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霊長 れいちょう 目 め (れいちょうもく、Primates)は、哺乳 ほにゅう 綱 つな に分類 ぶんるい される目 め 。別名 べつめい サル目 め [6] 、霊長 れいちょう 類 るい [7] 。
生物 せいぶつ 学 がく 的 まと には、ヒト も霊長 れいちょう 目 め の一員 いちいん であり、サル類 るい の一種 いっしゅ にほかならないが、一般 いっぱん 的 てき には、霊長 れいちょう 目 め からヒトを除 のぞ いた総称 そうしょう 、あるいは英語 えいご の「モンキー」にあたる種 たね を「サル 」とする[8] 。
(以下 いか の記述 きじゅつ はヒトを除 のぞ いたサル目 め の種 たね に関 かん するものである)
熱帯 ねったい 系 けい の動物 どうぶつ であり、その分布 ぶんぷ は熱 ねつ 帯域 たいいき に集中 しゅうちゅう する。東 ひがし アジア には温帯 おんたい 域 いき まで分布 ぶんぷ する種 たね があり、特 とく にニホンザル は最 もっと も高 たか 緯度 いど に分布 ぶんぷ するサルとして有名 ゆうめい である。曲 きょく 鼻 はな 亜 あ 目 め 及 およ びメガネザル類 るい はアジア ・アフリカ の熱 ねつ 帯域 たいいき 、広 こう 鼻 はな 猿 ざる 類 るい は中南米 ちゅうなんべい の熱帯 ねったい 、類人猿 るいじんえん を含 ふく む狭 せばま 鼻 はな 猿 ざる 類 るい はアジア ・アフリカ の熱 ねつ 帯域 たいいき から温 ゆたか 帯域 たいいき の一部 いちぶ にかけて分布 ぶんぷ している。ヨーロッパ にはほとんど棲息 せいそく せず、ジブラルタル海峡 かいきょう ごしにバーバリーマカク 1種 しゅ が棲息 せいそく するのみである。また、北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく 北部 ほくぶ (アングロアメリカ 相当 そうとう 地域 ちいき )にも分布 ぶんぷ しない。
有 ゆう 蹄類を除 のぞ く哺乳類 ほにゅうるい や鳥類 ちょうるい は左右 さゆう が湾曲 わんきょく した筒 つつ 状 じょう になる鋭 するど い爪 つめ (鉤 かぎ 爪 つめ , claw)があるが、本目 ほんめ の構成 こうせい 種 しゅ の指 ゆび 趾には扁平 へんぺい な爪 つめ (平 ひら 爪 つめ , nail)がみられる[9] 。平 ひら 爪 つめ は指 ゆび 趾の先端 せんたん から大 おお きくは伸 の びないため、指先 ゆびさき の器用 きよう さを確保 かくほ することができる[9] 。曲 きょく 鼻 はな 類 るい は後肢 あとあし の第 だい 2趾に鉤 かぎ 爪 つめ があり、毛 け づくろいなどに用 もち いる[10] 。例外 れいがい はアイアイ で後肢 あとあし の第 だい 1趾のみ平 ひら 爪 つめ があり、他 た の指 ゆび 趾には鉤 かぎ 爪 つめ がある[10] 。直 ちょく 鼻 はな 類 るい ではマーモセット類 るい も後肢 あとあし の第 だい 1趾のみ平 ひら 爪 つめ があり、他 た の指 ゆび 趾には鉤 かぎ 爪 つめ がある[11] 。
体重 たいじゅう 100g以下 いか のコビトガラゴ Galagoides demidovii から、200kgを超 こ すゴリラ まで、多様 たよう な種 たね が属 ぞく している。
霊長 れいちょう 目 め は、哺乳類 ほにゅうるい としては比較的 ひかくてき 基本 きほん 的 てき な体制 たいせい を維持 いじ している。爪 つめ や歯 は などには大 おお きな特殊 とくしゅ 化 か は起 お こっていない。その中 なか で、サル類 るい を特徴 とくちょう づけるのは、以下 いか のような点 てん である。
ほとんどの種 たね では手 て と足 あし に5本 ほん の指 ゆび をもち、手 て と足 あし の親指 おやゆび が他 た の4本 ほん と多少 たしょう とも対向 たいこう しているため、物 もの をつかむことができる。このことから、サル類 るい はかつては(足 あし が二 に 足 そく 歩行 ほこう に適 てき した形 かたち に進化 しんか した人類 じんるい に対 たい して)「四手 よつで 類 るい (Quadrumana)」と呼 よ ばれた。霊長 れいちょう 目 め が命名 めいめい される以前 いぜん では、サルにあたる分類 ぶんるい 群 ぐん をAnaptomorph(「人類 じんるい 形 がた 」の意 い )としてヒトと区別 くべつ した[8] 。
