ゆとり世代せだい

日本にっぽんの人口じんこうピラミッド（世代せだいを注記ちゅうき）

ゆとり世代せだい（ゆとりせだい）とは、「ゆとり教育きょういく」を受うけた世代せだいのこと。

ゆとり世代せだいについては明確めいかくな定義ていぎ、範囲はんいはなく諸説しょせつある。

• 小中学校しょうちゅうがっこうにおいて2002年ねん度ど施行しこう（高等こうとう学校がっこうは2003年ねん度ど）の学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうによる教育きょういくを受うけた世代せだい（1987年ねん4月がつ2日にち - 2004年ねん4月がつ1日にち生うまれ）
• 小中学校しょうちゅうがっこうにおいて1980年ねん度ど以降いこう（高等こうとう学校がっこうは1982年ねん度ど以降いこう）の学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうによる教育きょういくを受うけた世代せだい（1966年ねん4月がつ2日にち - 2004年ねん4月がつ1日にち生うまれ）。

背景はいけい

詳細しょうさいは「学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう」、「詰つめ込こみ教育きょういく」、「新しん学力がくりょく観かん」、「ゆとり教育きょういく」、および「脱だつゆとり教育きょういく」を参照さんしょう

詰つめ込こみ教育きょういくによる落おちこぼれと剥落はくらく学力がくりょく問題もんだいの反省はんせいから、大幅おおはばな学習がくしゅう量りょうの精選せいせんと思おもい切きった授業じゅぎょう時間じかんの削減さくげんが行おこなわれ、1980年度ねんどに「ゆとりと充実じゅうじつ」を掲かかげて教育きょういく方針ほうしんを掲かかげた学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう、1992年度ねんどに「新しん学力がくりょく観かん」を掲かかげた学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう、そして2002年度ねんどに「生いきる力ちから」を掲かかげた学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうが施行しこうされた。1980年ねんから全面ぜんめん実施じっしされた学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうの改訂かいていでは大幅おおはばな学習がくしゅう量りょうの精選せいせんと思おもい切きった授業じゅぎょう時間じかんの削減さくげんが行おこなわれた。

1980年度ねんど学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう以降いこう、学力がくりょく低下ていかを危惧きぐする声こえが出で始はじめ後のちにゆとり世代せだいと呼よばれ始はじめた『日本にっぽんの教育きょういくがよく分わかる本ほん』（PHP文庫ぶんこ出版しゅっぱん）では、「詰つめ込こみ教育きょういく」世代せだいと「ゆとり教育きょういく」世代せだいに分わけた時とき、1980年ねんの学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう改訂かいていを論拠ろんきょとして、ゆとり教育きょういく世代せだいには、当時とうじ（2014年ねん1月がつ）30代だい - 40代だいも含ふくまれると指摘してきしている。更さらに、1980年ねんから学校がっこう教育きょういくを受うけた世代せだいこそ「ゆとり世代せだい」の草分くさわけともされている。 また、ゆとり世代せだいは1966年ねん4月がつ2日にち - 2004年ねん4月がつ1日にち生うまれとする意見いけんと1987年ねん - 2004年ねん生うまれとする意見いけんがある。

学習がくしゅう量りょう削減さくげんから20年ねんが経過けいかした（その間あいだも削減さくげん傾向けいこうは継続けいぞくされた）2002年度ねんどに施行しこうされた学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうをはじめに受うけたことになる1985年ねん度ど生うまれの世代せだいをメディア等とうで「ゆとり第だい一いち世代せだい」と呼称こしょうするようになった。

狭義きょうぎのゆとり教育きょういく（2002年ねん実施じっしの学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう）を受うけたことのある世代せだいは、1987年ねん4月がつ2日にちから2004年ねん4月がつ1日にち生うまれである。

ただし、文部もんぶ科学かがく省しょうはゆとり教育きょういくとの言葉ことばを用もちいてはおらず、マスコミによる造語ぞうごである。

しかし学力がくりょく低下ていかの不安ふあんから、小学校しょうがっこうは2011年度ねんど、中学校ちゅうがっこうでは2012年度ねんど、高等こうとう学校がっこうでは2013年度ねんどから学年がくねん進行しんこうで学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうの再さい改定かいていが実施じっしされた。この改定かいてい後ごの教育きょういくはマスコミから脱だつゆとり教育きょういくと呼よばれている。

