたことだ」などと発言はつげんした[18]。
政府せいふ・与党よとう側がわの対応たいおう
当初とうしょ、政府せいふ・与党よとうは「会計かいけい担当たんとう者しゃのミス」で押おし通とおす姿勢しせいを見みせていたが、自民党じみんとう党紀とうき委員いいん会かい委員いいん長ちょう笹川ささかわ堯は、「私わたしも還元かんげん水すいを使つかっているが、そんな高額こうがくになる訳わけがない。誰だれが見みたっておかしい」と述のべた。また自民党じみんとう参議院さんぎいん幹事かんじ長ちょう片山かたやま虎之助とらのすけも「『適切てきせつな処理しょり』の『適切てきせつ』の内容ないようをもっと具体ぐたい的てきに言いう必要ひつようがある」と述のべている。
先述せんじゅつのように、安倍あべ晋すすむをはじめとする閣僚かくりょうは、法ほうに基もとづいてきちんと報告ほうこくされているとしている。これには、第だい1次じ安倍あべ内閣ないかくではすでに内閣ないかく府ふ特命とくめい担当たんとう大臣だいじん（規制きせい改革かいかく担当たんとう）佐田さた玄げん一郎いちろうが政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょの虚偽きょぎ記載きさいで大臣だいじんを引責いんせき辞任じにん（2006年ねん12月）しており、さらなる閣僚かくりょうの辞任じにんが参院さんいん選せんでの惨敗ざんぱいや支持しじ率りつの低下ていかを招まねくことを恐おそれ、何なにとしてでも庇かばわなければならないという事情じじょうもあった。ただ、これほどまでにスキャンダルの多おおい閣僚かくりょうを庇かばい続つづけることこそ、逆ぎゃくに支持しじ率りつ低下ていかにつながるという声こえもあった。3月17日にち、18日にちの両日りょうじつに読売新聞よみうりしんぶんが行おこなった面接めんせつ方式ほうしきの世論せろん調査ちょうさでは、第だい1次じ安倍あべ内閣ないかくの支持しじ率りつは43.8%、不ふ支持しじ率りつは43.9%と、内閣ないかく発足ほっそく後ご初はじめて不ふ支持しじ率りつが支持しじ率りつを上回うわまわった。
政府せいふは「松岡まつおか農相のうしょう辞やめる必要ひつようなし」の方針ほうしんを貫つらぬくことを決定けっていしたが、もはや閣僚かくりょうたちの擁護ようご発言はつげんにも無理むりが生しょうじており、総務そうむ大臣だいじん菅かん義よし偉えらには3月がつ19日にちの参議院さんぎいん予算よさん委員いいん会かいで、芝しば博一ひろかず（民主党みんしゅとう）の「ミネラルウォーターやジュース・お茶ちゃなどは光熱こうねつ水すい費ひではなく備品びひんに計上けいじょうするのが一般いっぱん的てきではないのか?」との質問しつもんに対たいして「ジュースやお茶ちゃは備品びひんや消耗しょうもう品ひんにするか、政治せいじ活動かつどうの一環いっかんならば組織そしき対策たいさく費ひに計上けいじょうしてもいいが、ミネラルウォーターはジュースなどとは明あきらかに違ちがう」などと、ミネラルウォーターは光熱こうねつ水すい費ひに計上けいじょうできると発言はつげんし、物議ぶつぎを醸かもしている。2007年ねん3月14日にち、自民党じみんとう所属しょぞく国会こっかい議員ぎいん40人にんが参加さんかした総理そうり官邸かんていでの昼食ちゅうしょく会かいの際さい、各かく議員ぎいんから「これでは地元じもとの県議けんぎや市議しぎは納得なっとくしない」と異論いろんが続出ぞくしゅつしたが、安倍あべは「（松岡まつおかのことで）迷惑めいわく掛かけている」と述のべるにとどまった。