両 りょう 目 め が顔 かお の正面 しょうめん に位置 いち しており、遠近 えんきん 感 かん をとらえる能力 のうりょく に優 すぐ れている。
狭 せま 鼻 はな 類 るい は3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を有 ゆう し、緑色 みどりいろ の葉 は の間 あいだ から、さまざまな色 いろ をした果実 かじつ などを見 み つけるのに有利 ゆうり になっている。その他 た の霊長 れいちょう 類 るい は特 とく にオスで2色 しょく 型 がた 色覚 しきかく にとどまっている種 たね が大半 たいはん である。色覚 しきかく の詳細 しょうさい については後述 こうじゅつ する。
また、
頭部 とうぶ の前方 ぜんぽう に眼 め が並 なら び、その面 めん がやや平 たい らになって顔面 がんめん を形成 けいせい する。往々 おうおう にしてこの部分 ぶぶん には毛 け がなく、皮膚 ひふ が露出 ろしゅつ する。
大脳 だいのう がよく発達 はったつ する。そして個体 こたい 間 あいだ で表情 ひょうじょう や声 こえ によって互 たが いに情報 じょうほう 交換 こうかん をするものが多 おお い。
霊長 れいちょう 類 るい の共通 きょうつう 祖先 そせん は夜行 やこう 性 せい であったと考 かんが えられているが[12] 、昼 ひる 行 ぎょう 性 せい あるいは周 しゅう 日 にち 行 ゆき 性 せい (英語 えいご 版 ばん ) であったとする説 せつ もある[13] 。曲 きょく 鼻 はな 類 るい はキツネザル類 るい に昼 ひる 行 ぎょう 性 せい や周 しゅう 日 にち 行 ゆき 性 せい が多 おお いことを除 のぞ けば夜行 やこう 性 せい がほとんどだが、直 ちょく 鼻 はな 類 るい はメガネザル 類 るい と広 こう 鼻 はな 猿 ざる に属 ぞく するヨザル 類 るい を除 のぞ いてほぼ全 すべ てが昼 ひる 行 ぎょう 性 せい である[12] [13] 。生活 せいかつ 環境 かんきょう は樹 き 上 じょう から地上 ちじょう まで幅広 はばひろ い[14] 。
食 しょく 性 せい も昆虫 こんちゅう 食 くえ 、果実 かじつ 食 くえ 、草 くさ 食 しょく など、多岐 たき にわたる。ただし、全体 ぜんたい としてみれば、樹 き 上 うえ 性 せい のものが多 おお い。地上 ちじょう 性 せい のものはそこから派生 はせい したと考 かんが えられる。
運動 うんどう 様式 ようしき は分類 ぶんるい 群 ぐん によって異 こと なり、樹 き 上 じょう での四足 しそく 歩行 ほこう に加 くわ えて跳躍 ちょうやく や懸垂 けんすい 、地上 ちじょう でのナックルウォークや二 に 足 そく 歩行 ほこう と特殊 とくしゅ 化 か したものがある[14] 。
「霊長 れいちょう 」という言葉 ことば において、霊 れい は魂 たましい や幽霊 ゆうれい という漢字 かんじ そのものの意味 いみ より、優 すぐ れたもの、不思議 ふしぎ な力 ちから を持 も っているという意味 いみ が強 つよ い。つまり、これはヒトや、ヒトを含 ふく むサルの仲間 なかま を、動物 どうぶつ の進化 しんか の最終 さいしゅう 形態 けいたい とする認識 にんしき から付 つ けられた名前 なまえ である。英語 えいご 名 めい の Primate も、大 だい 主教 しゅきょう や最高 さいこう 位 い を意味 いみ する単語 たんご であり、やはり同様 どうよう の観点 かんてん から付 つ けられた名前 なまえ である。