なお、年代ねんだい区分くぶんには諸説しょせつがあるが以降いこうは、特とくに記載きさいがない場合ばあい、1987年ねん生うまれ以降いこうに関かんする内容ないようである。

成長せいちょう過程かていと経済けいざい情勢じょうせい

詳細しょうさいは「さとり世代せだい」を参照さんしょう

1986年ねんにバブル景気けいきが起おきたが1992年ねんに崩壊ほうかいし、アジア通貨つうか危機ききに伴ともなうゼロ金利きんり政策せいさく（1999年ねん）や戦後せんご初はつのデフレ宣言せんげん（2001年ねん）が出だされた。2002年ねん2月がつから2009年ねん3月がつにかけていざなみ景気けいきが起おきたものの、リーマンショックに伴ともなう不況ふきょうが発生はっせいし、ゆとり世代せだいの価値かち観かんに影響えいきょうを与あたえた。

このようなバブル経済けいざい崩壊ほうかいのあとに長ながらく続つづく経済けいざい停滞ていたいの風潮ふうちょうを受うけ、戦後せんごの経済けいざい成長せいちょう期きの世代せだいと比較ひかくすると堅実けんじつで安定あんていした生活せいかつを求もとめる傾向けいこうがあり、流行りゅうこうに左右さゆうされず、無駄むだがなく自分じぶんにここちいいもの、プライドよりも実質じっしつ性せいのあるものを選えらぶという消費しょうひスタイルをもっている。また、結果けっかを悟さとり高望たかのぞみをしないため、この世代せだいは「さとり世代せだい」とも呼よばれている。

就職しゅうしょく活動かつどう

ゆとり世代せだいの就職しゅうしょく状じょう況きょうの変化へんか

「就職しゅうしょく氷河期ひょうがき#資料しりょう」も参照さんしょう

2006年ねんから2008年ねんにかけて、一時いちじ的てきな景気けいきの回復かいふくにより、2006年ねんから2009年ねんに卒業そつぎょうして就職しゅうしょくした者もの（ゆとり第だい一いち世代せだいの高校こうこう・短大たんだい・専門せんもん学校がっこう卒そつなど）には売うり手て市場いちばの恩恵おんけいを受うけた者ものもいるが、サブプライムローン問題もんだいに端はしを発はっする世界せかい金融きんゆう危機ききなどの要因よういんによる急激きゅうげきな景気けいき悪化あっかにより、1987年度ねんど生うまれ周辺しゅうへんの就職しゅうしょく状じょう況きょうは厳きびしくなった。特とくに大卒だいそつ（2010年ねん卒そつ）の就職しゅうしょく率りつは、前年ぜんねん比ひで7.6%という大幅おおはば減少げんしょうで60.8%（男おとこ56.4%、女おんな66.6%）であった。読売新聞社よみうりしんぶんしゃの調査ちょうさによれば、このような就職しゅうしょく状じょう況きょうの悪化あっかから、2010年ねん大学だいがく卒業そつぎょう予定よてい者しゃだった約やく56万まん8000人にんのうち、約やく7万まん9000人にん（7人にんに1人ひとり）以上いじょうが就職しゅうしょく留年りゅうねんを選択せんたくしている。また、2011年ねん3月がつに東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいもあり、マスコミによっては、（就職しゅうしょく）超ちょう氷河期ひょうがき、超ちょう就職しゅうしょく氷河期ひょうがきなどと表現ひょうげんする人ひともいる。また、その時期じきに就職しゅうしょく活動かつどうを行おこなったゆとり第だい一いち世代せだいを「リーマンショック世代せだい」と呼よぶこともある。 しかし、就職しゅうしょく率りつは2010年ねん卒そつ以降いこう増加ぞうかしており2014年ねん卒そつ（大卒だいそつ）は69.8%となり、2018年ねん卒そつは77.1%にまで上昇じょうしょうした。なお、非ひ正規せいき雇用こようの問題もんだいがあるなか、2012年ねん卒そつから就職しゅうしょく率りつだけでなく正規せいき雇用こようなのか非ひ正規せいき雇用こようなのかも調査ちょうさするようになった。2012年ねん卒そつの非ひ正規せいき雇用こようの就職しゅうしょく率りつは3.9%、2018年ねん卒そつは3.0%であり、減少げんしょう傾向けいこうにある。また、学生がくせい調査ちょうさにおいても就職しゅうしょく状じょう況きょうが厳きびしいと答こたえる学生がくせいが過半数かはんすうではあるものの、楽らくだと答こたえる学生がくせいが年々ねんねん増加ぞうかしており、2014年ねん卒そつの学生がくせいは33.9%が楽らくと答こたえている（2010年ねん卒そつは1.2%）。また、人事じんじ担当たんとう者しゃによる調査ちょうさによると、2011年ねん卒そつや2012年ねん卒そつまでの就職しゅうしょく状じょう況きょうでは「氷河期ひょうがき」と答こたえている人ひとが多おおかったが2015年ねん卒そつの就職しゅうしょく状じょう況きょうは、「氷河期ひょうがき」（11.8%）と答こたえる人ひとよりも「売うり手て」（19.4%）と答こたえる人ひとの方ほうが多おおく、逆ぎゃくに人手ひとで不足ふそくが問題もんだいとなっている。（下したの表ひょうを参照さんしょう）

