カリフラワー

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カリフラワー
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい eudicots
: アブラナ Brassicales
: アブラナ Brassicaceae
ぞく : アブラナぞく Brassica
たね : ヤセイカンラン B. oleracea
変種へんしゅ : カリフラワー var. botrytis
学名がくめい
Brassica oleracea L. var. botrytis L.[1]
和名わみょう
ハナヤサイ[1]、ハナカンラン
英名えいめい
Cauliflower
はなつぼみ断面だんめん
収穫しゅうかくするためひらいたところ
カリフラワーのオレンジとむらさき雑種ざっしゅ

カリフラワー花椰菜はなやさい[2]えい: Cauliflower学名がくめい: Brassica oleracea var. botrytis)はアブラナアブラナぞく一年生植物いちねんせいしょくぶついただきはなつぼみ食用しょくようにする淡色たんしょく野菜やさいとして栽培さいばいされるほか、観賞かんしょう用途ようとでも利用りようされる。

名前なまえ由来ゆらいキャベツるいはな意味いみする、kale flower もしくは cole flower から。和名わみょうハナヤサイ花椰菜はなやさい)、ハナキャベツはなキャベツ)、ハナカンランはな甘藍かんらん)。木立きだちはな葉牡丹はぼたん(キダチハナハボタン)とぶこともある。

しろくこんもりとしたはなつぼみふとくき特徴とくちょう。よくブロッコリーB. oleracea var. italica)はべつ変種へんしゅ

概要がいよう[編集へんしゅう]

地中海ちちゅうかい沿岸えんがん原産げんさんケールなど栽培さいばいされていた野菜やさいから、突然変異とつぜんへんいによってまれた、あるいは近東きんとう原産地げんさんちとするものが、マ帝国まていこく衰退すいたいアラブじんによってヨーロッパつたえられたひとしわれている。

かぶおおきさはたかさ50 - 60センチメートル (cm) 、よこに50 - 60 cmほどひろがる[3]くき肥大ひだいはなつぼみ(からい)が発育はついくしない性質せいしつにより、花梗かこう(かこう)はひく位置いち球状きゅうじょうかたまりとなる。収穫しゅうかくせず生育せいいくさせても、のアブラナぞくのようには伸長しんちょうしない。日本にっぽんでも最近さいきん認識にんしきされてきた緑色みどりいろロマネスコ(Romanesco、品種ひんしゅめい「カリブロ」)とう仲間なかまである。

ふとくきミネラルビタミン貯蔵ちょぞうする器官きかんとしての役割やくわりたすため、良質りょうしつはながつき、のアブラナ植物しょくぶつより栄養えいようたかい。

名称めいしょう[編集へんしゅう]

英名えいめいのカリフラワー(cauliflower)はイタリアcavoli fiori由来ゆらいする[4]cavolifiori はそれぞれ cavoloキャベツ)、fioreはな)の複数ふくすうがたであり、cavoli fiori で「開花かいかしたキャベツ」といった意味いみになる[4]。イタリアの cavolfiore (カヴォルフィオーレ)は、カリフラワーをあらわす単数たんすう名詞めいしである。フランス語ふらんすごでは chou-fleur (シュウフルォー)といい[5]、chou は「キャベツ」という意味いみ男性だんせい名詞めいし、fleur は「はな」という意味いみ女性じょせい名詞めいし単語たんごである。

和名わみょうのハナヤサイ(花椰菜はなやさい)は、キャベツのふるかんめいである椰菜(ヤサイ)[6]はなわせた言葉ことば[ちゅう 1]、キャベツのなかまではなつぼみべることに由来ゆらいする[3]別名べつめいのハナキャベツ、ハナカンラン(はな甘藍かんらん[7]同様どうようはなとキャベツをわた名称めいしょうである。

かんめい花椰菜はなやさい(カヤサイ)というが、これは和名わみょうハナヤサイの漢字かんじ表記ひょうき中国ちゅうごくぎゃく輸入ゆにゅうされたものである[8][出典しゅってん無効むこう]