野党やとう側がわの対応たいおう
民主党みんしゅとう代表だいひょう小沢おざわ一郎いちろうは、「閣僚かくりょうなのだから、何なにも問題もんだいが無なければ光熱こうねつ水すい費ひをちゃんと公表こうひょうすべきだ」とし、同おなじく民主党みんしゅとう幹事かんじ長ちょう鳩山はとやま由紀夫ゆきおは、「事務所じむしょが1つしかないのに、光熱こうねつ水すい費ひだけでこんな膨大ぼうだいな金額きんがくを計上けいじょうするわけがない。収支しゅうし報告ほうこく書しょの虚偽きょぎ記載きさいの疑うたがいが極きわめて高たかい」として証人しょうにん喚問かんもんを求もとめた。3月9日にちには民主党みんしゅとうの芝しば博一ひろかず、蓮舫れんほうら4人にんの参議院さんぎいん議員ぎいんが議員ぎいん会館かいかんにある松岡まつおかの事務所じむしょを突如とつじょ訪問ほうもんし、秘書ひしょと押おし問答もんどうになる一幕ひとまくがあったが、浄水じょうすい器きも見みあたらず、光熱こうねつ費ひに匹敵ひってきする冷暖房れいだんぼう装置そうちもなかったと発表はっぴょうした。同どう時期じきに民主党みんしゅとうサイドでも、小沢おざわの資金しきん管理かんり団体だんたいが小沢おざわの個人こじん名義めいぎで10億おく円えんの資産しさんを保有ほゆうしている事実じじつが発覚はっかくしたものの、積極せっきょく的てきにそれを公開こうかいすることにより松岡まつおか追及ついきゅうの手ては緩なるず、社会しゃかい民主党みんしゅとう、国民こくみん新党しんとう、日本にっぽん共産党きょうさんとうと共同きょうどうで、松岡まつおかの証人しょうにん喚問かんもんを要求ようきゅうする構かまえであった。しかし、3月13日にちの参議院さんぎいん予算よさん委員いいん会かいでは民主党みんしゅとうの100分ぶんの質問しつもん時間じかんのうち7分ふんを費ついやしたのみだった。
市民しみん団体だんたいによる刑事けいじ告発こくはつ
2007年ねん4月がつ1日にち、大阪おおさか府ふ大阪おおさか市しに所在地しょざいちのある市民しみん団体だんたい「政治せいじ資金しきんオンブズマン」が、政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょに光熱こうねつ水すい費ひを虚偽きょぎ記載きさいしたとして、松岡まつおか利勝としかつと松岡まつおか利勝としかつ新しん世紀せいき政経せいけい懇話こんわ会かいの会計かいけい責任せきにん者しゃを政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう違反いはんの疑うたがい（収支しゅうし報告ほうこく書しょの虚偽きょぎ記載きさいなど）で東京とうきょう地方ちほう検察庁けんさつちょうに告発こくはつした[19]。