就職しゅうしょく率りつの変化へんか

以下いか、留年りゅうねん、浪人ろうにん等とうのない場合ばあいの学歴がくれき別べつ就職しゅうしょく率りつである。 1987年度ねんど生うまれは、留年りゅうねん、浪人ろうにんをしなければ、2003年ねんに中学ちゅうがくを卒業そつぎょう、2006年ねんに高校こうこうを卒業そつぎょう、2008年ねんに専門せんもん、短大たんだいを卒業そつぎょう、2010年ねんに大学だいがくを卒業そつぎょう、2012年ねんに修士しゅうしを卒業そつぎょう、2015年ねんに博士はかせを卒業そつぎょうする。ここでの就職しゅうしょく率りつは、卒業そつぎょう者しゃのうち就職しゅうしょくした者ものの割合わりあいであるため、進学しんがく率りつの高たかい高卒こうそつは就職しゅうしょく率りつが低ひくい。また、男女だんじょ比ひは学歴がくれきによって格差かくさがあり、高卒こうそつ、修士しゅうし卒そつ、博士はかせ卒そつは男性だんせいの方ほうが就職しゅうしょく率りつが高たかいのに対たいして、専門せんもん卒そつ、短大たんだい卒そつ、大卒だいそつは女性じょせいの方ほうが就職しゅうしょく率りつが高たかい。

■ : 就職しゅうしょく氷河期ひょうがき（2010年ねん - 2013年ねん卒そつ）

就職しゅうしょく率りつ(%)の推移すいい

誕生たんじょう年度ねんど	高校こうこう卒そつ	専門せんもん卒そつ	短大たんだい卒そつ	大学卒だいがくそつ	修士しゅうし卒そつ	博士はかせ卒そつ
1987	18.0	54.2	72.0	60.8	73.3	67.2
1988	18.5	53.6	69.9	61.6	73.7	67.4
1989	19.0	51.5	65.4	63.9	74.4	67.7
1990	18.2	54.3	68.2	67.3	76.2	67.7
1991	15.8	57.6	70.8	69.8	77.2	69.0
1992	16.3	58.0	73.5	72.6	78.2	-
1993	16.8	57.6	75.2	74.7	78.5	-
1994	17.0	58.3	78.1	76.1	78.6	-
1995	17.5	57.9	79.2	77.1	-	-

【参考さんこう】2014年ねん卒そつの男女だんじょ別べつ就職しゅうしょく率りつ(%)

高校こうこう卒そつ		専門せんもん卒そつ		短大たんだい卒そつ		大学卒だいがくそつ		修士しゅうし卒そつ		博士はかせ卒そつ
男おとこ	女おんな	男おとこ	女おんな	男おとこ	女おんな	男おとこ	女おんな	男おとこ	女おんな	男おとこ	女おんな
17.5		57.6		75.2		69.8		74.4		66.0
21.1	13.9	56.4	64.1	56.3	77.4	64.9	75.8	79.2	62.8	69.8	57.4