カタカナかたりとしては、現在げんざいのカリフラワーという表記ひょうき定着ていちゃくする以前いぜんはコーリフラワー、コーリーフラワーなどの表記ひょうきられた[9][10]。また、漢字かんじ表記ひょうきとして和名わみょうまたはかんめい由来ゆらい花椰菜はなやさいてられた[2]

歴史れきし[編集へんしゅう]

キャベツ原種げんしゅでもあるアブラナのブラッシカ・オレラセア(Brassica oleracea和名わみょうヤセイカンラン)の変種へんしゅで、原産地げんさんち地中海ちちゅうかい東部とうぶ沿岸えんがんとされる[7][5]。2000ねんまえ古代こだいローマでは「シマ」という記録きろくされている[11]。キャベツの原種げんしゅ植物しょくぶつから様々さまざま変異へんい植物しょくぶつまれ、すうせんねんまえには栽培さいばいされていたケールから分化ぶんかしたものとわれている[5]古代こだいローマじんは、原種げんしゅ植物しょくぶつから変異へんいしたブロッコリーに植物しょくぶつ利用りようしていて、カリフラワーはそこから分化ぶんかしたものとかんがえられている[5][ちゅう 2]。カリフラワーの記録きろくとして確認かくにんされている最古さいこのものは、1140ねんにムーアけいスペインじんでヤフヤー・イブン・ムハンマド・イブン=アル=アワーンちょ農業のうぎょう教本きょうほんのうしょ Kitāb al-Filāha』にかれたもので、カリフラワーを「シリアのキャベツ」「モスル・キャベツ」「カルナビッツ」などさまざまな名称めいしょうでよんでいる[12]。また、カリフラワーとおもわれる記録きろくとしては、1226ねん編纂へんさんされた『バグダード料理りょうりしょ kitāb Al-tārīkh』に「しろキャベツ」として特集とくしゅうまれているものや、1583ねんフランドル植物しょくぶつ学者がくしゃレンベルト・ドドエンスが、ヨーロッパじんとしてはじめて最新さいしん流行りゅうこう植物しょくぶつ記録きろくして「カリフラワー・ブラッシカ・キュプリア」(キプスからきたキャベツの)とんでいるものなどがられる[13]

15世紀せいきイタリアフランス栽培さいばいされはじめ、17世紀せいきはじめには、ヨーロッパ各地かくちひろまった[5]18世紀せいきころにはインド熱帯ねったいでも栽培さいばいできる品種ひんしゅ開発かいはつされた。19世紀せいき初頭しょとうアメリカいでアジアつたわった[5]。しかし、改良かいりょうされて現在げんざいのようなカリフラワーとなるのは19世紀せいき初頭しょとうのことである[11]

日本にっぽんには明治めいじ初年しょねん導入どうにゅうされた[5]はななぎさい(はなはぼたん)、英名えいめいカウリフラワーと紹介しょうかいされ試作しさくされたものの、食用しょくようとしても観賞かんしょうようとしても一般いっぱん普及ふきゅうしなかったが、日本にっぽん気候きこうにあった品種ひんしゅ多数たすう作出さくしゅつされた[5]だい世界せかい大戦たいせんのち進駐軍しんちゅうぐんけに栽培さいばいおこなわれ、日本にっぽんでの洋食ようしょく文化ぶんかひろまりと、改良かいりょうしゅ輸入ゆにゅう栽培さいばい技術ぎじゅつ進歩しんぽにより昭和しょうわ30ねんごろから需要じゅようたかまりひろ普及ふきゅうした[5]アスパラガスセロリわせ、「ようさいさんしろ(さんぱく)」とばれてひろられるようになり[3]高級こうきゅう西洋せいよう野菜やさいのイメージから一般いっぱんてき野菜やさいへと日本人にっぽんじん意識いしきわっていった[5]

品種ひんしゅ[編集へんしゅう]