100万まん円えん献金けんきん使途しと不明ふめい問題もんだい

2007年ねん3月27日にちの朝日新聞あさひしんぶんの報道ほうどうで、東京とうきょう都と内うちの会社かいしゃが松岡まつおかの後援こうえん者しゃであるインド文化ぶんか協会きょうかい会長かいちょうに対たいして「資金しきん協力きょうりょく」という名目めいもくで支払しはらった100万まん円えんが使途しと不明ふめいになっていることが明あきらかになった[20]。松岡まつおかは27日にちの定例ていれい閣議かくぎ後ごの記者きしゃ会見かいけんで「（100万まん円えんを）受うけ取とった事実じじつはない」と否定ひてい。「（もし受うけ取とったことが事実じじつならば）政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょに記載きさいすることに問題もんだいない」と述のべ、後援こうえん者しゃとの関係かんけいについては「10年ねんくらいお付つき合あいがあるが、一緒いっしょにお食事しょくじをしたこともない」とも述のべたが、1月がつ5日にちの会見かいけんでは「長ながい付つき合あいがあり、色々いろいろな関係かんけいがあるようにもなりますよ」と述のべた[要よう出典しゅってん]。

その他た

自殺じさつ

2007年ねん5月28日にち、衆議院しゅうぎいん議員ぎいん宿舎しゅくしゃ（新赤坂しんあかさか宿舎しゅくしゃ）の自室じしつ（1102号ごう室しつ）で首くびを吊つって心肺しんぱい停止ていし状態じょうたいとなっているところを発見はっけんされ、搬送はんそう先さきの慶応義塾大学けいおうぎじゅくだいがく病院びょういんで死亡しぼうが確認かくにんされた。現職げんしょく国務大臣こくむだいじんの自殺じさつは日本国にっぽんこく憲法けんぽう下したの日本にっぽんでは初はじめてのことであった[22]。

議員ぎいん宿舎しゅくしゃの部屋へやからは、当時とうじの内閣ないかく総理そうり大臣だいじん安倍晋三あべしんぞうや元もと総理そうり大臣だいじん秘書官ひしょかんの飯島いいじま勲いさお、さらに日本にっぽん国民こくみんなどにあてた計けい8通つうの遺書いしょが残のこされており、「私わたしの不徳ふとくの致いたすところで申もうし訳わけない。迷惑めいわくをおわび申もうし上あげます」「身命しんめいをもって責任せきにんとお詫わびにかえさせていただきます」などと書かかれていた。これらのうち、内容ないようが公表こうひょうされた安倍あべ宛あてと国民こくみん宛あての遺書いしょには事務所じむしょ費ひ問題もんだいや談合だんごう事件じけんへの言及げんきゅうはなく、「安倍あべ総理そうり、日本国にっぽんこく万歳ばんざい」と締しめくくられていた[23]。

松岡まつおかの自殺じさつを受うけて、同日どうじつから同年どうねん6月1日にちまでは環境かんきょう大臣だいじん（当時とうじ）若林わかばやし正俊まさとしが大臣だいじん臨時りんじ代理だいりを兼任けんにん。その後ご、正式せいしきな後任こうにんには赤城あかぎ徳彦とくひこが就任しゅうにんした[24]。

自殺じさつ直前ちょくぜんの5月24日にち、松岡まつおかは新党しんとう大地だいち代表だいひょうの衆議院しゅうぎいん議員ぎいん鈴木すずき宗男むねおと会食かいしょくしている[25]。鈴木すずきによれば、その席せきで松岡まつおかは「（疑惑ぎわくについては）国対こくたいから黙だまっていろと言いわれている」と述のべたという。

5月26日にちには地元じもと熊本くまもと県けんに戻もどり、後援こうえん会かいの関係かんけい者しゃと面会めんかいしたり、高齢こうれいで一人暮ひとりぐらしの継母けいぼが住すむ実家じっかを訪おとずれ、両親りょうしんの墓参はかまいりをしたとされている。

松岡まつおかは日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかいの主管しゅかん官庁かんちょうの長ちょうとして、2007年ねん5月27日にち開催かいさいの第だい74回かい日本にほんダービーに皇太子こうたいし徳とく仁じん親王しんのうと安倍晋三あべしんぞう夫妻ふさいを招待しょうたいしていたが、接受せつじゅに当あたるはずだった松岡まつおかは当日とうじつになって欠席けっせきしている。

松岡まつおかが搬送はんそうされた慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく病院びょういんでは、同どう病院びょういんで入院にゅういん治療ちりょう中ちゅうだったZARDの坂井さかい泉水せんすいが敷地しきち内ないのスロープから転落てんらくし後頭部こうとうぶを強打きょうだ、27日にち午後ごごに死亡しぼうしていたことが明あきらかになっていたため、すでに多おおくの報道陣ほうどうじんが同どう病院びょういんに詰つめ掛かけており、現場げんばとなった議員ぎいん宿舎しゅくしゃから病院びょういんに運はこび込こまれる映像えいぞうまでが偶然ぐうぜんにも各かくマスコミにより報道ほうどうされることとなった。