就職しゅうしょく戦線せんせん状況じょうきょう(%)の推移すいい

生うまれ	年とし卒そつ	超ちょう氷河期ひょうがき	氷河期ひょうがき	どちらでもない	まだ売うり手て市場いちば	かなり売うり手て市場いちば
1988	2011	12.5	51.8	29.6	5.2	0.8
1989	2012	11.7	51.8	30.9	4.7	0.8
1990	2013	11.0	39.3	41.3	6.8	1.8
1991	2014	7.1	37.8	46.6	6.6	1.9
1992	2015	1.9	11.8	61.9	19.4	5.0

企業きぎょうの変化へんか

ゆとり世代せだいが就職しゅうしょくするころ、企業きぎょうによっては会社かいしゃの形かたちが少すこし変化へんかするところもあった。会社かいしゃによっては英語えいごを公用こうよう語ごにしたり、外国がいこく人じんの採用さいようを増ふやしたり、3年ねん以内いない既すんで卒そつ者しゃを新卒しんそつと扱あつかう動うごきなど企業きぎょうや採用さいようのスタイルが変かわりつつあった。

就職しゅうしょく活動かつどうも大おおきく流ながれが変かわり、採用さいよう時期じきが大おおきく変化へんかし（下したの表おもて参照さんしょう）、インターンシップも活発かっぱつとなった。

経団連けいだんれんの採用さいよう選考せんこうの指針ししん

	2010年ねん - 2012年ねん卒そつ	2013年ねん - 2015年ねん卒そつ	2016年ねん卒そつ	2017年ねん卒そつ - 2025年ねん卒そつ	2026年ねん卒そつ以降いこう
広告こうこく活動かつどう	大学だいがくの日程にっていを尊重そんちょう	前年ぜんねんの12月以降いこう	3月がつ以降いこう	3月がつ以降いこう	規制きせいなし
選考せんこう活動かつどう	早期そうき開始かいしの自粛じしゅく	4月がつ以降いこう	8月がつ以降いこう	6月がつ以降いこう
内定ないてい日び	10月がつ以降いこう	10月がつ以降いこう	10月がつ以降いこう	10月がつ以降いこう

• 2010年ねん - 2012年ねん卒そつの大おおまかなスケジュールは、前年ぜんねんの10月がつ以降いこうにエントリー、2月がつごろから採用さいよう試験しけんという流ながれであった。
• 実際じっさいには、選考せんこう活動かつどうが指針ししんよりも早はやいところも多おおい。
• 2016年ねん卒そつの時とき経団連けいだんれん加盟かめい企業きぎょうの8割わり以上いじょうが悪影響あくえいきょうがあったと答こたえたため、2017年ねん卒そつ以降いこう選考せんこう開始かいし時期じきを2か月げつ前倒まえだおしすることとなった。

デジタルネイティブ

詳細しょうさいは「デジタルネイティブ」および「日本にっぽんにおける携帯けいたい電話でんわ」を参照さんしょう

1995年ねんにPHSが登場とうじょうし、1996年ねんにポケットベルが隆盛りゅうせいを迎むかえ、2000年ねん前後ぜんこうになると携帯けいたい電話でんわやインターネットが普及ふきゅうし、メールをはじめSNSを利用りようしたコミュニケーションツールが発展はってんした。このような変化へんかの中なか、学生がくせい時代じだいからインターネットのある生活せいかつ環境かんきょうの中なかで育そだってきた世代せだいをデジタルネイティブ世代せだいと呼よび、橋元はしもと良明よしあきらは、パソコンでインターネットを活用かつようした76世代せだい、携帯けいたい電話でんわで活用かつようした86世代せだい、クラウド環境かんきょうでの集合しゅうごう知ちを活用かつようする96世代せだい（ネオ・デジタルネイティブ）に分類ぶんるいしている。

少子しょうし社会しゃかい

日本にっぽんの出生しゅっしょう数すう（棒ぼうグラフ）と合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつ（折おれ線せんグラフ）。1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）以降いこう。近年きんねん、合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつは増加ぞうかしているにもかかわらず、出生しゅっしょう数すうの減少げんしょうは続つづいている。

丙午ひのえうまによる出生しゅっしょう率りつ減げんによって合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつが1.58であった1966年ねんよりも低ひくい1.57を1989年ねんに記録きろくしたことが1990年ねんに発表はっぴょうされ、「1.57ショック」と呼よばれて注目ちゅうもくを集あつめた。また、平成へいせい16年版ねんばん少子化しょうしか社会しゃかい白書はくしょは、子こどもの数かずが高齢こうれい者しゃ人口じんこう（65歳さい以上いじょう人口じんこう）よりも少すくなくなった社会しゃかいを「少子しょうし社会しゃかい」と定義ていぎし、1997年ねんに少子しょうし社会しゃかいへ突入とつにゅうしたと記載きさいしている。