産地さんち収穫しゅうかく時期じきによって品種ひんしゅ改良かいりょうすすみ、栽培さいばい品種ひんしゅおお[14]日本にっぽんでははなつぼみしろいものが一般いっぱん出回でまわっているが、紫色むらさきいろやオレンジしょくなどのわった品種ひんしゅもある[14]。カリフラワーにはほのかな甘味あまみ苦味にがみがあるが、品種ひんしゅによるあじわいのちがいはほとんどない[5]

  • カリフラワー - しろいカリフラワーは、はなつぼみかぶせて日光にっこうてずにそだてたもの[5]流通りゅうつうりょうおおく、日本にっぽんでは一般いっぱんてき種類しゅるい[14]
  • オレンジブーケ橙色だいだいいろカリフラワー) - はなつぼみあわいオレンジしょくのもので、カロテン含有がんゆうしている。でるとあざやかないオレンジしょくになり、あじ[7][5]
  • むらさきカリフラワー(パープルフラワー) - はなつぼみ紫色むらさきいろであることから「バイオレット」ともばれ、アントシアニン含有がんゆうしている[14]でるといろちて、あわ緑色みどりいろわる[7]栽培さいばいむずかしく、冬場ふゆば少量しょうりょう市場いちば出回でまわ[5]しろ種類しゅるいよりも、栄養えいようたか[14]
  • ロマネスコ - カリフラワーとブロッコリーわせたイタリアの伝統でんとうてき品種ひんしゅで、緑色みどりいろのゴツゴツとがったはなつぼみ特徴とくちょう[7]
  • カリフローレ - はなつぼみ部分ぶぶんぶりで、花茎かけい部分ぶぶんながいスティックタイプのカリフラワー[3]

ブロッコリーとのちが[編集へんしゅう]

ブロッコリーとカリフラワーはいずれもはな密集みっしゅうして頭状花とうじょうか形成けいせいするキャベツの変種へんしゅである[15]。カリフラワーはつぼみひとつのかたまりのようにかたむすびついているのにたいして、ブロッコリーは結球けっきゅうがカリフラワーほど密集みっしゅうしておらず、びたくき先端せんたん密集みっしゅうしたつぼみつくる。がわはなつぼみるブロッコリーとちがい、カリフラワーはがわはなつぼみないので収穫しゅうかくはひとかぶいちきりになる[16][17]。また、カリフラワーははなつぼみいち箇所かしょ集中しゅうちゅうした形状けいじょうはくゆき連想れんそうさせるうつくしさを醸成じょうせいするため、ブロッコリーよりも珍重ちんちょうされた。

栽培さいばい[編集へんしゅう]

なえ

はるまきとあきまきのとし2かいつくることができ、はるまきは早春そうしゅんたねまきと定植ていしょくをして初夏しょか収穫しゅうかくする方法ほうほうで、あきまきはなつたねまきと定植ていしょくをして晩秋ばんしゅうから初冬しょとう収穫しゅうかくする方法ほうほうがある[18]そだかたはブロッコリーとほぼおなじで、日本にっぽんでは、なつたねをまき、晩夏ばんかなえけてあきにかけてそだて、晩秋ばんしゅうから収穫しゅうかくはじめるのが一般いっぱんてきである[19]たねまきから収穫しゅうかくまでやく3かげつようする作物さくもつで、栽培さいばいてきする土壌どじょう酸度さんどpH 6.0 - 6.5、生育せいいく適温てきおんは15 - 20℃、発芽はつが適温てきおんは15 - 30℃とされる[3]栽培さいばいなんむずかしいほうで、カリフラワーのようなアブラナ野菜やさい連作れんさく障害しょうがいがあることから、輪作りんさく年限ねんげんは2 - 3ねんとされている[18][3]湿しめにはよわく、みずはけの場所ばしょ定植ていしょくする[18]が、水切みずぎれをこすとはなつぼみはつかなくなるので、みずやりは必要ひつようである[19]

