チラリズム

チラリズムとは、全裸ぜんらや性器せいきの露出ろしゅつといった直接的ちょくせつてきな性的せいてきアプローチではなく、時間じかん的てきもしくは空間くうかん的てきな制約せいやくの中なかで、偶発ぐうはつ的てきに目めに入はいる下着したぎや素肌すはだなどが醸かもし出だす淡あわい色気いろけの方ほうに興奮こうふんする性的せいてき嗜好しこうを指さす。

概略がいりゃく[編集へんしゅう]

言葉ことばの起源きげんは、女優じょゆうの浅香あさか光代みつよが剣劇けんげき芝居しばいの立たち回まわりを行おこなう際さいにチラリと見みえる太ふとももが醸かもし出だすエロティシズムを新聞しんぶん記者きしゃが表現ひょうげんした造語ぞうごとされる^[1]。1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）の流行りゅうこう語ごになった。

浅香あさか光代みつよの著書ちょしょには、1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）に浅草あさくさの松竹しょうちく演芸えんげい場じょうに女剣劇おんなけんげきで初はつ出演しゅつえんするに当あたり、当時とうじ全盛ぜんせいだったストリップに対抗たいこうするために、“エロにはエロをだ。ストリツプ・シヨウが、そのものズバリの舶来はくらいのエロなら、私わたしは、チラリチラリのチラリズムのニツポン的てきなお色気いろけでいつてやろう。”と、決意けついの上うえでのちらっと見みせだったことが語かたられている^[2]。

近代きんだい以前いぜん、洋ようの東西とうざいを問とわず女性じょせいの肌はだの露出ろしゅつは社会しゃかい的てきな一種いっしゅの禁忌きんきとなっていたため、女性じょせいの隠かくされた素肌すはだに対たいする性的せいてき興味きょうみや性的せいてき好奇心こうきしんは抑圧よくあつされてきたが、一部いちぶに性的せいてき嗜好しこうとして好事家こうずかの興味きょうみ対象たいしょうとなった。

20世紀せいき後半こうはん以降いこう、特とくに、1970年代ねんだいから漫画まんがやテレビドラマの演出えんしゅつ方法ほうほうとして広ひろまり、ごく一般いっぱん的てきな概念がいねんとなった。

おもな別称べっしょう[編集へんしゅう]

パンチラ: パンツがチラリと見みえること。スカートから女性じょせいの下着したぎが見みえた場合ばあいの呼よび名な。
ブラチラ: ブラジャーがチラリと見みえること。薄着うすぎの女性じょせいのデコルテ付近ふきんや、腋わきの下したなどでブラジャーの一部いちぶが見みえた場合ばあいの呼よび名な。
胸むねチラ: 乳房ちぶさ、とくに胸むねの谷間たにまがチラリと見みえること。ただし、水着みずぎなど初はじめからバストラインが見みえるような服装ふくそうをしている場合ばあいは除外じょがいされる。
ハミ乳ちち: 着衣ちゃくいから乳房ちぶさが一部いちぶはみ出だしている状態じょうたいのこと。下部かぶ分ぶんがはみ出だしている場合ばあいは下しも乳ちち、横よこ部分ぶぶんがはみ出だしている場合ばあいは横よこ乳ちち。
チクチラ: 女性じょせいの乳首ちくびがチラリと見みえること。全裸ぜんらにはならないイメージビデオなどで一瞬いっしゅん乳首ちくびが見みえたときにもこの言葉ことばが使つかわれる。
マンチラ: 女性じょせいのまんこ（膣ちつ）が一部いちぶ見みえること。パンティをずらして見みせる場合ばあいもあれば、パンティをはかずにスカートがめくれて一瞬いっしゅん見みえたとき等とうにも使つかわれる。
ブルチラ: ブルマーがチラリと見みえること。
ブリチラ: 短たんパンの裾すその隙間すきまからブリーフがチラリと見みえること。
フンチラ: 男性だんせいの浴衣ゆかたや半纏はんてんからふんどしがチラリと見みえること。
シミチョロ: スカートの裾すそなどにシミーズがチョロリと見みえること。
足あしチラ: 長ながいスカートや袴はかまなどで隠かくされている生なま足あしがチラリと見みえること。
ベロチラ: 女性じょせいの口元くちもとから舌したがチラリと見みえること。