以前 いぜん は主 おも に脳 のう が小型 こがた で嗅覚 きゅうかく が発達 はったつ し鼻面 はなづら の長 なが いキツネザル類 るい ・ロリス類 るい ・メガネザル類 るい を原猿 げんえん 亜 あ 目 め Prosimii 、それ以外 いがい の主 おも に脳 のう が大型 おおがた で視覚 しかく が発達 はったつ し鼻面 はなづら の短 みじか い分類 ぶんるい 群 ぐん を真猿 しんえん 亜 あ 目 め Anthropoidea としてまとめていた[3] 。研究 けんきゅう の進展 しんてん により、メガネザルがいわゆる原猿 げんえん 類 るい の他 ほか のグループよりも真猿 しんえん 類 るい により近 ちか いことが判明 はんめい した。このことから、現在 げんざい ではキツネザル類 るい ・ロリス類 るい をまとめて「曲 きょく 鼻 はな 猿 ざる 類 るい (曲 きょく 鼻 はな 猿 ざる 亜 あ 目 め 、曲 きょく 鼻 はな 類 るい 、曲 きょく 鼻 はな 亜 あ 目 め )」、メガネザル類 るい を含 ふく むその他 た の霊長 れいちょう 類 るい を「直 ちょく 鼻 はな 猿 ざる 類 るい (直 ちょく 鼻 はな 猿 ざる 亜 あ 目 め 、直 ちょく 鼻 はな 類 るい 、直 ちょく 鼻 はな 亜 あ 目 め )」と呼 よ び、正式 せいしき な分類 ぶんるい 体系 たいけい では、「原猿 げんえん 類 るい 」という名称 めいしょう は用 もち いなくなっている[15] 。
以下 いか の分類 ぶんるい ・和名 わみょう は、日本 にっぽん モンキーセンター霊長 れいちょう 類 るい 和名 わみょう 編纂 へんさん ワーキンググループ (2018) に従 したが う[4] 。ただしほとんどの和名 わみょう は共通 きょうつう するが、下目 しため の和名 わみょう については川田 かわた ら (2018) に従 したが った[5] 。
霊長 れいちょう 類 るい の最古 さいこ の化石 かせき は、白 はく 亜紀 あき 末期 まっき の北 きた アメリカ西部 せいぶ から発見 はっけん されており、プレシアダピス類 るい (偽 にせ 霊長 れいちょう 類 るい )と呼 よ ばれる。このように、霊長 れいちょう 類 るい の進化 しんか は約 やく 6,500万 まん 年 ねん 前 まえ 、白 はく 亜紀 あき 末期 まっき 頃 ごろ に始 はじ まったと考 かんが えられている[16] 。
新生代 しんせいだい に入 はい り暁 あかつき 新 しん 世 よ になるとアダピス類 るい とオモミス類 るい が繁栄 はんえい した。いずれもまだ原始 げんし 的 てき な種類 しゅるい で、アダピス類 るい は後 ご の曲 きょく 鼻 はな 猿 ざる 類 るい に、オモミス類 るい が直 ちょく 鼻 はな 猿 ざる 類 るい に進化 しんか したと考 かんが えられる。直 ちょく 鼻 はな 亜 あ 目 め と曲 きょく 鼻 はな 亜 あ 目 め の分岐 ぶんき と同 どう 時期 じき の6,300万 まん 年 ねん 前 まえ に、直 ちょく 鼻 はな 亜 あ 目 め はL-グロノラクトンオキシダーゼ (ビタミンC 合成 ごうせい 酵素 こうそ )の酵素 こうそ 活性 かっせい を失 うしな っている[17] 。
アダピス類 るい とオモミス類 るい はヨーロッパと北 きた アメリカに分布 ぶんぷ したが、何 なん らかの環境 かんきょう 要因 よういん によって北 きた アメリカの霊長 れいちょう 類 るい は絶滅 ぜつめつ し、以降 いこう 、ユーラシアとそれに近接 きんせつ していたアフリカという旧 きゅう 世界 せかい の大陸 たいりく を舞台 ぶたい に霊長 れいちょう 類 るい の進化 しんか は進 すす んだ。曲 きょく 鼻 はな 亜 あ 目 め の一部 いちぶ は海 うみ によって他 た の大陸 たいりく から隔絶 かくぜつ されていたマダガスカル島 とう にアフリカから進出 しんしゅつ し(恐 おそ らくは流木 りゅうぼく 等 とう に掴 つか まっての漂着 ひょうちゃく )、キツネザル類 るい に進化 しんか していった。
その後 ご 、直 ちょく 鼻 はな 亜 あ 目 め が中新 ちゅうしん 世 よ にはアジア・アフリカに住 す む狭 せばま 鼻 はな 猿 ざる 類 るい と南 みなみ アメリカの広 こう 鼻 はな 猿 ざる 類 るい とに分 わ かれる。上述 じょうじゅつ のように北 きた アメリカの猿 さる 類 るい は絶滅 ぜつめつ したので、南米 なんべい の広 こう 鼻 はな 猿 ざる 類 るい の祖先 そせん はアフリカから渡 わた って来 き たとの説 せつ が有力 ゆうりょく である(当時 とうじ 、アフリカ大陸 たいりく と南米 なんべい 大陸 たいりく は既 すで に分裂 ぶんれつ していたが、両 りょう 大陸 たいりく 間 あいだ の大西洋 たいせいよう は現在 げんざい と比較 ひかく すれば狭 せま く、距離 きょり は近 ちか かった。