ポットなどにたねをまき、ほんが5、6まいになったら、はたけうねなえを50センチメートル (cm) ほどの間隔かんかく定植ていしょくする[18]定植ていしょくは2しゅう間隔かんかくで、追肥ついひ土寄つちよせを2かいおこなうようにする[18]定植ていしょく1かげつぎると、中央ちゅうおうはなつぼみえてくる[19]定植ていしょくから80 - 85にちあたりが収穫しゅうかく[18]はなつぼみしろ品種ひんしゅであれば、はなつぼみがついたらそとなどをったりむすんで直射ちょくしゃ日光にっこうたるのをふせぐようにすると、しろできれいなはなつぼみになる[18][16]はなつぼみがオレンジしょく紫色むらさきいろ品種ひんしゅでは、はなつぼみ紫外線しがいせんたることできれいに色付いろづくため、しろ品種ひんしゅのように遮光しゃこうおこなわない[16]結束けっそくして2週間しゅうかんぐらい[19]はなつぼみ直径ちょっけいが15 cmほどになったところで、はなつぼみしたって収穫しゅうかくおこなわれる[18]。ブロッコリーのようにわきないので、収穫しゅうかくおなかぶで1りである[19]

病虫害びょうちゅうがいとして、アブラムシモンシロチョウコナガ幼虫ようちゅうアオムシ)、ヨトウガ幼虫ようちゅう(ヨトウムシ)による食害しょくがいがあり、とく気温きおんたか時期じき害虫がいちゅうがつきやすい[18][3]対策たいさくとして、定植ていしょくはアオムシなどの害虫がいちゅうがつかないように寒冷紗かんれいしゃでトンネルがけをおこなって、なえまもるようにするとよいとされる[18]。アオムシやヨトウムシをつけたらころせする[18]病気びょうきではこぶびょうにかかる場合ばあいがある[3]

生産せいさん[編集へんしゅう]

日本にっぽんのカリフラワーとブロッコリーの収穫しゅうかくりょう推移すいい(1973-2012ねん
世界せかいのカリフラワーとブロッコリーの収穫しゅうかくりょう推移すいい(1961-2012ねん
世界せかいのカリフラワーとブロッコリーの生産せいさん地域ちいき(2005ねん

低温ていおんよわあたたかい地方ちほうなつにしか栽培さいばいできなかったが、耐寒たいかんせいつよキャベツなどとの交配こうはいにより越冬えっとう可能かのう品種ひんしゅ誕生たんじょうした。現在げんざいでは温暖おんだん冷涼れいりょういずれにも野菜やさいとして、各国かっこく栽培さいばいされている。なつそだてられる「サマーカリフラワー」にたいし、後者こうしゃを「ウインターカリフラワー」もしくは「ブロッコリー」とんだ。カリフラワーの出回でまわは、12月 - 2がつごろにおおくなる[5]

統計とうけいによると、日本にっぽんにおける1964ねん収穫しゅうかくだかやく1まんt だったのが、12ねんの1976ねんには7まん5せんt に拡大かくだいした。しかし、1980年代ねんだい以降いこう急増きゅうぞうしたブロッコリーにされて作付さくづ面積めんせき出荷しゅっかりょう減少げんしょうしつつある。これは、日本にっぽんでは外観がいかん重視じゅうしされるため、とくつぼみしろあじつよくするためにをまとめてつぼみかくし、日射にっしゃさえぎ手間てまかること。ひとつしかそだたないいただきはなつぼみ食用しょくようにすることから、ブロッコリーのようにがわえだ収穫しゅうかくをすることができず、面積めんせきあたりの収穫しゅうかくりょうおとること。国内こくない冷蔵れいぞう設備せつび普及ふきゅうにより、常温じょうおんでは変色へんしょくしやすいブロッコリーの保存ほぞんおこなえるようになったこととう影響えいきょうしている。日本にっぽんにおいて収穫しゅうかくりょうもっとおお都道府県とどうふけん徳島とくしまけん(2012ねん収穫しゅうかくりょう:2,560t、栽培さいばい面積めんせき:101ha)[20]もっとおお市町村しちょうそん徳島とくしまである[21][22]

日本にっぽんにおける収穫しゅうかくりょう上位じょうい10都道府県とどうふけん(2012ねん[20]