ゆとり世代せだいが子こどもを持もつ年齢ねんれいになった2010年代ねんだいでは、少子化しょうしか問題もんだいがより顕著けんちょとなった。2011年ねんには第だい一いち子し出産しゅっさん時じの母親ははおやの年齢ねんれい平均へいきんが30歳さいを突破とっぱし、2018年ねん現在げんざいでは30.7歳さいとなった。合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつは、2005年ねんの1.26を記録きろく以来いらい微増びぞうし、2017年ねん時点じてんは1.43となったが、出産しゅっさん適齢てきれい期きの女性じょせいが減へっているため、出生しゅっしょう数すうは減少げんしょうし、2016年ねんには年間ねんかんの出産しゅっさん数すうが100万まん人にんを割わった（2022年ねん時点じてんでは77万まん759人にん）。

2017年ねん時点じてんでの母親ははおやの年齢ねんれい階級かいきゅう別べつの出生しゅっしょう数すうでは、30～34歳さいが最もっとも多おおく34万まん5419人にんであるが、25～29歳さい（2017年ねん時点じてんでのゆとり世代せだいの年齢ねんれいに相当そうとう）が24万まん933人にん、35～39歳さいが21万まん6938人にんと、30～34歳さい以外いがいでの出生しゅっしょう数すうも多おおく、20～24歳さいも7万まん9264人にん、40～44歳さいも5万まん2101人にんと少すくなからずいる。そのため、7割わりがママ友とも・パパ友ともとの年としの差さギャップを感かんじているというアンケート結果けっかもある。ただ、ゆとり世代せだいが新生児しんせいじの親おやの多数たすう派はを占しめるようになるのは令れい和わ改元かいげん後ごの2019年ねん5月がつ1日にち以降いこうのことである。

教育きょういくの変化へんか

1992年ねん9月12日にちに毎月まいつき第だい2土曜日どようびが、1995年ねん4月がつ22日にちからは第だい4土曜日どようびも休業きゅうぎょう日びとなり、2002年度ねんどから学校がっこう完全かんぜん週しゅう5日にち制せいに変更へんこうされた。ただし、2010年代ねんだいになると学校がっこうや自治体じちたいの権限けんげんによって、土曜日どようびの授業じゅぎょうが復活ふっかつしたところもある。

2006年ねんから大学だいがく入試にゅうしの基準きじゅんが変更へんこうとなった。センター試験しけんでは、リスニングが追加ついかされた。また、薬学部やくがくぶ薬学やくがく科かが6年ねん制せい教育きょういくとなった。

学力がくりょく低下ていかの不安ふあんの煽あおりを受うけ、学習がくしゅう塾じゅくへの通つう塾じゅく者しゃが増ふえたり、私立しりつの中高なかだか一貫いっかん校こうを中学ちゅうがく受験じゅけんした者ものが増ふえたほか（2008年ねんには私立しりつ中学ちゅうがく受験じゅけん率りつは首都しゅと圏けんで14.8%と過去かこ最高さいこうを記録きろくした）、2007年ねんには、全国ぜんこく学力がくりょく・学習がくしゅう状じょう況きょう調査ちょうさが導入どうにゅうされ、地域ちいきによっては学力がくりょく改善かいぜんのための教育きょういくを学校がっこうや自治体じちたい独自どくじで取とり組くむといったもことも行おこなわれた。

通知つうち表ひょう等とうは相対そうたい評価ひょうかではなく絶対ぜったい評価ひょうかであり、「生いきる力ちから」を重視じゅうしする教育きょういく方針ほうしんを継続けいぞくしている。

授業じゅぎょう時数じすうの変化へんか

「ゆとり教育きょういく」および「脱だつゆとり教育きょういく」も参照さんしょう

以下いかにゆとり教育きょういく前まえの教育きょういく、ゆとり教育きょういく、脱だつゆとり教育きょういくの移行いこう措置そち教育きょういく、脱だつゆとり教育きょういくのそれぞれの学年がくねんでの授業じゅぎょう時数じすうを示しめす。