家族かぞく・親族しんぞく

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ 在職ざいしょくのまま自殺じさつ。
  2. ^ a b c d e f g h 『週刊文春しゅうかんぶんしゅん 8月がつ16日にち・23日にち 夏なつの特大とくだい号ごう（2007年ねん）』 178頁ぺーじ
  3. ^ 『週刊文春しゅうかんぶんしゅん 8月がつ16日にち・23日にち 夏なつの特大とくだい号ごう（2007年ねん）』 178-179頁ぺーじ
  4. ^ 「海外かいがい日本食にほんしょくレストラン認証にんしょう有識者ゆうしきしゃ会議かいぎの設置せっちについて」農林水産省のうりんすいさんしょう、2006年ねん11月2日にち。
  5. ^ 農林のうりん水産すいさん大臣だいじん就任しゅうにん後ご、外遊がいゆう時じに現地げんちの日本にっぽん食しょくレストランで出だされた料理りょうりが日本にっぽん食しょくとは名なばかりの料理りょうりだったため、衝撃しょうげきを受うけた松岡まつおかが認証にんしょう制度せいどを発案はつあんし、松岡まつおかの肝煎きもいりで上記じょうき会議かいぎが設置せっちされた。
  6. ^ 松岡まつおか利勝としかつ「日本にっぽん食しょくのファンを世界せかいに拡めたい〜海外かいがいにおける日本にっぽん食しょくレストランの認証にんしょう〜」『安倍あべ内閣ないかくメールマガジン 第だい10号ごう ～40年ねんぶりの給食きゅうしょく(2006/12/14)～』内閣ないかく官房かんぼう内閣ないかく広報こうほう室しつ、2006年ねん12月14日にち。
  7. ^ 松岡まつおか利勝としかつ「大臣だいじん就任しゅうにん挨拶あいさつ」『安倍あべ内閣ないかくメールマガジン 創刊そうかん号ごう ～北朝鮮きたちょうせんに対たいする厳格げんかくな措置そち決定けってい/首脳しゅのう外交がいこうスタート（2006/10/12）～』内閣ないかく官房かんぼう内閣ないかく広報こうほう室しつ、2006年ねん10月がつ12日にち。
  8. ^ WBEFは、出資法しゅっしほう違反いはん容疑ようぎで福岡ふくおか県けん警察けいさつの家宅かたく捜索そうさくを受うけた「エフ・エー・シー」の関連かんれん団体だんたい。
  9. ^ 山田やまだ宏ひろし太郎たろう・青島ちんたお顕あきら「松岡まつおか農相のうしょう事務所じむしょ費ひ『4000万まん円えんは法外ほうがい』05年ねん収支しゅうし元もと地元じもと関係かんけい者しゃ、証言しょうげん」『毎日新聞まいにちしんぶん』47071号ごう、毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ東京とうきょう本社ほんしゃ、2007年ねん1月がつ28日にち、31面めん。
  10. ^ それによれば、菊陽きくよう町まちにある主しゅたる事務所じむしょの家賃やちんは月額げつがく20万まん円えん、他たの3ヶ所かしょはさらに安やすいといい、事務所じむしょ費ひがなぜ高額こうがくになるのかわからないという。
  11. ^ 『国会こっかい中継ちゅうけい』NHK、2007年ねん3月がつ5日にち
  12. ^ “参議院さんぎいんインターネット審議しんぎ中継ちゅうけい”. 参議院さんぎいん (2007年ねん3月がつ). 2007年ねん3月がつ14日にち閲覧えつらん。
  13. ^ 浄水じょうすい器き等とうで生成せいせいされる「アルカリイオン水すい」を指さしていると思おもわれる。2007年ねん（平成へいせい19年ねん）ユーキャン新語しんご・流行りゅうこう語ご大賞たいしょうにノミネートされた。
  14. ^ a b c d 「松岡まつおか事務所じむしょ謎なぞの光熱こうねつ費ひ――同僚どうりょう事務所じむしょ『かかるわけない』――05年ねんは507万まん円えん？」『朝日新聞あさひしんぶん』43428号ごう、朝日新聞社あさひしんぶんしゃ東京とうきょう本社ほんしゃ、2007年ねん3月がつ8日にち、39面めん。