収穫しゅうかくりょう順位じゅんい 都道府県とどうふけん 収穫しゅうかくりょう(t)
1 徳島とくしまけん 2,560
2 茨城いばらきけん 2,440
3 愛知あいちけん 2,140
4 長野ながのけん 1,800
5 熊本くまもとけん 1,270
6 埼玉さいたまけん 1,260
7 福岡ふくおかけん 1,250
8 新潟にいがたけん 1,240
9 千葉ちばけん 853
10 静岡しずおかけん 715
全国ぜんこくけい 21,800

世界せかいのカリフラワーとブロッコリーの収穫しゅうかくりょう上位じょうい10かこく(2012ねん[23]

収穫しゅうかくりょう順位じゅんい くに 収穫しゅうかくりょう(t)
1 中華人民共和国の旗 中国ちゅうごく 9,500,000
2 インドの旗 インド 7,000,000
3 イタリアの旗 イタリア 414,142
4 メキシコの旗 メキシコ 397,408
5 フランスの旗 フランス 344,414
6 ポーランドの旗 ポーランド 306,776
7 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 303,450
8 パキスタンの旗 パキスタン 224,000
9 ドイツの旗 ドイツ 176,692
10  エジプト 171,088
世界せかいけい 21,266,789

日本にっぽんは14で154,000tを生産せいさんする[23]

食材しょくざい[編集へんしゅう]

カリフラワー、せい
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 104 kJ (25 kcal)
4.97 g
糖類とうるい 1.91 g
食物しょくもつ繊維せんい 2 g
0.28 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0.064 g
トランス脂肪酸しぼうさん 0 g
一価いっか飽和ほうわ 0.017 g
あたい飽和ほうわ 0.015 g
0.007 g
0.006 g
1.92 g
トリプトファン 0.02 g
トレオニン 0.076 g
イソロイシン 0.071 g
ロイシン 0.106 g
リシン 0.217 g
メチオニン 0.02 g
シスチン 0.02 g
フェニルアラニン 0.065 g
チロシン 0.051 g
バリン 0.125 g
アルギニン 0.086 g
ヒスチジン 0.056 g
アラニン 0.116 g
アスパラギンさん 0.177 g
グルタミン酸ぐるたみんさん 0.257 g
グリシン 0.071 g
プロリン 0.071 g
セリン 0.086 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
1 µg
チアミン (B1)
(4%)
0.05 mg
リボフラビン (B2)
(5%)
0.06 mg
ナイアシン (B3)
(3%)
0.507 mg
パントテンさん (B5)
(13%)
0.667 mg
ビタミンB6
(14%)
0.184 mg
葉酸ようさん (B9)
(14%)
57 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(9%)
44.3 mg
ビタミンC
(58%)
48.2 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(1%)
0.08 mg
ビタミンK
(15%)
15.5 µg
ミネラル
ナトリウム
(2%)
30 mg
カリウム
(6%)
299 mg
カルシウム
(2%)
22 mg
マグネシウム
(4%)
15 mg
リン
(6%)
44 mg
鉄分てつぶん
(3%)
0.42 mg
亜鉛あえん
(3%)
0.27 mg
マンガン
(7%)
0.155 mg
セレン
(1%)
0.6 µg
成分せいぶん
水分すいぶん 92.07 g
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい
出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース英語えいご

食用しょくようにせず、つつまれたはなつぼみ部分ぶぶん食用しょくようにする[7]はるまきとあきまきによって通年つうねん流通りゅうつうしているが、本来ほんらいしゅん冬場ふゆばの11月 - 3月とされる[7]はなつぼみがぎっしりとまっていてまるみがあり、いろくすみや斑点はんてんていないもので、そともきれいなものが商品しょうひん価値かちたか良品りょうひんとされる[7]淡白たんぱくあじわいと、はなつぼみのさっくりとした独特どくとくざわりが特徴とくちょう[14]あじにはわずかなにがかんじるひともいるが、クセのないあじはサラダやスープ、シチューなど様々さまざま料理りょうり使つかわれる[16]食用しょくようにすることができるがあおっぽさとにがみがつよい。これはケール同様どうよう原種げんしゅちかいためとかんがえられている。アクがあるため調理ちょうりには一般いっぱんてきしたでをおこなうことがおお[11][5]