そのため小型 こがた の猿 さる 類 るい ならば流木 りゅうぼく 等 とう を使 つか って漂着 ひょうちゃく できた可能 かのう 性 せい がある)。広 こう 鼻 はな 猿 ざる 類 るい の祖先 そせん やテンジクネズミ上 うえ 科 か の祖先 そせん がアフリカでできた浮島 うきしま に乗 の って大西洋 たいせいよう を流 なが されて南米 なんべい 大陸 たいりく に到着 とうちゃく したという説 せつ も紹介 しょうかい されている[18] 。真猿 しんえん 下目 しため の狭 せま 鼻 はな 猿 ざる 類 るい (旧 きゅう 世界 せかい ザル)と広 こう 鼻 はな 猿 ざる 類 るい (新 しん 世界 せかい ザル)とが分岐 ぶんき したのは3,000-4,000万 まん 年 ねん 前 まえ と言 い われている[19] [20] 。
人間 にんげん の錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう (S, M, L) と桿体細胞 さいぼう (R) が含 ふく む視 し 物質 ぶっしつ の吸収 きゅうしゅう スペクトル
脊椎動物 せきついどうぶつ の色覚 しきかく は、網膜 もうまく の中 なか にどのタイプの錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう を持 も つかによって決 き まる。魚類 ぎょるい 、両生類 りょうせいるい 、爬虫類 はちゅうるい 、鳥類 ちょうるい には4タイプの錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう (4色 しょく 型 がた 色覚 しきかく )を持 も つものが多 おお い。よってこれらの生物 せいぶつ は長波 ちょうは 長 ちょう 域 いき から短波 たんぱ 長 ちょう 域 いき である近 きん 紫外線 しがいせん までを認識 にんしき できるものと考 かんが えられている。一方 いっぽう ほとんどの哺乳類 ほにゅうるい は錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう を2タイプ(2色 しょく 型 がた 色覚 しきかく )しか持 も たない。爬虫類 はちゅうるい の祖先 そせん から枝分 えだわ かれした哺乳類 ほにゅうるい の祖先 そせん は当初 とうしょ は4タイプ全 すべ ての錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう を持 も っていたと思 おも われるが、2億 おく 2500万 まん 年 ねん 前 まえ には、最初 さいしょ の真 しん の哺乳類 ほにゅうるい と言 い われるアデロバシレウス が出現 しゅつげん した。これら初期 しょき の哺乳類 ほにゅうるい は(恐竜 きょうりゅう などの爬虫類 はちゅうるい との競争 きょうそう を避 さ けたことで)主 おも に夜行 やこう 性 せい であったため、色覚 しきかく は生存 せいぞん に必須 ひっす ではなかった。結果 けっか 、4タイプのうち2タイプの錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう を失 うしな い、青 あお を中心 ちゅうしん に感知 かんち するS錐 きり 体 たい と赤 あか を中心 ちゅうしん に感知 かんち するL錐 きり 体 たい の2錐 きり 体 たい のみを保有 ほゆう するに至 いた った。これは赤 あか と緑 みどり を十分 じゅうぶん に区別 くべつ できないいわゆる「赤 あか 緑色 みどりいろ 盲 めくら 」の状態 じょうたい である。この色覚 しきかく が哺乳類 ほにゅうるい の子孫 しそん に遺伝 いでん 的 てき に受 う け継 つ がれることとなった[21] 。