科目かもくごとの変遷へんせんについては、「ゆとり教育きょういく#授業じゅぎょう時数じすう」および「脱だつゆとり教育きょういく#授業じゅぎょう時数じすうの推移すいい」を参照さんしょう

資料しりょう

• 小学校しょうがっこうにおける各かく教科きょうか等とうの授業じゅぎょう時じ数等すうとうの変遷へんせん
• 中学校ちゅうがっこうにおける各かく教科きょうか等とうの授業じゅぎょう時じ数等すうとうの変遷へんせん
• 移行いこう措置そち期間きかん中ちゅうの標準ひょうじゅん授業じゅぎょう時数じすう案あんについて

表ひょうの見方みかた

色いろ	白しろ	赤あか	黄色おうしょく	青あお
示しめしている教育きょういく	ゆとり教育きょういく前まえの教育きょういく	ゆとり教育きょういく	移行いこう措置そち	脱だつゆとり教育きょういく

年代ねんだい別べつの授業じゅぎょう時間じかん（義務ぎむ教育きょういく）

年度ねんど生うまれ	小しょう1	小しょう2	小しょう3	小しょう4	小しょう5	小しょう6	中ちゅう1	中ちゅう2	中ちゅう3	総そう授業じゅぎょう時間じかん数すう
1986	850	910	980	1015	1015	1015	1050	1050	1050	8935
1987	850	910	980	1015	1015	1015	1050	1050	980	8865
1988	850	910	980	1015	1015	1015	1050	980	980	8795
1989	850	910	980	1015	1015	1015	980	980	980	8725
1990	850	910	980	1015	1015	945	980	980	980	8655
1991	850	910	980	1015	945	945	980	980	980	8585
1992	850	910	980	945	945	945	980	980	980	8515
1993	850	910	910	945	945	945	980	980	980	8445
1994	850	840	910	945	945	945	980	980	980	8375
1995	782	840	910	945	945	945	980	980	980	8307
1996	782	840	910	945	945	945	980	980	980	8307
1997	782	840	910	945	945	980	980	980	1015	8377
1998	782	840	910	945	980	980	980	1015	1015	8447
1999	782	840	910	980	980	980	1015	1015	1015	8517
2000	782	840	945	980	980	980	1015	1015	1015	8552
2001	782	875	945	980	980	980	1015	1015	1015	8587
2002	816	875	945	980	980	980	1015	1015	1015	8621
2003	816	910	945	980	980	980	1015	1015	1015	8656
2004	850	910	945	980	980	980	1015	1015	1015	8690

※私立しりつ学校がっこうではこの限かぎりではない。また、公立こうりつ学校がっこうにおいても必かならずしも上記じょうきの状態じょうたいであったわけではない。

PISAの順位じゅんい変動へんどう

ゆとり世代せだいのPISA（OECD生徒せいとの学習がくしゅう到達とうたつ度ど調査ちょうさ）の結果けっかは以下いかの通とおりである。順位じゅんいの下落げらくが問題もんだいとなったが、参加さんか国こく数すうの増加ぞうか、各国かっこくの教育きょういく水準すいじゅんの向上こうじょうなどにより前まえの世代せだいとの単純たんじゅん比較ひかくはできない。PISA2003及およびPISA2012では、問題もんだい解決かいけつ能力のうりょくも実施じっしされ、PISA2018ではグローバル・コンピテンスが新あらたに導入どうにゅうされた。PISA2000からPISA2012までは筆記ひっき型がた調査ちょうさであったが、PISA2015以降いこうはコンピュータ使用しよう型がた調査ちょうさに移行いこうした。一部いちぶの国くに地域ちいきにおいて筆記ひっき型がた調査ちょうさに加くわえて、PISA2009ではコンピュータを使用しようした読解どっかい力りょく調査ちょうさ（デジタル読解どっかい力りょく）、PISA2012ではデジタル読解どっかい力りょく、デジタル数学すうがく的てきリテラシーが実施じっしされた。