栄養素えいようそ[編集へんしゅう]

しょく100グラム (g) あたり水分すいぶんりょうやく91%ふくまれており、炭水化物たんすいかぶつが5.2 g、タンパク質たんぱくしつ3.0 g、灰分かいぶん0.9 g、脂質ししつ0.1 gがふくまれている[5]栄養えいようてきには、淡色たんしょく野菜やさいであるカリフラワーは、緑黄色りょくおうしょく野菜やさいブロッコリーにはおよばない[14]

しかし、カリフラワーにふくまれるビタミンCりょうはブロッコリーにくら若干じゃっかんすくないが、淡色たんしょく野菜やさいなかでもとく豊富ほうふふくまれており、加熱かねつによる損失そんしつつよ成分せいぶんうしなわれにくい性質せいしつがある[14][7]。ビタミンC含有がんゆうりょうキャベツのおよそ2ばい[14]ぶつ野菜やさいよりも1かいべる重量じゅうりょうおおく、ビタミンCの供給きょうきゅうげんとして優秀ゆうしゅう野菜やさいひょうされている[5]くき部分ぶぶんには、つぼみ部分ぶぶんばい以上いじょうのビタミンCがふくまれているともいわれている[14]。ビタミンCは、皮膚ひふ健康けんこうたもち、白血球はっけっきゅうはたらきの強化きょうかこう酸化さんか作用さようがあり、ストレスや禁煙きんえんがいからからだまもはたらきもしてくれることがられている[5]

また、ビタミンBぐんカリウムカルシウムなども豊富ほうふにバランスよくふくまれている[14][7]。カリウムは高血圧こうけつあつ抑制よくせいする作用さようられている[5]食物しょくもつ繊維せんい豊富ほうふで、ちょうない環境かんきょうととのえる効果こうかもある[16]品種ひんしゅちがいによるカリフラワーのいろで、緑色みどりいろはビタミンC、オレンジしょくβべーた-カロテン紫色むらさきいろアントシアニンおおふく[16]

カリフラワーには、アブラナ野菜やさい共通きょうつうしてもっているグルコシノレートふくんでおり、肝臓かんぞう解毒げどく作用さよう強化きょうかして有害ゆうがい物質ぶっしつ分解ぶんかいするはたらきをもっている[5]。カリフラワーにふくまれるイソチオシアネートはつがんせい物質ぶっしつ活性かっせい阻害そがいするはたらきがあるとして注目ちゅうもくされている[11]

調理ちょうり料理りょうり[編集へんしゅう]

でるだけでなく、ものものもの煮物にものいたぶつ幅広はばひろ調理ちょうりおこなわれる[19]サラダ素材そざいとしてなまのまましょくすることもおおい。酢漬すづけ(ピクルス)にもく。グラタンポロネーズ素材そざいとしても人気にんきたか[24]

したでのさいは、小房おうさけたらくきれておくと、くきまで均等きんとうげることが出来でき[7]しおくわえてでるが、白色はくしょくしゅ熱湯ねっとうまたはレモンじるれてげると、きれいな白色はくしょく仕上しあげられる[7][5]小麦粉こむぎこくわえてでると、沸点ふってんがってはやがるほか、表面ひょうめん組織そしき保護ほごするはたらきをしてくれる[5]でたらザルにげて水気みずけり、はやくますようにすると予熱よねつとおぎずかためにがり、そのあと様々さまざま調理ちょうり使つかわれる[5]

てい炭水化物たんすいかぶつダイエットていとうしつダイエット、あるいはとうしつ制限せいげんダイエット)をおこなっているひとジャガイモ代用だいようとしてべる場合ばあいがある。またくだいてべいめしじょう加工かこうした「カリフラワーライス」も日本にっぽん外食がいしょく中食ちゅうじきメニューや家庭かてい料理りょうりとしてしょくされるようになっている[25]