ヒトを含 ふく む旧 きゅう 世界 せかい の霊長 れいちょう 類 るい (狭 せま 鼻 はな 猿 ざる 類 るい )の祖先 そせん は、約 やく 3000万 まん 年 ねん 前 まえ 、X染色 せんしょく 体 たい にL錐 きり 体 たい から変異 へんい した緑 みどり を中心 ちゅうしん に感知 かんち する新 あら たなタイプの錐 きり 体 たい (M錐 きり 体 たい )視 し 物質 ぶっしつ の遺伝子 いでんし が出現 しゅつげん し、ヘテロ接合 せつごう 体 たい の2本 ほん のX染色 せんしょく 体 たい を持 も つメスのみが3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を有 ゆう するようになり、さらにヘテロ接合 せつごう 体 たい のメスにおいて相 あい 同 どう 組 くみ 換 か え による遺伝子 いでんし 重複 じゅうふく の変異 へんい を起 お こして同一 どういつ のX染色 せんしょく 体 たい 上 じょう に2タイプの錐 きり 体 たい 視 し 物質 ぶっしつ の遺伝子 いでんし が保持 ほじ されることとなりX染色 せんしょく 体 たい を1本 ほん しか持 も たないオスも3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を有 ゆう するようになった。これによって、第 だい 3の錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう が「再生 さいせい 」された。3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく はビタミンCを豊富 ほうふ に含 ふく む色 いろ 鮮 あざ やかな果実 かじつ 等 とう の発見 はっけん に有利 ゆうり だったと考 かんが えられる[19] [21] 。
時代 じだい を下 くだ ってヒトの色覚 しきかく の研究 けんきゅう 成果 せいか により、ヒトが属 ぞく する狭 せま 鼻 はな 猿 ざる 類 るい のマカク類 るい に色盲 しきもう がヒトよりも非常 ひじょう に少 すく ないことを考慮 こうりょ すると、ヒトの祖先 そせん が狩猟 しゅりょう 生活 せいかつ をするようになり3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく の優位 ゆうい 性 せい が低 ひく くなり、2色 しょく 型 がた 色覚 しきかく の淘汰 とうた 圧 あつ が下 さ がったと考 かんが えられる[21] 。色盲 しきもう の出現 しゅつげん 頻度 ひんど は狭 せま 鼻 はな 猿 ざる 類 るい のカニクイザル で0.4%、チンパンジー で1.7%である[19] 。広 こう 鼻 はな 猿 ざる 類 るい でもヨザルは1色 しょく 型 がた 色覚 しきかく であり、ホエザルは狭 せま 鼻 はな 猿 ざる 類 るい と同様 どうよう に3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を再 さい 獲得 かくとく している[19] [22] とされている。他方 たほう 、ホエザルは一様 いちよう な3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく ではなく、高度 こうど な色覚 しきかく 多 た 型 がた であるとの指摘 してき もある[23] 。これらのヨザル、ホエザルを除 のぞ き残 のこ りの新 しん 世界 せかい ザル(広 こう 鼻 はな 下目 しため )はヘテロ接合 せつごう 体 たい のX染色 せんしょく 体 たい を2本 ほん 持 も つメスのみが3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を有 ゆう し、オスは全 すべ て色盲 しきもう である。これは狭 せま 鼻 はな 下目 しため のようなX染色 せんしょく 体 たい 上 じょう での相 あい 同 どう 組 くみ 換 か えによる遺伝子 いでんし 重複 じゅうふく の変異 へんい を起 お こさなかったためである[19] 。ヒトは上記 じょうき のような初期 しょき の哺乳類 ほにゅうるい と霊長 れいちょう 目 め 狭 せま 鼻 はな 下目 しため の祖先 そせん のX染色 せんしょく 体 たい の遺伝子 いでんし 変異 へんい を受 う け継 つ いでいるため、L錐 きり 体 たい のみを保持 ほじ したX染色 せんしょく 体 たい に関連 かんれん する赤 あか 緑色 みどりいろ 盲 めくら が伴 とも 性 せい 劣性 れっせい 遺伝 いでん をする。