PISAの順位じゅんいの変遷へんせん

PISA	受験じゅけん対象たいしょう生うまれ	読解どっかい力りょく	数学すうがく的てき リテラシー	科学かがく的てき リテラシー	問題もんだい解決かいけつ能力のうりょく	グローバル・ コンピテンス
PISA2000	1984年度ねんど生うまれ	8位い	1位い	2位い	-	-
PISA2003	1987年度ねんど生うまれ	14位い	6位い	2位い	4位い	-
PISA2006	1990年度ねんど生うまれ	15位い	10位い	6位い	-	-

また、点数てんすうに関かんしても、全数ぜんすう調査ちょうさではなく標本ひょうほん調査ちょうさであること、順位じゅんい間あいだで有意ゆうい差さがないところもあることに留意りゅういが必要ひつようであり、考慮こうりょした最低さいてい順位じゅんいの結果けっかは以下いかの通とおりである。

PISAの順位じゅんいの変遷へんせん

PISA	受験じゅけん対象たいしょう生うまれ	読解どっかい力りょく	数学すうがく的てき リテラシー	科学かがく的てき リテラシー	問題もんだい解決かいけつ能力のうりょく	グローバル・ コンピテンス
PISA2009	1993年度ねんど生うまれ	9位い*1	12位い	6位い	-	-
PISA2012	1996年度ねんど生うまれ	4位い*1	7位い*1	4位い	3位い	-
PISA2015	1999年度ねんど生うまれ	9位い	6位い	3位い	-	-
PISA2018	2002年度ねんど生うまれ	20位い	8位い	5位い	-	不参加ふさんか*2

• 出典しゅってん：OECD生徒せいとの学習がくしゅう到達とうたつ度ど調査ちょうさ（PISA）

*1：PISA2009のデジタル読解どっかい力りょくは4位い、PISA2012でのデジタル読解どっかい力りょくは4位い、PISA2012でのデジタル数学すうがく的てきリテラシーは6位いであった。

*2：PISA2018のグローバル・コンピテンスは、文化ぶんか的てき多様たよう性せいに対たいする価値かち観かんを1つの指標しひょうで順位じゅんい付づけされる事ことを懸念けねんし参加さんかを見送みおくった。次回じかいについては、参加さんかを検討けんとうしている。

教科きょうかごとの順位じゅんいの推移すいい

■ : PISA2003以降いこう参加さんか国こく・地域ちいき
■ : PISA2006以降いこう参加さんか国こく・地域ちいき
■ : PISA2009以降いこう参加さんか国こく・地域ちいき

PISA（読解どっかい力りょく）の順位じゅんいの変遷へんせん

順位じゅんい	PISA2000	PISA2003	PISA2006	PISA2009	PISA2012	PISA2015	PISA2018
1	フィンランド	フィンランド	韓国かんこく	上海しゃんはい	上海しゃんはい	シンガポール	上海しゃんはい
2	カナダ	韓国かんこく	フィンランド	韓国かんこく	香港ほんこん	香港ほんこん	シンガポール
3	ニュージーランド	カナダ	香港ほんこん	フィンランド	シンガポール	カナダ	マカオ
4	オーストラリア	オーストラリア リヒテンシュタイン	カナダ	香港ほんこん	日本にっぽん	フィンランド	香港ほんこん
5	アイルランド		ニュージーランド	シンガポール	韓国かんこく	アイルランド	エストニア
6	韓国かんこく	ニュージーランド	アイルランド	カナダ	フィンランド	エストニア	カナダ
7	イギリス	アイルランド	オーストラリア	ニュージーランド	アイルランド	韓国かんこく	フィンランド
8	日本にっぽん	スウェーデン	リヒテンシュタイン	日本にっぽん	台湾たいわん	日本にっぽん	アイルランド
9	スウェーデン	オランダ	ポーランド	オーストリア	カナダ	ノルウェー	韓国かんこく
10	オーストリア	香港ほんこん	スウェーデン	オランダ	ポーランド	ニュージーランド	ポーランド
11		ベルギー	オランダ				スウェーデン
12		ノルウェー	ベルギー				ニュージーランド
13		スイス	エストニア				アメリカ
14		日本にっぽん	スイス				イギリス
15		マカオ	日本にっぽん				オーストラリア
16							台湾たいわん
17							デンマーク
18							ノルウェー
19							ドイツ
20							日本にっぽん