保存ほぞん[編集へんしゅう]

カリフラワーは鮮度せんどちやすい野菜やさいで、冷蔵れいぞう保存ほぞんで2 - 3にちほど日持ひもちする[7]鮮度せんどちてくると、つぼみのいろがくすんだり、斑点はんてんてくる[14]はなつぼみった使つかいかけのものは、湿しめらせたペーパーでくちつつむようにして、ラップにつつんで冷蔵れいぞうする[7][5]かたゆでしたものは、小房おうさけて保存ほぞんぶくろ冷凍れいとう保存ほぞんすると調理ちょうり使つかいやすくなる[7]。20℃以上いじょうのところにいておくと、はなつぼみひらいてしまう[5]

文化ぶんか[編集へんしゅう]

ルイ15せい (フランスおう)愛人あいじんとしてられるデュ・バリー伯爵はくしゃく夫人ふじんは、いくつものカールをかさねたかつらあたまにつけていた。それがカリフラワーのはなつぼみ連想れんそうさせるものであったことから、カリフラワーを使つかった料理りょうりおおくにデュ・バリーのがつけられることとなった。

その[編集へんしゅう]

  • みみかい血腫けっしゅ - みみ病気びょうき一種いっしゅで、みみかい付近ふきん内出血ないしゅっけつによるもので[ちゅう 3]みみなにかの拍子ひょうしつよくぶつけてしまったり、みみ負傷ふしょうしやすいスポーツ[ちゅう 4]おこなっている選手せんしゅにしばしばられる。これをかえしていくうちにれがかたくなり、いずれはカリフラワーのかたちをした外耳がいじ形状けいじょう(カリフラワーみみ)になる[26]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ はな野菜やさい」とも表記ひょうきされるが、語源ごげんかんがえると本来ほんらいあやまりである。
  2. ^ 科学かがくしゃ遺伝子いでんし構造こうぞう解析かいせきもとづいて、ブロッコリーのある遺伝子いでんし突然変異とつぜんへんいした品種ひんしゅ結論けつろんづけている[12]
  3. ^ みみ軟骨なんこつかたひと発生はっせいしやすい。
  4. ^ 柔道じゅうどう相撲すもうレスリングラグビーボクシングひとし

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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  • メグ・マッケンハウプト ちょすみ敦子あつこ やく『キャベツと白菜はくさい歴史れきしはら書房しょぼう〈「しょく」の図書館としょかん〉、2019ねん4がつ23にちISBN 978-4-562-05651-4 
  • 猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん『かしこくえらぶ・おいしくべる 野菜やさいまるごと事典じてん成美せいびどう出版しゅっぱん、2012ねん7がつ10日とおか、17ぺーじISBN 978-4-415-30997-2 
  • 金子かねこよしとう有機ゆうき農薬のうやくでできる野菜やさいづくりだい辞典じてん成美せいびどう出版しゅっぱん、2012ねん4がつ1にち、97ぺーじISBN 978-4-415-30998-9 
  • 講談社こうだんしゃへん『からだにやさしいしゅん食材しょくざい 野菜やさいほん講談社こうだんしゃ、2013ねん5がつ13にち、137ぺーじISBN 978-4-06-218342-0 
  • 主婦しゅふ友社ともしゃへん野菜やさいまるごと大図おおずあきら主婦しゅふ友社ともしゃ、2011ねん2がつ20日はつか、158 - 159ぺーじISBN 978-4-07-273608-1 
  • 藤田ふじたさとし監修かんしゅう NHK出版しゅっぱんへん『NHK趣味しゅみ園芸えんげい やさいの時間じかん 藤田ふじたさとししん野菜やさいづくり大全たいぜんNHK出版しゅっぱん生活せいかつ実用じつようシリーズ〉、2019ねん3がつ20日はつか、144 - 145ぺーじISBN 978-4-14-199277-6 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]