男性 だんせい ではX染色 せんしょく 体 たい の赤 あか 緑色 みどりいろ 盲 めくら の遺伝子 いでんし を受 う け継 つ いでいると色盲 しきもう が発現 はつげん し、女性 じょせい では2本 ほん のX染色 せんしょく 体 からだ とも赤 あか 緑色 みどりいろ 盲 めくら の遺伝子 いでんし を受 う け継 つ いでいる場合 ばあい に赤 あか 緑色 みどりいろ 盲 めくら が発現 はつげん する[24] 。なお、日本人 にっぽんじん では男性 だんせい の4.50%、女性 じょせい の0.165%が先天 せんてん 赤 あか 緑色 みどりいろ 覚 さとし 異常 いじょう で、白人 はくじん 男性 だんせい では約 やく 8%が先天 せんてん 赤 あか 緑色 みどりいろ 覚 さとし 異常 いじょう であるとされる(詳細 しょうさい は「色覚 しきかく 異常 いじょう 」を参照 さんしょう のこと。)。
狭 せま 鼻 はな 猿 ざる 類 るい と広 こう 鼻 はな 猿 ざる 類 るい の分岐 ぶんき からさらに時代 じだい を下 くだ って、ヒト上 うえ 科 か とオナガザル上 うえ 科 か が分岐 ぶんき したのは、2,800万 まん 年 ねん から2,400万 まん 年 ねん 前 まえ 頃 ごろ であると推定 すいてい されている[25] [26] 。この際 さい に、尿 にょう 酸 さん オキシダーゼ活性 かっせい が消失 しょうしつ したものと推定 すいてい される[27] 。尿 にょう 酸 さん オキシダーゼ活性 かっせい の消失 しょうしつ の意味 いみ 付 づ けは、尿 にょう 酸 さん が抗 こう 酸化 さんか 物質 ぶっしつ として部分 ぶぶん 的 てき にビタミンCの代用 だいよう となるためである[28] 。しかし、ヒトを含 ふく むヒト上 うえ 科 か では、尿 にょう 酸 さん オキシダーゼ活性 かっせい の消失 しょうしつ により難 なん 溶性 ようせい 物質 ぶっしつ である尿 にょう 酸 さん をより無害 むがい なアラントイン に分解 ぶんかい できなくなっているため尿 にょう 酸 さん が体内 たいない で析出 せきしゅつ する痛風 つうふう に罹患 りかん することがある。
その後 ご の人類 じんるい への進化 しんか については人類 じんるい の進化 しんか を参照 さんしょう のこと。
人間 にんげん との関係 かんけい [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん の霊長 れいちょう 類 るい 研究 けんきゅう [ 編集 へんしゅう ]
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご 、今西 いまにし 錦司 きんじ らが宮崎 みやざき 県 けん の幸島 こうしま (こうじま)および高崎山 たかさきやま で野生 やせい ニホンザル 群 ぐん の餌付 えづ けに成功 せいこう して以来 いらい 、日本 にっぽん の霊長 れいちょう 類 るい 研究 けんきゅう は飛躍 ひやく 的 てき な発展 はってん を遂 と げた。今西 いまにし らのニホンザルの文化 ぶんか 的 てき 行動 こうどう についての研究 けんきゅう は世界中 せかいじゅう から注目 ちゅうもく され、その後 ご の霊長 れいちょう 類 るい 研究 けんきゅう の方向 ほうこう 性 せい に重大 じゅうだい な指針 ししん を与 あた えた。
その後 ご もニホンザルにとどまらず、伊谷 いたに 純一郎 じゅんいちろう など多 おお くの日本人 にっぽんじん が、ゴリラ 、チンパンジー 、ボノボ などの類人猿 るいじんえん をはじめ、東南 とうなん アジア からインド にかけてのオナガザル 、南米 なんべい における新 しん 世界 せかい ザルなど、ほとんどすべてのサルを網羅 もうら したフィールドワーク を行 おこな い、先導 せんどう 的 てき な研究 けんきゅう を続 つづ けている。
日本 にっぽん のサル学 がく は生態 せいたい 学 がく 的 てき 研究 けんきゅう だけでなく、社会 しゃかい 学 がく [独自 どくじ 研究 けんきゅう ? ] 、生理学 せいりがく 、遺伝 いでん 学 がく 、形態 けいたい 学 がく 、運動 うんどう 学 がく など多岐 たき に渡 わた り、主 おも に京都大学 きょうとだいがく や大阪大学 おおさかだいがく において今日 きょう も活発 かっぱつ な研究 けんきゅう がなされている。
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