  15. ^ 日刊にっかんゲンダイ本紙ほんしが直撃ちょくげき松岡まつおか農水のうすい相しょう疑惑ぎわく. 『ゲンダイネット』日刊現代にっかんげんだい. (2007年ねん3月がつ6日にち). http://gendai.net/?m=view&c=010&no=18983 2007年ねん3月がつ6日にち閲覧えつらん。. 
  16. ^ 「松岡まつおか疑惑ぎわくに『5,000円えんの水みず』会社かいしゃが怒おこった」『週刊しゅうかん新潮しんちょう』52巻かん11号ごう、新潮社しんちょうしゃ、2007年ねん3月がつ22日にち、151頁ぺーじ。
  17. ^ 『サンデープロジェクト』テレビ朝日てれびあさひ、2001年ねん10月28日にち。松岡まつおか、猪瀬いのせ、栗原くりはら博久ひろひさ（自民党じみんとう衆院しゅういん議員ぎいん）、田原たはら総一朗そういちろうの論戦ろんせん内ないで、松岡まつおかは「あんたはタリバンだ」、「なんでこんな関係かんけいないやつがここにいるんだ」などと発言はつげんしている。
  18. ^ 『ワイド!スクランブル』テレビ朝日てれびあさひ、2007年ねん3月8日にち。
  19. ^ 松岡まつおか利勝としかつに対たいする告発こくはつ状じょう 政治せいじ資金しきんオンブズマン 2007年ねん4月がつ1日にち
  20. ^ 鈴木すずき毅あつし「安倍あべ政権せいけんのアキレス腱あきれすけんに新しん疑惑ぎわく謎なぞのインド友好ゆうこう団体だんたいと松岡まつおか農水のうすい相しょう」『週刊しゅうかん朝日あさひ』112巻かん18号ごう、朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、2007年ねん4月がつ6日にち、18-21頁ぺーじ。
  21. ^ 「コーヒー1杯はいでなんと2万まん円えん也！疑惑ぎわく噴出ふんしゅつが止とまらない松岡まつおか農水のうすい相しょう『1,000万まん円えん“集金しゅうきん”パーティ』は『大臣だいじん規範きはん』違反いはんではないのか」『週刊しゅうかんポスト』39巻かん7号ごう、小学館しょうがくかん、2007年ねん2月がつ9日にち、35-36頁ぺーじ。
  22. ^ 大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう下したの1945年ねん8月がつ15日にち、時ときの陸軍りくぐん大臣だいじん阿南あなみ惟幾これちかが敗戦はいせんを機きに自決じけつしており、これが日本にっぽんの内閣ないかく制度せいどが始はじまって以降いこう最初さいしょの現職げんしょく大臣だいじんの自殺じさつであった。
  23. ^ 松岡まつおかの自殺じさつを受うけての安倍あべのコメントは「慙愧ざんきに耐たえない」であった。
  24. ^ “首相しゅしょうは松岡まつおか農相のうしょう死亡しぼうに任命にんめい責任せきにん表明ひょうめい、臨時りんじ代理だいりに若林わかばやし環境かんきょう相しょう”. ロイター. (2007年ねん5月がつ28日にち). http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-26162820070528 2007年ねん9月がつ5日にち閲覧えつらん。 
  25. ^ “鈴木すずき宗男むねお氏し、松岡まつおか利勝としかつ農相のうしょうとの最後さいごの会話かいわを激げき白しろ”. アメーバニュース. (2007年ねん5月がつ29日にち). http://news.ameba.jp/2007/05/4932.php 2007年ねん5月がつ29日にち閲覧えつらん。 

関連かんれん項目こうもく

ウィキソースに河村かわむら建夫たけお君くんの故こ議員ぎいん松岡まつおか利勝としかつ君くんに対たいする追悼ついとう演説えんぜつの原文げんぶんがあります。
ウィキニュースに関連かんれん記事きじがあります。

外部がいぶリンク

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