PISA（数学すうがく的てきリテラシー）の順位じゅんいの変遷へんせん

順位じゅんい	PISA2000	PISA2003	PISA2006	PISA2009	PISA2012	PISA2015	PISA2018
1	日本にっぽん	香港ほんこん	台湾たいわん	上海しゃんはい	上海しゃんはい	シンガポール	上海しゃんはい
2	韓国かんこく	フィンランド	フィンランド	シンガポール	シンガポール	香港ほんこん	シンガポール
3	ニュージーランド	韓国かんこく	香港ほんこん 韓国かんこく	香港ほんこん	香港ほんこん	マカオ	マカオ
4	フィンランド	オランダ		韓国かんこく	台湾たいわん	台湾たいわん	香港ほんこん
5	オーストラリア カナダ	リヒテンシュタイン	オランダ	台湾たいわん	韓国かんこく	日本にっぽん	台湾たいわん
6		日本にっぽん	スイス	フィンランド	マカオ	北京ぺきん・上海しゃんはい・江蘇こうそ・広東かんとん	韓国かんこく
7	スイス	カナダ	カナダ	リヒテンシュタイン	日本にっぽん	韓国かんこく	エストニア
8	イギリス	ベルギー	マカオ リヒテンシュタイン	スイス	リヒテンシュタイン	スイス	日本にっぽん
9	ベルギー	マカオ スイス		日本にっぽん	スイス	エストニア	オランダ
10	フランス		日本にっぽん	カナダ	オランダ	カナダ	ポーランド

PISA（科学かがく的てきリテラシー）の順位じゅんいの変遷へんせん

順位じゅんい	PISA2000	PISA2003	PISA2006	PISA2009	PISA2012	PISA2015	PISA2018
1	韓国かんこく	フィンランド 日本にっぽん	フィンランド	上海しゃんはい	上海しゃんはい	シンガポール	上海しゃんはい
2	日本にっぽん		香港ほんこん	フィンランド	香港ほんこん	日本にっぽん	シンガポール
3	フィンランド	香港ほんこん	カナダ	香港ほんこん	シンガポール	エストニア	マカオ
4	イギリス	韓国かんこく	台湾たいわん	シンガポール	日本にっぽん	台湾たいわん	エストニア
5	カナダ	リヒテンシュタイン オーストリア	エストニア 日本にっぽん	日本にっぽん	韓国かんこく	フィンランド	日本にっぽん
6	ニュージーランド オーストリア			韓国かんこく	フィンランド	マカオ	フィンランド
7		マカオ	ニュージーランド	ニュージーランド	アイルランド	カナダ	韓国かんこく
8	オーストリア	オランダ	オーストリア	カナダ	台湾たいわん	香港ほんこん	カナダ
9	アイルランド	チェコ	オランダ	エストニア	カナダ	北京ぺきん・上海しゃんはい・江蘇こうそ・広東かんとん	香港ほんこん
10	スウェーデン	ニュージーランド	リヒテンシュタイン	オーストリア	ポーランド	韓国かんこく	台湾たいわん

? 資料しりょう：OECD生徒せいとの学習がくしゅう到達とうたつ度ど調査ちょうさ（PISA）

参考さんこう文献ぶんけん

• 神永かみなが正博まさひろ『学力がくりょく低下ていかは錯覚さっかくである』森北もりきた出版しゅっぱん、2008年ねん6月がつ。ISBN 978-4-627-97511-8。 
• 企画きかく屋やBLOG担当たんとう (2009年ねん1月がつ9日にち). “ゆとり世代せだいに学まなぶ不ふ況きょうの歩あるき方かた”. 今月こんげつのTipsバックナンバー. 企画きかく屋や. 2009年ねん10月がつ19日にち閲覧えつらん。
• 後藤ごとう和智わち『おまえが若者わかものを語かたるな!』角川書店かどかわしょてん〈角川かどかわoneテーマ21 C-154〉、2008年ねん9月がつ。ISBN 978-4-04-710153-1。 
• 広田ひろた照幸てるゆき、伊藤いとう茂樹しげき『どう考かんがえる？ニッポンの教育きょういく問題もんだい 教育きょういく問題もんだいはなぜまちがって語かたられるのか？ 「わかったつもり」からの脱却だっきゃく』日本にっぽん図書としょセンター、2010年ねん9月がつ16日にち。ISBN 978-4-284-30442-9。 

関連かんれん項目こうもく

• 生いきる力ちから
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